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◇精神3◇
信じる 信じ込む 確信する 信仰する 信用する 信頼する
疑う
怪しむ 危ぶむ
願う 願い出る 期待する 念願する
望む 待ち望む 希望する 待望する 要望する
祈る
拝む
祭る
勉強する
学ぶ 学び取る
練習する 学習する 研修する 稽古する 自習する 実習する 習得する 修行する
専攻する 独学する 勉学する 復習する 予習する
◇みとめる
ものの存在を確かにあると見ること。確かにその通りだと考えること。
人ガ ものヲ みとめる
人影・異状を 認める 事実・必要・誤りを 認める
「認める」は、他人の意見や申し出を適当なものと考えること。あるもの・人を高く評価すること。
異議・外出を 認める 能力・作品を 認める (この用法は「対人」で扱う)
・スル動詞
「意識する」は、自分や周囲の状況をはっきり心でとらえること。
「認識する」は、ある事物の存在を認め、その意義や本質がはっきりわかること。
「否認する」は、事実と認めないこと。正しいものと認めないこと。
◇みなす
「見なす」は、状況を考えてある事物に対してある判断または仮定をすること。特に、そうでない
ものをそうだと考えてみること。
人ガ 人・ものヲ ものト みなす
中学生を大人と見なす その行為は犯罪と見なされる
みとめる(認める) 一(みとめない・みとめます・みとめて・みとめれば・みとめよう)
[1]〔人ガ もの・人ヲ〕
△みとめたい みとめられる みとめるべきだ みとめなくてはならない
みとめようと思う みとめてしまったら みとめてはいけない
みとめられる みとめさせる みとめさせられる
△[こころよく/寛大(かんだい)に]~。
まちがいを[すぐに/やっと/すなおに/いやいや/しぶしぶ]みとめた
[ついに/とうとう/さいごまで/どうしても/けっきょく]みとめなかった
[どうしても/ぜったいに/なにがなんでも]みとめられない
自分の[失敗(しっぱい)/敗北(はいぼく)/負け/誤(あやま)り/過(あやま)ち]を~。
・西山さんは自分の誤りをすなおに認めて、みんなに謝(あやま)った。
・過ちを過ちと認めないこと、それが大きな誤りだ。
〔人ガ 文ヲ〕
・彼女はつくえの上にあった時計(とけい)をとったことを認めた。
[2]〔人ガ 人・ものヲ ものト〕
△[大人/一人前(いちにんまえ)/画家(がか)/作家]と~。
・あき子さんはわかいころから女流作家(じょりゅうさっか)と認められている。
・父は、わたしを大人と認めている。
・シロはわたしを飼い主と認めていないようだ。
・その男は事件(じけん)の場所にあったナイフを自分の物と認めた。
・アキオは、とうとうゆみ子のあかんぼうを自分の子と認めた。
・今回の実験(じっけん)は、完全な失敗と認めざるを得(え)ませんね。
[3]〔人ガ 文ト〕
・その男は、事件(じけん)の場所にあったナイフは自分の物だと認めた。
・田中はお金を受け取ったのは自分だと、ついに認めた。
・警察(けいさつ)は、目撃者(もくげきしゃ)に前の証言(しょうげん)はうそだったと認めさせた。
[4]〔人ガ ものニ ものヲ〕
△[人影(ひとかげ)/異状(いじょう)]を~。
・真夜中(まよなか)のビルにあやしい人影を認めたので、警察(けいさつ)に連絡(れんらく)した。
・あなたの心臓(しんぞう)には何の異状(いじょう)も認められませんよ。心配(しんぱい)すること
はありません。
・胸(むね)に黒い影(かげ)を認めた。
<スル動詞>
[意識(いしき)する] 人ガ 人・ものヲ
・聴衆の反応を意識して、主張を少しやわらかくした。
・優勝を意識し始めてからは、動きが不自然になってしまった。
・どうも彼女のことを意識してしまって、素直に話せない。
〔人ガ 文ヲ/ト〕
・危険が増していることを意識していた。
・皆に避けられているのを意識せずにはいられなかった。
・クマが危険だと意識してはいたのだが、十分ではなかった。
[認識(にんしき)する] 人ガ ものヲ
・人々はその問題の重要性を認識した。
・監視ロボットが不審な物体の存在を認識した。
[~の認識をする]
・この装置が顔の認識をして、登録された人物かどうかをチェックします。
[否認(ひにん)する] 人ガ ものヲ
・警察に逮捕された容疑者は犯行を否認した。
・裁判になって、被告は供述を否認した。犯行の供述を強制されたと言うのである。
[~の否認をする]
・証言記録の否認をした。
みなす(見なす) 五(みなさない・みなします・みなして・みなせば・みなそう)
[1]〔人ガ ものヲ ものト〕
△みなしたい みなしてしまう みなしたほうがいい みなせる みなされる
△[便宜(べんぎ)的に/都合上(つごうじょう)/規定(きてい)上/取締(とりしまり)上]~。
△[違反(いはん)/例外(れいがい)/犯罪(はんざい)/部外者(ぶがいしゃ)]と~。
・中学生以上は大人と見なすことにする。
・この服装(ふくそう)を規定違反と見なすのはおかしい。
・これらの例は、便宜上例外と見なして処理(しょり)することにする。
・無断(むだん)で入ると、侵入者(しんにゅうしゃ)と見なされる。
[2]〔人ガ ものヲ 文(もの)ト〕
・3編の論文をもって基準(きじゅん)を満たすものと見なすという規定に基(もと)づいている。
・一般には実験は失敗(しっぱい)したものと見なされていたが、専門家の意見は違っていた。
・委員会の判断(はんだん)では、今回の数値(すうち)は安全上問題がないと見なされた。
[10]信じる・疑う
人や物事をそうだと思うことと、そうではないかもしれないと思うことを表す動詞。
◇しんじる
「信じる」は、人が、あるもの(の力)や人(が言うこと)、ある物事を正しい、本当だと思うこと。
人ガ 人・ものヲ しんじる
あの人(のことば)を信じる 政府・医者を 信じる 成功・未来を 信じる
自分の目・感覚・運を 信じる 霊魂の存在・神を 信じる
名詞節を受ける。「ト」による引用を受ける。
人ガ 文ヲ/文ト しんじる
みなが助けに来てくれることを信じていた
それが本当だとは信じられない
ヲ格をとり、述語を受ける。
人ガ ものヲ 名詞(だ)/ナ形容詞/イ形容詞 ト しんじる
その絵を本物(だ)と信じている
この説を正しいと信じていた人が多かった
「信ずる」という形もあるが、少し古い言い方。
信ずる者は救われる 信ずれば、叶わぬことなし 信ぜよ
・複合動詞
「信じ込む」は、それが本当だと深く信じて疑わないこと。
・スル動詞
「確信する」は、確かにそうである、そうなると、自分の判断・予測を信じること。
「信用する」は、人の言葉、記事などを正しいものと信じること。
「信頼する」は、人とその能力を頼りにして、自分によくしてくれると信じること。
「信仰する」は、ある宗教を信じること。
◇うたがう
「疑う」は、ある物事がまちがっていないか、事実とは違うのではないか、と思うこと。人や物事
を悪い方に考えること。名詞節・疑問節・引用節を受ける。特に、「~ではないか」の形を引用のト
で受ける文型が特徴的。
人ガ ものヲ うたがう
人の言うことを疑う マスコミを疑う
人ガ 文ではないか ト うたがう
人々がその証言はウソではないかと疑う
◇あやしむ
「怪しむ」は、怪しいと思うこと。疑問節・引用節を受ける。「ヲ格+述語」の形をとる。
人ガ ものヲ あやしむ / 人ガ (ものヲ) 文か(と) あやしむ
意図を怪しむ そのダイヤを本当は偽物じゃないかと怪しむ
◇あやぶむ
「危ぶむ」は、物事がうまくいくかどうか、信じられない気持ちを表す。「危ぶまれる」の形で自
発的な意味を表す。疑問節・引用節を受ける。
人ガ ものヲ あやぶむ / 人ガ 文か(と) あやぶむ
彼らの前途を危ぶむ 日本の将来が危ぶまれる
事故が起こるのではないかと危ぶむ
しんじる(信じる)一(しんじない・しんじます・しんじて・しんじれば・しんじよう)
[1]〔人ガ 人・ものヲ〕
△しんじやすい しんじにくい しんじそうだ しんじてみる しんじてほしい
しんじてもらう しんじてしまう しんじてはいけない しんじなければならない
しんじられない しんじさせる しんじようとする しんじかねる しんじかねない
△[ちょっと/半分/全部/心から/強く/深く/本気(ほんき)で/まじめに]~。
[あまり/まったく/ぜんぜん/ちっとも/ほとんど/まるで]しんじない
△[言葉(ことば)/宗教(しゅうきょう)/迷信(めいしん)/神(かみ)/人の無実(むじつ)]を~。
・彼女はキリスト教を信じている。しかし、イブがアダムの肋骨(ろっこつ)から作られた、という
話はさすがに信じていないらしい。
・私は神の存在を信じない。信じたいとは思うが、どうしても信じられない。
・わたしはあなたの成功を信じています。
・彼の言ったこと(=彼のことば)を信じたいと思うが、事実に合わない点が多すぎる。
・先生の大丈夫だという言葉を信じたが、受けた大学はすべて不合格(ふごうかく)だった。
・「絶対にこの株(かぶ)は値上(ねあ)がりします」という証券会社(しょうけんがいしゃ)の人の言
葉を信じて株を買い、バブル崩壊(ほうかい)でひどい目にあった。うまい話を信じてはいけない。
・人を信じてだまされることより、人を疑(うたが)うことの方が恥(はずか)しいことだ、という。
それは正しい考え方かもしれないが、現実にはひどい詐欺(さぎ)が多いから、信じないほうがい
いことも多い。いやはや、いやな世の中だ。
・子どもたちに夢のある話をするのはいいが、あまり非科学的な話をするのはどうか。子どもはど
んなことでも信じかねないからだ。
・信じようと信じまいと(=信じても信じなくても)君の勝手(かって)だが、たしかにぼくはUFO
(ユーフォー)を見たんだよ。
・錯覚(さっかく)を引き起こす図形(ずけい)がいろいろあるが、ああいうものを見ていると、自分
の目、自分の感覚(かんかく)というものが信じられなくなってくる。
・君のことを信じさせてほしい。信じるぼくを裏切(うらぎ)らないでほしい。
・信じましょう、未来を。
・信ずるものは救(すく)われる、と昔(むかし)から言うじゃないか。信じようよ。
[2]〔人ガ 文ト〕
・私は、ほんの少しずつだけれど、世界は良くなっていくものだと信じている。
・残り時間20分、3対1で負けていたが、まだ勝てると信じていた。
・彼は、正義(せいぎ)は必ず勝つ、と信じているらしい。勝ったほうが正義だ、と言えば言えるし。
・母は私がまだ大学に通っていると信じているようだ。退学(たいがく)になったとは言えなくて。 もう少し信じさせておこう。
・こんな方法で安全だとは信じられない。世間(せけん)の人は、大丈夫だと信じ込まされているだ
けなんじゃないか。
・私が一番だなんて(=だとは)とても信じられない。
・あの丈夫な人が病気にかかったなんて、信じられますか。
・この仕事を3日間で全部やったなんて、信じろというのがむりな話だ。なんてすごいやつなんだ。
〔ものヲ ものだト〕
・その男の話を本当だと信じてしまい、金を渡してしまった。
・家族だけは彼を無実(むじつ)だと信じ、再審(さいしん)を請求(せいきゅう)し続けた。
<複合動詞:しんじ->
[しんじこむ] 人ガ ものヲ
・彼の話があまりしんにせまっていたので、すっかり信じ込んでしまった。
・ちょっと冗談で言ったことをみんなに信じ込まれ、あとで訂正するのが大変だった。
噂・記事・権威・言葉・言い分・評判・重役を 頭から 一途に 疑いなく
<スル動詞>
[確信(かくしん)する] 人ガ ものヲ
・追加点を入れた時、チームの勝利を確信しました。
〔人ガ 文ヲ/ト〕
・実験の結果を見て、自分の理論が正しいことを確信した。
・この金で幸せな生活が得られると確信していた。
合格・成功・入選・没落・未来・無罪を 夫の浮気を
[信用(しんよう)する] 人ガ 人・ものヲ
・人を信用しなければ、人に信用されない。
・新聞やテレビのニュースを信用していいかどうか、かなり疑わしい。
話・相手・お互い・記事・言葉・自白・証言・世間・他人・話の中身を 頭から すっかり
[信頼(しんらい)する] 人ガ 人ヲ
・あなたは誰をいちばん信頼しますか。
・村長さんは村のみんなに信頼されている。
・組織を信頼しないほうがいい。組織は個人を裏切るものだ。
相手・大人・自分・先生・上司・組織・妻を 意見・手腕・やり方を 心から 深く
[信仰(しんこう)する] 人ガ ものヲ
・あなたはどんな宗教を信仰していますか。
・キリスト教を信仰する人々が遠い国から日本にやってきた。
うたがう(疑う) 五(うたがわない・うたがいます・うたがって・うたがえば・うたがおう)
[1]〔人ガ 人・ものヲ〕
△うたがいがちだ うたがってはいけない うたがってみる うたがうべきだ
うたがわせる うたがわれる うたがおうとしない うたがえ! うたがうな!
△[少し/かなり/深く/軽く/いつも/ときどき/いちいち/むやみに/まるで]~。
△[友だち/夫/妻/子ども/部下(ぶか)/友人/警察(けいさつ)/政府(せいふ)]を~。
[ニュース/新聞/ことば/自分の耳(みみ)/人の心/浮気(うわき)/事実(じじつ)]を~。
・私を疑うなんて、ひどい。
・どうも私のかんちがいだったようだ。あなたを疑って悪かった。
・その時以来(いらい)、マスコミが信じられなくなり、すべてを疑うようになってしまった。
・A:あなたはわたしの言うことを疑っているね。
B:あなたを信(しん)じる人など前からいませんよ。
・科学的思考(しこう)の出発点(しゅっぱつてん)は、まず疑うこと、です。どうしてそうなるのか、
これまでの説明でいいのか、などなどを疑ってみることから科学は始まります。
・先生は変なことを言う。まず先生の言うことを疑え、だって。「疑え」っていうことばを疑うっ
ていうことは、つまり疑わないこと?? パラドックス、って、こういうこと?
・先生、子どもは人を疑うことを知らないのだから、変なことを教えないでください。
・そんなことを言うとあなたの常識(じょうしき)を疑われるよ。
・政治家のことばを疑おうとしない人が多くいるということが驚きだった。
・友だちがあまり変なことを言うので自分の耳を疑った。
・この事実は、疑えない。
〔文か(どうか)(ヲ)〕
・必ず帰ってくると彼は約束(やくそく)したけれど、彼女は本当に帰ってくるか疑っていた。
・西山さんは三日でできると言ったが、三日でできるかどうか(を)疑っている人が多い。
・お金を返せるかどうか疑われるような経営状態であるというのは、たしかにそうです。
[2]〔人ガ 文かト〕
・警察(けいさつ)では、さいしょに火事(かじ)を見つけた男が実(じつ)は犯人(はんにん)ではない
かと疑っている。
・本当は30を越えてるんじゃないか、って疑う人が多いみたいだけど、まだ29才よ。
・これでいいんだろうか、と内心(ないしん)疑う気持ちがあったが、抑えてしまった。
あやしむ(怪しむ) 五(あやしまない・あやしみます・あやしんで・あやしめば・あやしもう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△あやしんだほうがいい あやしむべきではない あやしまれる あやしむな!
△[意図(いと)/履歴(りれき)/本心(ほんしん)/二人の仲(なか)/信頼性(しんらいせい)]を~。
・彼のことばを怪しむ者たちは、次第(しだい)に遠ざけられていった。
・みんなが二人の仲を怪しんでいたら、ついに婚約(こんやく)発表(はっぴょう)となった。
・公安(こうあん)関係者は、大使館の書記官(しょきかん)の出自(しゅつじ)を怪しんでいた。
・会社の幹部(かんぶ)が情報(じょうほう)の信頼性を怪しんで、対応措置(たいおうそち)をとらな
かったことが、後で大きな損失(そんしつ)を招(まね)くこととなった。
[2]〔人ガ 人・ものヲ ものト〕
・隣人(りんじん)が彼を誘拐犯(ゆうかいはん)と怪しんで警察(けいさつ)に通報(つうほう)した。
・裁判官(さいばんかん)は彼の証言(しょうげん)を偽証(ぎしょう)と怪しんでいるようだった。
・不審(ふしん)な人物(じんぶつ)と怪しまれないような服装で行ったほうがいいだろう。
[3]〔人ガ 文(か)ト〕
・本当のことを言えば言うほど、ウソじゃないかと怪しまれる結果になった。
・あの二人は最近付き合っているんじゃないかと皆(みな)が二人の仲を怪しんでいる。
・皆が彼は正気(しょうき)かと怪しむほど、彼の行動は異常(いじょう)だった。
・裏(うら)ではみんなつながっているんだろうと怪しんでいたら、やっぱりそうだった。
あやぶむ(危ぶむ) 五(あやぶまない・あやぶみます・あやぶんで・あやぶめば)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△あやぶむことがおおい あやぶまれている
△[実現(じつげん)/将来/情勢(じょうせい)/手腕(しゅわん)/能力(のうりょく)]を~。
[会議の開催(かいさい)/事業の成功(せいこう)/その日の天候(てんこう)]が危ぶまれる
・担当者(たんとうしゃ)、つまり私の能力不足(ぶそく)を危ぶむ声もあったが、何とか乗り切った。
・妹の身の上(みのうえ)を危ぶむ人たちは、どうにかして結婚させようとしていた。
・年をとり、自分の健康を危ぶむ気持ちが徐々(じょじょ)に高まってきた。
・台風(たいふう)の接近(せっきん)でマラソン大会の実施(じっし)が危ぶまれている。
〔人ガ 文か(どうか)(ヲ)〕
・参加者(さんかしゃ)みんなが、いい天気に恵(めぐ)まれるかどうか(を)危ぶんでいる。
・この政府の政策(せいさく)で、本当に底辺(ていへん)の人たちが救(すく)われるのかどうか、危
ぶむ気持ちを抑えられない。
[2]〔人ガ 文(か)ト〕
・委員長は今日の会議が無事(ぶじ)開催できるだろうかと危ぶんでいる。
・この計画はうまくいくのだろうかと危ぶむ心を抑(おさ)えて、準備(じゅんび)を進めた。
・何か問題が起こるのではないかと危ぶんでいる人は多い。
・こんな調子(ちょうし)でやっていったら、いったいこの先どうなるんだと危ぶむ気持ちもある。
・彼は大丈夫だと言っているが、どう考えてもやっぱり無理(むり)だろうと危ぶんでしまう。
◇ねがう
「願う」は、そうなればいいと強く思うこと。それを人や神仏に伝えて、その実現を頼むこと。
人ガ 人・ものニ ものヲ 願う
平和を心に願う 神に家族の安全を願う 募金をお願いします
文相当の内容を受ける。引用の「と」をとる。「よう(に)」をとることができる。
人ガ (人・ものニ) 文ことヲ/文ト/文ヨウ(ニ) 願う
うまくいくことを願う やってほしいと願った やめるようお願いした
人や神仏に頼む場合は「お願いする」の形がよく使われる。
・複合動詞
「願い出る」は、訳書や組織の目上の人に願いを申し出ること。
・スル動詞
「期待する」は、将来のよい結果やよい状態の実現を心から待つこと。特に、他人が自分の望むよ
うに行動することを心で願うこと。
「念願する」は、あることの実現をいつも願っていること。
◇のぞむ
「望む」は、自分や世の中のことについてこうなりたい、こうであってほしいと思う、人に何かを
してほしいと思うこと。文相当の内容を受ける。
人ガ (人・ものニ) ものヲ 望む
家庭の幸福を望む 平和を望む 夫に出世を望む 戦争がなくなることを望む
・複合動詞
「待ち望む」は、あるもの、あることを期待して待つこと。書きことば。
・スル動詞
「希望する」は、自分がこうなりたい、人にこうしてほしいと望むこと。
「待望する」は、あることの実現や出現を待ち望むこと。
「要望する」は、人にこうしてほしいと望むこと。
◇いのる
「祈る」は、よいことが起こるように神仏に願うこと。(人のために)心に強く願うこと。
人ガ ものニ ものヲ 祈る
神に妹家族の幸せを祈る (あなたの)航海の無事を祈ります
文相当の内容を受ける。引用の「と」をとる。「よう(に)」をとることができる。
人ガ (ものニ) 文ことヲ/文ト/文ヨウ(ニ) 祈る
実験が成功することを祈る 合格させてくださいと祈る うまくいくよう祈る
☆日本人は、何かの宗教を信じていなくても「祈る」ということばを使うことがある。
◇おがむ
「拝む」は、(神仏などに対して)左右の手のひらを合わせて礼をすること。
人ガ ものヲ おがむ
手を合わせて仏像を拝む
◇まつる
「祭る」は、神仏としてあがめ、一定の場所に安置すること。神霊をなぐさめる儀式をすること。
人ガ ものヲ (所ニ) まつる
阿弥陀仏を本堂に祭る 死者を祭る
ねがう(願う) 五(ねがわない・ねがいます・ねがって・ねがえば・ねがおう)
[1]〔人ガ (人・ものニ) ものヲ〕
△ねがってみる ねがおうと思う ねがわせる おねがいする
△[どうか/どうぞ/心から/本当に/くれぐれも/かならず/ぜひとも]お願いします
△[手伝(てつだ)い/参加(さんか)/募金(ぼきん)/援助(えんじょ)]をお願いする
[無事(ぶじ)/安全/成功(せいこう)/到着(とうちゃく)/発展(はってん)/平和]を~。
・子どもの無事を、心から願っていた。
・画家(がか)は、人類(じんるい)の平和と発展を願って、この絵を描いたのです。
・ご協力(ごきょうりょく)をお願いします。(=たのむ)
・ちょっとお願いしたいことがあるんですが。
・ちょうど良い時に来てくれた。あなたにも何かお手伝いをお願いしようと思っていたところです。
・ひとこと、ご挨拶(あいさつ)をお願いします。
〔文ヲ〕
・世界が平和であることを、心から願っているのですが。
・わかい妻(つま)は、年老(としお)いた夫(おっと)が早く死んでくれることを心の中で願っていた。
〔文ヨウニ〕
・あなたの病気が早くなおるように願っています。
・早くお金を返してくれるようにその方にお願いしているが、なかなか返してくれない。
[2]〔人ガ (人・ものニ) 文ト〕
・「ぜひもう一度いらしてください」とあの方にお願いした。
・「どうか宝(たから)くじが当たりますように」と願った夢(ゆめ)がとうとう実現(じつげん)した。
・「どうかもう一度あの人に会わせてくださいませ」と神様(かみさま)にお願いした。
<複合動詞:ねがい->
[ねがいでる] 人ガ 人ニ ものヲ
・一週間の休暇を願い出たが、認められなかったので、会社を辞めた。
・農民たちは小作料の引き下げを願い出、受け入れられないと一揆を起こした。
閲覧・帰国・帰省・休暇・休学・許可・再検討・辞任・借用・免除を 上司に
<スル動詞>
[期待(きたい)する] 人ガ 人ニ ものヲ
・彼は、彼女に優しい言葉を期待していたのだが、彼女は現れなかった。
・われわれは彼のシュート力に期待していた。
・旅行のおみやげ、期待していますからね! (あなたニ・おみやげヲ)
〔人ガ (人ニ) 文ヲ〕
・みなさんが、みなさんの国と日本とを結ぶパイプとなってくれることを期待します。
・ヤクルトが優勝することを期待するなんて、焼いたサンマに生き返って泳ぐことを期待するよう
なものですよ。
[念願(ねんがん)する] 人ガ ものヲ
・判決の確定は、問題の早期解決を念願してきた被害者達にとって、大きな喜びとなった。
〔文ヲ〕
・私はあの二人が結ばれることを念願していたんだ。うまくいってよかった。
のぞむ(望む) 五(のぞまない・のぞみます・のぞんで・のぞめば・のぞもう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△のぞみたい のぞんでしまう のぞんではいけない のぞまないほうがいい
のぞむべきではない のぞまれる
△[少し/強く/心から]~。[あまり/それほど/ぜんぜん/まったく]のぞまない
△[平和/幸(しあわ)せ/長生(ながい)き/成功(せいこう)/優勝(ゆうしょう)/出世(しゅっせ)
/夢(ゆめ)の実現(じつげん)/物価(ぶっか)の安定/記録(きろく)更新(こうしん)]を~。
・だれでも家庭(かてい)的な幸せを望むものです。
・私は長生きを望まない。たとえ短くても、夢の実現を望んで生きていければ、それでいい。
・人の失敗(しっぱい)を望むとは見下(みさ)げた男だ。
・国民は安定した政治を望んでいるのですが、しっかりした政治家(せいじか)がいないのです。
〔文ヲ〕
・一日も早く、世界が平和になることを望みます。
・きみの病気(びょうき)が早くよくなることをみんな望んでいる。
[2]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
△[成功(せいこう)/更生(こうせい)]を~。
・母はわたしにピアニストとしての成功(せいこう)を望んでいたのです。
・みんながきみに望んでいることは、立派(りっぱ)に更生することだよ。
・妻は私に出世(しゅっせ)を望んでいるようだが、私にはその気がない。
〔人ニ 文ヲ〕
・じょうずに書くことは望まないから、せめて字をていねいに書いてほしい。
・君たちにはベストを尽(つ)くすことを望みたい。
<複合動詞:-のぞむ>
[まちのぞむ] 人ガ ものヲ/文ヲ
・世界の多くの人は、世界に平和が来ることを待ち望んでいます。
・心ひそかに独裁政権が倒れ、革命が起こることを待ち望んでいた。
革命・出現・到来・発生・収穫期・愛・手当・抱擁を 心ひそかに 切実に
<スル動詞>
[希望(きぼう)する] 人ガ ものヲ
・私は留学を希望しています。
・私は関西(かんさい)勤務を希望します。
〔人ガ 文ヲ〕
・母は私が早く結婚することを希望している。
・一日も早く世界に平和が訪れることを希望します。
[待望(たいぼう)する] 人ガ ものヲ
・彼こそが時代が待望していたニューヒーローだ。
〔人ガ 文ヲ〕
・政権交代で、大きな変革が起こることを待望していたが、望みは裏切られた。
[要望(ようぼう)する] 人ガ 人ニ ものヲ
・労働者は待遇改善を要望して、経営者と話し合いを行った。
・県は国に多くのことを要望したが、何も実現しなかった。
[~の要望をする]
・経費援助の要望を市役所にしたが、相手にされなかった。
いのる(祈る) 五(いのらない・いのります・いのって・いのれば・いのろう)
[1]〔人ガ (神仏ニ) ものヲ〕
△いのりたい いのってほしい いのってみる いのってはいけない
いのらなければいけない いのるべきだ いのらせる いのろうとする
いのれ! いのるな! いのれない おいのりする
△[心から/真剣(しんけん)に/いっしょうけんめい/まじめに/ひそかに]~。
△[成功(せいこう)/健康(けんこう)/病気の全快(ぜんかい)]を~。
[ご幸福(こうふく)/ご活躍(かつやく)/ご健闘(けんとう)]をおいのりします
・むすこの無事(ぶじ)を神(かみ)に祈った。
・計画(けいかく)の御成功を祈っております。
・一日も早い退院(たいいん)をお祈りしています。
・御家族(ごかぞく)の御無事をお祈りいたします。
〔文ヲ〕
・しごとが順調(じゅんちょう)にすすむことを神仏(しんぶつ)に祈るだけだ。
〔文ヨウ(ニ)〕
・子どもが元気にそだつように仏(ほとけ)に祈った。
・あなたが一日も早くよくなるよう(に)祈っています。
・旅行中に何ごともないよう(に)祈ります。
・今回の選挙(せんきょ)で山口さんが当選(とうせん)するよう(に)祈ろう。
[2]〔人ガ 文ト (神仏ニ)〕
・「どうか合格(ごうかく)させてください!」と神様(かみさま)に祈った。
・どうかあの人にもう一度会わせてくださいと神や仏に祈った。
おがむ(拝む) 五(おがまない・おがみます・おがんで・おがめば・おがもう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△おがんでおく おがまなければいけない おがもうと思う おがませる おがめ!
△[静かに/心をこめて/敬虔(けいけん)に/いい加減(かげん)な気持ちで/いやいや]~。
△[神(かみ)/神様(かみさま)/仏様(ほとけさま)/朝日(あさひ)/神棚(かみだな)]を~。
・母は、父のお墓(はか)の前で長い間拝んでいた。
・小さいころから、わけもわからず親に言われるままに神様を拝ませられていた。多くの人にとっ
て、宗教(しゅうきょう)というのはこういうものなんだと後になって思った。
・神社(じんじゃ)へ行って、神殿(しんでん)の前で手を合わせ拝むというのは、日本人として自然
なことだが、では本当に神を信じているのかというと、また少し違(ちが)うようだ。
・人々は山の頂上(ちょうじょう)で朝を迎え、日の出(ひので)に向かって拝んでいた。
・この村には樹齢(じゅれい)千年の大木(たいぼく)を神木(しんぼく)として拝む風習(ふうしゅう)
がある。
・手を合わせて拝まれたりしたら、ちょっとぐらいの金は貸さないわけにはいかない。
・千万円の札束(さつたば)って見たことないんですが、ちょっとだけ拝ませてもらえませんか。
まつる(祭る) 五(まつらない・まつります・まつって・まつれば・まつろう)
[1]〔人・ものガ 人・ものヲ (所ニ)〕
△まつりたい まつっておく まつらなければならない まつられる まつるな!
△[丁寧(ていねい)に/感謝(かんしゃ)を込めて/丁重(ていちょう)に/手厚(てあつ)く]~。
△[神/霊(れい)/魂(たましい)/祖先(そせん)/位牌(いはい)/三種の神器(じんぎ)]を~。
・彼は祖先の霊を心を込めて祭った。
・この神社(じんじゃ)では、毎年秋にこの土地の神を祭るためのお祭りをやっている。
・乃木(のぎ)神社は乃木大将(たいしょう)を祭っている。
・靖国(やすくに)神社がA級戦犯(せんぱん)を祭っていることに関して、強い批判(ひはん)がある。
・数多くの戦死者(せんししゃ)がここに祭られていて、遺族(いぞく)が参拝(さんぱい)に来る。
・あの神社は鏡(かがみ)を御神体(ごしんたい)として社殿(しゃでん)に祭っている。
◇こころざす
「志す」は、心の中の目標に向かって進もうとすること。対象をニ格/ヲ格で示す。
人ガ ものニ/ヲ こころざす
学問に志す 政治家を志す
・スル動詞「志望する」は、自分がそうなりたい、そうしたいと望むこと。
◇もとめる
「求める」は、何かを手に入れようとすること。(人に)何かを(して)ほしいと望むこと。
人ガ (人ニ) ものヲ もとめる
理想・真理・安らぎ・栄誉・出世を 求める
愛情・謝罪・見直しを 求める 発言を撤回することを求める
・複合動詞「追い求める」は、それが手に入るまでどこまでも追いかけ、求め続けること。
犯人・証拠・夢・理想を おいもとめる
こころざす(志す) 五(こころざさない・こころざします・こころざして・こころざせば・ここ
ろざそう)
[1]〔人ガ ものヲ/ニ〕
△こころざしたい こころざさなければならない こころざそうと思う こころざせ!
△[むかしから/つねに/いつも/ずっと/ひたすら/死ぬまで]~。
△[医者/弁護士(べんごし)/芸術家(げいじゅつか)/学問(がくもん)/研究/大学院]を~。
・子どもの頃は科学者を志していたのですが、今はジャーナリストを目指しています。
・人間は、志すものがあると、多少の苦しさは絶えることができるものだ。
・学問に志す、などというと大げさだが、要するに、好きなことをずーっと考え続けているという
だけだ。
<スル動詞>
[志望(しぼう)する] 人ガ ものヲ
・あなたがこの大学を志望した理由はなんですか。
・最近は公務員を志望する学生が多い。時代の影響だ。
もとめる(求める) 一(もとめない・もとめます・もとめて・もとめれば・もとめよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△もとめたい もとめてしまう もとめてはいけない もとめなければならない
もとめようとする もとめさせる もとめられる もとめろ! もとめるな!
△[いつも/ずっと/しきりに/心の底(そこ)から/必死(ひっし)の思いで/しずかに]~。
△[円周率(えんしゅうりつ)/解(かい)/座標(ざひょう)/未知(みち)数の値(あたい)]を~。
[快感(かいかん)/刺激(しげき)/真理(しんり)/安らぎ/夢(ゆめ)/ロマン]を~。
・夢とロマンを求めて世界を旅(たび)したが、うーん、やっぱり日本がいいなあ。
・彼らは安住(あんじゅう)の地を求めて、荒野(こうや)をさまよった。
・次の方程式(ほうていしき)の解を求めよ。
[2]〔人ガ 人・ものニ ものヲ〕
△[愛情(あいじょう)/握手(あくしゅ)/アンコール/意見(いけん)/協力(きょうりょく)/
厳罰(げんばつ)/支援(しえん)/謝罪(しゃざい)/出席(しゅっせき)/証言(しょうげん)/
承認(しょうにん)/助言(じょげん)/説明(せつめい)/提出(ていしゅつ)/同意(どうい)/
答弁(とうべん)/賠償(ばいしょう)/白紙撤回(はくしてっかい)/反省(はんせい)/返還(へ
んかん)/見返り/見直し/許(ゆる)し]を~。
・子どもは親の愛情を求めるものだ。
・ビルの屋上で助けを求めている人々がいる。
・事故(じこ)の責任者(せきにんしゃ)の謝罪を求めたいと思います。
・政党は、国民に何を求められているのかをもう一度考え直すべきだ。
・我々は文学に何を求めているのだろうか。
・私がお酒に求めるものは、気持ちよく酔(よ)うこと、それだけです。
〔人ニ 文ヲ〕
・会社の代理人(だいりにん)が出てきて、デモ隊(たい)に立ち退(の)くことを求めた。
・今、国民はこの国の将来をどうしたいのか、しっかり考えることを求められているのです。
〔人ニ 文ヨウ(ニ)〕
・責任者(せきにんしゃ)に謝(あやま)るよう求めたが、ことばを濁(にご)すばかりだった。
・国からこの土地(とち)を手放(てばな)すよう求められているが、とてもできない話だ。
<複合動詞:-もとめる>
[おいもとめる] 人ガ ものヲ
・私は、宇宙飛行士になるという夢を追い求めて生きてきた。今、その夢がかなった。
・あの人は70才になっても、まだ少年のように理想を追いもとめている。うらやましい。
面影・快楽・希望・実像・姿・成功・名・初恋の人・問題・夢を
[13]図る・企てる
「計る・測る・量る」は別
◇はかる
「図る」は、あることを実現しようとして、あれこれ工夫、計画し、実行すること。書きことば。
人ガ ものヲ はかる
問題解決・計画実現を 図る 自殺・暗殺を図る 便宜を図る
意見を求めること。意見を聞くために、会議などに出すこと。後者はニ格をとる。
人ガ ものヲ ものニ はかる
委員の意見をはかる/委員に意見をはかる 改正案を審議会にはかる
人をだますこと。受身形で使われることが多い。
まんまと計られた
◇くわだてる
「企てる」は、あることをしようと考えること。書きことば。意志形を受け、引用節をとる。
人ガ ものヲ くわだてる
企業買収を企てる 謀反を企てる
人ガ 文ト くわだてる
大会社の社長を誘拐しようと企てた
◇たくらむ
「企む」は、あること、特に悪いことをしようと考えること。意志形を受け、引用節をとる。
人ガ ものヲ たくらむ
悪事・陰謀・暗殺を たくらむ
人ガ 文ト たくらむ
美術館の有名な絵を盗もうと企む
◇しくむ
「仕組む」は、いろいろ工夫して物を作ったり、計画したりすること。特に、ひとをだますような
ことをすること。
人ガ ものヲ しくむ
詐欺・八百長を しくむ
◇こうじる
「講じる」は、問題解決のために適切な方法をとること。やや硬い表現。「こうずる」の形もある。
人ガ ものヲ こうじる/こうずる
対策・処置を 講じる/講ずる
はかる(図る・諮る・謀る)五(はからない・はかります・はかって・はかれば・はかろう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△はかりたい はかってみる はかってほしい はからねばならない はかろうとした
△[ひそかに/慎重(しんちょう)に/大胆(だいたん)に/急いで]~。
△[改善(かいぜん)/改良(かいりょう)/促進(そくしん)/実現(じつげん)]を~。
[人権(じんけん)の確立(かくりつ)/体力(たいりょく)の向上(こうじょう)/事態(じたい)の収
拾(しゅうしゅう)/意見(いけん)の統一(とういつ)/発想(はっそう)の転換(てんかん)/教育
(きょういく)の無償化(むしょうか)]を~。
[暗殺(あんさつ)/脱走(だっそう)/クーデター/政府(せいふ)の転覆(てんぷく)]を~。
・仕事(しごと)の合理化(ごうりか)を図ったら、仕事の速さがまったく変わった。
・この事故以後、労働環境(ろうどうかんきょう)の改善(かいぜん)が図られた。
・新しい時代にむかって発想の転換を図らなければなりません。
・この人たちの地位(ちい)の向上を図るべきだ。
・理事(りじ)会は、権威(けんい)をもって混乱(こんらん)した事態の収拾を図っていただきたい。
・ストライキにはいる前に各組合の意見の統一(とういつ)がはかられた。
・反政府勢力は、大統領(だいとうりょう)の暗殺を謀っており、いくつかの未遂(みすい)事件が発
生(はっせい)している。
・クーデターを謀る動きが軍部(ぐんぶ)にあるらしい。この国にいるのは危険(きけん)だ。
[2]〔人ガ ものヲ 人・ものニ〕
△[合否(ごうひ)/日程(にってい)/予算案(よさんあん)/改善案(かいぜんあん)]を~。
[委員会(いいんかい)/会議(かいぎ)/総会(そうかい)/教授(きょうじゅ)会]に~。
・大事な事は部長会(ぶちょうかい)に諮って、きめます。
・このもんだいの決定(けってい)は、いちおう社長に諮ってみます。(=そうだんする)
・この案件(あんけん)は重役会(じゅうやくかい)に諮って決められた。(=会議で話しあう)
くわだてる(企てる) 一(くわだてない・くわだてます・くわだてて・くわだてれば・くわだて
よう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△くわだてたがっている くわだててはならない くわだてようとする くわだてさせる
△[ひそかに/慎重(しんちょう)に/大胆(だいたん)に///]~。
△[販路(はんろ)の拡大(かくだい)/新工場の建設(けんせつ)/全集の発行(はっこう)]を~。
[暗殺(あんさつ)/脱走(だっそう)/クーデター/政府(せいふ)の転覆(てんぷく)]を~。
・ライバル会社が新工場の建設を企てていると聞いて、うちの社長が焦(あせ)っているらしい。
・業界(ぎょうかい)一位の会社が業界三位の会社の買収(ばいしゅう)を企てている。
・首相の側近(そっきん)が首相暗殺を企てていたという驚くべきニュースが報(ほう)じられた。
・近所の小学生どもが集団で家出(いえで)をしようと企てたが、まじめな子が親に言ったのでばれ
てしまい、計画は失敗に終わった。
[2]〔人ガ 文ト〕
・過激派(かげきは)が駅を爆破(ばくは)しようと企てたが、未然(みぜん)に発覚(はっかく)した。
・彼らは新製品(しんせいひん)で大儲(おおもう)けしようと企てた。
たくらむ(企む) 五(たくらまない・たくらみます・たくらんで・たくらめば・たくらもう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△たくらみかける たくらんではいけない たくらまれる たくらむな!
△[こっそり/ひそかに/人知れず/どうどうと/執念深(しゅうねんぶか)く]~。
△[悪事(あくじ)/荒稼(あらかせ)ぎ/陰謀(いんぼう)/世界征服(せかいせいふく)]を~。
・奴(やつ)らはまた悪事を企んでいるらしい。
・あの顔は何か企んでいる顔だな。注意したほうがいいぞ。
・けちな金持ちが大もうけを企んで、ひどい詐欺(さぎ)に引っかかった。
〔文ヲ〕
・彼らは怪(あや)しげな健康食品を売り出して一儲(ひともう)けすることを企んでいる。
[2]〔人ガ 文ト〕
・社長を失脚(しっきゃく)させようと企んでいる連中がいて、社内はごたごたしているようだ。
・経営者たちは、労働者に対する新(あら)たな管理法(かんりほう)を導入(どうにゅう)しようと企
んでいるようだ。
追い出し・大増税・脱獄・一儲けを
しくむ(仕組む) 五(しくまない・しくみます・しくんで・しくめば・しくもう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△しくんでおく しくんではいけない しくもうとする しくませる しくまれる
△[うまく/こっそり/ひそかに/入念(にゅうねん)に/慎重(しんちょう)に]~。
△[いたずら/いかさま/お見合い/詐欺(さぎ)/事故(じこ)/誘拐(ゆうかい)]を~。
・大がかりな詐欺を仕組んだ一味が警察(けいさつ)に逮捕(たいほ)された。
・大相撲(おおずもう)で八百長(やおちょう)を仕組んだ力士(りきし)が追放(ついほう)された。
・会計主任が狂言強盗(きょうげんごうとう)を仕組んだが、警察に見抜(みぬ)かれ、逮捕された。
・親戚(しんせき)のうちに呼ばれて行ったら、お見合いが仕組んであって、そこで会ったのが今の
主人なのよ。
・入念に仕組まれたうそに引っかかり、日曜の朝6時に学校へ行ったがだれもいなかった。
こうじる(講じる) 一(こうじない・こうじます・こうじて・こうじれば・こうじよう)
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
△こうじてほしい こうじておく こうじなければならない こうじさせる こうじろ!
△[すぐに/すばやく/早速(さっそく)/遅ればせながら/断固(だんこ)として]~。
△[有効(ゆうこう)な対策(たいさく)/適切(てきせつ)な処置(しょち)/措置(そち)]を~。
・政府が大気汚染(たいきおせん)に対策を講じなければ、国民の健康が失われてしまう。
・県が事故防止(じこぼうし)のための措置を講じようと考えたのは、この事故がきっかけです。
・この課題(かだい)に対して有効な解決策(かいけつさく)を講じられる政治家はいないのか。
・どういう手段を講じれば、この事態(じたい)を解消(かいしょう)できるのだろうか。
・事態がここまできてしまったら、かなり強硬(きょうこう)な措置を講じなければならない。
[14]勉強する・学ぶ
◇べんきょうする
「勉強する」は、学問・知識・技能などを身につけようと努力すること。
人ガ ものヲ べんきょうする
日本語・工学を 勉強する
◇まなぶ
「学ぶ」は、本を読んだり、人から教わったりなどして、学問・知識・技能などを身につけようと
すること。教える人を示すカラ格をとることができる。やや書きことば。
人ガ (人・ものカラ) ものヲ まなぶ
哲学・生物学を 学ぶ 親から多くを学んだ
・複合動詞「学び取る」は、人から学んで自分のものにすること。
◇れんしゅうする
「練習する」は、技能が上達するように、同じことを何度も繰り返すこと。試合や試験のために、
同じような形式で技能を試してみること。
人ガ ものヲ れんしゅうする
会話・シュートを 練習する 試合形式で練習する
・スル動詞
学ぶことに関するスル動詞は多い。学校での勉強と、技術的なことに分かれる。
勉強に関するもの
「学習する」は、(学校などで他の生徒と一緒に)基礎知識を系統的に習い、学ぶこと。
「自習する」は、(先生の授業が休みだったりして)自分(たち)だけで勉強すること。
「予習する」は、あとで習うことを前もって勉強しておくこと。
「復習する」は、一度勉強したことを(自分で)もう一度勉強すること。
「独学する」は、学校へ行ったり先生に習ったりせず独力で学ぶこと。
「専攻する」は、ある学問の分野を専門に勉強・研究すること。
「勉学する」は、学問に励むこと。書きことば。
技術的なことに関するもの
「研修する」は、あることに必要な知識・技能を身につけるために、勉強や実習をすること。
「実習する」は、教えられた知識をもとに、実際に行なってみながら技術を習うこと。
「習得する」は、学問・技術などを(習って)身につけること。
「修業する」は、学問・技芸を習って身につけること。
「修行する」は、仏教徒が仏道に励むこと。技芸のある段階を目指して励むこと。
「稽古する」は、武術や芸能などを習い、(自分で)練習すること。
べんきょうする(勉強する) サ変(しない・します・して・すれば・しよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△勉強したい 勉強すべきだ 勉強しなければならない 勉強しようと思う 勉強しろ!
△[いっしょうけんめい/まじめに/こつこつ/ひたすら/楽しく/集中(しゅうちゅう)して]~。
「地道(じみち)に/しっかり/黙々(もくもく)と/いいかげんに/だらだらと]~。
△[外国語/科学/油絵(あぶらえ)/デザイン/入門書(にゅうもんしょ)]を~。
・毎日、5時間ずつ日本語を勉強しています。
・何か世の中の役に立つことを勉強したいと思う。
・人は、一生(いっしょう)勉強し続けなければいけない。
・もっと勉強しようと思うのですが、アルバイトで忙しくて時間がありません。
[~の勉強をする]
・今、法律の勉強をしています。
まなぶ(学ぶ) 五(まなばない・まなびます・まなんで・まなべば・まなぼう)
[1]〔人ガ 人・ものニ/カラ ものヲ〕
△まなびたい まなんでみる まなばなければいけない まなぼうとする まなべ!
△[じっくり/深く/ゆっくり/あわてて/ひととおり/ざっと/毎日/時々]~。
△[医学/学問の基礎(きそ)/応用(おうよう)/言葉(ことば)/思想(しそう)/農業]を~。
・彼は先生から柔道(じゅうどう)の精神(せいしん)を学んだ。
・人類(じんるい)は歴史から多くの教訓(きょうくん)を学ぶべきだ。
・彼女はその経験(けいけん)によって大事なことを学んだ。
・私は大学時代の恩師(おんし)から学問の方法を学ばせていただいた。
・経営哲学を学びたければ、この本を読むといい。
・動物の行動(こうどう)から、人間にとっての知恵(ちえ)を学ぼうという人がいるが、都合(つご
う)のいいところだけを切り取っても意味がない。
・今はテレビで外国語を学ぶことができるいい時代だ。
<複合動詞:まなび->
[まなびとる] 人ガ ものヲ
・どんなことでも、大切なものは、教えてもらえるものではなく、自分から学び取るものだ。
・職人は親方の仕事ぶりを見て、多くのことを学び取ろうとしている。
れんしゅうする(練習する) サ変(しない・します・して・すれば・しよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△練習してみる 練習しなければならない 練習しようと思う 練習させる 練習しろ!
△[いつも/毎日/繰り返(くりかえ)し/何度でも/上手(じょうず)になるまで/いやいや]~。
△[会話/漢字/読み方/自転車(じてんしゃ)/運転(うんてん)/シュート/動き]を~。
・今、車の運転を習っている。今日は車の車庫入(しゃこい)れを練習した。
・本を読んでもできるようにはなりません。繰り返し練習することが第一(だいいち)です。
・外国語は毎日練習(を)しなければ上手にはなれない。
・シュートを練習したかったのだが、基本的なパスを繰り返し練習させられた。
[~の練習をする]
・漢字の練習を毎日1時間している。
<スル動詞>
[学習(がくしゅう)する] 人ガ ものヲ
・外国語を学習するためには、何よりもそのことばを好きになることが大切だ。
・チンパンジーに言語を学習させようとする試みが行われている。
[~の学習をする]
・労働者が集まってマルクス主義の学習をした。
[研修(けんしゅう)する] 人ガ ものヲ
・工場で実際の工程を三週間に渡って研修してきた。
[~の研修をする]
・現場でしっかり実務の研修をしてきなさい。
・今年の新人の研修をしなければならない。
[稽古(けいこ)する] 人ガ ものヲ
・民謡を習おうと思っているのですが、まず発声からけいこしなければなりません。
・けいこしなければ物事は上達しないというのは、わかってはいるんだけれど。
[~のけいこをする]
・最近、邦楽器に興味が出てきて、三味線のけいこをしています。
[自習(じしゅう)する] 人ガ ものヲ
・学生たちが教室で日本語を自習している。
[~の自習をする]
・先生が病気で早退したので、僕たちは教室で算数の自習をした。
[実習(じっしゅう)する] 人ガ ものヲ
・テレビの修理を実習する。
・本で勉強しただけではだめで、何回か実習してみないと実際の難しさはわからない。
・研修生に部品の組立を実習させようと思うのですが、施設は空いていますか。
[~の実習をする]
・今日はエンジン整備の実習をさせてもらった。非常に勉強になった。
[習得(しゅうとく)する] 人ガ ものヲ
・大人になってから新しい言語を習得するのはなかなか難しい。
・子供は特にだれも教えないのに、どんどん新しい単語を習得していく。
[~の習得をする]
・外国語の習得をするには、まず、そのための時間を作ることです。
[修行(しゅぎょう)する] 人ガ ものヲ
・その子はお寺で修行して立派なお坊さんになった。
・昔の武士は剣術を修行し、強くなることが人生の目的だった。
[~の修行をする]
・弱かった子どもが空手の修行をして、いじめっ子に勝つという映画があった。
[専攻(せんこう)する] 人ガ ものヲ
・大学でなにを専攻しましたか。
・高校のときは、大学に入って文化人類学を専攻したいと思っていた。
[独学(どくがく)する] 人ガ ものヲ
・あの人は仏教を研究したくて、サンスクリット語を独学したそうだ。
・英語は学校で習ったが、フランス語は独学してなんとか読めるようになった。
[勉学(べんがく)する] 人ガ
・一心に勉学(を)する気持を忘れないこと。
[復習(ふくしゅう)する] 人ガ ものヲ
・毎日、その日に勉強したことを復習しなければなりません。
・予習よりも復習することのほうが大事です。
[~の復習をする]
・家に帰ると、まず習ったことの復習をした。
[予習(よしゅう)する] 人ガ ものヲ
・語学の勉強は、予習することよりも、よく復習することが大切です。
・このページは予習しませんでした。
[~の予習をする]
・しっかり数学の予習をしていったのだが、先生がかぜで休みだった。
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