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移動4

[11] 入る・入れる

   入る   入り込む 忍び込む  入院する 入学する 入国する 入社する  
                 入賞する 入場する 入選する 入門する 入浴する 
     入れる  入れあげる 入れ替える 入れ替わる 入れ込む 入れ違う 入れ直す

          入れ忘れる  入手する 入籍する 入力する 輸血する 輸入する 密輸する
     いる   押し入る 忍び入る 分け入る
     込める  押し込める 閉じこめる 塗り込める

[12] 出る・出す

     出る  出会う 出歩く 出遅れる 出かかる 出かける 出過ぎる 出揃う  
               出尽くす 出直す 出払う 出回る 出迎える 出向く  出っ張る
               出演する 出勤する 出血する 出国する 出場する 出席する 出張する
             出動する 出発する
      出す      出し合う 出し遅れる 出し惜しむ 出しかねる 出し切る 出し渋る 

          出し損ねる 出し尽くす 出し抜く
            出題する 出版する 出品する 輸出する

[13] 移る・移す 運ぶ

      移る   移り変わる 移り住む 移りゆく  飛び移る 乗り移る 燃え移る  
                住み替える  渡り歩く
          移行する 移住する 移転する 移動する 移民する スライドする
          転勤する 転校する
      移す  移し替える  積み替える  移植する 移転する 移動する
      運ぶ  運び上げる 運び入れる 運び込む 運び去る 運び出す 持ち運ぶ 取り運ぶ

   

[11]入る・入れる
 あるものの外側から内側への移動を表す動詞を見る。「はいる:いれる」「-こむ」「-いる」の
4語を中心として、多くの複合動詞・スル動詞がある。「こむ」は、本動詞としての意味は移動では
なく、複合動詞の後要素として移動を表す。「いる(入る)」は、本動詞としての用法は限られ、複合
動詞の要素として多く使われる。

◇はいる
 「入る」は、人・ものがものの外側から内側へ移動することを表す。出発点のカラ格、到着点のへ
/ニ格をとる。「-ている」の形で移動の結果としての状態を表す。「-ていく・てくる」の形がよ
く使われる。
   人・ものガ 所カラ 所へ はいる
    外から中に入る  廊下から部屋に入る     船が港に入る
 人が「入れた」結果としての状態を「入っている」で表す。「入れてある」でも表せる。
    冷蔵庫にビールが入っている      パソコンにデータが入っている(=入れてある)
 通過点を表すカラ格をとることがある。
    窓・裏口から 入る   長崎から西洋の文化が入る
 ある集団に加わることを表す。
   人ガ ものニ はいる
    野球部・グループに 入る  会社・学校に 入る  芸能界・政界に 入る
    踊りの輪に入る(「輪」の内側ではなく、「輪」の一員になること)
 ものがものに収まること。また、抽象的な制度や契約などが適用されることなど。
   ものガ ものニ はいる
    カバンにパソコンが入る  家が保険に入っている
 抽象的なものが、ある過程の中のある段階に達したことを表す。
    実地調査に入る  研究が最終段階に入った    季節が春に入った
 設備が導入されること、その設備が使われることなどを表す。
    研究室に大型コンピュータが入る   夏になって冷房が入る  スイッチが入っている
 「人ニ ものガ」の文型で、収入や連絡があることを表す。
    家賃・広告料が 入る  本社から連絡・指示が 入った
  「頭に入る」(わかる)「耳に入る」(聞く)「身・気・力が 入る」(熱心にする)などの慣用表現が
ある。
・複合動詞
  「はいり-」の形の複合動詞「入り込む」「忍び込む」は、中に(そっと)入ること。
 「-はいる」の形の複合動詞はない。その代わりに「-こむ」「-いる」の形がある。
・スル動詞
 「入る」意味を表すスル動詞には、「入」を要素とする漢語動詞が多い。
 「入-」の形のものは、後ろに到着点を表す要素が来る。
   入院(病院) 入学(学校) 入国(国家) 入社(会社) 入賞(賞を受ける)
   入場(会場・競技場) 入選(選に入る・審査に合格する) 入門(門下・弟子に入る)
   入浴(浴場)
 「-入」の形のものは、「入り方」の状況を示す。(例文は他の項目に)
 「加入する」は、団体や組織に加わること。「侵入する」は、(他国の領土、人の家など)入って
はいけない所に、むりに入ること。「進入する」は、人や乗り物がその場所に向かって進み、入るこ
と。「編入する」は、団体・組織などに後から入れること。
◇いれる
  「入れる」は、「入る」に対応する他動詞で、人が人・ものを何かの中に移動させること。出発点
のカラ格、到着点のへ/ニ格をとる。通過点のカラ格をとる場合がある。
   人ガ 人・ものヲ もの・所ニ/へ 入れる
        書類をカバンに入れる  紅茶にミルクを入れる  学生を廊下から教室に入れる
    庭に面した窓から居間にピアノを入れる
 対象が人の場合は、「入る」の使役形「入らせる」との使い分けがある。「入れる」は子どもの意
思がどうであるかには関わりなく、話し手の意思により子どもの移動が起こるということを表す。「入
らせる」は子どもの希望を認めた場合と、強制による場合があり、文脈によってそれがわかる。
    子どもを部屋に入らせる (部屋で遊びたがったので/外で遊びたがったけれど) 
 人が「入れた」結果としての状態は「入れてある」で表す。「入っている」と比べて、行為者の存
在・意志が示される。
 「入れる」は、物理的な移動以外に様々な用法の広がりを持つ。
  人をある集団に加えること。組織のメンバーにすること。
    子どもをサッカーチーム・踊りの輪・そろばん塾・大学に 入れる
  人・ものに抽象的な制度を適用すること。
        夫・家を保険に入れる
 金銭の移動、つまり支払。
     大家に家賃を入れる  家に食費を入れる
 あるものが別のものの中にある、という状態にすること。
    お札に透かしを入れる  着物に模様を入れる  
 「切る」ことを言う。
    ケーキにナイフを・テープにはさみを 入れる      袋に切れ目を入れる
  精神的なものが加わること。
    仕事に身を入れる   気合・気・力を   
  情報を相手に届けること。
    会社に電話・連絡を 入れておく  
  お茶などを飲めるような状態にすること。
     客にお茶・コーヒーを 入れる 
◇複合動詞
・「いれ-」の形のものは多くない。
 「入れあげる」は、何かに夢中になって金を使い果たしてしまうこと。
 「入れ込む」は、何か一つのことに夢中になること。
    ホステスに入れあげる   新規事業に入れ込む
 「入れかえる」は、二つのものの位置を置き換えること。ひゆ的に、「心を~」は改心すること。
 「入れかわる」は二つのものの位置が置き換わること。
 「入れ違う」は、間違ったものを入れてしまうこと。また、一方が出たときに他方が入り、会えな
  いこと。
    空気を入れ換える     二人の立場が入れ替わる   担当者と客が入れ違う
 「入れ直す」は、うまく入らなかったものをもう一度入れること。
 「入れ忘れる」は、入れるのを忘れること。
    気合いを入れ直す   切符をカバンに入れ忘れる
・「-いれる」の形のものは多くある。いくつかに分類する。
 「~して、入れる」具体的な場所に入れる、その入れ方を表す。
  「担ぎ入れる」「蹴り入れる」「注ぎ入れる」「投げ入れる」「練り入れる」「運び入れる」
  「引き入れる」「招き入れる」「迎え入れる」「呼び入れる」
 「書き入れる」は、空いている所に(さらに)書くこと。
 「差し入れる」は、ものを狭い所を通して中に入れること。特に、刑務所の中や仕事で忙しい職場
  にものを上げることをいう。「差し入れをする」ともいう。
 「入れる」場所の具体性が薄れているもの。
 「刈り入れる」は、収穫すること。
 「取り入れる」は、具体的にものを中に入れることと、収穫すること、比ゆ的に何かよいものを自
  分のものとすることを表す。
 「雇い入れる」は、人を雇って、組織の一員とすること。
    麦を刈り入れる/取り入れる  新技術を取り入れる  技術者を雇い入れる
 「組み入れる」は、すでにあるものの中にその一部としてうまく合うように入れること。
 「繰り入れる」は、順々にたぐって入れること。他のものの中に組み入れること。
    新たな条件を計画に組み入れる   ホースを繰り入れる  残金を予算に繰り入れる
 「おとしいれる」は、ものを落として入れること。人を困った状態にさせること。
    エサを穴に落とし入れる   敵を窮地に陥れる
 「買い入れる」は、特にまとめて買ったり、組織がある目的のために買う場合などに使われる。
 「借り入れる」は、特に資材や資金を借りること。
    正月の食材を買い入れる  企業が土地を買い入れる  銀行から資金を借り入れる
 「聞き入れる」は、人の願いや要求を聞いて承知すること。
  「受け入れる」は、人の意見などを認めること。人を迎えて対応をすること。 
 「申し入れる」は、自分の意見・要求などを正式に相手に伝えること。 
    学生の要求を聞き入れる/受け入れる  難民を受け入れる  試合後に抗議を申し入れる
 自動詞相当になり、「入る」ことを表すもの。
 「(足を)踏み入れる」は、初めてその場所に入ること。
 「乗り入れる」は、乗り物に乗ったままある場所に入ること。また、鉄道路線が他社の路線とつな
  がって、そのままいけることを表す。
    ジャングルに足を踏み入れる   私鉄が地下鉄に乗り入れている 
・スル動詞
  「入籍する」は籍を入れる(結婚する)こと。「入手する」は、ものを手に入れること。
 「入力する」は、データをコンピュータなどの機械に入れること。
 「密輸する」は、法を犯して輸出・輸入をすること。
 「輸入する」は、外国の産物などを買い入れたりすること。
 「輸血する」は、治療のために患者の血管に他の人の血液を注入すること。

◇「いる(入る)」
 「入る」は、独立した動詞としての用法は少ない。
 文語的・慣用的な言い回しの中で使う。「気に入る」「悦にいる」「堂にいる」など。
・複合動詞の要素となる。「-はいる」の複合動詞がないかわりに「-いる」の形の動詞が多い。
 「いり-」
 「入り組む」は、物事が絡み合って複雑になっていること。
 「入り浸る」は、ある場所に毎日行ったり、ずっといたりすること。
 「入り交じる」は、いろいろなものが交じっていること。
 「入り乱れる」は、多くのものが交じって、区別できなくなること。
       配線・話が 入り組んでいる  飲み屋に入り浸る  敵味方入り乱れて戦う
 「-いる」
  「入る」こと   討ち入る 押し入る 染み入る 攻め入る 忍び入る 分け入る
  「押し入る」は、(強盗などが)無理に入ること。
   「忍び入る」は、人に気づかれないようにひそかに入ること。
  「分け入る」は、手で左右に分けながら中に入ること。
 「非常に~する」こと  恐れ入る 感じ入る 恥じ入る
  「熱心に~する」こと  聞き入る 頼み入る 見入る 
 全体で別の意味になる  おちいる 込み入る 付け入る 取り入る
◇こめる
  「込める」は、何かを他のものにしっかり入れること。
   人ガ ものニ ものヲ 込める
    銃に弾を込める
 「~を込めて」の形でよく使われる。
    感情・真心を 込めて(話す)
・複合動詞:「-こめる」の形のものがある。
 「押し込める」は、無理に中に入れること。閉じこめて外に出られないようにすること。
 「閉じこめる」は、出入り口を閉めて、中から出られないようにすること。
 「封じ込める」は、中から出られないようにすること。ひゆ的に、国際関係などでも使われる。
 「塗り込める」は、何かの中に入れた後、上から塗って見えなくすること。
 「言いこめる」は、口論をして、相手に反論できなくさせること。
 「やりこめる」は、ことばで相手をやっつけること。
◇「-こむ」
 「こむ」は、単独の動詞としては別の意味だが、複合動詞の後の要素として「はいる・いれる」の
意味に対応し、生産性が高い。例文はそれぞれの前の動詞の項を参照。
  「~して中へ入る」 駆け込む 転がり込む 忍び込む  飛び込む  なだれ込む
                      逃げ込む 走り込む 吹き込む  迷い込む
           乗り込む はまり込む
 「~して中へ入れる」 押し込む 担ぎ込む 蹴り込む 注ぎ込む 突っ込む(突くように)
            取り込む  流し込む 投げ込む ねじ込む 運び込む  放り込む
  「中に~する」 折り込む 織り込む 書き込む 組み込む 差し込む  積み込む 詰め込む
          盛り込む
                  入り込む ぶち込む  舞い込む 


はいる(入る)五(はいらない・はいります・はいって・はいれば・はいろう)
[1]〔人・ものガ (所カラ) 所ニ/ヘ〕入る
 △入りましょう 入りたい 入りそうだ 入りかけている 入りつつある 入ってみる
  入ってしまう 入ってほしい 入っていく/くる 入ったほうがいい 入らないほうがいい
  入らなくてはいけない 入らざるをえない 人に入られる 入らせる 入ろうとする
  もう入れない 早く入れ まだ入るな
 △[少し/どんどん/次々に/続々(ぞくぞく)と/うまく/やっと/ついに]~。  
  [よろこんで/いやいや/しぶしぶ/つい/うっかり/わざと]~。
  [こっそり/堂々と/ひそかに/人にみられないように]~。
  [ぜんぜん/まったく/ほとんど/なかなか/あまり/少ししか/たまにしか]入ってこない
 △[客がホテルに/船(ふね)が港(みなと)に/電車がホームに/風(かぜ)が部屋(へや)に]~。
  [外から中に/廊下(ろうか)から部屋の中に/暑(あつ)い道路(どうろ)から涼(すず)しい店に/
   大通(おおどお)りから路地(ろじ)に/宇宙空間(うちゅうくうかん)から大気圏内(たいきけん
   ない)に/表面(ひょうめん)から内部(ないぶ)に]~。  
 ・「どの店に入りましょうか」「この店に入ってみませんか」「ええ、そうしましょう」
 ・どうぞご遠慮(えんりょ)なくお入りください。
 ・電車がホームに入りかけている。急がないと。
 ・鳥がこの網(あみ)の中に入ってしまうと、出られないんだ。
 ・自分の部屋に入られるのは、たとえ親でもイヤだ。
 ・ネコが庭からリビングに入ってきた。
 ・外はさむいから、部屋に入りなさい。(外から部屋に)
 ・港に大きな船が入って来たら私に連絡(れんらく)してほしい。
 ・駅に列車が入って来たので、人々はうしろへさがった。
 ・このお店は何だか入りにくい。
 ・あの店はさいきん客がよく入っています。
 ・中に入ろうとしたら、「入っちゃだめ!」と言われた。
 ・「立ち入(い)り禁止(きんし)」って書いてあるけど、何とか中に入れないかなあ。  
 ・「田中ぁ、いるかぁ?」「おう、よく来たな。まあ、中に入れよ」 
 ・「危険(きけん)! 入るな!」(立てふだ)
 ・たいていしごとから帰ったら、まず風呂(ふろ)にはいります。
 ・みんなへやにいるよね。じゃあ、今、トイレに入っているのはだれ?
 ・二人がけんかをしていたので、わたしが間(あいだ)に入って仲(なか)なおりをさせたのです。
 △本店(ほんてん)から支店(してん)に[連絡(れんらく)/情報(じょうほう)/電話]が~。
 ・本社から工場に緊急(きんきゅう)の連絡が入ったらしい。何があったのだろう。   
 ・事故(じこ)の危険性(きけんせい)に気づいたその時に、事故の知らせが入ってきた。 
 ・休暇(きゅうか)で休んでいたホテルのへやに、会社から電話が入った。
 △[風が窓/ネズミが壁(かべ)の穴/泥棒(どろぼう)が裏口(うらぐち)/ウイルスが鼻(はな)/
   情報(じょうほう)がインターネット]から~。(を通って)
 ・どろぼうはこの窓から(=窓をとおって)中に入ったらしい。
 ・夜9時すぎに寮(りょう)に帰った時はこちらの入口(いりぐち)から入ってください。
 ・どこかからすきま風が入って来る。」「あの窓があいています。あそこから入って来るんですよ。」
 ・江戸時代には、ヨーロッパの文化は長崎から日本に入ってきた。
 △[ゴール/コート/コーナー]に~。
 ・彼のシュートがみごとにゴールに入って、ゲームが終わった。
 ・どうもサーブがうまく入らない。(コートに)  
 ・この位置(いち)からは、サーブがうまく入りそうにない。  
[2]〔人ガ ものニ〕
 △[会/団体(だんたい)/グループ/組織(そしき)/学校/幼稚園(ようちえん)]に~。
 ・来年この子は小学校に入ります。(=入学します)
  ・数学の弱い人にはこの大学は入りにくい。
  ・入りやすい大学とか入りにくい大学だとか言うのはおかしい。
  ・うちみたいな高校からよく一流(いちりゅう)大学に入ったなあ。
  ・この会社に入って(=入社して)もう15年になります。
  ・我がチームに優秀(ゆうしゅう)な新人(しんじん)が入ってきた。
 ・私は学校のバレーボールクラブに入る(=入部する)ことにした。 
 ・妹はボランティアのサークルに入って(=入会して)活動しています。
 ・この会は音楽のすきな人ならだれでも入れます。(会に)
[3]〔ものガ ものニ〕
 △[砂糖(さとう)/塩(しお)/アルコール]が~。
 ・あなたの給料(きゅうりょう)に交通費(こうつうひ)は入っていません。
 ・このジュースは炭酸(たんさん)が入っていますから、飲むとすっきりします。
 ・このチョコレートにはブランデーが入っているから、子どもに食べさせないように。
 ・このコーヒーにはまださとうが入っていません。自分で好きなだけ入れてください。
 ・A:この箱(はこ)には何が入っていますか。
  B:それには子どものおもちゃが入っています。(=入れてあります)
 ・このカメラは大きすぎてかばんに入らない。カメラが入るようなカバンを買わないと。
 ・ボールがぶつかったので窓ガラスにひびが入ってしまった。
 ・この教室には学生が1000人入りますが、そんなに入れたことはありません。
 ・P社は今年度(こんねんど)から中西グループの系列下(けいれつか)に入った。
 ・この家は1億円の保険(ほけん)に入っていますから、火事(かじ)があっても建て直せます。
 ・仕事のための必要経費(ひつようけいひ)は、計算(けいさん)に入っていません。
 ・A:わたしも寄付(きふ)の人数に入れてください。
  B:ええ、もちろん入っています。(あなたが人数に)
 ・夏の間は職場(しょくば)に冷房(れいぼう)が入るので、足が冷えてこまります。
 ・研究室に大型(おおがた)コンピュータが入った。
 ・私たちの研究は最後の段階(だんかい)に入っていた。
 ・事前(じぜん)の準備(じゅんび)は今週で終わり、来週から実地調査(じっちちょうさ)に入ります。
 △[手/目/視界(しかい)/耳]に~。勉強に[身(み)/熱(ねつ)/気]が~。
 ・子どもがあそんでいるのが目に入った。(=見えた)           
 ・林(はやし)を通りぬけると、視界いっぱいに海岸(かいがん)の風景(ふうけい)が入ってきた。
 ・道を歩いていると、女の人のさけびごえが耳に入った。(=聞こえた)
 ・めずらしい物が手に入った。長い間、手に入れようと探(さが)していたものだ。
 ・こんな会社では仕事(しごと)にねつが入らない。
 ・サッカーの試合のことが気になって、仕事に身が入らない。
[4]〔ものガ 人ニ〕
  ・彼女はアパートを持っていて、家賃(やちん)が毎月入るので生活は楽だそうだ。
 ・ネットにサイトを作ると、広告料(こうこくりょう)が入るって本当? 
 ・大金持ちになれば貯金(ちょきん)の利子(りし)が入るから、それだけで暮らせるかなあ。

<複合動詞:はいり->
[はいりこむ] 人・ものガ ものニ
 ・まどを開けておいたら、知らないうちに部屋の中にネコが入りこんだ。
 ・知らない人がうちの庭に入りこんで、花をとっている。
      寒気・すきま風・西日・光・人間・他人・疑問・感傷が 窓から 土足で
   家の中・会話・体の中・心・心の隙・職場・隙間・内部・中に すうっと 深く 
<複合動詞:その他>
[しのびこむ] 人ガ 所ニ
 ・家の者が寝静まった頃、泥棒が庭に忍び込んできた。
 ・古い家は冷気がすき間から忍び込み、暖房しても温まらない。
 ・両者の信頼関係は充分でなく、相手に対する疑いが忍び込む余地がある。
  泥棒・寒さ・冷気・考え・あきらめが 窓・すき間から 部屋・庭に 留守に

<スル動詞>
[入院(にゅういん)する]  人ガ ものニ
 ・友達が駅前の病院に入院(を)した。
  ・交通事故で入院(を)した友人が、看護師さんと仲良くなって、ついに結婚した。
[入学(にゅうがく)する]  人ガ ものニ
  ・隣の子どもが小学校に入学(を)した。
 ・日本の大学は入学するのは難しいが、卒業するのはやさしいとよく言われる。
[入国(にゅうこく)する]  人ガ 所ニ
  ・韓国のオリンピック選手団が今朝、入国(を)した。
 ・観光ビザで入国し、ビザが切れてもそのまま不法滞在する外国人が多かった。
[入社(にゅうしゃ)する]  人ガ ものニ
  ・大企業に入社(を)した学生がはがきをくれた。
 ・親戚のコネで入社(を)したという社員が意外によく働いている。
[入賞(にゅうしょう)する]  人・ものガ ものニ
 ・コンテストで娘の作品が入賞(を)し、親は大喜びだった。
 ・ピアノコンクールで日本の音大生が3位に入賞(を)した。
[入場(にゅうじょう)する]  人ガ ものニ
  ・選手団が競技場に入場(を)してきました。
 ・関係者と偽って会場に入場した。
[入選(にゅうせん)する]  人・ものガ ものニ
 ・定年になってから始めた絵が、市の展覧会で入選(を)するまでになった。
 ・多くの応募作品の中で、特別賞に入選(を)したのは個性のはっきりした作品だった。
[入門(にゅうもん)する]  人ガ ものニ
  ・柔道の道場に入門(を)した。
 ・「文学入門」という本があるが、「文学に入門(を)する」とはいったいどういう意味か。「経済学
  入門」ならまだわかるのだが。
[入浴(にゅうよく)する]  人ガ ものニ
  ・温泉の大浴場に入浴(を)した。  
 ・熱いお風呂にさっと入浴(を)すれば、疲れもとれ、ストレスも解消する。


いれる(入れる) 一(いれない・いれます・いれて・いれれば・いれよう) 
[1]〔人ガ 人・ものヲ (所カラ) 所ニ/ヘ〕
 △いれたい いれかける いれてしまう いれておく いれてある
  いれてみる いれてはいけない いれたほうがいい いれなくてはならない
  いれさせる いれられる いれようとする いれろ!
  いれるな! いれられない  
 △[たくさん/すこしだけ/すこしずつ/はんぶん/ぜんぶ]~。
  [むりに/むりやり/必死に/がんばって/わざと/うっかり]~。
 △[犬をへやに/金をさいふに/手をポケットに/箱に本を]~。
 ・お湯をやかんからカップに入れた。
 ・コーヒーにミルクを入れますか?
 ・ガレージに入れる時に、車をドアにぶつけてしまった。
 ・よその人をかさの中へ入れてあげた。
 ・よく知らない人を家の中へ入れてはいけません。
 ・さいふはバッグに入れてある。
 ・遠くからゴールにシュートを入れた。
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △ノートをかばんに~。コーヒーにさとうを~。
 ・スープにしおを入れましょう。
 ・手をポケットに入れて歩いてはいけない。
 ・いいですか。この事をよく頭へ入れて(=おぼえて)おいてください。
 ・字をじょうずに書こうと思うのなら、かたに力を入れてはいけない。
[3]〔人ガ ものヲ〕
 △[希望(きぼう)/意見/要求(ようきゅう)]を~。おちゃを~。あいての提案(ていあん)を~。
 ・テレビのスイッチを入れてください。
 ・会社は組合(くみあい)の要求(ようきゅう)を入れて(=要求にしたがって)、休みの日を一日ふや
  した。
 ・あいての提案を入れて、契約書(けいやくしょ)を作った。
 ・すぐにおちゃを入れますから、どうぞおすわりください。

<複合動詞:いれ->
[いれあげる] 人ガ ものニ
 ・兄は切手あつめにとても入れ上げている。(=むちゅうになっている。)
 ・あの男は銀座のバーのホステスに入れあげている。
 (☆「入れ上げる」のはあまり良くないと思われている。)
  身上・貯金のすべてを  演劇活動・男・女・賭博・役者に 夢中になって
[いれかえる] 人ガ ものヲ ものト /(ものカラ)ものニ
 ・ラジオの電池を入れかえよう。
 ・この箱の中の物をこちらの箱に入れかえてください。
   頭・身体・気分・気持ち・空気・心・左右・性根・順序・上下・スイッチ・スタッフ・全部
   ・電池・土壌・名・中身・背景・話・フィルム・部品を すっかり
[いれかわる] 人・ものガ 人・ものニ/ト (ものヲ)
 ・景色を見たくなったので、窓際に座っていた夫と(席を)入れ替わった。
 ・金庫の中でダイアモンドのゆびわがガラスのゆびわに入れかわっていた。
   客・左右・上下・立場・部屋の空気が 場所を 簡単に 加害者と被害者が
[いれこむ] 人ガ ものニ
 ・山田さんはこの仕事にかなり入れこんでいますね。(=いっしょうけんめいやっている)
 ・実現の可能性が低い計画にあんまり入れ込むと、ダメだったときにがっくり来るよ。
   女・企画・ギャンブル・恋人に  枠に
[いれちがう] 人・ものガ 人・ものト
 ・道具の場所が入れ違ってるよ。これはここじゃなくて、あの中に入れるんだよ。
 ・「田中さん、いる?」「さっき出ていったよ」「じゃあ、ちょうど入れ違っちゃったんだな」
[いれなおす] 人ガ ものヲ (ものニ)
 ・どうも違和感があるので、入れ歯をはずし、ゴミをとってから入れ直した。
 ・どうも気合いが入っていないようなので、円陣を組み、声を出して気合を入れ直した。
   ガラス・気合・腰・背を
[いれわすれる] 人ガ ものヲ ものニ
 ・かばんに辞書が入っていない。入れ忘れたらしい。ないと困るんだけど。

<スル動詞>
[入手(にゅうしゅ)する]  人ガ ものヲ
 ・珍しい酒を入手した。一杯飲みに来ないか。
 ・極秘の書類を入手しようと、産業スパイが暗躍している。
   怪文書・金・切符・原稿・情報・データ・土地・パスポート・リストを
[入籍(にゅうせき)する]  人ガ
 ・市役所で入籍(を)するには、結婚の証人になってくれる人が二人必要だ。
 ・結婚式の前に入籍(を)したのだが、当日、大げんかをして別れることになった。
[入力(にゅうりょく)する]  人ガ ものニ ものヲ
 ・パソコンに中国人の名前を漢字で入力するのはなかなか面倒だ。
 ・これらのデータを入力するだけで3日かかった。
 [~の入力をする]
  ・一日中パソコンに向かって名簿の入力をしていた。
[輸血(ゆけつ)する]  人ガ 人ニ ものヲ
 ・患者に輸血するときは血液型の確認をしっかりするように。
 ・事故で大けがをしてひどく出血したが、病院で大量に輸血してもらい、何とか助かった。
   血を B型を 緊急に 
[輸入(ゆにゅう)する]  人ガ 所カラ ものヲ
  ・日本はアラブ世界から石油を輸入している。
 ・輸入された果物から、多量の農薬が検出された。
 [~の輸入をする]
  ・中国からおもちゃの輸入をしています。
[密輸(みつゆ)する]  人ガ ものヲ 所カラ 所ニ
 ・覚醒剤を荷物に隠して密輸しようとした男女が逮捕された。
 ・麻薬は、どこから、どのようなルートで密輸されるのか。


いる(入る)  五(いらない・いります・いって・いれば)
[1]〔人・ものガ ものニ〕
 △[気/悦(えつ)/堂(どう)]に~。
  ・祖父(そふ)は、孫(まご)の中でなぜか私が気に入っていたようで、ずいぶんかわいがられた。
 ・みんなに気に入られようとするのはよくない。気の合わない人がいるのは当然なのだから。
 ・母は自分の集めた洋服を並べて眺(なが)め、一人で悦に入っていた。
  ・彼は新人(しんじん)のわりには、なかなか堂に入った演技(えんぎ)を見せるね。

<複合動詞:-いる>
[おしいる] 人ガ 所ニ                                
 ・夕べ夜中に、工場の事務所に強盗が押し入って、設計図を盗んだそうだ。
[しのびいる] 人ガ 所ニ
 ・草木も寝静まる頃、将軍の部屋に音もなく忍び入る者があった。
 ・どこからともなく心に忍び入る疑惑の念を抑えることができなかった。
   家・屋敷・部屋に 意識・記憶の中に 心の内に ひそかに 音もなく
[わけいる] 人ガ ものニ/ヲ
 ・森の茂みを分け入って、古代の遺跡を探した。
 ・山深い奥地に分け入って、野生動物の生態調査をした。
      林の中・茂みを 奥地・学問の道・山林・湿原・深山・やぶの中に 奥深く 山深く


こめる(込める)  一(こめない・こめます・こめて・こめれば・こめよう)
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △こめてみる  こめてしまう  こめてはいけない  こめようとする  こめさせる
 △[しっかり/十分/少しだけ/強く/できるかぎり/慎重(しんちょう)に]~。
  △[弾(たま)/弾薬(だんやく)/思い/真心(まごころ)/願(ねが)い/希望(きぼう)]を~。
  ・ふだんはピストルに弾を込めていません。危険(きけん)ですからね。
 ・ここに火薬(かやく)を込めて、導火線(どうかせん)に火をつけ、爆発(ばくはつ)させます。
 ・みんなが心を込めて作った映画(えいが)です。ぜひ楽しんでください。 
 ・この作品(さくひん)には、子をうしなった母親たちの思いが込められています。
 ・ドラマのことばに重い意味を込めるような作者が少なくなり、軽いことばがあふれている。
 ・感情(かんじょう)を込めて訴(うった)えたつもりだったが、役人たちは何も感じなかったようだ。

<複合動詞:-こめる>
[おしこめる] 人ガ 人ものヲ
 ・目隠しをされ、手を縛られて狭い部屋に押し込められた。
 ・怒りの感情を心の中に押し込め、相手の目を見ないようにして話し始めた。
   声・情感・弾丸・若さ・笑いを 内側・深いところ・部屋に ~られる 境遇に
[とじこめる] 人ガ 人ヲ ものニ
 ・いたずらをした子猫を段ボール箱に閉じ込めた。ニャーニャー鳴いている。
 ・子供のころ、悪いことをすると押し入れに閉じ込められたものだ。
   男・女・子ども・捕虜・客・怒り・悲しさ・記憶・官能・真相・うまみを
   檻・籠・家・車内・部屋に エレベーター・嵐・洞穴に~られる 真相が闇に
[ぬりこめる] 人ガ ものニ ものヲ 
 ・かべに仏像が塗りこめてある。
 ・キャンバス上の海の色に、この夏の私たちの思い出を塗り込めた。
      絵の具・コンクリート・土を 思い・心を 厚く 一色に

[12]出る・出す

◇でる
  「出る」は、内から外への移動や、それまでなかったものが現れることを表す。
 具体的な移動を表す用法では、出発点のカラ格、到着点のニ/へ格をとる。
   人・ものガ (所カラ) 所ニ/へ 出る
        家から外に出る  日本から海外へ出たい    学校から社会に出る
 「社会に出る」はひゆ的な用法で、社会人になること。
 出発点をヲ格にとる用法がある。この場合、到着点は示されない。
   人・ものガ 所カラ/ヲ 出る
    列車が駅を出る  その列車は3番線から出る  家を出る     大学を出る
 「家を出る」は、「建物から出る・独り立ちする・家出をする」の三つの意味になりうる。
  到着点のみを示す用法がある。出現の場所、あるいは参加する催しなどを表す。
      人・ものガ 所・ものニ/へ 出る
    授業に出る(出席する)  会社に出る(出社する)  映画に出る(出演する)
        この道は海に出る  ブドウが店に出始める  記事が新聞に出る
  ものの産出を表す。
   所・ものカラ ものガ 出る
    砂漠から石油が出る  裏庭から温泉が出た  枝から新芽が出る    お化けが出る
 人が意見などを出すこと。
   人カラ ものガ 出る
    女性から批判が出ている  反論が出ない 
 抽象的なものの出現を表す。
     ものガ 出る
    おみくじで大吉が出る  いつもの癖・ボロが 出る
 人がある態度を取ること。
    大きく出る  攻勢に出る
・複合動詞:「で-」の形、「-でる」の形、どちらも数が多い。
 「で-」の形のもの。「出る」という意味が薄れているものもある。
  「出歩く」は、「歩く」というよりも、あちこちに出かけること。
 「出かかる」「出かける」は、直前あるいは「途中まで~する」というアスペクトの用法になる。
 「出かける」はまた、独立の動詞として何か目的を持って家を出ることを表す。
 「出そろう」は、全部がその場に出ていること。「出尽くす」は、全部出てしまって後はないこと。
 「出払う」は、みんな外に出てしまって、そこには(い)ないこと。「出回る」は、ものが世の中に
  出ていて、よく見かけられること。
  「出遅れる」は、何かを始めるのが他よりも遅かったこと。「出過ぎる」は、必要以上に出ること。
  人が自分の立場以上の不適当な言動をすること。「出直す」は、初めからもう一度やり直すこと。
  「出会う」は、外出してたまたま人・物事に会うこと。「出迎える」は、出ていって迎えること。
 「出向く」は、その場所へ自分のほうから出かけていくこと。
 「-でる」の形のもの。出る時の状況や、目的などを示す。
   外へ移動する  あふれ出る 浮かれ出る  はい出る 走り出る わき出る 躍り出る
   現れる   浮き出る 染み出る 突き出る 飛び出る はみ出る 萌え出る ぬきんでる
   上司・役所などへ   届け出る 願い出る  申し出る

・スル動詞
  「出演する」は、映画・テレビ・舞台などに出て演ずること。
 「出勤する」は、勤め先に勤めに行くこと。「出血する」は、血液が血管の外に出ること。
 「出国する」は、国を出て外国へ行くこと。「出場する」は、演技や競技に参加すること。
 「出席する」は、授業や会合に出ること。「出張する」は、仕事で勤務場所以外の所へ行くこと。
 「出動する」は、消防隊・警官隊などが活動のため出ていくこと。
 「出発する」は、(日常の外出とは違う)目的地に向かって出かけること。  
◇だす
  「出す」は、人・ものを中から外に移動させること。なかったものを存在させること。
 対象のヲ格のほかに、出発点のカラ格、到着点のニ/へ格をとる。どちらに重点を置くかは動詞に
よる。
      人ガ 人・ものヲ 所カラ 所ニ/へ 出す
        児童を教室から校庭に出す  ロッカーから荷物を出す
    窓から(外に)手を出す   ポケットから手を出す  
  出発点が問題にならない用法。
      人ガ 人・ものヲ もの・所ニ/へ 出す
    足を前に出す  駅前に店を出す  食べ物に手を出す
    役所に届けを出す  雑誌に論文・広告を 出す  事業に資金を出す
        会議に代表を出す  子どもをテレビに出す  娘を嫁に出す
        試験に実力・やる気を 出す
  人に対して動作をする場合。
   人ガ 人ニ ものヲ 出す
    友だちに手紙・メールを 出す   生徒に宿題を出す  お客にお茶を出す
        従業員に特別手当・弁当を 出す  講師に迎えの車を出す
 あるものを存在させること。
        元気・やる気を 出す  熱を出す  スピードを出す  船・車を 出す
        赤字・損失を 出す   被害・けが人を 出す     大声を出す
  慣用表現  顔を出す 手を出す 口を出す ボロを出す 
・複合動詞
 「だし-」の形のものはそれほど多くない。「出す」時の態度や状況を表すものが多い。
 「出し合う」は、複数の人がお互いに出すこと。「出し遅れる」「出し惜しむ」「出しかねる」「出
し渋る」「出し損なう・損ねる」は、出す時の状況・態度を表す。「出し切る」「出し尽くす」は、全
部出すこと。「出し抜く」は、相手を騙したりして、先に自分が何かをすること。 
  「-だす」の形のものは非常に多い。
    中から外へ  追い出す 掻き出す 駆け出す  汲み出す 誘い出す  つかみ出す  つまみ出す
         飛び出す 取り出す 投げ出す 抜き出す はい出す 掃き出す 吐き出す
         引き出す 踏み出す 放り出す 
  外へ     書き出す  切り出す 閉め出す 突き出す 積み出す 乗り出す はみ出す
            掘り出す   
    人の手元へ   貸し出す 借り出す 差し出す 呼び出す
    出現させる  思い出す  聞き出す 染め出す 張り出す 割り出す?
  新しいものを  編み出す 打ち出す  作り出す
  始める    し出す 泣き出す  踏み出す(ひゆ的に)
・スル動詞「出題する」は問題を、「出版する」は本を、「出品する」は作品を出すこと。


でる(出る) 一(でない・でません・でて・でれば・でよう) 
[1]〔人・ものガ (所カラ) 所ニ〕
 △でたい  でそうだ  でかかる  でやすい  でにくい  でてみる  でてしまう
  でてはいけない  でなければならない  でようとする  でさせる  でられる 
 △[ちょっと/ときどき/よく/いつも/長く/しばらく/どんどん]~。
 △[中から外に/部屋(へや)から廊下(ろうか)に/家から庭(にわ)に/庭から道に]~。
  [いなかから都会(とかい)に/日本から海外に/地球(ちきゅう)から宇宙(うちゅう)に]~。
 ・中は禁煙(きんえん)です。タバコをすう人は外に出てください。
 ・一度海外に出たいと思っていたんです。
 ・東の空に星が出ている。
 ・秋のくだものが店に出はじめた。
 ・ここに出ている物は要らない物だから、すててください。
 ・おかのゆみ子のサインをもらいたい人は、舞台(ぶたい)の前に出てください。
 ・このほそい道を行くと5分ぐらいで、大学の前に出ます(=つきます)。
 △[テレビ/劇(げき)/コンサート/試合(しあい)/授業(じゅぎょう)/会議(かいぎ)]に~。
 ・だれかフランス語の分かる人がいたら、この電話に出て下さい。
 ・会社に出る時はネクタイをします。
 ・山田さんの名前がさっきの話の中に出てきましたが、あの人も何かかんけいがあるのですか。
 ・きのうの火事のことが新聞に出ている。
 ・今年はこの研究に特別の予算が出た。
[2]〔人・ものガ 所ヲ〕
 △[家/建物(たてもの)/門/学校]を~。
 ・門を出て、右へ100メートルほど行くとスパーマーケットがあります。
 ・電車は駅(えき)を出て間もなく、きゅうにとまった。
 ・家を出る時にはたしかにかさを持っていたのだが、学校に着いたらなかった。
 ・わたしは18才の時に親とけんかをして家を出てしまった。
 ・大学を出た後どんなしごとをするつもりですか。
[3]〔所・ものカラ 人・ものガ〕
 △[石油(せきゆ)/金(きん)/温泉(おんせん)]が~。
 ・風呂から出た後で飲むビールはうまい。
 ・トイレから出たら、かならず手をあらってください。
 ・ポケットからさいふが出ています(=見えています)よ。
 ・どうも背中(せなか)が寒いと思ったら、シャツから背中が出ていたのだ。
 ・山の後ろからまんまるい月が出た。
 ・星から出ている電波(でんぱ)を調べると、いろいろの事が分かるそうだ。
 ・あの土地から石油が出たそうだ。
 ・かべから釘(くぎ)が出ている。あぶないから、打っておこう。
 ・中国を回る旅行団(りょこうだん)から病人が出た。
 ・この村からは有名な政治家(せいじか)が4人も出ている。
 ・やめようと思うのだが、つい頭にさわる癖(くせ)が出てしまう。
 ・「ばか」というのは、もともとサンスクリット語から出たことばです。
 ・寺村先生の本はくろしお出版(しゅっぱん)から出ています。
 ・そばやから火が出て、家が10軒(けん)やけた。
 ・「出る杭(くい)は打たれる」ということわざがあるが、かまわず言いたいことを言ってきた。
[4]〔人カラ ものガ〕
 △[希望(きぼう)/批判(ひはん)/反対意見(はんたいいけん)]が~。
 ・会員から説明(せつめい)の要求(ようきゅう)が出ている。
 ・世間(せけん)からもだんだん批判が出はじめた。
 ・会議では、たくさんの反対意見が出た。
 ・学生からプール建設(けんせつ)の希望が出ている。
[5]〔ものガ〕
 △[熱(ねつ)/スピード]が~。[本/赤字(あかじ)/新記録(しんきろく)]が~。
  [死者(ししゃ)/負傷者(ふしょうしゃ)/怪我人(けがにん)/落伍者(らくごしゃ)]が~。
 ・エンジンの調子(ちょうし)がわるくて、車のスピードが出ない。
 ・毎月出る雑誌(ざっし)の多いのにはおどろく。
 ・今村先生の本がやっときのう出た。さっそく注文しよう。
 ・料理が出る、さけが出る。で、いつのまにか宴会(えんかい)が始まった。
 ・先月の給料(きゅうりょう)がやっときょうになって出た。
 ・グラウンドのじょうたいが悪いので、わたしの実力(じつりょく)が出ないなあ。
 ・お腹がすいているので、力が出ない。
 ・バスの事故でけが人がおおぜい出た。
 ・大そうじをしたら、ごみがたくさん出た。
 ・かぜをひいているので、声(こえ)がよく出ない。
 ・つまらないしごとなので、どうもやる気が出ない。
 ・気になることがあるので、どうも元気(げんき)が出ない。
 ・この品物はさいきんよく出ます(=売れます)よ。
 ・いろいろおもしろい話が出ました。
 ・よけいな事を言ったのでぼろが出てしまった。(=知られたくないことを知られてしまった。)

<複合動詞:で->
[であう] 人ガ 人・ものニ/ト
 ・赤ずきんちゃんは森の入り口でオオカミに出会いました。
 ・どんな困難に出会ってもくじけずに今日までがんばってきました。
   顔見知り・好敵手・オオカミ・嵐・困難・奇跡・事件・亡霊に 神と 思いがけなく
[であるく] 人ガ
 ・天気のいい日にちょっと辺りを出歩いてみるのが、その頃の楽しみの一つだった。
 ・病気がなおったばかりなのだから、あちこち出歩いてはいけない。
   外・町を 一人で 自由に 取材に 勝手気ままに まめに 毎日
[でおくれる] 人ガ 
 ・スタートで出遅れると、なかなか追いつけない。
 ・立候補が出遅れてしまい、選挙戦がうまくいかなかったのが敗因だ。
   スタート・発言が 家を 選挙・レースで スタートで 市場に 
[でかかる] ものガ
 ・部屋を出かかったが、忘れ物を思い出して机に戻った。
 ・あの人、誰だったかなあ。名前がここまで出かかっているんだけど。
   あくび・声・名前・皮肉が 声がのどまで 部屋・教室を ~た言葉を飲み下す
[でかける] ものガ  (「外出する」の意は別)
 ・答えが出かけていたんだが、他の人に先に答えられてしまった。
 ・家を出かけたとき、居間の電話が鳴った。
[ですぎる] 人・ものガ 
 ・おなかがちょっと出るのはまあ、貫禄だけれど、君のはちょっと出過ぎているよ。
 ・私の立場でこういうことを言うのは出過ぎたことかもしれませんが、、、。
   腹が ~た行為・まね・忠告・お茶
[でそろう] ものガ
 ・各社の作成した開発プランが出揃った。
 ・論文集の論文がまだ出そろわないので、印刷できません。
   意見・材料・商品・データ・料理・穂が 都道府県ごとの額が すべて
[でつくす] ものガ
 ・私たちは、アイデアが出尽くすまで考え続けた。 
 ・可能な案は出尽くしたと思うので、この中から一つ選びましょう。
   意見・質問・話題・悪い材料・膿が
[でなおす] 人ガ 
 ・今日は見事に断られたね。もう一度改めて出直すか。
 ・今までのやり方ではもうだめなんだ。一から出直さないと、うまくはいかない。
   一から 初めから 新たに 改めて もう一度 頭を冷やして 顔を洗って
[ではらう] 人・ものガ
 ・今、担当の者が出払っていて、くわしいことはわかりません。
 ・会社の車はみんな出払ってしまったので、タクシーを呼んで行ってください。
   家・基地を  ~ている 家族・社員が 全員・皆 あいにく
[でまわる] ものガ
 ・このカメラにせものが出回っているらしい。
 ・さいきんは世界中に日本の製品が出回っている。
   怪文書・商品・模造品・類似品が 広範囲・市場・市中に
[でむかえる] 人ガ 人ヲ
 ・大統領の来日を首相以下の閣僚が空港で出迎えた。
 ・お電話いただければ、私どもがお出迎えにあがります。
   客・先生・花嫁を 到着を 門・玄関に にこやかに・いそいそと しぶしぶ
[でむく] 人ガ 
 ・警察署長自らが現場に出向いて指揮を執った。
 ・「なんでこんなことのために校長が出向かなきゃならないのか」と文句を言いながら、校長は出
  て行った。
   使者が こちらから 先方へ 挨拶・取材に 現地・工場・得意先に 早速
[でっぱる] ものガ 
 ・最近おなかが出っ張ってきた。いかん。
 ・この、妙に出っ張ってるところは何だ? 中に何か入っているのかな。
   頭・おでこ・おなか・腹・骨が 木の枝が通りに 
<スル動詞>
[出演(しゅつえん)する]  人ガ ものニ
  ・テレビのドラマに出演(を)しないか、と言われたが、おばけの役だった。
 ・大学の先生がテレビの報道番組にゲストとしてよく出演(を)するようになった。
[出勤(しゅっきん)する]  人ガ 所ニ
  ・毎朝事務所に出勤(を)して仕事をし、家に帰って寝る、それだけの毎日だ。
 ・朝の住宅街を会社に出勤(を)するサラリーマンが急ぎ足で過ぎていく。
[出血(しゅっけつ)する]  人・ものガ
 ・これは、腸が出血(を)していますね。手術が必要です。
 ・彼は腕からひどく出血(を)していた。 
[出国(しゅっこく)する]  人ガ (所カラ/ヲ)
 ・出国(を)するときは、再入国ビザをとっておかないといけません。
 ・いつ、この国から出国(を)する予定ですか。 
[出場(しゅつじょう)する]  人ガ ものニ
  ・市の野球大会に出場(を)したいと思って、同僚を集めてチームを作った。
 ・この競技会に出場(が)できるのは12才から18才までの青少年に限ります。
[出席(しゅっせき)する]  人ガ ものニ
  ・会議に出席(を)するため、京都へ行った。
 ・友だちの結婚披露宴に出席(を)するためだと言って、ドレスを買ってもらった。
[出張(しゅっちょう)する]  人ガ 所ニ
  ・来週、広島に出張(を)します。
 ・社用で海外に出張(を)するのは疲れる。気楽な旅行で行きたいものだ。
[出動(しゅつどう)する]  人・ものガ ものニ
 ・警察の機動隊がテロ対策に出動(を)した。
 ・救急車が出動(を)する必要のない日が多いといい。
[出発(しゅっぱつ)する]  人ガ 所ヲ/カラ
  ・朝8時に学校を出発すれば、12時に向こうに着くはずです。
 ・我々の議論はこの疑問から出発している。
〔ものニ〕 
 ・田中さんの一家はけさ成田空港から海外旅行に出発した。


だす(出す)五(ださない・だします・だして・だせば・だそう) 
[1]〔人ガ 所カラ 所ニ/へ 人・ものヲ〕
  △だしかける  だしてほしい  だしてしまう  だしてみる  だしておく  だしてある
  だしてもらう  だしてはいけない  ださなければならない  だせない  だそうとおもう
  ださせる  だされる  ださせられる  だせ!  だすな!
 △[すこし/たくさん/すぐに/あとから/急いで/ゆっくり/まとめて/一つずつ]~。
 △[箱(はこ)からケーキを/ふくろからおもちゃを/へやから家具(かぐ)を]~。
  [中から外に/教室からろうかに/家から庭(にわ)に/日本から国外(こくがい)に]~。
  [ゴミを家の外に/人質(ひとじち)を建物(たてもの)から外に/小鳥(ことり)をかごから]~。
 ・部屋(へや)のゴミを外に出してください。あとでまとめて捨(す)てますから。
 ・ロッカーから荷物(にもつ)を出した。
 ・バスの窓(まど)から手や顔を出さないでください。(そとに)
 ・人と話をする時にはポケットから手を出しなさい。
 △[店の入口(いりぐち)にのれんを/大学の近くに店を]~。
 ・店の入口に大きな看板(かんばん)が出してありますから、すぐに見つかりますよ。
 ・いたんだイチゴは店に出せないから、煮(に)てジャムにしましょう。
 ・駅前にラーメンの店を出した(=店をはじめた)ので、食べに来てください。
 ・こんだ電車で、すわっている人が足を前に出しているのはこまったことだ。
[2]〔人ガ ものニ 人・ものヲ〕  
 △会議(かいぎ)に[代表(だいひょう)/代理(だいり)/委員(いいん)]を~。
 ・子どもをテレビや舞台(ぶたい)に出してよろこぶ母親を「ステージ・ママ」という。
 ・兄をさがすために新聞に広告(こうこく)を出した。
 ・会議(かいぎ)に代表(だいひょう)を出す。
 ・雑誌(ざっし)に論文(ろんぶん)を出した(=投稿(とうこう)した)。
 ・今度の新しい事業に資金(しきん)を出してくれませんか。
 ・講演会(こうえんかい)の講師(こうし)に迎(むか)えの車を出して下さい。
 △[口/手/足/顔(かお)]を~。
 ・他人のしごとに口を出さないでください。
 ・大学を出てから商売(しょうばい)にも手を出して(=やって)みたがうまくいかないので、一年ぐ
  らいでやめてしまった。
 ・おじは、株(かぶ)に手を出して失敗(しっぱい)した。
 ・遠慮(えんりょ)して、だれもお菓子(かし)に手を出さない(=食べない)。
 ・足を出さない(=たりなくならない)ように、うまくお金を使ってください。
 ・パーティーに顔を出して、同業者(どうぎょうしゃ)にあいさつをしてまわった。
 ・ひさしぶりに会議(かいぎ)に顔を出してみたが、やはり下(くだ)らない話ばかりだった。
[3]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △[給料(きゅうりょう)/お茶/宿題(しゅくだい)/大学に願書(がんしょ)を]を~。
 ・わたしは月に一度は父母に手紙(てがみ)を出すことにしている。
 ・わたしの先生はほんとうによく学生に宿題(しゅくだい)を出す。
 ・お客さんにお茶を出してください。
 ・役所(やくしょ)に出生届(しゅっせいとどけ)を出した。
[4]〔人ガ 人・ものヲ ものニ〕
 △[車を修理(しゅうり)に/器械(きかい)を点検(てんけん)に/娘(むすめ)を嫁(よめ)に]~。
 ・新しい社員を研修(けんしゅう)に出して、仕事を覚(おぼ)えさせる。
 ・毎日使っている車を点検に出したので、不便(ふべん)でしかたがない。
 ・カメラは修理に出してあります。
 ・一人娘(ひとりむすめ)を嫁に出してしまったら、さびしくなった。
 ・すみませんが、田中さんを電話に出してください。
[5]〔人ガ ものヲ〕
 △[スピード/熱(ねつ)/火事/怪我人(けがにん)]を~。
  [元気/やる気/負(ま)けん気/実力(じつりょく)/根性(こんじょう)/ぼろ]を~。
  [死者(ししゃ)/けが人/退場者(たいじょうしゃ)]を~。
 ・あまり車のスピードを出さないでください。
 ・子どもがゆうべから39度の熱(ねつ)を出している。
 ・頂上(ちょうじょう)まであと少しだから、元気を出してのぼろう。
 ・病人がねている部屋(へや)のそばで大きな声を出さないでください。
 ・今度の事故(じこ)で負傷者(ふしょうしゃ)をおおぜい出したので、JRは大きな批判(ひはん)を
  あびている。
 ・危険(きけん)なファールのために退場者(たいじょうしゃ)を出したチームは、一人少ない状態(じ
  ょうたい)で、のこりの時間を戦(たたか)わなければなりません。
 ・ことしは経営戦略(けいえいせんりゃく)のあやまりで、大変な赤字(あかじ)を出してしまった。

<複合動詞:だし->
[だしあう] 人ガ 人ト ものヲ 
 ・みんなでお金を出し合ってプレゼントを買った。
 ・みんなの知恵と意見を出し合って、この苦しい時期を乗り越えていきたいと思います。
      合図・意見・金・声・資金・資本・知恵・力・費用・名刺を 自由に 共に
[だしおくれる] 人ガ ものヲ
 ・原稿を出し遅れるなと言われていたんだが、結局遅くなってしまった。
 ・クラス会の出欠のハガキを出し遅れ、あとで幹事に文句を言われた。
      お礼の品・証文・年賀ハガキ・返事・メールを
[だしおしむ] 人ガ ものヲ 
 ・練習で力を出しおしむな。
 ・外国のレストランでチップを出し惜しむと、冷たい扱いを受けかねない。
      力・チップ・話を  わずかな金・寄付も
[だしかねる] 人ガ ものヲ 
 ・そんな下らないことに使うようなお金は出しかねる。
 ・推薦状を書いてほしい? 君の推薦状は、、、ちょっと出しかねるねえ。
      そんなに多額の金は  事業への資金を 欠席の多い学生への奨学金は
[だしきる] 人ガ ものヲ 
 ・きょうはほんとうの実力を出しきることができなかった。
 ・体の中のエネルギーを出し切ってしまい、もう一歩も動けない。
      エネルギー・全力・ベスト・持ち味・持てる力を 百パーセント
[だししぶる] 人ガ ものヲ 
 ・どうせ悪いことで得たお金なのだから、そんなに出ししぶらないで、どんどん使ったどうです。
 ・政府がこの問題に関する情報を出し渋っているのはなぜなんですか。何かやましいことがあるん
  ですか。
      お金・情報・肌を
[だしそこねる] 人ガ ものヲ 
 ・病気でねていたので、卒業論文を出しそこねてしまった。
 ・父はどうも機嫌が悪かったので、終業式でもらった成績表を出しそこねた。
[だしつくす] 人ガ ものヲ
 ・すべての力を出し尽くして決勝戦を戦い、勝利を得た。
 ・持てる力を百パーセント出しつくさないと、今回の相手には勝てない。
   エネルギー・全力・ベスト・持ち味・持てる力・すべてを 膿・尿を 百パーセント
[だしぬく] 人ガ 人ヲ 
 ・競争相手を出しぬくためにいろいろな方法を考えた。
 ・新製品の開発でライバルの会社に出し抜かれた。
      相手・警察・周囲・大臣を  ものの見事に~れる

<スル動詞>
[出題(しゅつだい)する]  人ガ ものヲ
 ・今回の試験は、中世から1題、近世から1題、出題します。
 ・先生、ひねくった問題を出題しないで下さい。
[出版(しゅっぱん)する]  人ガ ものヲ
  ・来年友人と本を出版するつもりです。
 ・彼女は来年から全十巻の著作集を出版し始めるそうだ。すごいもんだねえ。
[出品(しゅっぴん)する]  人ガ ものニ ものヲ
 ・展覧会に新しい作品を出品した。
 ・持っている美術品をオークションに出品して、金に換えるつもりだ。

[輸出(ゆしゅつ)する]  ものガ 所ニ ものヲ
  ・我が社は世界20ヶ国に製品を輸出しています。
 ・日本は石油を輸入し、自動車などを輸出している。
 [~の輸出をする]
  ・部品の輸出をして、完成品を輸入するというのは損な取り引きだ。

[13] 移る・移す

◇うつる
 「移る」は、人・ものがある位置・状態から別の位置・状態へ変わること。結果の位置・状態をニ
格/へ格で示す。元の位置・状態をカラ格で示す。「-ている」の形は結果の状態を表す。
      人・ものガ 所・ものカラ 所・ものニ/へ うつる
       大阪から東京に移る  情勢が新たな段階に移ってゆく  話題は別のことに移っていた
 人から人へ癖や病気が伝わることも言う。
   ものガ 人カラ 人ニ/へ うつる
    父の癖が移ってしまった  子どもの風邪が移ったようだ
 ヲ格をとる用法がある。
   人ガ ものヲ うつる
    職場・会社を うつる
・複合動詞は「うつり-」の形のものと「-移る」の形のものがある。
 「移り変わる」「移りゆく」は、物事が時とともに変わっていくこと。
 「移り住む」は、別の土地に移って住むこと。「住み替える」も、「移り住む」と同じで、別の家
  に住むこと。
    世の中は移り変わる/移りゆく   田舎に移り住む  家を住み替える
 「飛び移る」は、飛ぶように移ること。
 「乗り移る」は、乗り物から乗り物へ移ることと、人に霊などがとりつくことを言う。
 「燃え移る」は、火が別のものに移ること。
 「渡り歩く」は、仕事・職場を求めてあちこち移ること。
    サルが木から木へ飛び移る  別の船へ乗り移る  悪魔が子どもに乗り移る
    ストーブの火がカーテンに燃え移る  天下りが外郭団体を渡り歩く
・スル動詞は、「移」という漢字を要素とするものが多い。
 「移動する」は、基本的な語で、具体的な人・ものが場所をかえることや、抽象的なもの、所有権
  などが移ることも言う。通過する場所をヲ格で示す場合がある。また、他動詞としてヲ格をとる
  用法もある。その場合、自動詞の使役形を使って「移動させる」とも言える。
    タクシーで移動する  山中を移動する
    所有権・カーソルを 移動する/移動させる
 「移住する」は、別の所に住むこと。特に、外国に移り住むこと。
 「移民する」は、外国へ永住を目的として移り住むこと。
 「移転する」は、家や会社などが別の所に移ること。権利など抽象的なものを人から人へ移すこと
  も言う。他動詞の用法もある。
 「移行する」は、社会的な制度・状態などが別のものに変わって行くこと。
       南米に移住する/移民する  工場が移転する  新制度に移行する
 「転校する」は学校を変わること。「転勤する」は企業は変わらないが勤務地が変わること。
    家が引っ越して転校した  名古屋支店に転勤する
 「感染する」は、病気になること。「伝染する」は、病気が他の人に移ること。(→「生理:病気」)
    伝染病に感染する  風邪が伝染する
◇うつす
  「移す」は、「移る」に対応する他動詞で、人・ものを別の位置・状態へ変えること。対象をヲ格
で、結果の位置・状態をニ格/へ格で示す。元の位置・状態をカラ格で示す。「-ている」の形は動
作の進行中または動作の結果の状態を表す。
      人ガ ものヲ (所カラ) 所・ものニ/へ うつす
    机を部屋の中央に移している(今、移動中/現在の状態)
    関心を別の問題に移す  計画を実行に移す  夫に風邪を移された
・複合動詞「移し替える」は、はものを別の所に移すこと。「積み替える」は、別の所に積むこと。
・スル動詞には、「移」という漢字を要素とするものが多い。
 「移動する」は、上の「移る」の解説を参照。
 「移植する」は、植物を別の場所に移して植えること。動物の組織を他の場所や個体に移すこと。
  ひゆ的に、外国の文化などを自国に移すことも言う。
 「移転する」は、家や会社などを別の所に移すこと。権利など抽象的なものを人から人へ移すこと
  も言う。自動詞の用法もある。
    桜の木を移植する  心臓を移植する手術  工場を移転する  物権を移転する   
 「スライドする」は、すべること。ある数量に応じて他の数量が増減すること。
    物価に合わせて賃金をスライドさせる
◇はこぶ
 「運ぶ」は、具体的な物を移動することと、抽象的な物事の進展を表す。後者の場合、ガ格をとる
自動詞としての用法もある。出発点をカラ格、到着点をニ格・マデ格で示す。
    人・ものガ ものヲ (所カラ) 所ニ/へ/マデ はこぶ
       イスを倉庫から会議室に/まで 運ぶ    風が花の香りを運んできた
    司会者が話をうまく運ぶ
   ものガ はこぶ
    話がうまく運ぶ
  「運ぶ」は、ある所から別の所へ物を動かすことで、「動かす」は、10センチだけでも言えるが、
「運ぶ」は初めの所とは別の所に移すという意味合いがある。手で持つか、何かに載せて、という場
合が多い。
・複合動詞:「はこび-」「-はこぶ」の形のものがある。
 方向を表す動詞を後ろにつけた「運び上げる」「運び入れる」「運び込む」「運び出す」がある。
 「運び去る」は、ほかのところへ運んでしまうこと。その場からなくなることに重点がある。
 「-出す」は出発点のカラ格を重視する。 
       荷物を部屋に運び入れる/運び込む  荷物を部屋から運び出す
       荷物を二階に運び上げる       荷物をどこかに運び去る
 「-はこぶ」の形のもの。
 「持ち運ぶ」は、ものを持って移動すること。置いていかないことを特に言う。
 「取り運ぶ」は、物事をうまく進行させることを言う。
    大きな荷物を持ち運ぶ    儀式を順調に取り運ぶ


うつる(移る)五(うつらない・うつります・うつって・うつれば) 
[1]〔人・ものガ (所・もの・人カラ) 所・もの・人ニ〕
 △うつりたい  うつってみる  うつってはいけない  うつってしまう
  うつらないほうがいい  うつらせる  うつられる  うつろうと思う
  うつれ!  うつるな!
 △[ぜんぶ/一部だけ]~。[そのうちに/いつか/知らないうちに/もう」~。
 △[担当者(たんとうしゃ)/中心/首都(しゅと)/店/本社(ほんしゃ)]が~。
  [話題(わだい)/権力(けんりょく)/関心(かんしん)/重点(じゅうてん)]が~。
  [火/におい/味(あじ)/くせ/病気/伝染病(でんせんびょう)/季節(きせつ)]が~。
 ・東京からここに移ったばかりです。まだまわりの事がよく分かりません。
 ・すみません。前の担当者が別の課(か)に移ってしまって、書類がどこにあるのか、、、。
 ・ビルの1階(かい)にあった事務所が3階に移ったので、不便になった。
 ・この30年で、都心(としん)から郊外(こうがい)へ移った大学が多くある。
 ・明治時代(めいじじだい)になって、首都が京都から東京に移った。
 ・ここにあった店は、もっと駅の近くに移ったようですよ。
 ・あの人の話は、次から次へと話題が移っていって、面白いけど忙しい。
 ・子供が生まれると、家の中の権力が私から妻に移った。
 ・たばこのにおいが服(ふく)や髪の毛(かみのけ)に移ってしまった。いやだなあ。
 ・赤いシャツといっしょにあらったら、白いシャツに赤い色が移ってしまった。
 ・西山さんと話をしていると、知らないうちにあの人の話し方や口ぐせが移ってしまう。
 ・そばやから出た火は、すぐにとなりの家に移った(=もえ移った)。
 ・この病気は重くないが、人に移りやすいので、なおるまで、外に出ないようにしてください。
 ・久しぶりにデパートに来ると、あれこれと目が移ってしかたがない。
 ・かのじょは気が移りやすいから、あいてをするのはたいへんだ。
 ・彼女の心は他の男に移ってしまったらしい。
[2]〔人ガ 所ヲ〕
 ・彼は新しい名刺(めいし)をくれた。いつの間にか会社を移ったらしい。
  ・私は何度もアパートを移ったので、そのたびに転居通知(てんきょつうち)を出すのがめんどうだ
  った。
<複合動詞:うつり->
[うつりかわる] ものガ
 ・世の中は、移り変わろうとしている。
 ・季節の移り変わるのを見ながらくらすのはいいものだ。
   時代・場面・世が 刻々と 時代とともに 時に連れて
[うつりすむ] 人ガ 所ニ/へ / 人ガ ものヲ
 ・父は、静かな田園地帯に移り住んで余生を過ごしたいとよく言っていた。
 ・子供の頃、父の仕事の都合で北海道を転々と移り住んだ。
   アパートに 他の市町村に 辺地・町・山の中に 家を  転々と
[うつりゆく] ものガ
 ・世の中が大きく移りゆく中で、変わらないものを大事にしたい。
 ・彼の文章は、移りゆく世相を見事にとらえ、記録にとどめている。
 ・季節が移り行き、歳月が流れ行く。
      季節・自然・時代・世相が        
<複合動詞:-うつる>
[とびうつる] 人・ものガ ものカラ ものニ/へ
 ・動物園から逃げたサルが木から木へ飛び移ってどこかへいってしまった。
 ・ボートを岸に着け、飛び移ろうとしたが、誤って水に足を突っ込んでしまった。
      木の間を 船を 対岸に 枝から枝へと 船から岸に ひょいと
[のりうつる] 人ガ ものカラ ものニ/へ  
 ・小さなボートから船に乗り移った。
 ・悪魔が子供からその親に乗り移った。
      悪魔・霊・精霊・心・心情・憎しみ・不安が 船・艀・ボートに
[もえうつる] ものガ ものニ/へ
 ・隣の家の火事が我が家に燃え移り、私たちは焼け出されてしまった。
 ・火事の原因は、ストーブの火が何らかの理由でカーテンに燃え移ったことらしい。
      隣家に 小枝に火が ガスの火がカーテンに
<複合動詞:その他>
[すみかえる] 人ガ ものヲ
 ・このマンションも長く住んだので、そろそろ住み替えたいと思っている。
[わたりあるく] 人ガ 所カラ 所ニ/へ
 ・そのころの私は、国から国へ、町から町へと渡り歩いていた。
 ・政治家として重要なポストを渡り歩き、大臣にまでなった男が汚職で刑務所行きだ。
      世界・地方・津々浦々・重要なポスト・寺・枝・川・宿屋を 転々と

<スル動詞>           
[移行(いこう)する]  ものガ ものニ 
 ・我々の現在の業務は、少しずつ新委員会に移行していくことになります。
 ・新制度に完全に移行するまでの期間は、いろいろな問題が生じると思われる。
[移住(いじゅう)する]  人ガ 所ニ
 ・昔は日本から南米に移住(を)した人が多くいた。
 ・私もどこか海外に移住(を)してみたいと思っていた。
[移転(いてん)する]  ものガ (所カラ)所ニ
 ・大学が都内から郊外に移転(を)した。
[移動(いどう)する]  人・ものガ (所ニ)
 ・両側の皆さん、もう少し中のほうに移動(を)してください。
 ・部屋の家具がびみょうに移動している。どろぼうが入ったのだろうか。
 ・気候の変動のために民族が移動し、歴史が大きく動いた。
[移民(いみん)する]  人ガ (所カラ)所ニ
 ・若いころ、外国へ移民しようと考えていた。
 ・当時は多くの日本人がブラジルに移民した。
[スライドする]  ものガ
 ・長い交渉の結果、物価の上昇に合わせて給料をスライドさせる方式にした。
 ・狭い廊下(ろうか)では、前後に開くドアより横にスライドさせる引き戸(ひきど)のほうがいい。
[転勤(てんきん)する]  人ガ 所カラ 所ニ/へ
 ・来月、静岡に転勤(を)することになった。
  ・私は東京から大阪、大阪から福岡へと、どんどん西へ転勤(を)していく。
  この次は韓国か中国に転勤(を)することになりそうだ。
 ・北海道から転勤(を)してきました高山と申します。
[転校(てんこう)する]  人ガ
 ・私は父の転勤のために、小学校の間に3回転校(を)した。
 ・都会の学校から転校(を)してきた子は、田舎の子供たちとはどこか違っていた。


うつす(移す) 五(うつさない・うつします・うつして・うつせば・うつそう) 
[1]〔人ガ 人・ものヲ (所・もの・人カラ) (所・もの・人ニ)〕
 △うつしたい  うつしてみる  うつしてある  うつしてはいけない
  うつさないようにする  うつさせる  うつられる  うつそうとする
  うつせ!  うつすな!  うつれない
 △[さっと/いっぺんに/ゆっくり/いそいで/慎重(しんちょう)に]~。
 △[本を上のたなに/さくらの木を門のそばに/テレビをとなりのへやに]~。
  [心/興味(きょうみ)/関心(かんしん)]を別の問題に~。
 ・この本棚(ほんだな)の本をとなりのへやへ移したいので、てつだってください。
 ・話がよく聞こえない人は席(せき)を前の方へ移してもいいですよ。
 ・我が社の工場(こうじょう)を北海道へ移すことになりました。
 ・広い土地(とち)を求めて、いくつかの大学がキャンパスを郊外に移した。
 ・その病人はヘリコプターで島(しま)の病院から市内の病院へ移された。
 ・あの人はもう心をほかの人に移してしまった。私のことを愛(あい)してくれなくなった。
 ・政府(せいふ)は来年から、政策(せいさく)の重点(じゅうてん)を経済問題から教育問題に移すこ
  とにしたそうだ。
 ・P社とQ社の話合いは、舞台(ぶたい)をRホテルに移してつづけられた。
 ・計画(けいかく)がまとまったから、すぐに実行(じっこう)にうつしましょう。
 ・友だちにかぜをうつされた。
 ・マッチの火を移すと、ろうそくはあかるくもえはじめた。
 ・もんだいがおこったら、時を移さずに(=すぐに)手を打たなくてはいけない。

<複合動詞:うつし->
[うつしかえる] 人ガ ものヲ 所ニ
 ・門の前の木がとても大きくなったのでほかのところへ移しかえようと思っている。
 ・料理をプレートから小皿にすばやく移し替えた。
      位置・位牌・機構・内容・荷物・文・リボン・料理を すばやく
<複合動詞:その他>
[つみかえる] 人ガ ものヲ ものカラ ものニ
 ・貨物を船からトラックに積み替え、各地に配送した。
 ・飛行機から積み替えたときに紛失してしまったらしい。
      荷物・箱・品物・本を
   
<スル動詞>
[移植(いしょく)する]  人ガ ものヲ
 ・苗を別の土地に移植して大きく育てる。
 ・脳死の患者から心臓や肝臓を移植することが次第に行われるようになった。
[移転(いてん)する] 人ガ ものヲ (所・人カラ)所・人ニ
 ・東京の工場を地方に移転した。
 ・所有権が移転されているので、それを考慮しなければならない。
[移動(いどう)する]  人ガ もの・所ヲ
 ・大掃除のとき、家具を移動したらすごいほこりだった。
 ・停車している車をもう少し前に移動してください。
 ・我々の部隊は山中を移動して、敵の裏に回る作戦だった。  


はこぶ(運ぶ)五(はこばない・はこびます・はこんで・はこべば・はこぼう) 
[1]〔人・ものガ (所カラ) 所マデ/ニ ものヲ〕
 △はこんである  はこんでおく  はこんでほしい  はこばなければならない
  はこぼうとする  はこばせる  はこばれる  はこばせられる  はこべ! 
 △[すこしずつ/次々(つぎつぎ)に/たくさん/大量(たいりょう)に]~。
  [一度に/何回かに分けて/ぜんぶまとめて/一気(いっき)に]~。
  [のろのろ/すばやく/どんどん/重そうに/軽そうに/がんばって/いやいや]~。
  [片手(かたて)/両手(りょうて)/車/トラック/たんか/台車(だいしゃ)]で~。
 △[荷物(にもつ)/机(つくえ)/いす/家具(かぐ)/本/けが人/病人(びょうにん)]を~。
 ・次の日曜日に引越(ひっこ)します。新しいへやに荷物を運ぶのをてつだってくださいませんか。
 ・このイスを会議室(かいぎしつ)に運んでください。そこのは運ばなくていいです。
 ・病人を担架(たんか)にのせて救急車(まで)運んだ。
 ・春風(はるかぜ)が花の良いにおいを運んできた。
 ・電話のなかったころはちょっとした用事でも、わざわざあいての所まで足を運ばなくてはならな
  かった。(=行かなくてはならない)
 ・事をうまく運ぶためには、関係(かんけい)のある人たちに前もって問題(もんだい)を説明(せつ
  めい)して、同意(どうい)してもらうといい。これを「根回(ねまわ)し」という。
 ・しごとの話がすんで、帰ろうとすると、「まあ食事でも、ごいっしょに。」などと言われて「い
  や...」とか「今日は..その...」などと言っているうちに料理がつぎつぎに運ばれて来て、帰れなく
  なった。
[2]〔ものガ〕
 △[すいすいと/とんとんと/順調(じゅんちょう)に/調子よく/予定通り]~。 
 △[工事(こうじ)/話/会議(かいぎ)]が~。
 ・工事が順調(じゅんちょう)に運べば、橋(はし)は、来年にはできあがりますよ。
 ・関係のない話をする人が多いので、会議(かいぎ)がなかなか運ばない。(=すすまない)
 ・家を買う話がとんとんとうまく運んで(=すすんで)、来月にはもう引越すことになった。
 ・A:P社との交渉(こうしょう)はうまく運んでいますか。
  B:うまく運べばだれも苦労しないよ。(=うまく運ばないのがふつうだ)
[3]〔人ガ ものヲ〕  
 △[工事(こうじ)/話/会議(かいぎ)]をうまく~。
 ・根回(ねまわ)しをしたおかげで、会議をうまく運ぶことができた。
 ・こういうまとめにくい話をうまく運ぶにはどうしたらいいか。  

<複合動詞:はこび->
[はこびあげる] 人ガ ものヲ 所ニ/へ
 ・荷物を二階に運び上げていて、急に腰が痛くなり、二日間寝たきりだった。
 ・トラックに運び上げられた引っ越し荷物を見て、我が生活の貧しさを感じた。
   川を ソファー・箱・荷物・ピアノを 二階に
[はこびいれる] 人ガ ものヲ 所ニ/へ
 ・ろうかにあるスーツケースをへやに運び入れてください。
 ・大きなベッドを寝室に運び入れるのが大変だった。
   資材・食料・畳・包み・荷物・死体を 夜陰ひそかに
[はこびこむ] 人ガ ものヲ 所ニ/へ 
 ・雨が降りそうなので、急いで中に運び込んでください。
 ・わたしが出かけている間にこんなにたくさんの荷物が運び込まれてしまったんです。
   けが人・魚・食料・畳・武器・物資・料理を 救急車に 一度に 続々と
[はこびさる] 人ガ ものヲ 所ニ/へ
 ・何者かが部屋の中の物を引っ越しだと言って運び去ってしまったらしい。
 ・その名画がどこへ運び去られたのかは、いまだに不明である。
   荷物・夜具・死体・取り分を あっという間に どこへともなく
[はこびだす] 人ガ ものヲ 所カラ  所ニ/へ
 ・ここにある箱をみんな運び出してください。
 ・へやの中の家具を庭に運び出して、かべをぬりなおした。
   遺体・家財道具・材木・皿・品物・段ボール箱・土砂・病人・瓶・宝物・本・宝物・
   貴重な標本・本箱を  部屋から 一挙に 手際よく  
<複合動詞:-はこぶ>
[もちはこぶ] 人ガ ものヲ 
 ・小さいパソコンは持ち運ぶのに便利でいい。
 ・身の回りのものを持ち運ぶには、このくらいのスーツケースがちょうどいい。
   荷物・石・本箱・着替え・種・苦しみ・図体・身を
[とりはこぶ]  人ガ ものヲ 
 ・順調に取り運ばれていた結婚式だったが、ケーキカットのところで問題が生じた。
 ・今回の葬儀は滞りなく取り運ぶことができ、安堵しました。この前は愛人の女が奥さんと取っ組
  み合いのけんかを始めたりして、大変でしたからねえ。 

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