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[3] 上がる・上げる・のぼる

   上がる  上がりきる 上がり込む  
         アップする 出世する 上下する 上昇する 昇進する 上達する 上陸する
         値上がりする 暴騰する
     上げる  アップする 値上げする
     のぼる  登り切る 上り詰める  登山する

[4] 降りる・下がる・落ちる

   降りる  降り立つ  下降する 下車する 着陸する 乗り降りする 
     降ろす
     落ちる    落ち合う 陥る 落ちかかる 落ちくぼむ 落ちこぼれる 落ち込む 落ち着く
          落ち着き払う 落ち着ける 落ち延びる 落ちぶれる
          落第する 落下する 墜落する 転落する 堕落する 没落する
     落とす
     下がる  値下がりする 暴落する    後退する バックする
     下げる  値下げする
     下る

[3]上がる・上げる・のぼる

  上方への移動を表す動詞をとりあげる。基本語は「上がる・上げる」「のぼる」の3語。下方への
移動を表す「下がる・下げる」「降りる・降ろす」「下る」と対立する。「上がる・上げる」は具体的
・物理的な移動のほか、抽象的な変化やひゆ的な用法が発達している。複合動詞の後要素としても生
産性が高い。
 「あげる」は、補助動詞化して「してあげる」という「授受表現」の文型となる。

◇あがる(上がる・挙がる・揚がる)
  人・ものが高いところに移動すること。数量が多くなること、抽象的な位置や段階・価値などにつ
いて、よくなることを言う。物理的な移動・数量に関する用法では、出発点のカラ格、到達点のへ/
ニ格、通過する場所のヲ格をとりうる。抽象的な用法では、とりうる格が少なくなる。「-ている」
の形で状態を表す。「-ていく・くる」とよく使われる。
   人・ものガ 所カラ 所へ/ニ (所ヲ) あがる
    台の上に上がっている  二階へ階段を上がっていく  海から陸に上がる 
   ものガ (ものカラ ものニ) あがる
        温度が上がる(5度から10度に)  株が上がっていく(八千円から九千円に)
    成績が上がる(BからAに)   評判があがってきた      効率が上がる
    花火が上がる   家に上がる
 終わりになることを表す。
    雨が上がる(=やむ)  バッテリーが上がる  (双六で)あがる(=ゴールに達する)
 人に知られるようになることを表す。「上がった」結果、目に見えるようになること。
    候補に名が上がる  証拠が上がる  例が挙がっている
 相手を訪ねることの敬語(謙遜)表現として使われる。相手の位置が上と見なす。
   人ガ 所ニ あがる
    お届けに上がります
 飲食に関する敬語(尊敬)表現として使われる。(召し上がる)
   人ガ ものヲ あがる
    たくさんお上がりください
 熱い油で調理されること。
   ものガ あがる
    天ぷらが揚がる  
 ひゆ的に、人が緊張して平常でなくなることを表す。
   人ガ あがる
    あがってせりふを間違える
・複合動詞は、「あがり-」の形のものは少ない。「上がりきる」は、完全に上がること。「上がり込
 む」は、人の家に(無断で)入ること。
    坂を上まで上がりきる   どこかのネコが台所に上がり込んできた
 「-あがる」の形で多くの動詞に付く。上方への移動、物事の終了、完成を示す。
        浮き上がる(上の方に)  書き上がる(書き終わる)  晴れ上がる(すっかり晴れる)
・スル動詞
 「アップする」は、数量的に、または内容的によくなること。他動詞の用法もある。
 「上昇する」は、物理的空間で上がること。「上達する」は、能力・技術がよくなること。「上陸
  する」は船から陸に上がること。
 「値上がりする」「暴騰する」は物価や株が上がること。
 「出世する」「昇進する」は、社会的な地位が上がること。「昇進する」は特に企業内で上に上が
  ること。「上下する」は、上がったり下がったりすること。

◇あげる(上げる・挙げる・揚げる)
 「上がる」に対応する他動詞で、人が、人・ものを高いところに動かすこと。数量を多くすること。
抽象的な段階や価値などをよくすることも言う。物理的な移動・数量に関する用法では、出発点のカ
ラ格、到達点のへ/ニ格、通過する場所のヲ格をとりうる。抽象的な用法では、とりうる格が少なく
なる。「-ている」の形は移動の進行中または結果の状態を表す。「-ていく・くる」と共に使われ
る。
     人ガ 人・ものヲ 所カラ 所へ/ニ あげる
    荷物を床からテーブルの上に上げる  カバンを網棚に上げている(動作中/状態)
    客を家に上げる(=入れる)  子どもを大学に上げる(=進学させる)
        スピードを上げていく  手を挙げている  顔を上げる
    評価を上げてきた  能率を上げる
 人に知られるようにすること。
   人ガ ものヲ あげる
    結婚式を挙げる  問題点を上げる  例が挙げてある
 ものを「やる」ことの丁寧な言い方。「-てあげる」の形で補助動詞としても使われ、相手のため
にその行為をすることを表す。「対人:もののやりとり」でくわしくとりあげる。
   人ガ 人ニ ものヲ あげる
    子どもにお金を上げる  本を読んであげる
 熱い油で調理することを言う。
   人ガ ものヲ あげる
       トンカツ・フライを 揚げる
・複合動詞は、「あげ-」の形で固定したものはなく、「-あげる」の形で、上方への物の移動、物
 事の完成を表したり、徹底的に行うことや、言語活動の動詞に付いて声に出すことを表す。
       押し上げる(上に)  書き上げる(書き終える)  磨き上げる(徹底的に)
    読み上げる(声に出して)
・スル動詞
 「アップする」は、数量を多くすること、内容をよくすること。「値上げする」は、値段を上げる
こと。
    賃金をアップする  バージョンをアップする  出荷価格を値上げする
◇のぼる(登る・上る・昇る)
 少しずつ上へ移動すること。出発点のカラ格、到達点のへ/ニ格、通過する場所のヲ格をとる。
      人・ものガ 所ヲ のぼる / 人・ものガ (所カラ) 所へ/ニ のぼる
       山道を登る  木を/に 登る  太陽が東から昇る  煙が空へ/に 上っていく
 ひゆ的な用法がある。到達点のへ/ニ格のみをとる。
   ものガ ものニ のぼる
    季節の食材が食卓に上る(食卓に出される)  頭に血が上る(興奮する)
  社会的な地位が上がること、数量が大きな値に達すること、話題として取り上げられることなどを
表す。ニ格をとる。
    被害額は一億円にのぼる   来場者はかなりの数に上る
    進学率が 話題にのぼる/人々の口に上る
・複合動詞
 「のぼり-」の形で「登り切る」「登り詰める」が使われる。どちらも最後まで登ること。「-切
る」は「完全に」ということを表し、「-詰める」は、それ以上はないことを表す。
     坂を上りきる  出世の道を登り詰める 
 「-のぼる」の形で、上への移動を示す。「駆け登る」「よじ登る」「(煙が)立ち上る」など。
  「攻め上る」は、都へ向かって攻めていくことを表す。
・スル動詞
 「登山する」は、山に登ること。


あがる(上がる・挙がる) 五(あがらない・あがります・あがって・あがれば・あがろう)
[1]〔人・ものガ (所ヲ)(所カラ) 所ヘ/二〕
 △あがりたい  あがりかける  あがってみる  あがってしまう  あがってはいけない
  あがったほうがいい  あがらなければならない  あがれる  あがろうとする
  あがらせる  あがられる  あがらせられる  あがれ!  あがるな!
 △[高く/少し/わずかに/相当(そうとう)/どんどん/ぐんぐん/さっと/ゆっくり]~。
 △[二階(にかい)/屋根(やね)の上/学校/舞台(ぶたい)/陸(りく)]へ/に~。
 ・みんなで屋上(おくじょう)に上がりましょう。今日は富士山(ふじさん)が見えますよ。
 ・はい、この台の上に上がってみて。だいじょうぶ? ぐらぐらしないかな。
 ・二階のほうがすずしいから、二階へ上がってください。
 ・舞台の上に上がると、客席(きゃくせき)が広く見えて緊張(きんちょう)してしまう。
 ・赤い風船が青い空に上がっていきます。
 ・ドーンという音がして、夜空(よぞら)に花火(はなび)が上がった。
 ・空に高々(たかだか)と凧(たこ)が上がっている。
 ・うちの子は来年小学校に上がります。(=はいる)
 ・船が港(みなと)に着き、乗客(じょうきゃく)たちは船をおりて陸(りく)に上がった。
 ・体が弱くなったから、もう船員(せんいん)をやめて、陸(おか)に上がろう。
 ・さあさあ、どうぞお上がりください。(家に入る)
 ・神棚(かみだな)にお灯明(とうみょう)が上がっている。
 △[坂道(さかみち)/階段(かいだん)/山道]を~。
 ・A:トイレはどこですか。
  B:階段(かいだん)を上がってみぎがわです。
 ・おじいさんが坂道をゆっくり上がって(=のぼって)くる。
 ・じゃ、そこの長い階段を上がって、上のお寺(てら)を見に行きましょう。
〔人ガ 所カラ〕
 △[ふろ/海/水/プール]から~。
 ・ふろから上がってのむビールはとてもうまい。
 ・体がひえるから水から上がって少しやすみなさい。(プール、海などの水の中から)
[2]〔人・ものガ ものカラ ものへ/ニ〕
 △[少し/急に/知らぬ間(ま)に/おどろくほど/うれしいことに/残念(ざんねん)なことに]~。
 △[物価(ぶっか)/給料(きゅうりょう)/電気代(でんきだい)/家賃(やちん)/利子(りし)]が~。
  [熱(ねつ)/気温(きおん)/順位(じゅんい)/倍率(ばいりつ)/速度(そくど)]が~。
  [成績(せいせき)/順位(じゅんい)/地位(ちい)/評価(ひょうか)]が~。 
 ・バス料金(りょうきん)が200円から220円に上がった。
 ・物価は上がっても、給料は上がりません。
 ・最高速度(さいこうそくど)が時速(じそく)250キロから300キロに上がるそうだ。
 ・体温(たいおん)が38度に上がり、頭が少しぼんやりしてきた。
 ・雪(ゆき)がふったので、やさいのねだんが上がった。
 ・へやの温度(おんど)が上がったり、下がったりしている。
 ・よく勉強したので、成績が上がってきた。
  ・成績が優(ゆう)から秀(しゅう)に上がった夢(ゆめ)を見た。現実(げんじつ)にはムリだけど。
 ・日本チームの世界ランクが20位から15位に上がってきた。
 ・社内での人物(じんぶつ)評価がAに上がったと言われた。上司(じょうし)におせじを言いまくっ
  たせいだな、きっと。
[3]〔人・ものガ ものニ〕
 ・会長候補(かいちょうこうほ)には、あなたの名もあがっていますよ。
 ・このリストにあがっている男をみんなしらべろ。(リストに男の名が)
[4]〔ものガ〕    
 △[人気(にんき)/声(こえ)/気勢(きせい)/意気(いき)/士気(しき)]が~。
  [能力(のうりょく)/実力(じつりょく)/腕(うで)/腕前(うでまえ)/技術(ぎじゅつ)]が~。
 ・幕(まく)が上がって、しばいがはじまった。
 ・この歌手(かしゅ)はテレビドラマに出るようになってから人気が上がったようだ。
 ・きょうはつかれているせいか、しごとの能率(のうりつ)が上がらない。
 ・ことしは、鉄の生産が3%あがった。
 ・A:また、腕(前)が上がりました(=じょうずになった)ね。どこかで習っているんですか。
  B:むすめのていしゅ(=おっと)が教えてくれるんですよ。
 ・政府(せいふ)のやりかたに批判(ひはん)の声が上がって(=出て)いる。
 ・となりの教室で「わっ」と喚声(かんせい)があがった。
 ・「質問がある人。」と言ったら、後ろのほうで手が上がった。
 ・せっかくの運動会ですが、この曇り空(くもりぞら)では、意気が上がりませんね。(=元気がで
  ない)
 ・むかし、あの人にいろいろ助けてもらったので、今でもあの人には頭が上がらない。(=対等な
  関係になれない)
 ・一週間もふりつづいた雨がようやくあがった(=やんだ)。
 ・車のバッテリーが上がってしまった。(=つかえなくなった)
 ・今回の懇親会(こんしんかい)はずいぶん安く上がった。(=金がかからなかった)
 ・修理(しゅうり)に金がかかるかと思ったが、五千円で上がった(=すんだ)ので助かった。
 △[証拠(しょうこ)/犯人(はんにん)]が~。
 ・やっとあの事件の犯人があがったそうだ。
 ・容疑者(ようぎしゃ)をつかまえたが、たしかな証拠はまだあがっていないそうだ。
  △[家賃(やちん)/収益(しゅうえき)/利益(りえき)/利潤(りじゅん)/業績(ぎょうせき)]が~。
  [収穫(しゅうかく)/成果(せいか)/効果(こうか)/戦果(せんか)]が~。
 ・空気をきれいにするための運動はとても効果があがった。
 ・この調査(ちょうさ)では大きな成果が上がった。(=成果があった)
 ・あたらしいお店(みせ)をはじめた時は収益が上がるまで、くるしいものだ。(=収益を得る)
 ・田中さんは、持っているアパートからかなりの家賃(やちん)が上がるから、ほとんどしごとをし
  なくてもいいらしい。
 △[天ぷら/コロッケ/ドーナツ/えびフライ]が~。
 ・コロッケは、揚がったところをすぐ食べると、こんなにうまいものがあるかと思う。
[5]〔人ガ〕    
  ・舞台(ぶたい)の上に立ったら、あがってしまって、何がなんだかわからなくなった。
 ・スピーチをするために立ちあがったが、上がってしまって、話すことをわすれてしまった。
〔所ニ〕
  ・いつかあらためてお宅(たく)のほうにご挨拶(あいさつ)にあがりますので、今日はここで失礼い
  たします。(家に行く)
〔ものヲ〕
  ・どうぞお好きなものをおあがりください。(食べる・飲む)

<複合動詞:あがり->
[あがりきる] 人ガ ものヲ (所マデ)
 ・階段を上がりきったところに小さなドアがある。
 ・坂道を上がりきると、町並みの向こうに海が見えた。
[あがりこむ] 人ガ 所ニ
 ・叔母はとなりの家に上がり込んでおしゃべりをしていた。
 ・となりの家の猫がうちの台所に上がり込んで、我が物顔にニャーニャー鳴いている。
      土足で かってに 座敷に 他人の家に 留守に なれなれしく のこのこ 靴のまま
<複合動詞:-あがる>
 上の方へ  浮かび上がる 浮き上がる 起き上がる 躍り上がる 駆け上がる 
              立ち上がる 釣り上がる 飛び上がる 跳ね上がる 持ち上がる 盛り上がる
       湧き上がる
  非常に   すくみ上がる 縮み上がる のぼせ上がる 震え上がる
  その他      思い上がる(実際よりも自分を偉く思う)
       つけ上がる(相手が自分にきびしくないので、偉そうな態度をとる) 

<スル動詞>
[アップする]  ものガ
 ・内閣の支持率が、今月になって急にアップした。
 ・エンジンの改良で燃費がずいぶんアップした。
   価格・賃金・飛距離・集中力・販売実績が   バージョンが
[出世(しゅっせ)する]  人ガ  (ものニ)
  ・出世(を)して偉くなっても、人からきらわれては楽しみがない。
 ・特に出世(を)しようと思ったわけではないが、努力していたら今の地位まで来た。
   部長・社長・支店長・支社長に 大臣・首相に
[上下(じょうげ)する]  ものガ / 人・ものガ 所ヲ
 ・小さな船が川を上下していた。
 ・走ってきた子どもはハアハアいいながら、肩を大きく上下させていた。
 ・株価はこの一週間、毎日のように上下している。 
 ・体温は38度付近を小刻みに上下している。
   坂・階段を  肩・まぶた・のど仏が  温度・地位が  胸が(寝ている時)
[上昇(じょうしょう)する]  ものガ
 ・ロケットは見る見るうちに青い空に向かって上昇(を)していった。
 ・温められた地面が起こす気流に乗って、グライダーがゆうゆうと上昇(を)していく。
 ・成績が去年よりも一段と上昇(を)した。 
[昇進(しょうしん)する]  人ガ ものニ
 ・その後も順調に昇進して、40の時には部長に昇進(を)した。
 ・大学の後輩が大関に昇進(を)したことを祝って、まわしを贈った。
[上達(じょうたつ)する]  (人ガ) ものガ 
 ・しばらく会わない間に、ずいぶん日本語が上達(を)しましたね。
 ・趣味で空手をやっているのですが、なかなか上達(を)しません。
[上陸(じょうりく)する]  人・ものガ 所ニ
 ・太平洋戦争末期、米軍は沖縄に上陸(を)した。
 ・島の北側の海岸に上陸(を)して、一気に南下する作戦だった。
 ・台風は高知県に上陸(を)し、北東に進路を変えた。
[値上がり(ねあがり)する]  ものガ
  ・物価が値上がり(を)して、生活が苦しくなった。
 ・原油の価格が値上がり(を)して、ガソリンが不足してきた。
[暴騰(ぼうとう)する]  ものガ
 ・株価が暴騰し、物価も暴騰し、世情が不安定になった。
 ・バブルで土地が暴騰する前に今の家を買ったので、幸いでした。


あげる(上げる・挙げる)  一(あげない・あげます・あげて・あげれば・あげよう)
[1]〔人ガ 人・ものヲ (所カラ)所ニ/ヘ〕
 △あげたい  あげておく  あげてもらう  あげてはいけない  あげなければならない
  あげようとしている  あげられない  あげられる  あげさせる  あげろ! あげるな!
 △[少し/高く/軽く/重そうに/力を入れて/よっこいしょと]~。
 ・大きな石を地面(じめん)から高い台の上に上げようとしたら、腰(こし)を痛めてしまった。
 ・すみませんが、この荷物(にもつ)を棚(たな)に上げてください。
 ・風の強い日に大きなタコを揚げた。
 ・夕空(ゆうぞら)にはなびが上げられた。
 ・ことしはむすめを大学に上げ(=いれ)なくてはならないので、お金がたくさんいるんです。
 ・へんな人を家へ上げないで(=家にいれないで)ちょうだい。
 ・おきゃくさんをそんな所に立たせておかないで、さあ、座敷(ざしき)へお上げしなさい。
[2]〔人ガ ものヲ (ものカラ ものへ/ニ)〕
 △[バス料金(りょうきん)/給料(きゅうりょう)/部屋(へや)の温度(おんど)/スピード]を~。
 ・給料(きゅうりょう)を1万円上げてください。
 ・あぶないからあんまり車のスピードを上げないでください。
 ・部屋の温度を15度から20度に上げるのに、どのくらいの電力(でんりょく)が必要か。
 △[手/顔(かお)/大声(おおごえ)/気勢(きせい)]を~。
 ・こたえが分かった人は手を挙げてください。
 ・本を読んでいた彼女が、顔を上げてこちらを見た。ドキッとした。
 ・下をむいてないで、顔(かお)を上げてわたしの目を見て話をしなさい。
 ・女の学生が廊下(ろうか)できゃあきゃあと大声をあげて(=出して)、さわいでいる。
 ・もっと仕事(しごと)のピッチを上げろ。(=いそげ)
 △[結婚式(けっこんしき)/例(れい)/難しい点/理由(りゆう)]を~。
 ・「来月、ハワイで結婚式を挙げます。ぜひ来てください」って、そんなもん、行けるか。
 ・この計画(けいかく)の問題点(もんだいてん)を挙げてください。
 ・この本は例を挙げて説明(せつめい)してあるから、よく分る。
 ・なぜうまくいかないのか、くわしく理由を挙げて説明したらわかってくれた。
 ・プールでは子どもたちが水しぶきをあげて、あそんでいる。
  △[成果(せいか)/収益(しゅうえき)/利益(りえき)/利潤(りじゅん)/収穫(しゅうかく)]を~。
  [業績(ぎょうせき)/効果(こうか)/戦果(せんか)/証拠(しょうこ)/犯人(はんにん)]を~。
 ・この調査(ちょうさ)では大きな成果をあげることができた。
 ・わかくて、元気のあるうちに、いっしょうけんめい働(はたら)いて業績を上げておこう。
 ・Q社はこの商売(しょうばい)だけでとても大きな利潤を上げているそうだ。
 ・一日もはやくこの事件(じけん)の犯人(はんにん)を挙げたい。(=つかまえたい)
 △[腕前(うでまえ)/手/腰(こし)]を~。
 ・政府(せいふ)は問題解決(かいけつ)のために、やっと重い腰を上げた。(=うごきはじめた)
 ・ピッチャーの川口はよく練習しているから、だいぶ腕(うで)を上げた。(=じょうずになった)
 △[天ぷら/ドーナツ/えびフライ]を~。
 ・目の前で揚げてくれたものをいただくのがいちばんおいしい。
[3]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △[プレゼント/チョコレート/花]を~。
 ・ゆみ子さんは、わたしがこのまえ上げたブローチをつけてパーティーに来ていた。
 ・この中にあなたのすきな絵(え)があったら、それをあげますよ。
〔人ガ 動詞-てあげる〕
 ・困っている人がいたので、助けてあげた。
 ・テストの時に教えてあげるのは、その人のためになりませんよ。
[4]〔人ガ ものニ ものヲ〕
  △[全力(ぜんりょく)/総力(そうりょく)]を~。
 ・警察(けいさつ)は、犯人(はんにん)の逮捕(たいほ)に全力を挙げている。
 ・会社は、総力を挙げて、事故(じこ)にあった人たちの家族(かぞく)をたすけるつもりだ。

<複合動詞:-あげる>
 上の方へ  打ち上げる 投げ上げる 組み上げる 汲み上げる 差し上げる
       すすり上げる 競り上げる 積み上げる 釣り上げる 取り上げる
       なであげる ねじあげる 乗り上げる 引き上げる 巻き上げる
       見上げる 持ち上げる 盛り上げる 結い上げる 
 (ひゆ的に)  込み上げる 張り上げる  
 (計算・帳簿で) 切り上げる 繰り上げる
 終える   書き上げる 切り上げる 育て上げる 染め上げる 作り上げる  
 徹底的に  洗い上げる 数え上げる 縛り上げる 絞り上げる 
 その他   叩き上げる(苦労して一人前になる)  読み上げる(声に出して読む)
<スル動詞>
[アップする]  人ガ ものヲ
 ・給料をもう少しアップしてもらわないと、生活できない。
 ・またソフトのバージョンがアップされるそうだが、もう新しいのは買わなくてもいいだろう。
   賃金・バージョンを 髪を
[値上げ(ねあげ)する]  人ガ ものヲ
  ・原油高で、多くの企業が製品の価格を値上げした。
 [~の値上げをする]
  ・政府はタバコの値上げをした。


のぼる(上る・登る・昇る)五(のぼらない・のぼります・のぼって・のぼれば・のぼろう)
[1]〔人・ものガ ものニ〕
 △のぼりたい  のぼってみる  のぼってはいけない  のぼらなければならない
  のぼってもらう  のぼれない  のぼろうとする  のぼらせる  のぼれ! のぼるな!
 △[ゆっくり/急いで/走って/かけあしで/一歩一歩(いっぽいっぽ)/着実(ちゃくじつ)に]~。
  [のんびりと/あわてずに/がんばって/汗をかきながら/一気(いっき)に/何とかして]~。
  [階段(かいだん)/はしご/リフト/ロープウエー/自転車(じてんしゃ)]で~。
 △[山/丘(おか)/屋上(おくじょう)/屋根(やね)/木/アルプス]に~。
  [台/壇上(だんじょう)/舞台(ぶたい)/展望台(てんぼうだい)]に~。
 ・子どものころは木に登るのがすきだった。
 ・丘に登ると、町のぜんたいを見わたすことができた。
 ・この夏は、富士山(ふじさん)に登ろうと思う。
 ・はじめて東京タワーに昇ったのは小学生の時だった。
 ・社長は壇(だん)にのぼると、まず社員みんなを見回(みまわ)した。
 ・防災訓練(ぼうさいくんれん)の時、はしごに登らされて、けっこうこわかった。 
 ・田中さんは、ただの社員として会社に入ったが、ついに社長の地位(ちい)にまでのぼった。
 ・長いあいだ病気でくるしんだ父が先月とうとう天にのぼりました(=死んだ)。
 △[日/月/朝日(あさひ)]が[東/水平線(すいへいせん)/地平線(ちへいせん)]から~。
  [人々(ひとびと)の口/話題(わだい)/噂(うわさ)]に~。
 ・東の空にきれいな満月(まんげつ)が昇った。
 ・朝はすずしいが、日が昇ると次第(しだい)にあつくなる。
 ・私は水平線から昇る朝日というものを見たことがない。一度見たいものだ。
 ・子どもたちは昇る朝日のようにいきおいよく進んで行く。
 ・さあ、食欲(しょくよく)の秋です。サンマをはじめ、いろいろな秋の食べ物が食卓(しょくたく)
  に上るようになりました。
 ・あき子の離婚(りこん)のことがみんなの噂に上るようになった。もうすぐらしい。
 ・メキシコの地震(じしん)のことが今日も話題に上った。
 ・わが社も海外支店(かいがいしてん)をおく問題が日程(にってい)にのぼってきた。
 ・この事故(じこ)による損害(そんがい)は数億(すうおく)円に上るものと見られています。
 ・この夏も、海や川でおぼれて亡(な)くなった人はかなりの数に上ります。
 ・いちばん気にしているかおのことを言われたので、頭に血がのぼって、なぐってしまった。
[2]〔人・ものガ ものヲ〕
 △[川/山/坂(さか)/峠(とうげ)/斜面(しゃめん)/階段(かいだん)]を~。
 ・この人は、カヌーで全国の川を上ったそうだ。
 ・わたしは健康(けんこう)のために、エレベーターを使わないで階段を上ります。
 ・山道は下(くだ)るよりは、上る方がらくだ。
 ・坂道(さかみち)を上りながらいろいろなことを考えた。
 ・出世(しゅっせ)の階段を上ってきて、あと一息(ひといき)というところで急にむなしくなった。


<複合動詞:のぼり->
[のぼりきる] 人ガ ものヲ
 ・お寺の200段(だん)の階段(かいだん)を上りきった。
 ・数百段の階段を上りきったところに本堂があり、有名な仏像が見られる。
      石段・階段・崖・坂・坂道・峠・梯子段を 一気に 難なく
[のぼりつめる] 人ガ ものニ 
 ・朝、ふもとのキャンプを出て、昼過ぎに山の頂上まで上りつめた。
 ・新入社員としてこの会社に入ってから30年、ついにトップの座に上りつめた。
      石段・階段・坂・地位・権力の座を 頂上・頂点まで トップにまで
<スル動詞>
[登山(とざん)する]  人ガ (ものヲ)
 ・登山(を)するときは天気予報をよく見ておいたほうがいい。
 ・富士山を登山するなら、まず海岸へ行って、0メートルの所から出発したい。

[4]降りる・落ちる・下がる
  下方向への移動を表す動詞をとりあげる。
 基本動詞は「降りる・降ろす」「落ちる・落とす」「下がる・下げる」「下る」である。
  「降りる」は人の意志的移動、「落ちる」は人・物の重力による移動、「下がる」は人の場合、後
方への移動で、ものの数量的な減少などを言う。「下る」は人が「所ヲ」少しずつ移動する場合と、
抽象的・社会的な決定が(上から)来る場合に使われる。他動詞「降ろす」「落とす」「下げる」は、
それぞれ多少のずれを含みながら自動詞の用法に対応するが、「下る」に対応する「下す」はまった
く社会的な決定の意味に偏る。

◇おりる
 「降りる」は、人が、高いところから低いところへ移動すること。「落ちる」との違いは、基本的
に意図的な、制御された動作であること。移動の出発点のカラ格、到達点のへ/ニ格をとる。
 「-ていく・てくる」と共によく使われる。  「-ている」の形は、、、
   人・ものガ (所カラ) 所ニ/ヘ おりる
    木の枝から地面に降りる   飛行機が滑走路に降りてくる
     幕が下りる(ひゆ的に、物事が終わることも意味する)  cf.「幕が落ちた」
 移動する場所をヲ格で表す。ヲ格が離れる場所を表す場合もある。
   人・ものガ 所ヲ おりる  
    階段・坂道・はしごを降りる     台を降りる(台から)
 乗り物から下に降りることは、乗り物の利用をやめることになる。
   人ガ ものヲ/カラ おりる
    電車・タクシーを降りる   自転車から降りる 
 ひゆ的な用法で、仕事などをやめることを言う。
   人ガ ものヲ/カラ おりる 
    主役を降りる   この事業から降りることにする
 役所や立場が上の人から何かを与えられることを表す。
    許可が下りる  年金が下りる
・複合動詞
  「おり-」の形の複合動詞「降り立つ」は、何かから降りてその場に立つこと。
 「-おりる」の形の複合動詞は、「~して、おりる」意味を表す。
 「駆け下りる」「滑り降りる」「飛び降りる」「這い降りる」「走り降りる」など。「舞い降りる」は、
舞うように(美しく)降りること。
・スル動詞
 「下降する」は、ものが下に降りること、下がること。「乗り降りする」は、乗り物に乗ったり降
りたりすること。「着陸する」は、飛行機が陸に降りること。「下車する」は、電車・自動車などの
乗り物から降りること。
    飛行機が下降する  乗り降りする乗客  無事着陸する  次の駅で下車する
◇おろす
 「降ろす」は、「降りる」に対応する他動詞で、人が何かを上から下に移動させること。移動の出
発点のカラ格、到達点のへ/ニ格をとる。移動の到達点まで人が移動を制御する。
      人ガ 人・ものヲ (所カラ) 所ニ/ヘ おろす
    棚から床に品物を降ろす  バスがお客を降ろす(運転手がバスから)
    ベンチに腰を下ろす(座る)
 出発点・到着点は意識されず、「下の方へ」ということだけの用法がある。
    錠を下ろす(かける)  枝を下ろす(切って落とす)
    幕を下ろす(物事を終わらせる、という意味にもなる)
    大根を下ろす  髪を下ろす
  銀行の口座から金を引き出すことを言う。
    銀行から金をおろす
 新しいものを使い始めること。
    (新しい)靴・下着・服を おろす    
  人を高い地位から去らせることを表す。
    主役・役職から 下ろす
 胎児を堕胎することを俗語的に言う。
    子どもをおろす
・複合動詞
 「-おろす」の形のものは、「下の方へ~する」という意味を表すものが多い。
   打ち下ろす 投げ降ろす なで下ろす 引き下ろす 吹き下ろす 振り下ろす 見下ろす
 「こき下ろす」は、ひどくけなすこと。
◇おちる
 「落ちる」は、重力によって、人・ものが上から下に移動すること。人の制御がない場合を言う。
移動の出発点のカラ格、到達点のへ/ニ格をとる。「-ている」の形は結果の状態を表す。
   人・ものガ (所カラ) 所ニ/ヘ おちる
    葉が(枝から)落ちる  棚から荷物が床に落ちた  子どもが橋から川に落ちる
    財布が落ちている  雨が落ちてくる(降る)  
  同じような上から下への移動を言う。
        日が落ちる  雷が落ちる
 ひゆ的な表現。
    観光地に金が落ちる  眠り・わなに落ちる
 数量が減ることを表す。
    売り上げが20パーセント落ちる  スピードが時速30キロに落ちる
  社会的な評価や、順位が悪くなることを言う。
        評判・人気が 落ちる  成績が落ちる
    2位から3位に落ちる  幕内から十両に落ちる(すもう) 
 悪い状態になることを言う。
        力・調子・勢いが 落ちる  鮮度が落ちる
  何かに付いていたものがとれることを表す。いい場合も悪い場合もある。
    壁のペンキ・色が 落ちる  シャツの汚れ・シミが 落ちる
    ツキが落ちた  つきものが落ちる
 試験などで不合格になることを表す。ニ格は到達点ではなく、デ格も使える。
    入学試験に落ちる  (入学試験で)
・複合動詞:「おち-」の形のもの、「-おちる」の形のもの、どちらも多い。
 「おち-」の形のものは、具体的な移動以外の意味が多い。
 「陥る(落ち-入る)」は、わなやよくない状況に入ってしまうこと。
 「落ちかかる」は、落ちそうになること、または落ちて何かにかかること。
 「落ちくぼむ」は、そこがまわりより低くくぼんでいること。
 社会的、心理的に
 「落ちこぼれる」は、こぼれて落ちること。「こぼれ落ちる」と同じ。また、学校の授業について
  いけないことを言う。
 「落ちぶれる」は、社会的に惨めな状態になること。
 「落ち込む」は、何かの中に落ちてしまうこと。その部分がまわりより低くなること。悪い状態に
  なること。特に、気分が沈んだ状態になること。
 心理的に安定
 「落ち着く」は、気持ちが静まること。ふらふらしていたものが一つの所に安定すること。
 「落ち着き払う」は、人の態度がとても落ち着いていること。
 「落ち着ける」は、気持ちを静めること。
 移動すること
 「落ち合う」は、ある所で一緒になること。
 「落ち延びる」は、遠くに逃げていくこと。
 「-おちる」の形のものは、落ちる時の様子を言うものが多い。「~して落ちる」ことを表す。
  「崩れ落ちる」「こぼれ落ちる」「転がり落ちる」「転げ落ちる」「滑り落ちる」「焼け落ちる」
 「生まれ落ちる」は、ある場所に(たまたま)生まれたということを表す。
・スル動詞
 「落第する」は、試験に落ちて進級・卒業などができないこと。
 「落下する」は、「落ちる」の客観的・科学的表現で、それ以上の意味合いを含まない。
 「墜落する」は、人・飛行機が高いところから落ちること。
 「転落する」は、転がるように落ちること。
 「堕落する」は、精神的な程度が落ちること。
 「没落する」は、栄えていたものが落ちぶれること。
        物体が落下する     階段を/屋上から 転落する  政治が堕落する
◇おとす
 「落とす」は、「落ちる」に対応する他動詞で、人が何かを落ちるようにすること。人の関わりは
移動の出発点での行為のみで、その後は重力によって移動が起こる。人の行為は意図的な場合と、非
意図的な場合がある。後者では「-てしまう」の形がよく使われる。移動の出発点のカラ格、到達点
のへ/ニ格をとる。
     人ガ (所カラ) 所ニ ものヲ 落とす
      ボールを床に落とす    コップをテーブルから床に落としてしまう
 数量を減らすことや社会的な評価を悪くすることを表し、「おちる」に対応する。
    売り上げを2割落としてしまう  スピードを時速30キロに落とす
       評判・人気を 落とす   品質・成績・調子を 落とす  
  何かに付いていたものを取ることを表す。
       シャツの汚れ・シミを 落とす   化粧・ぜい肉を 落とす
  何かを紛失することを表す。単に「なくす」と違って、移動中に、という意味合い。
    金・財布・カギを 落としてしまう 
  ひゆ的な用法。
    街路樹が道に影を落としている  観光地に(人々が)金を落としてくれる
  人を試験などで不合格にすることを表す。デ格で状況を示す。
       試験で半分の学生を落とした  面接で落とされた
 相手を自分の望むような状態にさせることを言う。
    敵を窮地に落とす  わな・罪に 落とす
        刑事が容疑者を落とす(罪を認めさせる)  落としやすい性格 
・複合動詞:「-おとす」の形のものが多くある。
 具体的な落下の意味のもの。(ひゆ的な意味を持つものもある)
  「打ち落とす」「切り落とす」「蹴落とす」「剃り落とす」「叩き落とす」「突き落とす」「払い落
  とす」「引き落とす」「引きずり落とす」「振り落とす」「振るい落とす」
 相手を自分の望むような状態にさせること、相手を倒すことを表す。
   「口説き落とす」「攻め落とす」「責め落とす」「泣き落とす」
 そうすることに失敗することを表す。
    「言い落とす」「書き落とす」「聞き落とす」「見落とす」「読み落とす」
 「取り落とす」は、ものを取ろうとして、あるいは持っているものを、落としてしまうこと。
◇さがる
 「下がる」は、ものが高いところから低いところへ移動すること。空間的な移動より、むしろ数量
や価値、評価について言うことが多い。
   ものガ 所カラ 所へ/ニ(マデ) さがる     マデ格をどうするか ヲ格はあるか
    エレベーターが30階から20階まで下がった
   ものガ さがる
    気温・物価・成績・評判が 下がる   薬で熱が下がる
 長いものの上の部分が固定され、他の部分がその下にある状態を言う。
   ものガ (所カラ/ニ) さがる
    天井からひもが下がっている   洗濯物が物干しに下がっている
 人の場合、後ろに移動することを表す。
   人ガ 所へ/ニ さがる
    もう少し下がってください(後ろに)
・複合動詞:「-さがる」の形のものがある。下へ、または後ろへの移動を表すが、比喩的な意味に
なるものもある。それぞれ前の動詞の項を参照。
  下の方へ      「垂れ下がる」「ぶら下がる」
  後ろの方へ     「引き下がる」
  ひゆ的な意味  「食い下がる」「成り下がる」
・スル動詞
 「暴落する」はものの価格が急に大きく下がること。「値下がりする」は、値段が下がること。
        株価が暴落する   肉が値下がりする
 「後退する」「バックする」は後ろへ下がること。「後退する」はひゆ的にも使われる。
◇さげる
 「下げる」は、「下がる」に対応する他動詞で、ものを高いところから低いところへ移動させるこ
とだが、具体的な物自体の移動よりも数量について言うことが多い。また、ものの一端を固定して、
他の部分がその下になるようにすること。
   人ガ ものヲ 所カラ 所へ/ニ さげる
        壁の絵を少し下に下げる  旗をポールの中程まで下げてある
    手・頭を 下げる   へやの温度・湿度を 下げておく
    値段を100円から90円に下げる  スピード・高度を 下げる
      人ガ ものニ/カラ ものヲ さげる
    胸に名札を下げる   壁に掛け軸を下げる
        肩からカバンを下げる   屋上・窓から 垂れ幕を下げる
  後ろに移動させることを表す。人の場合、「下げる」の使役形「下がらせる」と同じ意味になる。
    机やイスを教室の後ろに下げる
        観客をもっと後ろに下げる (下がらせる)
        (料理の)皿を下げる (片づける)
・複合動詞:「-さげる」の形の複合動詞が多い。下の方向への移動、または出したものを手元に戻すことを表す。ひゆ的な意味を表すものもある。
   下の方へ 「押し下げる」「切り下げる」「繰り下げる」「釣り下げる」「引き下げる」
             「ひっさげる」「掘り下げる」「ぶら下げる」
   手元に戻す 「取り下げる」
   ひゆ的に  「願い下げる」「払い下げる」「見下げる」  
・スル動詞
 「値下げする」は、物の値段を下げること。
◇くだる
 「下る」は、高いところから低いところへ移動すること。移動の出発点のカラ格、到達点のへ/ニ
格をとる。特に、通過する場所を示すヲ格をとることが多い。方角で南へ行くこと、都から離れるこ
とを表すことがある。
      人・ものガ ものヲ くだる
    山道・川・峠を 下る  川下・南へ 下る
        時代を下る (昔から現代に近づく)
  ひゆ的に、社会的に下のものに対して、何かが決定されることを表す。
   ものガ くだる
    許可・判決・命令が 下る
 「~をくだらない」の形で、それより少なくないことを表す。
    犠牲者は千名をくだらない


おりる(降りる・下りる)一(おりない・おります・おりて・おりれば・おりよう) 
[1]〔人・ものガ (所カラ) 所ニ/ヘ〕
 △おりたい  おりてみる  おりてはいけない  おりてもらう  おりたほうがいい
  おりさせる  おりようとする  おりろ!  おりるな! 
 △[ゆっくり/いそいで/しんちょうに/あわてて/しずかに/さっと]~。
 △[飛行機(ひこうき)/鳥(とり)]が~。人が[飛行機/船(ふね)/台/はしご]から~。
  [地上(ちじょう)/地面(じめん)/床(ゆか)/下/海面(かいめん)]に~。
 ・カモfメA:どのへんに降りましょうか。
  カモメB:そうですね、あの海岸(かいがん)のひろく空いている所はどうですか。
 ・白鳥(はくちょう)がたくさんとんで来て、つぎつぎと池(いけ)の水面(すいめん)に降りた。
 ・木に登っていた子どもが降りてきた。
 ・土足(どそく)でイスに乗るもんじゃない。早く降りろ。 
 ・あなたはマットに降りる時のフォームがまだよくない。(マット運動で)
 ・マリ子、ちょっと話があるから、下へ下りてきなさい。(二階(にかい)から)
 ・健康(けんこう)のために階段(かいだん)を使っています。今では五階までのぼるのは2分、五階
  から一階に降りるのは1分しかかかりません。
[2]〔人・ものガ ものヲ/カラ〕
 △[電車/バス/船(ふね)/タクシー/自転車]を~。
 ・電車を降りる時にかさをわすれて来てしまった。
 ・バスを降りたら、そこでまっていてください。すぐにむかえに行きますから。
 ・船が出ますから、見送りの方は降りてください。(船から)
[3]〔人ガ 所ヲ〕
 △[階段(かいだん)/坂道(さかみち)/山道(やまみち)/坂/下り坂(くだりざか)]を~。
 ・坂道(さかみち)をおりる時はすべらないように気をつけよう。
 ・山道を下りながら、帰ったら妻(つま)になんとあやまろうかと考えた。
 ・階段(かいだん)をおりて、また上らなければ、トイレに行けないとは、何とふべんな作りの家だ。
[4]〔人ガ ものヲ〕
 △[計画(けいかく)/仕事(しごと)/事業(じぎょう)/プロジェクト]を~。
  [監督(かんとく)/会長の職(しょく)/主役(しゅやく)/理事/トップの座(ざ)]を~。
 ・わたしはみなさんと意見が合わないから、この計画をおりましょう。
 ・うまい儲(もう)けしごとだと言われてのってみたが、どうもあやしい話なので、さっさとおりて
  しまった。
 ・この失敗(しっぱい)の責任(せきにん)をとって山田さんは会長の職をおりるそうだ。
 ・鉄(てつ)の生産(せいさん)で10年間世界一のP国がとうとう今年はトップの座(ざ)をおりた。
 ・監督と意見が合わないというので、彼女は主役をおりてしまった。
[5]〔ものガ〕
 △[命令(めいれい)/許可(きょか)/ビザ]が~。
 ・ヨーロッパではP国だけは、ビザが下りなかったので、行くことができなかった。
 ・国の許可(きょか)が下りるまでは、しごとがはじめられない。
 △[霜(しも)/幕(まく)/シャッター/日よけ]が~。
 ・ゆうべはとても寒(さむ)かったので、今年はじめての霜(しも)が降りた。
 ・劇(げき)が終り、幕(まく)が下りると、大きな拍手(はくしゅ)が起こった。
 ・このカメラのシャッターは、くらい所では、おりません。
 ・ブラインドが下りているから、この家には人がいないのだろう。
<複合動詞:おり->
[おりたつ] 人ガ ものニ
 ・木枯らしの吹くある冬の日、一人の男が東京駅のホームに降り立った。
 ・40年ぶりに故国の空港に降り立った父は、感激のあまり涙を浮かべていた。
      神・人影が  車を 車から 駅・駅頭・岸辺・地面・大地・地上・道路・ホームに
<複合動詞:-おりる>
  「駆け下りる」「滑り降りる」「飛び降りる」「這い降りる」「走り降りる」「舞い降りる」など。

<スル動詞>
[下降(かこう)する]  人・ものガ (所ヲ)
 ・機体は朝の光の中を空港の滑走路に向かって下降していった。
 ・買い物客がエスカレーターに乗って下降していく。
 ・血圧計の目盛りがだんだん下降していく。 
[下車(げしゃ)する]  人ガ ものヲ
 ・終点で下車して、駅前からのバスで十分の所にあります。
 ・ふと、ローカル線に乗ってみた。海岸の駅で下車した。 
[着陸(ちゃくりく)する]  ものガ 所ニ
  ・離陸するときより、着陸するときのほうが怖い。
 ・飛行機は定刻通りに成田に着陸した。
[乗り降り(のりおり)する]  人ガ ものニ
  ・電車のホームは乗り降りする乗客でいっぱいだ。
 ・急いで乗り降りしないと、ドアを閉められてしまう。


おろす(降ろす・下ろす)五(おろさない・おろします・おろして・おろせば・おろそう)
[1]〔人ガ (所カラ) (所ニ) ものヲ〕
 △おろしかける  おろしてみる  おろしてもいい  おろさなければならない 
  おろしたほうがいい  おろさせる  おろされる  おろすべきだ
  おろそうとする  おろせ!  おろすな!  
 △[ゆっくり/しんちょうに/いそいで/あわてて/らんぼうに/ていねいに]~。
 △[二階(にかい)/屋上(おくじょう)/ベランダ]から~。屋根(やね)から雪を~。
  [バス/電車/車/飛行機(ひこうき)]からお客を~。
 ・冬の服(ふく)の入った箱(はこ)を棚(たな)から下ろした。
 ・運転手(うんてんしゅ)がトラックの荷台(にだい)から荷物(にもつ)を下ろしている。
 ・早くなべを火から下ろさないと、こげてしまいますよ。
 ・あした買物に行くつもりなので、銀行(ぎんこう)からお金をおろして来た。
 ・どうぞそこのいすに腰(こし)をおろして休んでください。
  ・朝、国旗(こっき)を掲揚台(けいようだい)に掲(かか)げ、夕方に降ろす。
[2]〔人ガ ものヲ〕
 △[大根(だいこん)/チーズ]を~。新しい[服(ふく)/タオル]を~。髪(かみ)を~。
  [幕(まく)/肩(かた)の荷(に)]を~。
 ・スパゲッティにかけるチーズをおろしてください。
 ・子どものころ、母の料理(りょうり)を手伝ってよく大根を下ろしたりした。
 ・この靴(くつ)はもう古くなったから、すてて、新しいのをおろそう。(=使いはじめよう)
 ・この服(ふく)はおろしたてですよ。ちょっと地味(じみ)だから古く見えるけれど。
 ・まとめていた髪を下ろしたら、美人になったね、なんて言われた。男ってバカだねえ。
 ・夏になる前にこの木のえだをおろして(=切って)おいた方がいい。  
 ・むすこを大学に入れたから、やっと肩の荷を降ろすことができた。(=せきにんをはたした)
 ・悲劇(ひげき)が終わり、幕が下ろされた。客は劇のことを話し合いながら帰っていく。
 ・我(わ)が兄弟(きょうだい)の遺産相続(いさんそうぞく)愛憎劇(あいぞうげき)もやっと幕を下ろ
  した。もう二度と顔を合わすことはないだろう。そういう兄弟だ。
[3]〔人ガ 人ヲ ものカラ〕
 △[会長/キャプテン/重役(じゅうやく)/監督(かんとく)]から~。
 ・田中さんは重役会(じゅうやくかい)で社長のイスから降ろされてしまった。
 ・彼女はようやく手に入れた主役を降ろされたので、がっかりしている。

<複合動詞:-おろす>
 「上から下に向けて~する」
  打ち下ろす 投げ降ろす なで下ろす 引き下ろす 吹き下ろす 振り下ろす 見下ろす
 「こき下ろす」は、ひどくけなすこと。


おちる(落ちる・墜ちる)一(おちない・おちます・おちて・おちれば・おちよう) 
[1]〔人・ものガ (所カラ) 所ニ/ヘ〕
 △[花びら/木の葉(は)/木漏れ日(こもれび)/飛行機/橋(はし)/屋根(やね)]が~。
  [屋根/二階(にかい)/階段(かいだん)/棚(たな)/テーブル/台(だい)]から~。
  [下/真下(ました)/地面(じめん)/床(ゆか)/池(いけ)/川/穴(あな)/底(そこ)]に~。
 ・屋根から落ちて、足をおってしまった。
 ・屋根に登ろうとして、梯子(はしご)から落ちた。
  ・子どもの時、何人かで大きな落とし穴を作っていたら、まちがって友だちが落ちてしまった。
 ・電車のあみだなに荷物(にもつ)をのせる時は、落ちないようにのせてください。
 ・かきの木をゆすったら、枝(えだ)から実(み)が落ちて来た。
 ・火を起こしますから、林(はやし)に落ちている木のえだをひろって来てください。
 ・このごろ木の葉が落ちだした(=おちはじめた)。秋になったんだなあ。
 ・つぼみは落ちにくいが、さいた花は落ちやすい。
 ・地震(じしん)で橋(はし)が落ちた。ちょうど人がいなくてよかった。
 ・「サルも木から落ちる」ということわざは、どんな優秀(ゆうしゅう)な人でも失敗(しっぱい)を
  することがあるということだ。たとえばこの私のように。え? ちがう? 
 ・日が落ちたら、きゅうにさむくなったね。(=日がしずんだら)
 ・観光客(かんこうきゃく)がたくさん来れば、それだけたくさんお金がこの町に落ちる。(=客が
  この町でお金をつかう)
[2]〔人ガ ものニ〕
 △[入社試験(しけん)/面接/試験(しけん)]に~。[眠(ねむ)り/わな/人手(ひとで)]に~。
 ・ことしも大学の試験に落ちてしまった。
 ・北山くんなら、P大に落ちることはあってもQ大学を落ちることはないだろう。
 ・眠れなかったのでちょっと英語の本を読み始めたら、すぐに眠りに落ちてしまった。
 ・変な本を出したので、あの出版社は、評判(ひょうばん)が地に落ちてしまった。
 ・父が事業(じぎょう)に手を出して失敗(しっぱい)し、家と土地は人手に落ちてしまった。
[3]〔ものガ〕
 △[汚(よご)れ/色(いろ)/垢(あか)/ツキ/調子(ちょうし)/評判(ひょうばん)]が~。
  [テンポ/スピード/生産量(せいさんりょう)/成績(せいせき)]が~。
 ・いくら洗ってもシャツの汚れが落ちない。
 ・このTシャツは洗ったら、色が落ちてしまった。
 ・さいきん成績(せいせき)が落ちていますね。どうしたんですか。
 ・さめると味(あじ)が落ちますから、熱いうちに食べてください。
 ・このごろ、競馬(けいば)もマージャンも調子がわるい。ツキが落ちてしまったらしい。
 ・あなたがいると、なぜか話が落ちますね(=話がげひんになる)。

<複合動詞:おち->
[おちあう] 人ガ 人ト (所デ)
 ・6時に駅前で落ち合うことにしましょう。
 ・明日の8時に学校の門の前で落ち合う手はずになっている。
   川・双方が  駅で 人と ~手はずになっている ~約束
[おちいる] 人ガ ものニ
 ・会社は資金を手に入れられなくて、財政難に陥った。
 ・ジレンマに陥ってしまった。
   赤字・悪循環・インフレ・重苦しい沈黙・過労・危機・危篤状態・経営困難に
   孤独・最悪の事態・自己嫌悪・術中・人事不省・絶望・独善・泥沼・ピンチ・羽目に
[おちかかる] ものガ
 ・川の土手に腰掛け、落ちかかる夕陽を眺めながら二人でゆっくり話をした。
 ・彼女は額に落ちかかった髪をかき上げながら私のほうを見た。
   髪・夕陽が 額に どっと ぱらりと 葉が一斉に
[おちくぼむ] ものガ
 ・父は病気のために目がすっかり落ちくぼんでしまった。
 ・彼女は長い間の苦しい生活で頬が落ちくぼんでしまっていた。
[おちこぼれる] 人ガ
 ・何とか希望した高校に入れたのだが、勉強に付いていけず、次第に落ちこぼれていった。
 ・子どもが小学校で落ちこぼれないように、ときどき勉強を見てやっていた。
   勉強で かなり 木陰に点々と日の光が  
[おちこむ] 人ガ 
 ・A:西山さんはさいきん落ちこんでいるね。どうしたんだろう。
  B:女の子にふられたらしい。
 ・試験に落ちたぐらいでそんなに落ちこむなよ。
   売り上げ・気分・景気・経済・支持率・収入・需要・消費・輸出が どん底に
[おちつく] 人・ものガ
 ・この3日ほどお天気が落ち着きませんね。
 ・落ち着いて、じゅんじゅんに話してください。何があったのですか。
 ・落ち着いた色の服がすきだ。
 ・彼は長い間住居が定まらなかったが、やっと横浜のアパートに落ち着いた。
   気分・気持ち・心・生活・怒り・腹・容態が 常識的なところへ ようやく
[おちつきはらう] 人ガ
 ・紳士は落ち着き払った態度で、「怖がらなくても大丈夫ですよ」と言った。
 ・面接試験で、たまに妙に落ち着き払った態度で答える志願者がいる。
   図太く 平然と ~た態度・声・目・動作 ~て答える
[おちつける] 人ガ ものヲ
 ・まず水を一杯飲んで、心を落ち着けてから話しなさい。
 ・海外に調査に出ることが多かったが、しばらくは日本に腰を落ち着けて自分の研究をまとめたい。
   気・気持ち・心を 椅子に腰を 尻を落ち着けて仕事をする
[おちのびる] 人ガ 
 ・源氏(げんじ)におわれた平家(へいけ)の人々は、ここまで落ち延びてきて、村を作ったのです。
 ・私のうちは都(みやこ)を落ち延びてきた貴族(きぞく)の子孫(しそん)だという。ほんとかなあ。
   京・城・野道を
[おちぶれる] 人ガ 
 ・日本はこのままでは三流国家に落ちぶれてしまうかもしれない。
 ・落ちぶれたものだね。大きなグループの中心になっていろいろな仕事をしていた田中さんが、今
  ではあんなつまらない仕事しかしていないとは。
   三流国家に このていたらくにまで ~た姿・境遇 ~て見る影もない
<複合動詞:-おちる>
  「生まれ落ちる」「崩れ落ちる」「こぼれ落ちる」「転がり落ちる」「転げ落ちる」「滑り落ちる」
 「焼け落ちる」など。
 
<スル動詞>
[落第(らくだい)する]  人ガ ものニ
  ・遊んでばかりいたら、とうとう進級試験に落第(を)してしまった。
 ・大学で2回落第(を)した。
[落下(らっか)する]  ものガ
 ・すべての物体は地球の中心に向かって落下する。
 ・ジェット機のエンジンの部品が、着陸時の衝撃で落下するという事故があった。
   石・天井・砲弾が  岩壁を・空間を  海面・水面に 垂直に 
[墜落(ついらく)する]  ものガ 所ニ 
  ・飛行機が海に墜落(を)する夢を見た。明日アメリカに出張なんだけど。
  ・ガシャーン! 飛行機が道路に墜落(を)した。子どものオモチャでよかった。
[転落(てんらく)する]  人・ものガ 所カラ 所ニ
 ・火事の時、非常階段から転落(を)して大けがをした。
 ・川に転落(を)した車の中から、必死で脱出した。
 ・急激な円高のために、今期の収支はマイナスに転落(を)してしまった。
   車・政権の座から  谷底・最下位に  まっさかさまに
[堕落(だらく)する]  人ガ
 ・政治が堕落していると、社会も堕落し、国民も堕落する。
 ・まったく、最近の若い者は精神が堕落している、と道に唾を吐きながらその男は言った。
[没落(ぼつらく)する]  人ガ 
 ・戦後、元大地主や華族が没落した。
 ・資産を失い、没落した私の家を救ってくれたのが遠縁の今井さんです。


おとす(落とす)五(おとさない・おとします・おとして・おとせば・おとそう) 
[1]〔人・ものガ (所カラ) 所ニ/へ 人・ものヲ〕
 △[下/床(ゆか)/たたみ/道/地面(じめん)/石/コンクリート/足]に~。
 ・すいません。床にフォークを落としてしまったので、代わりをもって来てください。
 ・コップをたたみに落としたが、さいわい割(わ)れなかった。
 ・そんな高い所から落としたら、いくらじょうぶな物でもこわれてしまうよ。
 ・車で行けない所では、荷物(にもつ)にパラシュートをつけて飛行機(ひこうき)から落とします。
 ・包丁(ほうちょう)を足に落としそうになって、うわっと足をよけたら、包丁が床にぶすりとささ
  った。こわかったあ。
  △人を[罪(つみ)/わな/落とし穴(あな)]に~。    
  ・あの政治家(せいじか)は、秘書(ひしょ)を罪に落として、自分は平気(へいき)な顔をしている。
 ・人をわなに落としてやろうと考えていたら、自分がみごとに落とされた。そういうものだ。
 ・わるい事をした人は、死んでから、地獄(じごく)という所へ落とされるそうだ。
 △[日/月/街灯(がいとう)/ライト/風]が~。[光/影(かげ)/木の葉(このは)]を~。
 ・木枯(こがら)しが並木(なみき)の葉(は)を落としていく。
 ・庭の木はもうすっかり葉(は)を落としてしまっている。
 ・冬の風が森の木の葉を落とし、見通しのよくなった空から暖かい光が降りそそいだ。
  ・月がさわやかな光を寝静(ねしず)まった町に落とすころ、子どもたちは夢(ゆめ)の世界にいる。
 ・街灯(がいとう)に照らされた街路樹(がいろじゅ)が人通りの絶(た)えた道に影を落としている。
[2]〔人・ものガ ものヲ〕
  △[金/財布(さいふ)/ハンカチ/時計(とけい)/切符(きっぷ)/かぎ]を~。
 ・コンサートに行くとちゅうでチケットを落としてしまったので、会場に入れなかった。
 ・現金(げんきん)を落としてもあきらめればそれですむけれど、カードを落とすと、カード会社や
  警察(けいさつ)に届(とど)けたりしなきゃいけないから面倒(めんどう)だ。
 ・どこかにサイフを落としたらしい。お金はあまり入っていなかったけれど、サイフが惜(お)しい。
  気にいっていたんだ。
 △[試合(しあい)/大学の単位(たんい)/一覧表(いちらんひょう)の項目(こうもく)]を~。
 ・ぜったい勝(か)たなければならないゲームを落とした。(=まけた)
 ・佐藤さんは、ことしも数学を落としたらしい。(数学の単位を)
 ・名簿(めいぼ)を作る時、副主任(ふくしゅにん)の名前を落としてしまい、ひどく怒られた。
  △[品質(ひんしつ)/評判(ひょうばん)/信用(しんよう)/品位(ひんい)/話]を~。
 ・値段(ねだん)を下げるためには、品質(ひんしつ)を落とすしかない。
 ・質のよくない品物(しなもの)を売ったので、あの店はお客の信用を落としてしまったのだ。
 ・田中さんはこの一言(ひとこと)ですっかり評判(ひょうばん)を落とした。
 ・佐藤(さとう)さんはおさけをのむと話を落とす(=下品(げひん)な話をする)から、たのしい。
  △[汚(よご)れ/シミ/色/ほこり]を~。[垢(あか)/脂肪(しぼう)/ぜい肉]を~。
  ・ズボンのほこりをたたいて落とした。
 ・母がズボンのよごれを落としてくれた。
  ・この洗剤(せんざい)は油(あぶら)のシミまできれいに落とします。
  ・土曜にはせいぜい運動をして、体の脂肪を落とし、風呂(ふろ)に入って垢を落とす。中年だねえ。
 ・おなかの回りに付いたぜい肉を落としたいんだが、なかなか難しい。
 ・あの人はいつもあつく化粧(けしょう)をしているので、化粧を落としたかおを見たら、だれだか
  分からなかった。
 △[命(いのち)/肩(かた)/涙(なみだ)/声(こえ)/視線(しせん)/調子(ちょうし)]を~。
 ・交通事故(こうつうじこ)で命を落とす若者(わかもの)が多い。
 ・デートから帰った兄は「また、ふられた」と肩(かた)を落とした。(がっかりしたようすだ)
  ・この話を聞くと、毎回涙を落とさざるをえない。
 ・子どもがねているから、声(こえ)を落として話してください。
 ・かの女は「帰りたくない。」というと、視線(しせん)を落とした。
 ・どうもあの選手は調子を落としているようだ。何か悩み事(なやみごと)でもあるのだろうか。
 ・駅に近付いたので電車がスピードを落とした。
[2]〔人ガ 人ヲ〕
 ・入社試験(にゅうしゃしけん)をうけたが、二次試験で落とされてしまった。
 ・振られたての女くらい 落としやすいものはないんだってね 
  あんた誰と賭けていたの あたしの心はいくらだったの (中島みゆき「う・ら・み・ま・す」)
 ・ナポレオンはいろいろに攻めたが、どうしてもモスクワを落とす(=攻略(こうりゃく)する)こと
  ができなかった。

<複合動詞:-おとす>                                    
 具体的な落下の意味のもの。(ひゆ的な意味を持つものもある)
  「打ち落とす」「切り落とす」「蹴落とす」「剃り落とす」「叩き落とす」「突き落とす」
  「払い落とす」「引き落とす」「引きずり落とす」「振り落とす」「振るい落とす」
 相手を自分の望むような状態にさせること、相手を倒すことを表す。
   「口説き落とす」「攻め落とす」「責め落とす」「泣き落とす」
 そうすることに失敗することを表す。
    「言い落とす」「書き落とす」「聞き落とす」「見落とす」「読み落とす」
 「取り落とす」は、ものを取ろうとして、あるいは持っているものを、落としてしまうこと。


さがる(下がる)五(さがらない・さがります・さがって・さがれば・さがろう) 
[1]〔ものガ (ものカラ) (ものニ/へ)〕
 △さがりそうだ  さがりがちだ  さがりなさい  さがってほしい  さがってはいけない
  さがらなくてはいけない  さがらせる  さがられる  さがらせられる    さがれ!
 △[少し/少しずつ/ゆっくり/一気(いっき)に/急に/大きく/がくっと/どーんと]~。
 △[気温(きおん)/熱(ねつ)/体温/価値(かち)/物価(ぶっか)/値段(ねだん)]が~。
  [円/成績(せいせき)/順位(じゅんい)/評判(ひょうばん)]が~。
 ・この薬を飲んだら熱(ねつ)が下がった。
 ・日が沈(しず)んだらきゅうに気温(きおん)が下がった。
 ・最近、あまり勉強をしないので、成績(せいせき)が下がってしまった。
 ・きょうはドルが下がってユーロが上がった。
 ・物価が1パーセント下がったそうだ。
 ・試合(しあい)に負(ま)け続けて、ずいぶん順位(じゅんい)が下がってしまった。
 ・きょうはなぜかズボンが下がるとおもっていたが、よく見たらベルトをしていなかった。
 ・店の入口に「氷有ります」と書いた札(ふだ)が下がっている(=下げてある)。
 ・デパートの屋上(おくじょう)から「春の大安売(おおやすう)り」と書かれた大きな垂れ幕(たれ
  まく)が下がっている。
 ・君(きみ)はボールを打つ時に肩(かた)が下がってしまうから、気を付けて。
 ・田中さんの立派(りっぱ)な態度(たいど)には、本当に頭が下がる思いがする。(感心する)
 ・家が古くなったので、はりが下がってきた。
[2]〔人ガ (所カラ) 所ニ/ヘ〕
 ・一歩(いっぽ)後ろへ下がって(=後ろの方へ行って)下さい。
 ・ここからあの線の所まで下がって、それからジャンプしてターン。(ダンスで)
 ・後ろはがけで、これ以上下がれない。下がると落ちてしまう。
 ・わたしたちはエレベーターで1階へ下がった。(降りた)

<複合動詞:-さがる>
  下の方へ      「垂れ下がる」「ぶら下がる」
  後ろの方へ     「飛び下がる」「引き下がる」
  ひゆ的な意味  「食い下がる」「成り下がる」
  
<スル動詞>
[値下がり(ねさがり)する]  ものガ
 ・野菜が値下がり(を)している。農家は大変だ。
 ・株が大きく値下がり(を)した。今が買い時だ。
[暴落(ぼうらく)する]  ものガ
 ・バブル経済のあと、株価が暴落して日本経済はひどい不況に見舞われた。
 ・円が暴落して輸入に頼る石油の価格が暴騰した。
[後退(こうたい)する]  人・ものガ             
 ・戦局は思わしくなく、我が軍は後退(を)し始めている。
 ・最初は威勢の良かった首相の発言がだんだん後退(を)してきているように思われる。
   改革・考え・景気・経済・サービスが  思想的に じわじわと ずるずると
[バックする]  ものガ    
  ・車が急にバック(を)してきて、ひかれそうになった。
 ・駐車場でバック(を)しすぎて車を壁にぶつけた。


さげる(下げる)一(さげない・さげます・さげて・さげれば・さげよう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △さげたい  さげなさい  さげてほしい  さげておく  さげてある  さげてはいけない
  さげなければならない  さげようとする  さげさせる  さげられる  さげさせられる
 △[少し/少しずつ/ゆっくり/一気(いっき)に/急に/大きく/どんどん/どーんと]~。
  [思いきり/必死(ひっしに)に/思わず/つい/うっかり/わざと]~。
 △[頭(あたま)/腕(うで)/足/値段(ねだん)/質(しつ)/温度(おんど)/熱(ねつ)]を~。
 ・この本を持っている人は手をあげて下さい。5人ですね。はい、もう手を下げてもいいですよ。
 ・女の子は「ありがとうごさいます」と言いながら、軽(かる)く頭を下げた。
 ・まず、この薬(くすり)で熱を下げましょう。
 ・氷の温度を下げるために、塩(しお)を入れます。
 ・古い友達がお酒を一本下げて遊びにきた。(=もって)
 ・学校では恐(こわ)い山田先生も、おまごさんとあそんでいる時は目尻(めじり)を下げて(=やさ
  しいかおをして)いる。
 ・原料(げんりょう)が安くなったので、品物(しなもの)の値段(ねだん)を下げた。
 ・値段を上げるかわりに、品物の質を下げている。
 ・すいません、このあいたビールびんをさげてください。(=かたづけて)
[2]〔人ガ 所ニ ものヲ〕
 △[ふだ/看板(かんばん)/絵(え)]を~。
 ・牛が首に鈴(すず)を下げてあるいている。
 ・ゆみ子さんがわたしのへやに来て、まどにきれいなカーテンを下げてくれた。
 ・懐中電灯(かいちゅうでんとう)は、台所の壁(かべ)に下げてあります。
 ・店の入口に「定休日(ていきゅうび)」と書いた札(ふだ)が下げてある。(=下がっている)
 ・大工(だいく)さんたちは腰(こし)に道具を入れる袋(ふくろ)やタオルを下げている。
 ・重いかばんを下げて毎日学校へ行くのは大変だから、教科書は学校に置(お)いたままだ。(かた
  から下げる)
[3]〔人ガ 人・ものヲ(所カラ) 所ニ/ヘ〕
 ・その絵はもっと下に下げて下さい。その黒い線まで。
 ・つくえを少しずつ後ろにさげてください。
 ・危険(きけん)だから、観客(かんきゃく)をもっと後ろに下げたほうがいいです。(下がらせる)

<複合動詞:-さげる>
   下の方へ 「押し下げる」「切り下げる」「繰り下げる」「釣り下げる」「引き下げる」
             「ひっさげる」「掘り下げる」「ぶら下げる」
   手元に戻す 「取り下げる」
   ひゆ的に  「願い下げる」「払い下げる」「見下げる」 

<スル動詞>
[値下げ(ねさげ)する]  人ガ ものヲ
  ・石油会社がガソリンの価格を値下げした。
 ・駅前の喫茶店がモーニングセットを値下げした。競争が厳しいらしい。 
 [~の値下げをする]
  ・各航空会社は航空運賃の値下げをして、乗客を呼び寄せようとしている。


くだる(下る)五(くだらない・くだります・くだって・くだれば・くだろう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △くだっていく  くだってみる  くだってはいけない  くだらないほうがいい  
  くだろうとしている  くだれ!  くだるな!
 △[少しずつ/急いで/ゆっくり/のんびり/ゆうゆうと/急ぎ足で]~。
 ・ふねで大川を下るのは気もちが良いですよ。
 ・山道を下りながら、いろいろな事を考えた。
 ・この川はこんな小さいボートでは下れないだろう。
 ・さか道は、のぼる時より下る時のほうがこわい。
[2]〔ものガ〕
 △[判決(はんけつ)/審判(しんぱん)/命令(めいれい)]が~。天罰(てんばつ)が~。
 ・前進(ぜんしん)の命令が下った。
 ・古い物を食べたので、おなかが下ってしまった。
〔~をくだらない〕
  ・この戦争での死者の数は二千万人をくだらないと言われている。
 ・この公園の桜の木は千本をくだらない。

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