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変化8

[34] 冷える・冷やす・冷める 暖まる・暖める 沸く・沸かす

      冷える   冷え切る 冷え込む   
      冷やす  冷却する 冷房する
      冷める
      冷ます  吹き冷ます
      凍る   凍り付く  冷凍する 解凍する
      あたたまる
      あたためる  暖め直す  加熱する 過熱する 暖房する
      熱する
      ぬるむ
      沸く   沸き上がる 沸き起こる 沸き返る 沸き立つ 
      沸かす      沸騰する

[35] 燃える・燃やす 焼く・焼ける 焦げる・焦がす

     燃える  燃え上がる 燃え移る 燃え落ちる 燃えさかる 燃え立つ 燃え尽きる  
           燃えつく 燃え残る 燃え広がる  燃焼する
      燃やす   放火する
      焚く   
      焼く     焼き上げる 焼き切る 焼き切れる 焼き殺す 焼き捨てる 焼き付く
        焼き尽くす 焼き付ける 焼き直す 焼き払う
      焼ける    焼け落ちる 焼けこげる 焼け死ぬ 焼け出される 焼け付く 焼け残る
           日焼けする
      焦げる  焦げ付く
      焦がす

[36] 溶ける・溶かす・溶く 固まる・固める

      溶ける  溶け合う 溶け込む 溶け出す  
      溶かす
      溶く
      とろける
      固まる  凝り固まる
      固める  押し固める 塗り固める 練り固める 踏み固める

[37] 乾く・乾かす 干す かれる・からす

     乾く   乾き上がる 乾ききる  
      乾かす
      干す   干し上げる  乾燥する
      かれる  かれはてる
      からす

[38] 濡れる・濡らす 浸る・つける 湿る・しける 潤う

      濡れる 濡らす  
      浸る 浸す
      つかる つける 
      湿る
      しける
      潤う 潤す

 


[34] 冷える・冷やす・凍る 温まる・暖める 沸く・沸かす
  ものの温度に関する動詞。「ひえる・ひやす」「さめる・さます」は自動詞と他動詞の対。「あたた
まる・あたためる」は「あたたかい」に「-まる・める」が付いた形。
 話しことばでは「~なる/する」の形がよく使われる。「あつくなる・あたたかくする・さむくな
る・つめたくする」など。
 「ひえる・ひやす」は、単に温度が下がること。「さめる・さます」は、人の感覚で熱いと感じる
ものがふつうの温度に近づくこと。
 「わく・わかす」は、液体が熱せられて熱くなること。
 ひゆ的に、精神的な事柄について使われることがある。
  それぞれの自動詞は「-ている」の形で状態を表す。名詞修飾は「-た」の形でその時の状態を表
す。
◇ひえる 
  「冷える」は、温度が下がって、冷たくまたは寒く感じること。
      ものガ ひえる
       体が冷える  朝晩冷える    ビールが冷えている  冷えた部屋の空気  
 ひゆ的に、人の情熱や愛情が失われることを表す。また、互いの関係が悪くなること。
    二人の仲・両国の関係が 冷える  冷えた関係
・複合動詞 
 「冷え切る」は、完全に冷えてしまうこと。
    冷え切った体  冷え切った夫婦仲
 「冷え込む」は、強く冷えること。ひゆ的に、それまでの勢いがひどく弱くなること。
    冷え込む朝  景気が冷え込む 
◇ひやす  
  「冷やす」は、温度を下げ、冷たくすること。ひゆ的に、興奮した状態を静めること。
      人ガ ものヲ ひやす
    ビールを冷やす  頭を冷やす  冷やしたスイカ
 下げた結果の温度をニ格で表す。出発点のカラ格、到達点のマデ格も使える。
      0度に冷やす      15度からマイナス10度まで冷やす
・スル動詞
 「冷房する」は、熱いときに部屋の温度を外気の温度より低くすること。
 「冷却する」は、冷えること、冷やすこと。ひゆ的に、興奮が収まることを言う。
       エンジンを冷却する  過熱気味の期待を冷却する
◇さめる 
  「冷める」は、熱いものが熱を失って熱くなくなること。ひゆ的に、精神的な勢いがなくなること。
      ものガ さめる
       お茶・風呂が 冷める  愛情・興味が 冷める  冷めたお湯・愛情
◇さます 
  「冷ます」は、熱いものを熱くなくすこと。ひゆ的に、興奮などを衰えさせること。
      人・ものガ ものヲ さます
    お茶・スープを 冷ます  興奮を冷ます    
・複合動詞
 「吹き冷ます」は、息を吹いて冷ますこと。
◇こおる  
  「凍る」は、水などの液体が低い温度のために固体になること。
      ものガ こおる
       水・池・海が 凍る   凍った大地
  「凍る」は対応する他動詞がなく、使役形「凍らせる」またはその短縮形「凍らす」が使われる。
    冷蔵庫で水を凍らせておく    凍らせたミカン   
・複合動詞
 「凍り付く」は、凍って他のものにくっつくこと。かたく凍ること。ひゆ的に、ものが固くなって
  動かなくなること。
・スル動詞
 「冷凍する」は、食品などを保存のために凍らせること。
  「解凍する」は、冷凍食品など、凍らせたものを元の状態に戻すこと。コンピュータソフトで圧縮
  ファイルにしたものを元に戻すこと。

◇ぬるむ
  「温む」は、冷たいものの温度が上がり、ぬるくなること。熱いものがぬるくなることも言えるが、
その場合は「ぬるくなる」を使うことが多い。やや書きことば。
    水温む季節  池の水が温んできた
◇あたたまる   
  「あたたまる」は、熱を受けてあたたかくなること。ひゆ的に、「心があたたまる」は気持ちがな
ごやかになること、「懐があたたまる」はお金が入ることを言う。
     ものガ あたたまる
       体・部屋・空気・大地・地球が あたたまる  心の温まる話  あたたまった空気
◇あたためる  
  「あたためる」は、熱を加えて適度な温度にすること。
     人・ものガ ものヲ あたためる
    体・部屋・酒・スープ・空気・大地を あたためる  鳥が卵を温める 
 ひゆ的に、アイデア・文章などを、よりよくなるまで発表しないでおくことを言う。
 「旧交を温める」は、久しぶりに会った古い友人と親しく時を過ごすことを言う。
・複合動詞
  「温め直す」は、冷めてしまったものをまた温めること。
◇ねっする
  「熱する」は、熱を加えてものの温度を上げること。ものが熱くなること。ひゆ的に、人が夢中に
なること。受身形は「ねっせられる」になる。
      人ガ ものヲ ねっする
    フライパンで油を熱する  熱しやすく冷めやすい 金属・性格
・スル動詞
 「暖房する」は、(冬に)部屋を暖めること。
 「加熱する」は、ものに熱を加え、温かくすること。
  「過熱する」は、必要以上に熱くなること、熱くしすぎること。ひゆ的に、人の行動が度を過ぎて
  激しくなることを言う。
    過熱する 景気・選挙戦 
◇わく
 「沸く」は、水などの液体が熱せられて熱くなり、湯気が立ったり泡が出たりすること。ただし、
風呂の場合は飲み物のためのお湯に比べてずっと低く、40度ぐらいで「沸いた」と言う。
      ものガ わく
       湯が沸く  ふろが沸く
  大勢の人が興奮し、騒がしい状態になること。原因としてニ格・デ格をとる。
    観客・場内が 沸く     講演者の熱弁で/に 聴衆が沸いた
・複合動詞 
 「沸きあがる」は、激しく沸くこと。歓声・主張・感情などが盛んに現れること。
    湯が沸き上がる  大歓声・批判の声・怒りが 沸き上がる
 「沸き起こる」は、興奮や感動などが急に形に現れること。
    喜びが沸き起こる  拍手・歓声が 沸き起こる
 「沸き返る」は、激しく沸くこと。煮え立つこと。大勢の人が興奮して騒ぐこと。個人の感情が抑
  えられないほど強いこと。
    釜の湯が沸き返っている  勝利に町中が沸き返る  怒り・感動で 心が沸き返る
 「沸き立つ」は、盛んに沸くこと。
    やかんの湯が沸き立つ  接戦に場内が沸き立っている    怒りが体中に沸き立った
◇わかす
 「沸かす」は「沸く」に対応する他動詞で、水などの液体を熱して、熱くすること。
      人ガ ものヲ わかす
    お湯・ミルク・コーヒーを 沸かす  ふろを沸かしておく  
  大勢の人を興奮させること。
   人ガ 人ヲ わかす
     歌・演技・プレーで 観客を沸かす  
・スル動詞
 「沸騰する」は、液体が熱せられて沸点(近く)に達し、内部から気化するようになること。ひゆ的
  にも使われる。   
    水が沸騰して気化する  議論が沸騰する
   
   
ひえる(冷える)一(ひえない・ひえます・ひえて・ひえれば) 
[1]〔ものガ〕
 △ひえすぎる  ひえそうだ  ひえていく  ひえないようにする
  よく冷えた[ビール/ジュース/ワイン/スイカ]
 △[よく/とても/ひどく/かなり/体の芯(しん)まで/足の先まで]~。
 △[体/肩(かた)/腰(こし)/足/つま先/おしり]が~。
  [へや/機械(きかい)/エンジン/空気(くうき)]がひえている
 ・雨にあたったので、体が冷えてしまった。
 ・コンクリートの上にすわっていたので、おしりが冷えてしまった。
 ・今日は冷えますね。(=さむい)
 ・このスイカは中まで冷えていない。
 ・古い冷蔵庫(れいぞうこ)なので、なかなかビールが冷えない。
 ・家に帰ると、ストーブで冷えた手を温(あたた)めた。
 ・ふゆの朝は車が冷えているので、エンジンがかかりにくい。
 ・私は冷えやすい体質(たいしつ)なので、冬の夜はつらい。
 ・夫婦(ふうふ)の仲(なか)が冷えてきた。
 ・失敗(しっぱい)がつづいたので、研究熱(けんきゅうねつ)が冷えてしまった。

<複合動詞:ひえ->
[ひえきる] ものガ
  ・冷え切った部屋で、一人興奮してゲームをし続けた。
 ・両国の外交関係は冷え切ったままだった。
   風・部屋・手・耳・心・感情・情熱・関係・仲が 骨の髄・体の芯まで すっかり
[ひえこむ] ものガ
 ・今夜はいっそう冷え込むらしい。
 ・今夜から明日の朝にかけて、関東地方は冷え込むでしょう。
 ・内需が冷え込んでしまうと、景気の回復は難しい。
      大気・外気・景気・需要・内需・投資熱・関係が 指先から 急速に 一段と


ひやす(冷やす)五(ひやさない・ひやします・ひやして・ひやせば・ひやそう) 
[1]〔人ガ ものデ ものヲ〕
 △ひやしすぎる  ひやしておく  ひやしてある  ひやしてない  ひやしてもらう
  ひやさないようにする  ひやしたほうがいい  ひやさないといけない
  ひやそうとする  ひやされる  頭をひやせ
 △[よく/かなり/もっと/さらに/じゅうぶん/徹底的(てっていてき)に]~。
 △[体/頭(あたま)/足/飲みもの/ビール/機械(きかい)/エンジン]を~。
 ・冷蔵庫(れいぞうこ)ですいかを冷やしておいてください。
 ・子どもがかぜをひいたので、ねかせて、おでこを氷(こおり)で冷やした。
 ・きみは今こうふんしている。少し頭を冷やして来なさい。
 ・体を冷やさないように、運動(うんどう)のあとでふくをすぐにぬがないほうがいい。
 ・骨(ほね)をおったあとを冷やすとよくないから、外へ出る時はたくさん服(ふく)を着なさい。
 ・飛行機(ひこうき)のエンジンの音がおかしいので、おちるのかと思って肝(きも)を冷やした。

<スル動詞>
[冷房(れいぼう)する]  人ガ ものヲ
 ・夏中、家をしっかり冷房したら、電気代がかかって大変だった。
 ・最近の電車は冷房しすぎだね。寒いくらいだ。
[冷却(れいきゃく)する]  人ガ ものヲ  / ものガ
  ・これは、熱くなりすぎたエンジンを冷却するための装置です。
  ・皆の興奮した感情が冷却するための時間が必要だ。


さめる(冷める・覚める)一(さめない・さめます・さめて・さめれば)
[1]〔ものガ〕
 △さめそうだ  さめそうになる  さめかける  さめてしまう  さめないようにする 
  さめてはいけない  さめないといけない  さめさせる
 △[はっきり/すっかり/すっきり/少し/半分/完全(かんぜん)に/急に/ゆっくり]~。
 △[お茶(ちゃ)/料理(りょうり)/コーヒー/スープ/お湯(ゆ)/風呂(ふろ)]が~。
 ・お茶が冷めないうちにどうぞ飲んで下さい。
 ・食事をしようとしたら、電話がかかってきたので、料理がすっかり冷めてしまった。
 ・冷めたみそ汁(しる)はうまくないので、温(あたた)め直した。
  △[興奮(こうふん)/情熱(じょうねつ)/興味(きょうみ)/愛情(あいじょう)/酔(よ)い]が~。
 ・以前はゴルフに夢中(むちゅう)だったが、高い道具を持たないと勝てないとわかってきて、興 
  味が冷めてしまった。
 ・一時(いちじ)の興奮が冷めてみれば、恋(こい)なんて何になるのかなあ、と思う。
 ・もう若い時のような愛情は冷めてしまったが、それでも、この人を大切にしていこうと思う。
 ・外の冷たい風に当たったら少し酔いがさめた。


さます(冷ます・覚ます)五(さまさない・さまします・さまして・さませば・さまそう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △さましそうだ  さましかける  さましてほしい  さましておく  さましてある
  さましてはいけない  さまさなければならない  さまそうとする  さまさせる 
  さまされる
 △[はっきり/すっきり/ぱっちり/急に/少し/完全(かんぜん)に/ゆっくり/いそいで]~。
 △[スープ/みそ汁(しる)/熱湯(ねっとう)/お湯/お風呂(ふろ)/酔(よ)い]を~。
 ・このスープはあつすぎるから、少し冷ましてから飲みなさい。
 ・生水(なまみず)は飲まないほうがいい。そこにお湯を冷ましたのがあるから、それを飲みなさい。
 ・あなたは少し酒の飲み過ぎだから、外へ出て、酔いをさまして来た方がいい。

<複合動詞:-さます>
[ふきさます] 人ガ ものヲ
 ・熱くて飲めないと言うので、子どものみそ汁を吹き冷ましてやった。
  ・洋食でスープを吹き冷ますのはマナーに違反するんだろうか。


こおる(凍る)五(こおらない・こおります・こおって・こおれば) 
[1]〔ものガ〕
 △[水/池(いけ)/川/湖(みずうみ)]が~。凍った水。
 △こおりにくい  こおりそうだ  こおりかける  こおってしまう
  こおってはこまる  こおらないようにする  こおらせる  
 △[かたく/かちかちに/すぐに/かんたんに/薄(うす)く/厚(あつ)く]~。
 ・水は凍ると体積(たいせき)がふえる。
 ・ここ2、3日のさむさのせいで、水道が凍った。
 ・池の水が厚く凍っているから、上を歩くことができる。
 ・海水はふつうの水より凍りにくいので、0度では凍らない。
 ・道が凍っていて、すべりやすいから、気をつけてください。
 ・一度(いちど)れいぞうこで凍らせてしまった野菜(やさい)は、だめになってしまいます。
 ・「あなたはまちがっている」と言われて、田中は凍ったようにその場に立ちつくした。
  ・凍るような声で 別れを言われても こりもせずに 信じてる 信じてる (中島みゆき)
<複合動詞:こおり->
[こおりつく] ものガ
 ・木にゆきが凍りついた物を「樹氷(じゅひょう)」という。
 ・よるのつめたい空気のために凍りついた雪道を一人の男が歩いていた。
 ・彼女の言葉を聞いて、彼の表情が凍りついた。
<スル動詞>
[冷凍(れいとう)する]  人ガ ものヲ
  ・とれた魚は冷凍(を)して保存し、港へ運ぶ。
 ・冷凍した肉を調理の前に解凍しておかなければならない。
[解凍(かいとう)する]  人ガ ものヲ
  ・冷凍したものを急速に解凍すると、食品の味が落ちることがある。
  ・電子レンジで解凍してからお召し上がり下さい。
  ・この圧縮ファイルを解凍しておいてくれませんか。


あたたまる(温まる・暖まる) 五(あたたまらない・あたたまります・あたたまって・あたた
  まれば・あたたまろう)
[1]〔もの・人ガ〕
 △あたたまりたい  あたたまってほしい  あたたまってきた   あたたまれ!
 △[少しずつ/しだいに/やっと/だんだん/ゆっくり/急に/わずかに]~。
 △[お湯/体/手/へや/地面(じめん)/建物(たてもの)/空気(くうき)]が~。
 ・太陽(たいよう)の光で、公園のベンチは温まっていた。
 ・A:コーヒーがぬるいですね。温めましょう。
  B:いや、いいですよ。
  A:すぐに温まりますから、ちょっとまってください。
 ・お風呂(ふろ)に入ったら、やっと体が温まった。
 ・熱(あつ)いお茶(ちゃ)をのみませんか。外でひえた体が温まりますよ。
 ・これは心(こころ)温まる、良い話だね。
 ・いそがしくて、席(せき)の温まるいとま(=時間)もない。(ゆっくりすわっていられない)
 ・外は雪で寒かったでしょう。ストーブに当たって温まりなさい。
 ・体をあらったら、お湯の中でよく温まって、それから上がり(風呂から出)なさい。
 ・ああ、さむい。家に帰ったら風呂に入って温まろう。


あたためる(温める・暖める) 一(あたためない・あたためます・あたためて・あたためれば
  ・あたためよう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △あたためたい  あたためてほしい  あたためてはいけない  あたためなければならない
  あたためさせる  あたためられる  あたためようとする  あたためろ!
 △[すこし/ゆっくり/じっくり/急いで/かなり/けんめいに]~。
 △[へや/体/手/お茶(ちゃ)/料理(りょうり)]を~。
 ・おきゃくさんがつく前にストーブをつけて、へやを暖めておこう。
 ・朝は、たいてい前の晩(ばん)に作った料理をまた温めて食べます。
 ・あなたが来るのがおそいから、せっかくの料理がさめてしまった。また温めますから、ちょっと
  まってください。
 ・このおさけは温めてのんでも、ひやしてのんでもおいしい。
 ・母鳥(ははどり)が巣(す)の中でたまごを温めている。
 ・あの人がさいきん書いた小説(しょうせつ)はすばらしい。15年もあたためていたテーマだそう
  だから、スケールが大きい。
 ・ひさしぶりでむかしの友だちがあつまって、おたがいの旧交(きゅうこう)をあたためる(=古い
  友情(ゆうじょう)をたしかめあう)ことができた。

<複合動詞:あたため->
[あたためなおす]
 ・スープがさめてしまったから温め直しましょう。 
  ・温め直したご飯に納豆をかけて、おいしく食べた。 
<スル動詞>
[加熱(かねつ)する]  人ガ ものヲ
 ・よくかき混ぜたあと、電子レンジで3分間加熱してください。
 ・気体は加熱すると膨張しますから、爆発しないように気を付けてください。
[過熱(かねつ)する]  ものガ
 ・モーターが過熱していて危険だ。
 ・選挙戦が過熱してきて、いろいろと問題が起きている。
      市場・投機・受験戦争・ブーム・論議が 
[暖房(だんぼう)する]  人ガ ものヲ
  ・家全体を電気で暖房するのは経費がかかる。
 ・少しぐらいの寒さなら、暖房しないほうが健康にいい。
 [~の暖房をする]
  ・トイレの暖房をすると、病人のためによい。
 

ねっする(熱する)  サ変(ねっしない・ねっします・ねっして・ねっすれば・ねっしよう)
[1]〔人・ものガ ものヲ〕
 △ねっしておく  ねっしたほうがいい  ねっせられる  ねっするな!
 △[充分(じゅうぶん)に/かなり/強く/真っ赤(まっか)に/ほどよく]~。
  △[油(あぶら)/スープ/フライパン/金属(きんぞく)/空気]を~。
  ・油を180度に熱してください。
 ・ガスでフライパンを充分熱しておいた。
 ・アスファルトが夏の太陽の光に熱せられて、道路の上は焼けるようだ。


ぬるむ(温む)  五(ぬるまない・ぬるみます・ぬるんで・ぬるめば)
[1]〔ものガ〕
 △ぬるみかける  ぬるんでくる
 ・春になり、池の水が温んできた。
 ・「水温む頃(ころ)」って言うけど、いつ頃(ごろ)のことなの? 地方によって違うよねえ。


わく(沸く)五(わかない・わきます・わいて・わけば) 
[1]〔ものガ〕
 △わきそうだ  わきすぎた  わいてきた  わいたら入ろう
 △[もうすぐ/もう少しで/そろそろ]~。
 △[水/お湯(ゆ)/ふろ/コーヒー]が~。
 ・お湯が沸いたから、お茶にしましょう。(=お茶をのみましょう)
 ・お風呂(ふろ)が沸いたよ。だれが先に入るの。
 ・学生の興味(きょうみ)が沸くように教えた。
 ・決勝戦(けっしょうせん)はいい試合(しあい)になり、観衆(かんしゅう)はおおいに沸いた。
 ・先生がおもしろい話でもしているのか、となりの教室(きょうしつ)が沸いている。
[2]〔人・ものガ ものニ〕
 ・二人の白熱(はくねつ)した議論(ぎろん)に会場が沸いた。 
 ・無事帰港(ぶじきこう)の知らせに沸く船員(せんいん)の家族(かぞく)たち。
 ・合格(ごうかく)の知らせを聞いて家中(いえじゅう)が喜びにわいた。

<複合動詞:わき->
[わきあがる] ものガ
 ・館内は沸き上がるような歓声につつまれた。
 ・あの時のことを思い出すたびに憤りが胸に沸き上がってくる。
   湯気・歓声・拍手・万歳の声・怒り・憤り・快感・歓喜・嫌悪感・恐怖心・闘志・喜び・
   笑い声が 方々から 胸に 悲しみ・感動・興奮・自信が~てくる
[わきおこる] ものガ
 ・この法案には国民の間から反対の声が沸き起こった
 ・ピアノの演奏が終わると、会場から大きな拍手がわき起こった。
[わきかえる] ものガ
 ・場内は決勝戦の興奮で沸き返っていた。
 ・あまりの感動で血が沸き返るような心地がして、怖いくらいだ。
   感動・血・反抗心・反発心が 主戦論で 心・心の中・体中に どっと
[わきたつ] ものガ (ものニ)
 ・こんろの上のやかんのお湯がしゅんしゅんと沸き立っている。
  ・いよいよ決勝だ。血が沸き立つ思いがした。
 ・応援団席は勝利の喜びに沸き立っていた。
      湯・血・体中・天下・町が 怒り・憤り・複雑な感情・憤怒が 


わかす(沸かす・湧かす)五(わかさない・わかします・わかして・わかせば・わかそう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △わかしてある  わかしておく  わかしてほしい  わかし忘れる
  おふろをわかしかけて、やめた  毎日わかさなければならない
  子どもにお湯をわかさせた  父におふろをわかさせられた  わかそうと思う
 △お湯を[急いで/ゆっくり/もう一度/すこし/たっぷり]~。
 △[お湯(ゆ)/茶(ちゃ)/お風呂(ふろ)/コーヒー]を~。
 ・わたしはあさ起きたら、まずはじめにお湯を沸かします。
 ・いちど沸かしたお湯を少しさましてから入れると、お茶がおいしい。
 ・今、コーヒーを沸かしますから、飲んでいってください。
 ・日よう日はあさから風呂を沸かします。(=ふろをたく)
 ・今お風呂を沸かしているので、ちょっとまってください。もう少ししたら、沸くと思います。
 ・この水は、沸かして飲んだほうがいい。そのまま飲むと、病気になりやすい。
 ・風呂を沸かそうとしたら、客(きゃく)が来た
[2]〔ものガ 人・ものヲ〕
 △[観衆(かんしゅう)/会場(かいじょう)/場内(じょうない)/人々(ひとびと)]を~。
 ・かのじょの熱演(ねつえん)は満場(まんじょう)の観客(かんきゃく)をわかした。
  (=わかせた←わく+せる)
 ・小林先生とアキラくんの恋愛事件(れんあいじけん)は学校中をわかした。

<スル動詞>
[沸騰(ふっとう)する]  ものガ
 ・水は摂氏100度で沸騰する。
  ・やかんのお湯が盛んに沸騰している。
      鍋・やかんが  怒り・感情・議論・場内・世論・論議・話題が  情熱を~させる

[35] 燃える・焼く・焦げる
  ものの燃焼に関する動詞。「燃える・燃やす」「焼ける・焼く」は、自動詞・他動詞の対。
  「燃える・燃やす」は、ものが炎を上げて変化すること自体を言うのに対して、「焼ける・焼く」
は、変化した結果に注目した表現だが、ほぼ同じ意味に使われることも多い。

◇もえる
  「燃える」は、ものに火がつき、炎を出して変化し、灰を残したり、何もなくなったりすること。
  ひゆ的に、強い気持ちが起こることを言う。その気持ちをニ格で表す。
   ものガ もえる
    紙・木・ゴミ・家・ストーブ・ガソリン・ガス・ろうそく・火・炎が 燃える
   人ガ ものニ もえる
    向学心・使命感・希望・憎しみ・嫉妬に 燃える  燃える思い
・複合動詞
 「燃え上がる」は、勢いよく燃えて炎が高く上がること。ひゆ的に、感情が激しく高まること。
 「燃え移る」は、火が他のものに移って燃えること。
 「燃え落ちる」は、建物が燃えて崩れること。
 「燃えさかる」は、盛んに燃えること。ひゆ的に、感情が激しく高まること。
 「燃え立つ」は、火がついて一気に炎を上げて勢いよく燃えること。ひゆ的に、感情が激しくわき
  起こること。
 「燃え尽きる」は、燃えるものがすっかり燃えてなくなってしまうこと。ひゆ的に、情熱や精力が
  使い果たされてなくなってしまうこと。
 「燃えつく」は、何かに火がついて燃えること。
 「燃え残る」は、他のもの(部分)が燃えたのに、そこだけ燃えずに残ること。
 「燃え広がる」は、燃える範囲が広がっていくこと。 
・スル動詞
 「燃焼する」は、(ほのおを上げて)燃えること。科学的な表現。
◇もやす
  「燃やす」は、「燃える」に対応する他動詞で、ものに火をつけ、燃えるようにすること。ひゆ的
に、自分の気持ちを高まらせて行動しようという態度を表す。対象をニ格で示すことがある。
   人ガ ものヲ もやす
    紙・木・ゴミ・家・ストーブ・ガソリン・ガス・火を 燃やす
   人ガ ものニ ものヲ もやす
       意欲・好奇心・競争心・敵意・執念を 燃やす    研究に情熱を燃やす
◇たく
 「焚く」は、ものに火をつけて燃やすこと。ヲ格には燃やすもの、ストーブなどの器具のほか、火
そのものをとれる。
      人ガ ものヲ たく
    火を焚く  落ち葉を焚く
◇やく 
  「焼く」は、ものに熱を加えて変質させること。その結果に注目した表現。
 火をつけて灰になるまで燃やすこと。
   人ガ ものヲ 焼く
       紙・木・ゴミ・家を 焼く   遺体を焼く  (人・火が)草原・山・町を 焼く 
 食品に熱を加えて食べられるように、またはよりおいしく、すること。
    肉・魚・卵・パン・もちを 焼く
 この用法については「対物行為」の「焼く」の所を参照。
 熱を加えることによってあるものを作ること。強い日光で皮膚を(少し)褐色にすること。
    炭・陶磁器・クッキー・パン・せんべいを 焼く    海岸で体を焼く
  人をねたんだりうらやんだりすること。
       二人の仲をやく
  慣用表現で「(~の)世話を焼く」は、あれこれ人の面倒を見てやること。「(~に)手を焼く」は、
それに対する処置や対策に困ること。
・複合動詞
 「焼き切る」は、金属などを焼いて切ること。
 「焼き切れる」は、金属などが焼かれて切れること。
 「焼き殺す」は、焼いて殺すこと。
 「焼き捨てる」は、ものを焼いて(灰にし)、捨てること。
 「焼き付く」は、熱せられて何かにつくこと。ひゆ的に、心に強い印象を受けて忘れられないこと。
 「焼き尽くす」は、すべてを焼いてしまうこと。
 「焼き付ける」は、熱した金属を押し当ててしるしを付けること。金属と金属を高温で溶かして付
  けること。陶磁器に模様を描いて焼き、定着させること。写真で印画紙にプリントすること。ひ
  ゆ的に、心に強い印象を残すこと。
 「焼き直す」は、もう一度焼くこと。ひゆ的に、一度発表された作品に手を加えて、新しい作品と
  して発表すること。
 「焼き払う」は、あたり一面をすっかり焼いて何も残らないようにすること。
◇やける
 「焼ける」は、「焼く」に対応する自動詞で、ものが熱によって変質すること。
 火がついて燃えること。
   ものガ 焼ける
    紙・木・家・町・山が 焼ける
 食品が熱によって食べられるように、またはよりおいしく、なること。
    肉・魚・卵・パン・もちが 焼ける 
  あるものが熱を加えられることによってできあがること。
    炭・陶磁器・クッキー・パン・せんべいが 焼ける
 強い日光で皮膚が(少し)褐色になること。日光で紙や畳、布などが変色すること。
      夏の日射しで肌が焼ける      日に焼けた 畳・カーテン・本
  空が赤く見えること。鉄などが高温になること。
    夕日で西の空が真っ赤に焼けている    赤く焼けた鉄
 ひゆ的に、胃の調子が悪く、胸が熱いように感じることを言う。
    胸が焼ける
 人に対してねたましさを感じてしまうこと。
    仲のいい恋人たちを見るとやけてしまう
  慣用表現で「世話が焼ける」「手が焼ける」は、面倒を見るのが大変であること。
・複合動詞
 「焼け落ちる」は、建物が焼けて崩れること。
 「焼け死ぬ」は、火事などで焼かれて死んでしまうこと。
 「焼け出される」は、家が火事で焼けて住む所がなくなること。
 「焼け付く」は、熱せられて何かに付くこと。機械など過熱して調子が悪くなること。
 「焼け残る」は、他のもの(部分)が焼けたのに、そこだけ焼けずに残ること。 
◇こげる
 「焦げる」は、ものが火などで熱せられ、黒または茶色に変色すること。
      ものガ こげる
    パン・ご飯・畳・ズボンが 焦げてしまった
・複合動詞「焦げ付く」は、ものが焦げて他のものに付いてしまうこと。ひゆ的に、貸した金銭が回
収できなくなること。
◇こがす
 「焦がす」は、「焦げる」に対応する他動詞で、ものを火などで熱して黒または茶色に変色させる
こと。
   人ガ ものヲ 焦がす
    パン・ご飯・畳・ズボンを 焦がしてしまう
 ひゆ的に、切ない思いをして苦しみ悩むこと。
    恋に 胸・身を 焦がす
◇スル動詞
 「燃焼する」は、ものが燃えること。ひゆ的に、自分の全精力を注ぎ込んで何かをすること。
 「放火する」は、火事を起こすために建物などに火をつけること。
 「日焼けする」は、強い日光で皮膚が(少し)褐色になること。日光で紙などが変色すること。
    
 
もえる(燃える)一(もえない・もえます・もえて・もえれば) 
[1]〔ものガ〕
 △もえやすい  もえにくい  もえかける  もえてしまう  もえないようにする
  もえたらこまる  もえろ! 
 △[ゆっくりと/おだやかに/ちろちろ/はげしく/ごうごうと/ぼうぼう/めらめらと]~。
  [あっという間(ま)に/見る見るうちに]もえてしまった
 △[紙/屋根(やね)/家/ビル/建物(たてもの)/木/町/森/山]が~。
  [火/ストーブ/ガス/炭(すみ)/石油(せきゆ)/燃料(ねんりょう)]が~。
 ・テーブルの上でロウソクがしずかに燃えている。
 ・酸素(さんそ)がなければ、物は燃えない。
 ・燃えるゴミと燃えないゴミを分けてすててください。
 ・輪(わ)になって歌を歌う人々の中央には、キャンプファイアーの火が明るく燃えていた。
 ・「わたし、何だか体が燃えてきたわ。」と、燃えるゴミが言った。
 ・燃える(ような)思いを手紙(てがみ)に書いて、ボクにおくって来る女の子、いないかなあ。
 ・ここでは、若者たちが夏の燃える太陽(たいよう)の下でスポーツにあせをながしています。
 ・西の空がまっかに燃えている。
[2]〔人ガ ものニ〕
 △[憎(にく)しみ/向学心(こうがくしん)/意欲(いよく)/研究(けんきゅう)への情熱(じょうね
  つ)]に~。
 ・パーティーで女友だちに恥(はじ)をかかされた妻(つま)は、いかりに燃えていた。
 ・学生たちは学習意欲(がくしゅういよく)に燃えていた。少しでも分からない事があると、質問(し
  つもん)に来た。
 ・私は希望(きぼう)に燃えて大学に入ったのだが...。


<複合動詞:もえ->
[もえあがる] ものガ
 ・拾い集めた枝は、しめっていたが、石油をかけて火をつけると、わっと燃え上がった。
 ・キャンプファイアーがあかるく燃え上がった。
   家・火・焚き火・手紙・反対の声・憎しみ・愛・欲望・ライバル意識が
   静かな愛情が恋にまで 怒りがむらむらと 情熱の炎が かっと めらめらと
[もえうつる] ものガ ものニ
 ・隣の家の火事が我が家に燃え移り、私たちは焼け出されてしまった。
 ・火事の原因は、ストーブの火が何らかの理由でカーテンに燃え移ったことらしい。
   隣家に 小枝に火が ガスの火が服に
[もえおちる] ものガ 
 ・武士たちは燃え落ちる城を見上げて、涙を流した。
 ・歴史ある建物が火事で燃え落ちてしまったのは、残念なことだ。
[もえさかる] ものガ
 ・燃えさかる炎の中に、古いノートや書類を投げ込んだ。
 ・キャンプの終わりを告げるファイアーが燃えさかり、僕らの夏休みも終わった。
   炎・火の手・ストーブ・篝火・思い・怒りが 真紅に 盛大に 赤々と
[もえたつ] ものガ
 ・ゆみ子は燃えたつような真紅のドレスを着てあらわれた。大きく開けた胸元には、エメラルドの
  ネックレスがかがやいていた。
 ・燃え立つ怒りの感情を抑えきれず、大声で相手をののしった。
   火・夕日・嫉妬の炎・怒り・感情・希望・征服欲・気持ち・思いが 理想に
[もえつきる] ものガ
 ・倉庫の中のものが燃え尽きるまで、火は消えない。
 ・彼は最後の試合で燃え尽きてしまったようだ。もう二度とボールを手にすることはないと言って
  いる。
 ・私は、この対戦に自分の青春のすべてをかけていた。私はこの戦いで燃えつきるつもりであった。
   火・ろうそく・炎・命・生命・情熱・すべてが たちまちのうちに
[もえつく] ものガ ものニ
 ・ストーブの火がカーテンに燃えついたらしい。
 ・焚き火の火が横に置いてあった新聞紙に燃えつき、ちょっとあわてた。
[もえのこる] ものガ
 ・火事のあと、燃え残った倉の中から昔の物をいろいろ見つけだした。
 ・山火事が広がり、山に近い家は皆焼けたが、幸い私の家は燃え残った。
[もえひろがる] ものガ
 ・そば屋から出た火は、強いかぜのためにどんどん燃えひろがった。
 ・山火事が燃え広がり、付近の住民が避難する事態となった。
   火・炎・野火・山火事が 次第に 大きく 四方に みるみる
<スル動詞>
[燃焼(ねんしょう)する]  ものガ
 ・ものが燃焼(を)するとき、熱と二酸化炭素が発生する。
 ・水素が燃焼(を)すると水ができる。
 ・私は今日の試合ですっかり燃焼し尽くしたような感じだ。

もやす(燃やす)五(もやさない・もやします・もやして・もやせば・もやそう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △もやしにくい  もやしたい  もやしたほうがいい  もやさなければならない
  もやされる  もやそうとする  もやせばもえる
 △[ゆっくりと/はげしく/ごうごうと/ぼうぼう/ちろちろ]~。
 △[かみ/木/まき/かれは//せきゆ/ガス/火]を~。
 ・日よう日に庭(にわ)でゴミを燃やしました。
 ・雪にとざされた小屋の中で、わたしたちは、燃やせる物はすべて燃やして体をあたためた。
 ・ストーブを燃やして(=ストーブで火を燃やして)、へやをあたためた。
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △[競争心(きょうそうしん)/敵愾心(てきがいしん)/情熱(じょうねつ)]を~。
 ・選手(せんしゅ)たちは、練習(れんしゅう)に情熱(じょうねつ)を燃やしている。
 ・人々は独裁的(どくさいてき)な政府(せいふ)にはげしい怒(いか)りを燃やしている。

<スル動詞>
[放火(ほうか)する]  人ガ ものニ
 ・自宅に放火して保険金をだまし取ろうとした会社経営者が逮捕された。
 ・民族差別主義者に放火され、少数民族の人たちは店を焼かれてしまった。


たく(焚く)  五(たかない・たきます・たいて・たけば・たこう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △たいてほしい  たいてある  たいてはいけない  たかないとさむい  たこうとする
  たかせる  たけ!  たくな! 
 △[さかんに/勢(いきお)いよく/ぼうぼうと/激(はげ)しく]~。
  △[火(ひ)/石炭(せきたん)/薪(まき)/ストーブ]を~。[風呂(ふろ)/香(こう)]を~。
 ・さむいので木のえだをあつめて火をたいた。
 ・もうストーブをたく季節になったか。(ストーブで火をたく)
 ・おち葉(ば)をたいて、体をあたためた。
 ・林の中で火がたかれた。病気の人の体をあたためるのだ。

やく(焼く)五(やかない・やきます・やいて・やけば・やこう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △やきすぎる  やいてもらう  やいてはいけない  やいたほうがおいしい
  やかなければたべられない  やかせる  やかれる  やこうとする  やくな! 
 △[じっくり/こんがりと/きつね色に]~。
 △[紙/ゴミ/落ち葉(おちば)/古い日記(にっき)/昔(むかし)のラブレター]を~。
  [炭(すみ)/せともの/花びん/お皿(さら)]を~。(=焼いて作る)
 ・父は庭(にわ)でごみを焼いています。
 ・おちばを焼く白いけむりがとおくに見える。
 ・去年(きょねん)大火事(おおかじ)で家(いえ)を焼いてしまった。
 ・戦争(せんそう)で家を焼かれた人がおおぜい田舎(いなか)に疎開(そかい)した。
 ・恋人(こいびと)からの手紙を父に焼かれたので家を飛び出した。
 ・火葬(かそう)とは、なくなった人を焼くことをいいます。
 ・日光で肌(はだ)を焼く人が多いが、焼きすぎるのは体に良くない。
 ・花びんやお皿(さら)を焼いて作るのが私の趣味(しゅみ)です。
[2]〔ものガ ものヲ〕
  ・去年の暮(く)れの火事は、強い風で燃(も)え広がり、町の半分を焼いた。
 ・そば屋から出た火は、隣(となり)の住宅(じゅうたく)3棟(むね)を焼いて消し止められた。

<複合動詞:やき->
[やきあげる] 人ガ ものヲ 
 ・二日かかってお皿を200まい焼き上げた。
[やききる] 人ガ ものヲ 
 ・鉄(てつ)の棒(ぼう)をガスバーナーで焼ききった。
 ・トランクに結ばれていた鎖は焼き切られ、書類はトランクごと持ち去られていた。
   糸・綱・鉄板・電線・ひもを
[やききれる] ものガ
 ・強い電気がながれたので、コードが焼き切れてしまった。
 ・電球(でんきゅう)が焼き切れています。
[やきころす] 人ガ ものヲ 
 ・家に閉じ込められ、火をつけられて焼き殺されそうになったが、幸(さいわ)い大雨が降ってきた。
 ・害虫のついた枝を集めて火をつけ、害虫を焼き殺した。虫からすれば、大虐殺だ。
[やきすてる] 人ガ ものヲ 
 ・今の夫と結婚する時に、前の恋人(こいびと)からの手紙はぜんぶ焼きすてました。ウフフ...。
 ・この米はコレラのはやっている国から来たものなので、ぜんぶ焼きすてなくてはなりません。
   カード・書物・手紙・古い書類・本・小屋を
[やきつく] ものガ (ものニ)
 ・母が車にひかれたときの光景(こうけい)は今でも、目に焼きついて、わすれられません。
 ・高速で動かしたので、機械(きかい)があつくなって、部品(ぶひん)が焼きついてしまった。
   印象・面影・姿・表情が 頭・記憶・心・脳裏・瞼の裏・胸・目に 生々しく
[やきつくす] 人・ものガ ものヲ
 ・大火事が人々の家を焼き尽くした。
 ・空襲でこのあたりはすべて焼き尽くされた。
 ・天の火があなたの行く道を焼き尽くしてしまえばいいのに。
   火事・火が 辺り一面・攻撃目標・心・地上のすべてのもの・都市・町を
[やきつける] 人ガ ものヲ ものニ
 ・牛のおしりに、この牧場(ぼくじょう)のしるしが焼き付けてある。 
 ・取りこわされてしまう家の姿(すがた)をしっかりと目に焼き付けた。
   写真を印画紙に 形・記憶・姿・テーマ・番号・優劣を 頭・目・網膜に
[やきなおす] 人ガ ものヲ 
 ・ゴミを焼いたが、途中で火が消えたらしく、固まりが焼けていない。もう一度焼きなおした。
 ・一度発表した論文のデータ解釈をちょっと変え、焼き直して発表した。誰も読まないだろうから、
  論文名が違えばばれないだろう。
[やきはらう] 人ガ ものヲ 
 ・枯(か)れた草を焼き払って、新しく出る芽(め)がよく育つようにするんです。
 ・A国の軍隊(ぐんたい)によって、たくさんの村が焼き払われた。
      家・一帯・灌木・工場・雑草・集落・森林・林・バラック・船を ことごとく


やける(焼ける)一(やけない・やけます・やけて・やけば・やこう) 
[1]〔ものガ〕
 △やけすぎる  やけてしまう  やけてはこまる  やけないようにする  
 △火事で〔まち/家/屋根(やね)/森/木/枯れ草(かれくさ)〕が~。
 △[炭(すみ)/せともの/花びん/おさら]が~。(=できあがる)
  [顔(かお)/背中(せなか)/くびすじ]が~。
 ・西のそらがまっかに焼けて、うつくしい。
 ・火事(かじ)で家が30軒(けん)も焼けたそうだ。
 ・わたしの財産(ざいさん)はすべて焼けて、灰(はい)になってしまった。
 ・海で泳ぐとき、焼けすぎないように日焼けどめオイルをからだにぬった。
 ・海で泳ぎたいけど、あまり焼けたくないなあ。今日はかなり焼けそうだなあ。
 ・本だなの本が焼けないように、厚(あつ)いカーテンをかけてある。
 ・もちをたべすぎて、むねが焼ける。(=むねが気持ち悪い)

<複合動詞:やけ->
[やけおちる] ものガ
 ・村の大火事で、古いお寺も焼けおちた。
 ・時代劇で城の天守閣が焼け落ちるシーンは、何度見てもじんと来る。
   家・倉・城・建物・寺・天守閣・橋・店・屋根が 真っ黒に
[やけこげる]
 ・火事のあとで入ってみると、柱(はしら)や天井(てんじょう)がまっ黒に焼けこげていた。
 ・お寺のかべには、この前の火事で焼けこげたあとがあった。
[やけしぬ] 人ガ
 ・地震のときに起きた火事で多くの人が焼け死んだ。
 ・豚小屋が火事になり、たくさんの豚が焼け死んだそうだ。ちょうどいい焼き豚になったかどうか。
   牛・鶏・人間・人・豚が 火事で 逃げ遅れて
[やけだされる] 人ガ 
 ・大火事でたくさんの人が焼けだされ、住む所がなくてこまっている。
 ・銀行を信用せず、すべての財産を家に置いていた彼は、火事で焼け出されて無一物になってしま
  った。
   家・都心を 火事で  ~て無一物になる
 ▽受身の形で使う。「焼け出す」は「焼け始める」の意味になる。
[やけつく] ものガ
 ・焼け付くような夏の太陽を浴びながら、海で遊んだ。
 ・エンジンオイルが不良品で、エンジンが焼け付いてしまった。
   胃・のど・エンジンが ~ような暑さ・思い・激痛・苦痛・真夏の日射し 
[やけのこる] ものガ
 ・大火事があったが、幸い私のうちは焼け残った。
 ・町はすべて焼けてしまったが、中央の公園の木だけが焼け残り、春に緑の芽を吹いた。
      柱・土蔵が かろうじて

<スル動詞>
[日焼け(ひやけ)する]  人ガ
  ・海水浴場のアルバイトでずいぶん日焼けした。
 ・日焼けしないように日焼け止めクリームをたっぷり塗った。


こげる(焦げる)一(こげない・こげます・こげて・こげれば)
[1]〔ものガ〕
 △こげかける  こげそうだ  こげすぎた  こげてしまう  こげないようにする
 △[すぐに/まっくろに/茶色(ちゃいろ)く/こんがりと/少し/うっすらと]~。
 △[料理(りょうり)/ごはん/パン/魚(さかな)/肉]が~。
  [紙/服(ふく)の袖(そで)/壁(かべ)/畳(たたみ)/ざぶとん]が~。
 ・火が強すぎて、さかなが焦げてしまった。
 ・ちょっと焦げたごはん(=おこげ)で作ったおにぎりはおいしい。
 ・何か焦げているにおいがしますね。
 ・タンスの表面(ひょうめん)が焦げてしまった。

<複合動詞:こげ->
[こげつく] ものガ (ものニ)
 ・ごはんが電気がまの底に焦げついてしまった。
 ・事業拡大のための資金が焦げ付いた。
      貸し金・なべ・鍋底・煮物・ローンが じりじりと 少し


こがす(焦がす)五(こがさない・こがします・こがして・こがせば・こがそう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △こがしすぎた  こがしてしまう  こがしてはいけない  こがさないようにする
  少しこがそうとした  こがしたほうがおいしい  こがされる 
 △[うっかり/つい/少し/ひどく/まっくろに/こんがりと]~。
 △[料理(りょうり)/ごはん/パン/魚(さかな)/肉]を~。
  [紙/服(ふく)の袖(そで)/壁(かべ)/畳(たたみ)/ざぶとん]を~。
 ・家内はまたごはんを焦がした。
 ・タバコをおとして、畳を少し焦がしてしまった。
 ・たまごを焦がさないように焼(や)いてください。
 ・火に近づきすぎて、髪(かみ)のけを焦がしてしまった。
 ・海へ行くと、およぐよりも砂浜(すなはま)で肌(はだ)を焦がす(=やく)人々の方が多い。

[36] とける・とかす・とく
  固いものが熱を受けたり、液体に入れられることで形を崩し、ついには液体になるか、液体の中に
交じってしまうこと。また、そうすることを表す動詞。
 「とける・とかす」は自動詞・他動詞の対。「とく」は「とかす」と類義の用法のほか、他の意味
で「とける」と対応する。 (→「縛る・ほどく」、「精神:解く・解ける」)
 「とろける」は、それ自体が柔らかくなること。

◇とける
  「溶ける」は、固体が熱を受けて柔らかくなり、ついには液体になること。また、液体の中に入れ
られてそれに交じってしまうこと。
      ものガ とける
    バター・氷・雪・鉄が 溶ける  溶けた雪
      ものガ ものニ とける
     塩・絵の具・ココアが 水に溶ける
・複合動詞
 「溶け合う」は、二つ以上のものが溶けて混ざり、一つになること。
 「溶け込む」は、液体・気体の中に溶けて入ってしまうこと。ひゆ的に、よそから入ってきたもの
  が元からあるものと一体となること。
    チーム・組織に とけ込む  まわりの雰囲気にとけ込む
 「溶け出す」は、固体の中にあったものが、液体の中に出てくること。固体が溶け始めること。
       薬の成分が水に溶け出す
◇とかす
  「溶かす」は、「溶ける」に対応する他動詞で、固まっているものを熱によって、または液体に入
れるか液体を加えるかしてまぜ、液状にすること。
      人ガ ものヲ (ものニ) とかす 
    バター・氷・雪・鉄を 溶かす     塩・絵の具・ココアを 水に溶かす
◇とく
  「溶く」は、(液体に入れるか、液体を加えるかして)混ぜ合わせて均一な状態にすること。液体を
ニ格またはデ格で示す。
   人ガ ものヲ (ものニ/デ) とく
    ココア・絵の具を お湯・水で 溶く  小麦粉を水に溶く  卵を溶く(かき混ぜる) 
◇とろける
 「とろける」は、固いものが熱を受けて柔らかく、どろどろになること。
      ものガ とろける
    チーズ・はんだ・ロウが とろける
 慣用表現で、「ほお(ほっぺた)がとろけるほど」は、食べ物が非常に甘いこと。
◇かたまる
  「固まる」は、やわらかいものが固くなること。粉状のもの、ばらばらのものが一つにまとまるこ
と。ひゆ的に、抽象的なものがはっきりした内容を持つようになることを表す。
      ものガ かたまる
    コンクリート・粘土・油・塩・土が 固まる  広場に人が固まって座っている
    方針・計画・体制・態度・意見・証拠が 固まる
・複合動詞「凝り固まる」は、凝って固くなること。ひゆ的に、一つのことに心がとらわれ、他のこ
とを考えられないこと。
      筋肉が凝り固まっている  保守的な考え方に凝り固まっている
◇かためる
  「固める」は、力を加えて固くすること。しっかり丈夫なものにすること。抽象的なものにも言う。
 ばらばらなものを一つにまとめること。
     人ガ ものヲ かためる
       土・雪・粉を 固める     基礎・足場を 固める  決心・覚悟・計画を 固める
 慣用表現で「身を固める」は結婚すること。
・複合動詞は、「-かためる」の形のもので、「~して固める」ことを表す。「押し固める」「塗り固
める」「練り固める」「踏み固める」などがある。
    土を 押し固める・踏み固める  粘土を練り固める  壁を塗り固める


とける(溶ける)一(とけない・とけます・とけて・とければ) 
[1]〔ものガ〕
 △とけはじめる  とけそうだ  とけかける  とけそうにない  とけていく  
  とけないとこまる  とけるようにする  とけさせる  
 △[ゆっくり/よく/少しずつ/一度に/さっと/どろどろに/べたべたに/どんどん]~。
  [あまり/まったく/ぜんぜん/少しも/なかなか/いつまでも]とけない
 △[アイスクリーム/バター/チーズ/氷(こおり)/雪/鉄(てつ)/金属(きんぞく)]が~。
  [塩(しお)/砂糖(さとう)/みそ/薬(くすり)/絵の具(えのぐ)/アルコール]が~。
 ・厳(きび)しい冬が過ぎ、春になって少しずつ雪が溶けてきた。
  ・あんまり暑いので、アイスクリームが食べる前にどんどん溶けてしまう。
 ・ピザの上のチーズがほどよく溶けていて、いかにもおいしそうだ。
 ・炉(ろ)の中は鉄も溶けてしまうほどの高温になっているそうだ。
 ・氷が溶けると水になる。では、雪が溶けると? 春になる、んだそうだ。
[2]〔ものガ (ものニ)〕
 ・アルコールは水によくとける。だからお酒ができる。
 ・薬品(やくひん)を溶剤(ようざい)に入れ、よくとけるように何度もふってください。
 ・みそ汁(しる)の中に、溶けないままのみその固まりがあった。しょっぱ!
 ・スープを煮(に)すぎたら、じゃがいもが溶けちゃった。でも、味(あじ)はいいかも。

<複合動詞:とけ->
[とけあう] ものガ ものト
 ・二つの味が溶け合って、おいしい飲み物ができました。
 ・一緒に生活し始めると、お互いの心がしっくりと一つに溶け合って来るのを感じた。
   空と海とが 不安と期待が  一つに 自然に 
[とけこむ] ものガ ものニ
 ・雨水(あまみず)の中には、いろいろな物がとけこんでいます。
  ・バターがしっかりパンにとけ込んでいるクロワッサンは本当においしい。
 ・新しい会社の人たちにはやくとけこむようにしてください。
   気持ち・心・意識が 雰囲気・闇・静寂・社会・自然・環境・新しい家に
   背景・土地の生活・組織・人の波・話の輪に 少しずつ すんなりと しっくり
[とけだす] ものガ ものニ
 ・水道管から水の中に鉄分がとけだす。
 ・岩に含まれていた塩分が溶け出して、湖にたまったものと思われます。
  ・暑さでバターが溶け出した。(とけはじめる)
 ・あんまり暑いと、脳(のう)みそが溶け出しそうだ。


とかす(溶かす・解かす)五(とかさない・とかします・とかして・とかせば・とかそう) 
[1]〔ものガ ものヲ〕
 △とかしたい  とかしてみる  とかしておく  とかしてある  とかしてもらう
  とかしてはいけない  とかさなければならない  とかそうとする  とかさせる
  とかされる  とかさせられる
 △[ゆっくり/いそいで/じっくり/あわてて/のんびり/よく]~。
 △[氷(こおり)/雪/鉄(てつ)/金属(きんぞく)/蝋(ろう)/バター]を~。
 ・太陽(たいよう)の熱(ねつ)が川の氷を溶かしはじめた。
 ・ガスバーナーの強い炎(ほのお)は鉄を溶かすほどの熱をもっている。
 ・このかわいい赤ん坊(あかんぼう)の笑顔(えがお)が、結婚(けっこん)を最後まで許(ゆる)してく
  れなかった父のかたくなな心を溶かしてくれた。
[2]〔人ガ ものヲ〕
 ・まず、フライパンでバターを10グラムほど溶かしておきます。それから細(こま)かく切った肉
  を入れます。
 ・こおった肉は電子レンジで溶かします。
[3]〔人ガ ものヲ ものニ〕
 ・その砂糖(さとう)を1リットルの水に溶かしてください。
 ・ココアをあたためた牛乳(ぎゅうにゅう)に溶かして、砂糖を入れてのみます。


とく(溶く)五(とかない・ときます・といて・とけば・とこう)
[1]〔人ガ ものヲ (ものニ)〕
 △ときたい  といてほしい  といてみる  といておく  といてある  といてもらう 
  といてあげる  といてはいけない  とかなければならない  とこうとする 
  とかせる  とかれる  とかせられる
 △[ゆっくり/いそいで/じっくり/あわてて/のんびり/ためしに/なんとか/やっと]~。
 △[薬(くすり)/粉(こな)/粉末(ふんまつ)スープ/卵(たまご)]を~。
 ・お湯(ゆ)でからしを溶いてください。
 ・固形(こけい)スープをお湯で溶いて、そこに野菜(やさい)を入れる。
 ・この薬(くすり)は水に溶いてぬってください。
  ・溶いた卵をスープに入れて、ちょっと温(あたた)めて、はい、できあがり。


とろける  一(とろけない・とろけます・とろけて・とろければ)
[1]〔ものガ〕
 △とろけそうだ  とろけかけている  とろけてしまう
 △[ゆっくり/しだいに/すっかり/甘く/柔(やわ)らかく]~。
  △[チーズ/クリーム/チョコレート/キャラメル/砂糖(さとう)]が~。
  ・とろけたチーズがたっぷりの××ピザをどうぞ! 
 ・ホットケーキの上に載(の)せたクリームがとろけていく。
  ・ほっぺたがとろけるような甘さだ。
 ・だれにもじゃまされず、二人の時間を過ごす。身(み)も心もとろけるような幸せ、、、、、。
  ・とろけそうな甘い顔、って女の人は言うけれど、こんなたよりない若い男のどこがいいんだか。


かたまる(固まる)五(かたまらない・かたまります・かたまって・かたまれば・かたまろう)
[1]〔ものガ〕
 △かたまりそうだ  かたまりかける  かたまってほしい  かたまってはいけない 
  かたまらないとこまる  かたまらせる  かたまられる  かたまろうとしている
  かたまれ!  かたまるな!
 △[すこしずつ/だいぶ/完全(かんぜん)に/ようやく/がっちり/かちかちに/がちがちに]~。
 △[セメント/ゼリー/塩(しお)/砂糖(さとう)/小麦粉(こむぎこ)/脂(あぶら)]が~。
  [会社の方針(ほうしん)/計画(けいかく)/思想(しそう)/体制(たいせい)/みなの意見]が~。
 ・びんの中のインスタントコーヒーが固く固まってしまって、出せない。
 ・湿気(しっけ)が入ってしまったのか、ふくろの中でセメントが固まってしまった。
 ・去年作った会社はいくつかの問題(もんだい)をのりこえて、今年になってやっと基礎が固まった。
 ・よくかきまぜなかったので、ドーナツの材料(ざいりょう)が固まってしまった。
 ・コンクリートはかきまわすのをやめると固まりはじめる。
 ・みんなで何回も話合いをして、やっとクラスの意見が固まった。
 ・この問題(もんだい)についての会社の方針(ほうしん)はまだ固まっていないようです。
 ・ゼリーは冷蔵庫(れいぞうこ)でひやさないと、固まらない。
 ・この国では3年ごとにクーデターが起きるので、国の体制(たいせい)が固まらない。
[2]〔人・ものガ 所ニ〕
 ・学生が何人か教室のすみに固まって何か話し合っている。
 ・にわのところどころに花が固まってさいている。
 ・入口に固まらないで、おくの方に入ってください。
 ・みんな、部屋の真ん中に固まろう!  

<複合動詞:-かたまる>
[こりかたまる] ものガ (ものニ)
 ・昨日、久しぶりにキャッチボールをやったためだろうか、肩の筋肉がこり固まっている。
 ・与党の老人たちは、考え方がこりかたまっている。
      恨み・砂糖・執念・妄執が  宗教・職人意識・所有欲・信心・憎しみに


かためる(固める)一(かためない・かためます・かためて・かためれば・かためよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △かためてしまう  かためてある  かためてしまう  かためてはいけない 
  かためなければならない  かためさせる  かためられる  かためようとする
  かためろ!  かためるな!  かためられない
 △[しっかり/かたく/よく/十分に/がっちり/かちかちに/がちがちに]~。
 △[土(つち)/雪(ゆき)/粉(こな)/こぶし]を~。
  [方針(ほうしん)/決心(けっしん)/覚悟(かくご)/土台(どだい) /団結(だんけつ)]を~。
 ・入口の前の土がやわらかいから、ふんでよく固めておこう。
 ・おこった兄は、にぎりこぶしを固めて弟をなぐりつけた。
 ・このおかしは小麦粉(こむぎこ)に砂糖(さとう)をまぜてやいて固めたものです。
 ・来月からしごとを始めますから、それまでに会社としての方針(ほうしん)を固めてください。
 ・いまは会社の基礎(きそ)を固める時だから、もうけは少なくてもたしかな仕事をやるべきだ。
 ・みんなで団結(だんけつ)を固めて、このむずかしい問題(もんだい)にぶつかろう。
 ・ゼリーにくだものを入れた物を冷蔵庫(れいぞうこ)でひやして固めます。
 ・しっかり決心を固めたつもりだったが、いろいろ言われてまた気持ちが揺(ゆ)らいできた。
 ・私が身(み)を固めた(=けっこんした)のは21才の時です。
 ・私は留学をやめて父の仕事をてつだう決心(けっしん)を固めた。
 ・よく使う道具(どうぐ)は一つの所に固めておくといいですよ。(=まとめる)

<複合動詞:-かためる>
[おしかためる] 人ガ ものヲ 
 ・みんなで踏んで、土を押し固めた。
 ・次に、ご飯を箱に詰め、手のひらで軽く押し固めます。
   土・粘土・あんを 強く 手のひらで 足で踏んで 
[ぬりかためる] 人ガ ものヲ 
 ・あの人の人生はウソで塗りかためられている。お父さんが社長だというのも、留学したことがあ
  るというのもみんなウソだったんだわ。
 ・穴の入り口はセメントで塗り固められ、入れないようになっていた。
   壁・内部・入り口・瓦を  漆喰で
[ねりかためる] 人ガ ものヲ
 ・練り固めた和菓子は、初めはちょっと取っつきにくいが、なかなかいい味だ。
 ・じっくり練り固めたプランだから、多少批判されてもびくともしない。
[ふみかためる] 人ガ ものヲ 
 ・花壇の回りの土を踏み固めて、歩きやすくした。
 ・踏み固められた雪が夕べの間に凍って滑りやすくなっている。
      草・土・道・雪を

[37] 乾く・干す
  ものの水分がなくなること、なくすことを表す動詞。自動詞は「-ている」の形で状態を表す。名
詞修飾は「-た」の形でその時の状態を表す。

◇かわく 
  「乾く・渇く」は、そのものに含まれている水分・湿気が蒸発してなくなること。口の中の水分が
少なくなり、水分がほしくなること。
   ものガ かわく      
       洗濯物が乾く  のどが渇く  乾いた風
・複合動詞
 「かわき上がる」「かわき切る」は、どちらも完全にかわいてしまうこと。
◇かわかす  
  「乾かす」は、「かわく」に対応する他動詞で、ものの水分を取り去ること。
      人ガ ものヲ かわかす
    洗濯物・髪の毛を 乾かす  日・ドライヤーで 渇かす
◇ほす 
  「干す」は、ものが乾くように日や風に当てること。場所を示すニ格をとる。
      人ガ ものヲ (所ニ) ほす
    ふとん・洗濯物を ベランダに干す
 中に入っている水分を全部なくすこと。ヲ格は液体とその器のどちらもとれる。
    池・杯を 干す  ビールを干す
 ひゆ的に人に仕事などを与えず困らせること。受身の形でよく使われる。俗語的。
    上司に逆らって干されている
・複合動詞「干しあげる」は、水分がなくなるまで完全に干すこと。
・スル動詞
 「乾燥する」は、水分がなくなり、かわくこと。
    のど・皮膚・肌・空気が 乾燥する     乾燥した風土
◇かれる   
  「涸れる」は、川や池の水がなくなること。ひゆ的に、資金や能力がなくなること。「嗄れる」は、
声がかすれて出なくなること。
      ものガ かれる
    井戸・地下水が 涸れる  涸れた川  資金・創作力が 涸れる  のどが嗄れる
・複合動詞「かれはてる」は、完全にかれてしまうこと。
◇からす       
 「涸らす」は、池などの水を汲みすぎてなくしてしまうこと。ひゆ的に、才能などを失うこと。
  「嗄らす」は、声を出しすぎて、声がかすれた状態にすること。
      人ガ ものヲ からす
    井戸・才能を からす  のどをからす


かわく(乾く・渇く)五(かわかない・かわきます・かわいて・かわけば)
[1]〔ものガ〕
 △かわきそうだ  かわきかけている  かわかないとこまる  かわけ!
 △[すっかり/半分/少し]~。[ぜんぜん/まったく/少しも]かわいていない。
 △[洗濯物(せんたくもの)/服(ふく)/シャツ/手/かみのけ/のど/口]が~。
  [インク/えのぐ/ペンキ/水/泥(どろ)]が~。
 ・暑い中を2時間も歩いて、のどがからからに渇いている。
 ・今日はいい天気だから、洗濯物がよく乾きそうだ。
 ・日の光をたっぷり浴びて、すっかり乾いたタオルを顔に当てると、日の香(かお)りがする。
 ・さっき洗ったハンカチがもう乾いている。でも、くつしたはまだ乾いていない。
 ・肌(はだ)がかさかさに乾いてしまっているので、クリームをたっぷり塗(ぬ)った。
 ・熱い、乾いた風が吹き抜ける。乾ききった大地(だいち)には、草一本生えていない。

<複合動詞:かわき->
[かわきあがる] ものガ
 ・絵の具が乾き上がるまで、運ぶことはできません。
 ・暑い中を何時間も歩いたので、のどがからからに渇き上がっていた。
[かわききる] ものガ
 ・ここは、土も空気も乾き切っている。
 ・渇ききったのどに、冷えたビールは最高だね。
      完全に からからに すっかり


かわかす(乾かす)五(かわかさない・かわかします・かわかして・かわかせば・かわかそう)
[1]〔人ガ (ものデ) ものヲ〕
  △かわかしたい  かわかしておく  かわかしてしまう  かわかしてはいけない
  かわかさないといけない  かわかそうとする  かわかせ!  かわかすな!
 △[少し/完全に/いそいで/できるだけ/ゆっくりと/のんびり]~。
 △[洗濯物(せんたくもの)/服(ふく)/インク/ペンキ/ぬれた手/髪(かみ)のけ]を~。
 ・シャツがまだ少し湿(しめ)っているから、アイロンで乾かそう。
 ・セーターを乾かす時は、日のあたらない所に干(ほ)さなくてはいけない。
 ・この地方では、土をかためて日にあてて乾かした物を家の材料(ざいりょう)にしている。
 ・ハンカチをわすれたので、あらった手をふかないで乾かした。
 ・女の子の長い髪は見ていいものだが、プールのあとで乾かすのは大変そうだ。


ほす(干す)五(ほさない・ほします・ほして・ほせば・ほそう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △ほしておく  ほしてある  ほしてもらう  ほさないといけない  ほしてはいけない
  ほそうとしたら  ほさせる  ほされる
 △[じっくり/なんども/ならべて/ひろげて/よく]~。
 △[シャツ/ハンカチ/ズボン/くつ下/パンツ/服/シーツ/ふとん]を~。
 ・朝干したせんたく物がもう乾(かわ)いた。
 ・海から遠い山の上の村では干した魚なども食べていたらしい。これを「干し魚(うお)、干魚(ひ
  ざかな)」などと言う。
 ・たまにはふとんを日に干した方がいい。長く干さないでいると、健康(けんこう)によくない。
[2]〔人ガ 所ニ ものヲ〕
 △[ベランダ/屋上/にわ]に~。
 ・洗濯物(せんたく)は屋上(おくじょう)に干してください。
 ・ハンカチをちょっと洗って、窓(まど)の外に干しておこう。今日は天気がいいから、1時間ぐら
  いで乾くでしょう。
 ・雨が上がったので、へやの中に干しておいたものをもっとよく乾かそうとベランダに干し直した。
[3]〔人ガ ものヲ〕
 △[コップ/ビール]を~。
 ・「もう帰る」そう言うと客はコップの酒をぐっと干して立ち上がった。
 ・あまり飲んでいませんね。さあ、コップを干してください。
[4]〔人ガ 人(のもの)ヲ〕
 ・あの女優(じょゆう)はディレクターの言うことを聞かなかったので、今、干されている。
 ・あの男は私の言うことにいつも反対(はんたい)するから、少し仕事をやらないで干してやろう。

<複合動詞:ほし->
[ほしあげる] 人ガ ものヲ  
 ・和紙(わし)は、十いじょうもの手作業(てさぎょう)による工程(こうてい)のあとで、日陰(ひか
  げ)でじっくりと干し上げて、ようやっとでき上がる。
 ・庭の池の水をポンプでくみ出し、干し上げてきれいに掃除した。 
      池・池の水・昆布・干物を 天日で 手早く 手間ひまかけて
<スル動詞>
[乾燥(かんそう)する]  ものガ
 ・最近雨が降らないので、空気が乾燥(を)し、火事が起こりやすくなっている。 
 ・乾燥し(を)きった大地には、茶色く枯れたトウモロコシ畑がどこまでも続いていた。
  ・人形(にんぎょう)をしまう時は、よく乾燥させてから箱(はこ)に入れます。
    ☆「ものヲ乾燥する」という他動詞の用法もあるが、「乾燥させる」がよく使われる。


かれる(涸れる・嗄れる)一(かれない・かれます・かれて・かれれば)
[1]〔ものガ〕
  △かれそうだ  かれかけている  かれてしまう  かれてはいけない  かれさせる
 △[少し/半分/すっかり/からからに/いつの間(ま)にか]~。
 △[井戸(いど)/池/なみだ/のど]が~。
 ・長い間あめがふらないので井戸(いど)が涸れそうだ。
 ・私の家にも井戸があるのですが、水道ができてから、そちらばかり使っていたので、今ではもう
  涸れてしまいました。
 ・干(かん)ばつで涸れた田んぼを見ていると、農民たちの悲しさが伝わってきた。
 ・ある日、温泉(おんせん)が涸れてしまい、町は大騒(おおさわ)ぎになった。
 ・あまりのかなしさのために泣きすぎて、なみだも涸れて出なくなってしまった。
 ・学生たちは、声が嗄れても、なお大きな声でチームを応援(おうえん)していた。
 ・彼女の才能をかれさせてしまったのは、夫のわがままだった。
 
<複合動詞:かれ->
[かれはてる] ものガ
 ・あまりの悲しさに涙もかれはてました。
 ・長い間一滴の雨も降らず、村の井戸はかれはててしまった。

からす(涸らす・嗄らす)  五(からさない・からします・からして・からせば・からそう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △からしてしまう  からしてはいけない  からさないようにする  からすな!
 △[すっかり/ぜんぶ/完全(かんぜん)に/いつの間にか/うっかり]~。
  △[井戸(いど)/池/才能(さいのう)/アイデア/のど/声(こえ)]を~。
 ・地下水をくみ上げすぎて、井戸をからしたのは彼らだ。
 ・注文(ちゅうもん)のままに書きまくり、小説家としての才能をからしてしまった。
 ・アイデアを涸らさないために、海外の雑誌(ざっし)や映像(えいぞう)を見続けている。
 ・運動会の応援(おうえん)のしすぎで声をからしてしまった。
 ・いつまでも、いつまでも、声をからしてさけび続けた。

[38]濡れる・浸る・湿る
  ものに水などがかかったり、水分を含んだりすることを表す動詞。自他の対となる動詞が多い。
 自動詞は状態の変化を表すので、「-ている」の形は結果の状態を表す。名詞修飾で「-た」の形
が使われる。
 「ぬれる・ぬらす」は、基本的に表面に液体がつくこと。「ひたる・ひたす」「つかる・つける」
は、液体の中に入って何らかの影響を受けること。「しめる・しける」は、ものの内部に水分が含ま
れること。「うるおう・うるおす」は、水分を得ることをよいこととする表現。

◇ぬれる
  「濡れる」は、ものに水などがたっぷりつくこと。また、中までしみこむこと。原因となるものを
ニ格またはデ格で示す。
      ものガ ぬれる
       汗で濡れたシャツ  雨で服が濡れる  雨に濡れた木々  
◇ぬらす
 「濡らす」は、「ぬれる」に対応する他動詞で、ものをぬれた状態にすること。原因となるものを
ニ格またはデ格で示す。
      人ガ ものヲ ぬらす
       髪を水で濡らす  紙を水に濡らす    水に濡らしたタオル
◇ひたる
  「浸る」は、水などの液体に入って、何らかの影響を受けること。ひゆ的に、他のことを忘れてし
まうほど、ある精神状態に深く入ること。ニ格をとる。
      人ガ ものニ ひたる
       湯・温泉に 浸る  喜び・感慨・満足感・思い出に 浸る
◇ひたす
 「浸す」は、「ひたる」に対応する他動詞で、ものを水などの液体につけること。ひゆ的に、精神
的なことにも言う。
      人ガ ものヲ ものニ ひたす
       湯に手を浸す  アルコールにガーゼを浸す  思い出に心を浸す
◇つかる
  「漬かる」は、液体の中に入って、(全体が)水に覆われること。漬け物に十分味がしみこんでおい
しくなること。
   人・ものガ ものニ つかる
    湯に首まで漬かる  温泉にゆっくり漬かる  このキュウリはちょっと漬かりすぎだ
◇つける
  「漬ける」は、しみこませるため、などの目的でものを液体の中に入れること。漬け物にする。
      人ガ ものヲ ものニ つける
    洗濯物を水に浸けておく  キュウリを漬ける
◇しめる
  「湿る」は、(乾いていた)ものが水分を含んだ状態になること。
      ものガ しめる
       服が湿る  湿った服    湿った部屋・空気
 ひゆ的に、沈んだ雰囲気について言う。
    座が湿る  話が湿りがちだ  打線が湿る(野球で)

◇しける
  「湿気る」は、乾いているべきものが水分を含んでしまうこと。一段活用・五段活用のどちらにも
なる。
      ものガ しける
    畳・せんべい・海苔が しけている/しけっている
◇うるおう
  「潤う」は、必要なところに、適当な程度の水がもたらされること。ひゆ的に、利益を得て豊かに
なること。
      ものガ うるおう
    雨で畑・草木が 潤う     臨時収入でふところが潤う
◇うるおす
  「潤す」は、「潤う」に対応する他動詞で、潤うようにすること。ひゆ的に、利益を与えること。
      人・ものガ ものヲ うるおす
    ビールでのど(の渇き)を潤す  雨が草木を潤す  好景気が国の財政を潤す


ぬれる(濡れる)一(ぬれない・ぬれます・ぬれて・ぬれれば) 
[1]〔人・ものガ (ものニ/デ)〕
 △ぬれそうだ  ぬれてしまう  ぬれてはいけない  ぬれないようにする  ぬれさせる
 △[少し/すっかり/かなり/しっとり/じっとりと/びしょびしょに]~。
 △[服(ふく)/シャツ/ズボン/洗濯物(せんたくもの)/身体(からだ)]が~。
  [道/草/木の葉(は)/屋根(やね)/グラウンド/車]がぬれている
  [水/汗(あせ)/雨]にぬれた[手/シャツ/自転車(じてんしゃ)]
 ・服が雨ですっかり濡れてしまった。
 ・そんなところに置いておいたら、雨に濡れちゃうよ。中にしまっておきなさい。
 ・ゆうべの雨に濡れた並木(なみき)が朝の光りを受けてきらきら光っている。
 ・あき子のほおは、なみだで濡れていた。涙で濡れた理由(りゆう)は、すべて私にある。
 ・汗でびしょびしょに濡れたシャツを着がえ、さっぱりした気分で寝(ね)た。
 ・この荷物(にもつ)は水に濡れるとダメになってしまうので気をつけてください。
 ・濡れた手でスイッチにさわらないでください。危険(きけん)です。
 ・風呂(ふろ)あがりの女性の濡れた髪(かみ)というのは、また色っぽいものだね。


ぬらす(濡らす)五(ぬらさない・ぬらします・ぬらして・ぬらせば・ぬらそう)
[1]〔人・ものガ (ものデ/ニ) ものヲ〕
 △ぬらしそうだ  ぬらしかける  ぬらしておく  ぬらしてある  ぬらしてしまう
  ぬらしてはいけない  ぬらさなければならない  ぬらそうとする  ぬらされる
 △[少し/たっぷり/十分に/全体に/一部だけ/びしょびしょに]~。
 △[ハンカチ/タオル/ぞうきん/ふきん]を~。
  [服(ふく)/そで/スカート/本/資料(しりょう)/カメラ]をぬらしてしまう
  [枕(まくら)/頬(ほお)]を涙(なみだ)で~。
 ・雨が木の葉(は)を濡らしている。
 ・洗濯物(せんたくもの)をしまいわすれて、すっかり雨で濡らしてしまった。
 ・コップを倒(たお)して、テーブルを濡らしてしまった。
 ・髪(かみ)を十分に水に濡らしてから、シャンプーをつけた。
 ・ぞうきんを水で濡らして机(つくえ)をふいてください。
 ・たっぷり水に濡らしたモップで床(ゆか)をごしごし拭(ふ)いた。
 ・この紙(かみ)は水に濡らすと文字(もじ)が出てきます。
 ・水で濡らさないと、うまくよごれがおちません。
 ・書類(しょるい)を濡らさないように気をつけてください。大事なものですから。
 ・買ったばかりの服をバカなウエートレスにビールで濡らされてしまった。どうしてくれるんだ!
 ・ほおを濡らす涙をふこうともしないで、秋子は春夫に自分の気持ちを語(かた)りつづけた。


ひたる(浸る)  五(ひたらない・ひたります・ひたって・ひたれば・ひたろう)
[1]〔人ガ ものニ〕
 △ひたりたい  ひたってしまう  ひたってはいけない  ひたったほうがいい
  ひたれない  ひたろうとする  ひたらせる  ひたるな!
 △[のんびりと/ゆったりと/うっとりと/とっぷりと/どっぷりと/のびのびと]~。
  △[湯/温泉(おんせん)/湯船(ゆぶね)/浴槽(よくそう)/露天風呂(ろてんぶろ)]に~。
    [解放感(かいほうかん)/感慨(かんがい)/ノスタルジー/ヒロイズム/雰囲気(ふんいき)/満
   足感(まんぞくかん)/喜(よろこ)び/幸せな気分(きぶん)/音楽の世界]に~。
  ・温泉の湯にゆっくり浸り、のびのびと体を伸ばした。
 ・長い、苦しい試験期間(しけんきかん)のあとは、解放感に浸りきった。
 ・私は、幸せな気持ちでその場の暖(あたた)かい雰囲気に浸っていた。
 ・何とか接戦(せっせん)をものにしたチームは、いま勝利(しょうり)の喜びに浸っている。
  ・年をとると、思い出の世界に浸っていることが多く、先のことは考えたくなくなる。
[2]〔ものガ (ものデ) ものニ〕
 ・洪水(こうずい)で田畑(たはた)が泥水(どろみず)に浸ってしまった。
 ・台風の雨で床(ゆか)の上まで水に浸った家が百軒(ひゃっけん)以上あった。
 ・町は氾濫(はんらん)した川の水に浸り、人々はボートで救出(きゅうしゅつ)された。
  ・線路(せんろ)が洪水に浸ってしまい、復旧のめどはたっていない。

ひたす(浸す)  五(ひたさない・ひたします・ひたして・ひたせば・ひたそう)
[1]〔人ガ ものヲ ものニ/へ〕
 △ひたしておく  ひたしてみる  ひたしてはいけない  ひたさないほうがいい  
  ひたそうとする  ひたされる  ひたせ!  ひたすな!
 △[ゆったり/たっぷり/ひたひたと/じっくり/くまなく/しばらく/長い時間]~。
  △[水/川/ぬるま湯(ゆ)/温泉(おんせん)/消毒液(しょうどくえき)/アルコール]に~。
 ・ごはんを食べたあと、茶碗(ちゃわん)と皿(さら)を水に浸しておいた。
 ・ひどく汚れた作業着(さぎょうぎ)は石けん液に浸しておいたほうがいい。
 ・脱脂綿(だっしめん)をアルコールに浸して、軽くしぼった。
 ・お米を浸しておく時間がない場合は、こっちのスイッチを押してください。
  ・雪道(ゆきみち)を長く歩いて宿(やど)に着き、冷えた体を温泉の湯にゆっくり浸した。
 ・川の流れの中に手を浸していると、冷たい水が心地(ここち)よい。
 ・山の中で小さな泉(いずみ)を見つけ、彼女は足を清水(しみず)に浸してホッと息(いき)をついた。
 ・一日の長い仕事のあと、快(こころよ)い疲れに身を浸していると、電話が鳴(な)った。
  ・こうやって思い出に身を浸していると、悪くない人生(じんせい)だったと思う。

つかる(漬かる・浸かる)  五(つからない・つかります・つかって・つかれば・つかろう)
[1]〔人・ものガ ものニ〕
 △つかりたい  つかってみる  つかってしまう  つかろうとする  つかるな!
 △[ゆっくり/のんびり/のびのびと/たっぷり/何度も/心ゆくまで/しみじみと]~。
  △[湯(ゆ)/温泉(おんせん)/露天風呂(ろてんぶろ)/湯船(ゆぶね)/浴槽(よくそう)]に~。
 ・早く家に帰って温(あたた)かい湯船に漬かりたいと思いながら、残業(ざんぎょう)をしていた。
  ・大みそかの日、夜遅くゆっくり湯に漬かってから、年越(としこ)しそばを食べる。
 ・温泉に行って何度も湯に漬かっていたら、漬かりすぎたようでかえって疲れてしまった。
 ・洗濯機(せんたくき)の中を覗(のぞ)くと、子どもたちのよごれた服(ふく)が漬かっていた。
 ・このキュウリはちょっと漬かりすぎだね。もうちょっと浅く漬けたほうがおいしいんだよ。


つける(漬ける・浸ける)  一(つけない・つけます・つけて・つければ・つけよう)
[1]〔人ガ ものヲ ものニ〕
 △つけたい  つけておく  つけてある  つけてはいけない  つけないほうがいい
  つけようとする  つけさせる  つけっぱなしにする  つけろ!  つけるな!
 △[じっくり/どっぷり/長く/しばらく/ちょっと/ためしに]~。
  △[水/お湯/しょうゆ/タレ/ぬか/酒]に~。
 ・ひどく汚(よご)れた洗濯物(せんたくもの)は少し水につけておくといい。
 ・子どものころ、スイカはつめたい井戸水(いどみず)に漬けておいてから食べたものだ。
 ・じっくりタレに浸けてあった肉を焼くと、香(こう)ばしい香(かお)りがへやに漂(ただよ)った。
  ・小さな子どもたちが水に顔(かお)をつけて目を開ける練習をしていた。
  ・私は、顔を水につけないようにして泳ぐことができない。
  ・私の母はたくわんを漬けるのがうまかった。いつもいい味に漬かっていた。
 ・細い大根(だいこん)を何本もぬかみそに漬けてみた。さあ、どういう味(あじ)になるか。


しめる(湿る)  五(しめらない・しめります・しめって・しめれば)
[1]〔ものガ〕
 △しめってしまう  しめってはいけない  しめらないようにする  しめらせる  
 △[少し/しっとり/ぐっしょり/じっとり/重く/じめじめと]~。
  △[マッチ/紙/服(ふく)/ふとん/部屋(へや)/空気/大地(だいち)]が~。
     湿った[話/雰囲気(ふんいき)/気分(きぶん)/景気(けいき)]
  ・汗(あせ)で湿ったシャツが体に張り付いて、どうにも気持(きもち)悪い。
 ・毎日雨が続き、空気が湿っていて、べたべたした感じだ。
  ・湿ったマッチをつけようとしたが、なかなかつかなくて苦労した。
 ・梅雨(つゆ)の季節(きせつ)に、湿ったふとんにひとり寝るのは、さびしいものだ。
 ・紙を少し湿らせてから絵の具(えのぐ)を塗(ぬ)ると、落ち着いた感じになる。
 ・送別会(そうべつかい)の席(せき)で、あんまり湿った話をするなよ。
 ・年寄(としよ)りの集まる葬式(そうしき)というのは、どうも話が湿りがちだなあ。
 ・会社が倒産(とうさん)し、暗く湿った雰囲気の中で工場の中を片づけた。


しける(湿気る)  一(しけない・しけます・しけて・しければ)
[1]〔ものガ〕
 △しけてしまう  しけないようにする  しけるとよくない
 △[すこし/かなり/ひどく/しんなりと]~。
  △[畳(たたみ)/海苔(のり)/せんべい/クッキー/クラッカー]が~。
  ・このせんべい、しけているねえ。少し焼いてみようか。
 ・しけた海苔を軽く焼いたらパリパリになった。
 ・梅雨時(つゆどき)はどうしても畳がしけてしまうので、できるだけ風を通すようにしている。
 ☆五段活用にもなる。(しけらない・しけります・しけって・しければ)   
  ・しけったへやの中にいると、どうも気分まで滅入(めい)ってくるねえ。


うるおう(潤う)  五(うるおわない・うるおいます・うるおって・うるおえば)
[1]〔ものガ〕
 △うるおいそうだ  うるおってくる  うるおわせる 
 △[少しずつ/とても/急に/だんだん/大いに/しっとりと]~。
  △[田畑(たはた)/地面(じめん)/樹木(じゅもく)/家計(かけい)/市の財政(ざいせい)]が~。
  ・久しぶりに降った雨で田畑が潤い、気持ちのよい風が吹いてくる。
 ・スプリンクラーで大量(たいりょう)の水をまいているので、芝生(しばふ)が潤っている。
  ・ちょっとした臨時収入(りんじしゅうにゅう)でふところが潤っている。今日は飲んで帰ろう。
 ・会社の業績(ぎょうせき)がよく、ボーナスが多く出て我が家(わがや)の家計が潤った。
 ・工場を誘致(ゆうち)したおかげで市の財政が大いに潤ったということだ。


うるおす(潤す)  五(うるおさない・うるおします・うるおして・うるおせば・うるおそう)
[1]〔ものガ ものヲ〕
 △うるおしたい  うるおしておく  うるおさなければならない  うるおそうとする
 △[ちょっと/たっぷり/しっとりと]~。
  △[田畑(たはた)/地面(じめん)/樹木(じゅもく)/家計(かけい)/のどの渇(かわ)き]を~。
  ・春の雨が田畑をうるおし、鳥たちが喜(よろこ)びの歌を歌う。
 ・乾(かわ)ききった土をしっとりと雨がうるおしてくれた。
 ・スポーツで汗(あせ)をかいた後は、やっぱりビールでのどの渇きを潤さないと、ねえ。
 ・長く続いた好景気(こうけいき)が国の財政(ざいせい)を潤し、国の発展(はってん)の基礎(きそ)
  となった。

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