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動き3

[13] 集まる・集める

      集まる  打ち集まる  集合する 殺到する 密集する  
       群がる
       集める    買い集める かき集める 借り集める 駆り集める 拾い集める
                 収集する 集金する 回収する 徴収する
       集中する

[14] 寄る・寄せる

     寄る      寄り合う 寄り集まる 寄りかかる 寄り切る 寄りすがる 寄り添う 
           寄り倒す 寄りつく
           歩み寄る 言い寄る 駆け寄る 忍び寄る すり寄る 攻め寄る 立ち寄る
       近寄る
       偏る
       寄せる  寄せ合う 寄せ集める 寄せ合わせる 寄せ付ける
            打ち寄せる かき寄せる こぎ寄せる 攻め寄せる

[15] 散る・散らす 撒く

      散る   散り敷く 散りばめる  飛び散る はじけ散る 舞い散る  
       散らす  追い散らす 蹴散ら(か)す 吐き散らす
       散らばる
       散らかる
       散らかす  取り散らかす 脱ぎ散らかす
       撒く   振りまく
       ばらまく

[16] こぼれる・こぼす 漏る・漏らす

      こぼれる  こぼれ落ちる こぼれ出る  吹きこぼれる 
       こぼす
       漏れる  漏れ聞く 漏れ出す 漏れ出る
       漏る
       漏らす
       汲む   汲み上げる 汲み出す 汲み取る  酌み交わす

[17] 離れる・放す

     離れる  かけ離れる 飛び離れる  
       離す   切り離す 突き放す 解き放す・解き放つ 引き離す 振り放す  
            解放する 釈放する  

[18] 付く・付ける

     付く  付き合う 付き従う 付き添う 付きまとう  
           かじりつく 吸い付く とりつく 張り付く 引っ付く 巻き付く  
           食い下がる  付着する 定着する 付属する  
       付ける つけあがる 付け合わせる 付け入る 付け落とす 付け替える  
           付け加える 付け加わる 付け込む 付け足す 付けねらう つけ回す  
           こすりつける 吸い付ける すりつける 取り付ける 塗りつける  
           貼り付ける 引き付ける 巻き付ける                 

  
 

[13] 集まる・集める

◇あつまる
 「集まる」は、人・ものがあちこちから一つの所へ来て一緒になること。場所を「所ニ/へ」で示
す。出発点の「所カラ」も使われる。「-てくる」の形がよく使われる。
 ひゆ的に、抽象的なもの、精神的な活動が人や事柄に対して寄せられることも言う。
      人・ものガ 所ニ/へ あつまる
    人・動物が空き地に集まってくる    救援本部に援助物資が集まる
    彼女・その問題に 人気・関心が 集まる
・複合動詞
 「うち集まる」は、接頭辞の「うち-」が付いた形。「ちょっと、軽く」という意味が加わる。
・スル動詞
 「集合する」は「集まる」の硬い表現。
 「殺到する」は、大量の人・ものが一度に集まること。
 「密集する」は、すき間がないほどぎっしり集まること。
◇むらがる
 「群がる」は、多くの人やものがその場所に集まって(動いて)いること。
      人・ものガ 所ニ/へ むらがる
        お菓子にアリが群がる
◇あつめる
  「集める」は、「集まる」に対応する他動詞で、人・ものが集まるようにすること。
      人ガ 人・ものヲ (所ニ/へ) あつめる
    生徒を校庭に集める   募金を集める
    難民に 関心・同情が集まる
  使役形は「集めさせる」、受身・可能形は「集められる」。
・複合動詞「買い集める」「かき集める」「借り集める」「拾い集める」は、それぞれ「買って~」「掻
くようにして~」「借りて~」「拾って~」ということを表す。「駆り集める」は、あちこちから急い
で集めること。
   食べ物を 買い集める/かき集める   雑誌を借り集める   木の葉を拾い集める
   必要な人手を駆り集める
・スル動詞
 「収集する」は、何かの目的のためにある種類のものをたくさん集めること。
 「集金する」は、代金や料金を集めること。
 「回収する」は、一度人の手に渡ったものをまた集めること。
 「徴収する」は、規則に基づいて、必要なお金を集めること。
      切手を収集する  ガス代を集金する  アンケートを回収する  会費を徴収する
◇しゅうちゅうする
 「集中する」は、一個所に集まること、集めること。社会的・精神的なことにも言う。


あつまる(集まる) 五(あつまらない・あつまります・あつまって・あつまれば・あつまろう)
[1]〔人・ものガ〕
 △あつまりたい  あつまってくる  あつまってみる  あつまってしまう
  あつまってほしい  あつまったほうがいい  あつまらなければならない 
  あつまれない  あつまろうとする  あつまらせる  あつまれ!  あつまるな!
 △[自然(しぜん)に/いつのまにか/少しずつ/一度に/ゆっくり/急いで]~。
  [順調(じゅんちょう)/期待以上(きたいいじょう)/予想通(よそうどお)り]に~。
 △[人/人々/群衆(ぐんしゅう)/やじうま/応募者(おうぼしゃ)/社員/ネコ]が~。
  [金/コイン/切手(きって)/カード/骨董品(こっとうひん)/面白いおもちゃ]が~。
  [募金(ぼきん)/寄付金(きふきん)/カンパ/署名(しょめい)/物資(ぶっし)]が~。
 ・今日のコンサートは有名な歌手(かしゅ)が来るので、人が多く集まりそうだ。
 ・街(まち)で市民に寄付を呼びかけたところ、寄付金がだいぶ集まった。
 ・今回皆さんに集まっていただいたのは、夏のお祭(まつ)りの準備(じゅんび)のためです。
 ・安売りセールをやっているのだが、どうもお客が集まらない。
 ・本社がいなかにあると、わかい人や優秀(ゆうしゅう)な人材(じんざい)が集まらないのです。
 ・人手(ひとで)が集まらなくてこまっています。(人手:はたらく人)
 ・メンバーはみんな忙しい人たちなので、なかなか集まれないのが問題だ。
 ・毎週一回集まろうと思うのだけれど、時間がなくてねえ。
[2]〔人・ものガ (所カラ) 所ニ〕
 ・駅前(えきまえ)に人が大ぜい集まっている。何があるんだろう。
 ・みなさん、わたしのまわりに集まってください。
 ・明日は7時に門の前に集まること。各自の荷物を忘れないように。では、解散(かいさん)!
 ・庭の花にチョウがやってくるのはいいが、ハチが集まってくるのはちょっと困る。
 ・急いで子どもたちを食堂(しょくどう)に集まらせてください。
 ・世界の国から人々(ひとびと)がここに集まり、そしてまた世界へ散(ち)って行く。
[3]〔人・ものニ (人の)ものガ〕 
 △[人気(にんき)/関心(かんしん)/期待(きたい)/同情(どうじょう)/話題(わだい)]が~。
 ・みなの視線(しせん)が立ち上がった彼女に集まり、彼女が話し出すのを待った。
 ・かわいそうな子どもに世間(せけん)の同情が集まった。
 ・この新しい発明(はつめい)に世界の関心(かんしん)が集まっている。

<複合動詞>
[うちあつまる] 人ガ 人ト
 ・昔の仲間とうち集まって、一晩中楽しく語り合った。

<スル動詞>
[集合(しゅうごう)する]  人ガ 所ニ
  ・3時に玄関前に集合して下さい。
 ・将軍は部隊を広場に集合させた。
[殺到(さっとう)する]  人ガ 所ヲ
 ・店のドアが開けられると、バーゲン会場に女性たちが殺到(を)した。
 ・ネットで希望者を募ったら、メールが殺到(を)して大変なことになった。
  依頼・苦情・抗議・注文・問い合わせ・取材・仕事・希望者・人々・報道陣が
[密集(みっしゅう)する]  ものガ
 ・あたりは建物が密集(を)していて、間の路地にはほとんど日が射さなかった。
 ・人口が密集(を)している地域と、過疎になってしまった山村との差が大きい。


むらがる(群がる)  五(むらがらない・むらがります・むらがって・むらがれば・むらがろう)
[1]〔人・ものガ ものニ〕
 △むらがってくる  むらがってこないようにする  むらがらせない  むらがるな!
 △[数多(かずおお)く/いっせいに/ざわざわと/すきまなく/わいわいと]~。
  △[鳥が木に/カラスが野菜ゴミに/ハエが犬のフンに/客が安売りのワゴンに]~。
  ・道に落ちたお菓子(かし)にアリが群がっている。
 ・ハイエナがシマウマの死体(したい)に群がってきた。
 ・火事に群がるやじうまを警官(けいかん)が追い払おうとしている。
 ・お花畑(はなばたけ)に群がるチョウチョを見ていると、春だなあと思う。


あつめる(集める) 一(あつめない・あつめます・あつめて・あつめれば・あつめよう)
[1]〔人ガ もの・人ヲ〕
 △[お金/募金(ぼきん)/寄付(きふ)/救援(きゅうえん)物資(ぶっし)]を~。
  [切手(きって)/コイン/人形(にんぎょう)/古い本/レコード]を~。
  [スタッフ/仲間(なかま)/人材(じんざい)/チームの新メンバー]を~。
 △あつめたい あつめてほしい あつめておく あつめてある あつめてみる
  あつめてはいけない あつめなければならない あつめさせる あつめられる
  あつめようとする あつめろ! あつめるな! あつめられない
 △[少しずつ/たくさん/大量(たいりょう)に/ごっそり/山のように]~。
 ・お金を集めてこまった人たちに贈(おく)った。
 ・駅前で何か寄付を集めていますね。
 ・良いしごとをするためには良い人材を集めなければならない。
 ・なかまを集めて野球(やきゅう)のチームを作った。
 ・この計画(けいかく)のためにとくべつのスタッフが集められた。
 ・母の趣味(しゅみ)は、古い地図(ちず)を集めることだ。
[2]〔人ガ 所ニ 人・ものヲ〕
 ・学生を4番教室(ばんきょうしつ)に集めてください。
 ・イスやつくえを部屋のすみに集め、床(ゆか)を掃(は)きなさい。
 ・ここに集めたられ本は貴重(きちょう)なものばかりなので、外に出してはいけない。
[3]〔人・ものガ (人の)ものヲ〕
 △[人気(にんき)/関心(かんしん)/注目(ちゅうもく)/同情(どうじょう)/話題]を~。
 ・この子どもたちが始めた禁煙運動(きんえんうんどう)は町(まち)の話題を集めている。
 ・パンダやコアラは子どもたちの人気を集めています。
 ・この新しいしごとはわかい女性(じょせい)の関心を集めています。
 ・まず、人々の注目を集めなくてはいけない。

<複合動詞:-あつめる>
[かいあつめる] 人ガ ものヲ
  ・会議のあとは町に出て、調査に必要な道具を買い集めた。
 ・いろいろなデザインのTシャツを買い集めた。
 ・世界の各地で民芸品を買い集め、新宿に店を開いた。
   魚・週刊誌・食料・資料・卵・宝石を 手当たり次第に ひたすら
[かきあつめる] 人ガ ものヲ
 ・家中の金をかき集めて、何とか借金を返した。
 ・辺りに散らばっている落ち葉をかき集めて、たき火をしよう。
   アルバイト・落ち葉・学生・金・現金・ごみ・力・人数・破片・雪を
[かりあつめる] 人ガ 人・ものカラ ものヲ
 ・資金がなくなりそうになり、銀行を回って借り集めた。
 ・急に野球の試合をやることになり、友達から道具を借り集めた。
   金 本 方々から
[かりあつめる] 人ガ ものヲ
 ・人手が足りなくなったが、何とかかり集めた。
   希望者・使用人・職人・人・馬を 全国から 
[ひろいあつめる] 人ガ ものヲ 
 ・校庭に落ちているごみを拾い集めた。
 ・わけのわからないことで 悩んでいるうち 老いぼれてしまうから
  黙りとおした 歳月(としつき)を 拾い集めて 暖めあおう (吉田拓郎)
   貝殻・ごみ・吸い殻・豆を 記事・言葉を 丹念に 手当たり次第に

<スル動詞>
[収集(しゅうしゅう)する]  人ガ ものヲ
  ・子供の時から切手を収集している。
 ・朝、ごみを収集する車によく出会う。
   情報・資料・事例・データ・民話を
 [~の収集をする]
  ・珍しいチョウの収集をしていて、海外にも収集に行きます
[集金(しゅうきん)する]  人ガ ものヲ
 ・毎日支店を回って集金をしている。
 ・今日は小学校へ行って、PTA会費を集金しなければならない。 
 [~の集金をする]
  ・各階の売り場へ行って、売り上げの集金をするのが仕事だ。
[回収(かいしゅう)する]  人ガ 人・ものカラ ものヲ
 ・廃品を回収して回る車が家の前の道を朝から何度も通るのでうるさい。
 ・調査に協力してくれた人たちから調査票を回収する仕事をしています。
 [~の回収をする]
  ・不要品の回収をしてみて、まだまだ使えるものが多いと思った。
[徴収(ちょうしゅう)する]  人ガ (人カラ) ものヲ
 ・受付で会費を徴収しますから、2千円ご用意下さい。
 ・貧しい村人から税を徴収する役人がやってきた。
 [~の徴収をする]
  ・受講料の徴収を確実にするには、テキストと引き替えにするのがよい。


しゅうちゅうする(集中する)  サ変(しない・します・して・すれば・しよう)
[1]〔ものガ もの・人ニ〕
 △集中してしまう  集中しなくてはいけない  集中しないほうがいい  集中させる
  集中しようとする  集中しろ! 
 △[次第(しだい)に/だんだん/自然(しぜん)に/かなり/極端(きょくたん)に]~。
  △[物資(ぶっし)/資金(しきん)/援助(えんじょ)/視察団(しさつだん)]が~。
  [意識(いしき)/関心(かんしん)/期待(きたい)/興味(きょうみ)/議論(ぎろん)/攻撃(こう
   げき)/視線(しせん)/質問(しつもん)/力/注意(ちゅうい)/人気(にんき)/被害(ひがい)
   /非難(ひなん)/批判(ひはん)/負担(ふたん)]が~。
 ・現代は多くの人口(じんこう)が都市(とし)に集中している。
  ・大企業(だいきぎょう)の本社(ほんしゃ)は東京に集中している。
 ・研究(けんきゅう)資金が応用方面(おうようほうめん)に集中しすぎている。もっと基礎(きそ)研
  究にも回すべきだ。
 ・水害(すいがい)の救援物資(きゅうえんぶっし)が一か所に集中してしまって、他の被災地(ひさ
  いち)に届(とど)いていない。
 ・マスコミで話題(わだい)になっている問題に議論が集中しやすいのは困ったことだ。
 ・彼女たちの発表(はっぴょう)に学会員の関心が集中していた。
 ・事故(じこ)の責任者(せきにんしゃ)である彼に非難が集中した。
[2]〔人ガ ものニ〕
 ・どうも勉強に集中することができない。
 ・一点に集中して攻撃(こうげき)すれば、必ず防御(ぼうぎょ)を破(やぶ)れる。
[3]〔人ガ もの・人ニ ものヲ〕
  △[人員(じんいん)/物資(ぶっし)/資金(しきん)/援助(えんじょ)/勢力(せいりょく)/精力(せ
  いりょく)/努力(どりょく)/エネルギー/攻撃(こうげき)/全力(ぜんりょく)]を~。
 ・この地域(ちいき)に人員を集中して、活動(かつどう)を行(おこな)う。
 ・もっと努力を集中してやらなければいけない。
 ・現在の仕事(しごと)に諸君(しょくん)の全精力を集中してほしい。
 ・一か所に全勢力を集中していていいのか。
 ・裏門(うらもん)に攻撃を集中しよう。
 


[14] 寄る・寄せる

◇よる
  「寄る」は、「所ニ/へ」をとり、何かの近くに行くことだが、「そばに/近くへ」などの場所の
表現をとる。
      人ガ 所ニ/へ よる
    人のそばに/近くに 寄る   
  ただし、「右/左に 寄る」は、少し右(左)に動くことを表す。また、「本屋/家に 寄る」は、他
の所へ行く時に、ちょっと本屋に行って、それから他の所へ行く、ということを表す。
 使役形「寄らせる」は、「人ガ 人ニ 所ニ よらせる」という文型になる。
    弟に通学のついでに本屋に寄らせる
・複合動詞「寄り合う」「寄り集まる」は、人が何かのために集まること。
 「寄りかかる」は、壁や他の人に体をつけて、自分が楽に立てるようにすること。
 「寄りすがる」は、人に近づいて頼りにしようとすること。
    疲れたので電車のドアに寄りかかる   権力者に寄りすがる
 「寄り添う」は、体が付くほど、すぐ近くに寄ること。「寄り付く」は、人のそばに近づくこと。
        二人は寄り添って立っていた      結婚した娘がうちに寄り付かない
 「寄り倒す」は、相撲で、組んだまま土俵際まで追いつめ、外に倒すこと。
 「寄り切る」は、相撲で、組んだまま相手を押して土俵の外に出すこと。
・複合動詞:「-よる」の形のものがある。
 「歩み寄る」「駆け寄る」は、それぞれ「歩いて」「走って」近くに寄ること。
 「忍び寄る」は、気づかれないようにそっと近づくこと。
 「すり寄る」は体が擦れ合うほど近くに寄ること。「攻め寄る」は、攻めて相手に近づくこと。
 「言い寄る」は話しかけながら近づくこと、また、異性に近づいてつき合いを迫ること。
 「立ち寄る」は、目的地以外の所にちょっと寄ること。
◇ちかよる
 「近寄る」は、人や動物が何かの近くに行くこと。「-ていく/てくる」とともによく使う。
      人ガ 人・ものニ ちかよる
    壁・掲示板に近寄る  男が私に近寄ってきた
◇かたよる
 「偏る」は、正しい位置・状態からずれること。
   ものガ (ものニ) かたよる
    中心線が右に偏っている     栄養が偏っている
◇よせる
 「寄せる」は、「寄る」に対応する他動詞で、何かが寄るようにすること。
      人ガ ものヲ 所ニ/へ よせる
    体を相手のそばに寄せる  サラダを皿の端に寄せる  机を窓のほうに寄せる
  ただし、次の用法は自動詞。
   ものガ 所ニ よせる
    波が岸に寄せる   敵の軍が寄せてくる 
・複合動詞
 「寄せ集める」は、ばらばらに離れていたものを寄せて集めること。
 「寄せ合わせる」はいくつかのものを合わせて一つにすること。
    人を寄せ集める   みんなの知恵を寄せ合わせる
 「寄せ付ける」は、近くに来させること。否定の場合が多い。
    人を寄せ付けない態度
 「打ち寄せる」は、自動詞として「寄せてくる」意味と、他動詞として、波が浮かんでいるものを
  岸に運んでくることを表す。
    波が打ち寄せる   浜辺に打ち寄せられた海草やゴミ
 「かき寄せる」は、掻くことで何かを近くに寄せること。
 「こぎ寄せる」は、船をこいで何かに近づくこと。
 「攻め寄せる」は、「攻め寄る」と同じで、攻めて相手に近づくこと。
    落ち葉をかき寄せる  船を岸にこぎ寄せる  敵陣に攻め寄せる 


よる(寄る)五(よらない・よります・よって・よれば・よろう) 
[1]〔人・ものガ 所ニ〕
 △よりたい  よってほしい  よってみる  よってはいけない    よったほうがいい
  よらなければならない  よらせる  よられる  よれ!  よるな!
 △[少し/大きく/ずっと/大胆(だいたん)に/はずかしそうに/心持(こころも)ち]~。
  △[近く/そば/右/左/中央寄り/端(はじ)/脇(わき)]に~。
  ・あの絵はとても好きな絵なので、もっと近くに寄ってみたいけれど、見学者が多すぎて、、、。
 ・みんなで写真(しゃしん)をとる時、すごくきれいな人がいたので大胆にそばに寄ってみた。
 ・何ですか、あなたは。あんまりなれなれしくそばに寄らないでください。
 ・いちばん端(はじ)の人、もう少し中に寄ってください。はい、いいですか。カシャッ。
 ・この目玉焼(めだまや)き、黄身(きみ)がずいぶん端に寄っているね。 
[2]〔人ガ 所ニ〕
 △よりたくなる  よってみる  よらないほうがいい  よるべきだ
 △[店/友だちの家/郵便局(ゆうびんきょく)/銀行(ぎんこう)/本屋(ほんや)]に~。
 ・ハガキを出しに行ったかえりにコンビニに寄りました。
 ・車で帰る途中、ガソリンスタンドに寄って、少し入れてから帰った。
 ・学校からの帰り道、本屋に寄ったのでいつもよりおそくなった。
 ・出かけたついでに田中の家に寄って、病気のようすを聞いてみた。
 ・この後、ちょっと寄らなきゃならない所があるんで、先に帰るよ。
 ・田舎へ帰るとき、京都の姉の所にも寄ろうと思ってるんだ。
 ・僕はもう帰るって言ったんだけどさ、田中がね、もう一軒(いっけん)寄ろうって言ってさ、、、。
  あの店に寄り、この店にも寄り、、、飲み過ぎちゃった。ごめんなさい。

<複合動詞:より->
[よりあう] 人ガ 人ト 
 ・焼却場の煙の問題は、みんなで一度寄り合って相談してから市にかけ合ってみようか。
 ・昔の仲間が寄り合って、もう一度野球チームを作ろうという話になった。
[よりあつまる] 人ガ 所ニ
 ・幼稚園のそばの喫茶店にいつもお母さん方が寄り集まっておしゃべりしている。
 ・母の喜寿のお祝いに親戚が大勢寄り集まってにぎやかだ。
   親戚・親類・男女・人々・いろいろな人が 片隅に ここかしこに
[よりかかる] 人ガ ものニ
 ・このかべに寄りかからないでください。たおれやすいのです。
 ・彼女は大人になっても、精神的に母親に寄りかかっているところがある。
 ・常識に寄りかかって判断してはいけない。自分の頭で考えるようにしなさい。
   椅子・岩・壁・体・車・シート・背もたれ・柱・窓・欄干に 善意・常識に
[よりきる] 人ガ 人ヲ
 ・小さい力士が大きい力士を寄り切って勝った。
 ・僕も一応その気はあったんだけれど、最後は彼女の迫力に寄り切られてプロポーズさせられたよ
  うなものだ。
[よりすがる]人ガ 人ニ
 ・妹は母に寄りすがって泣いた。
 ・世話をしてくれる人々の善意に寄りすがって生きてきました。
   親・膝・思い出・善意に ~て泣く 親に~て生活する
[よりそう]人ガ 人ニ
 ・山田さんに寄りそって歩いている女の人はだれだろう。
 ・兄は年老いた母のそばに寄り添って、ゆっくりと満開の桜の下を歩いていきました。
   家族・人が 姉・夫の心・異性・恋人・母親・脇・そばに 互いに そっと 
[よりたおす] 人ガ 人ヲ
 ・新入幕の外人力士が横綱を寄り倒して勝ったので、場内は騒然となった。
 ・息子と相撲を取って、寄り倒された拍子に腰を打った。年をとったなあ。
[よりつく] 人ガ 人ニ
 ・以前は部下がよく家に来たが、定年になったら誰も寄り付かない。
 ・生ごみの袋にカラスが寄りつかなくなるような、何かいい方法はないものか。
   鳥が 親もと・そばに 女・客・客の足・若者が~ない  家・そばに
<複合動詞:-よる>
[あゆみよる] 人ガ 人ニ
 ・二人は互いに歩み寄って固く手を握り合い、互いの目を見つめ合った。
 ・会社側と組合側、対立する両者が歩み寄り、今回の交渉妥結となった。
   双方・老婆が 土壇場で 優雅な足取りで 足早に 大股に 車に そばに
   ベッド・枕元・窓際に つかつかと 問題を棚上げにして 
[いいよる] 人ガ 人ニ
 ・誰かこの私に言い寄ってくるような人はいないかなあ。
 ・戦争で夫を失ったあと、言い寄る男もいたようだが、彼女は独身を貫いた。
   女性に 人妻に しつこく
[かけよる] 人ガ 人ニ
 ・チームメートが倒れた選手に駆け寄った。
 ・姉は倒れた女性に駆け寄って、「大丈夫ですか」と声をかけた。
 ・先生が教室を出ると、廊下で待っていた生徒たちが駆け寄った。
   テーブル・そば・窓に 大急ぎで うれしそうに 我を忘れて 真っ先に
[しのびよる] 人・ものガ
 ・背後から忍び寄る影に気づき、振り向いて身構えたら、いたずら好きの姉だった。
 ・老いが徐々に忍び寄ってくる。大声を出して追い払ってやりたいが、そうもいかない。
   影・死・疲れ・老い・寂しさ・不安・不幸・魔の手・夕暮れ・夜・闇・夜の気配が 
   背後から 背後に 首筋に 枕元に 徐々に ひそかに 音もなく そっと 
[すりよる] 人ガ 人ニ
 ・会場を出ると、週刊誌の記者が彼女にすり寄って来た。
 ・部屋に入ると、飼い猫が足にすり寄ってきて、ニャアと鳴いた。
   権力に 猫が主人に べったり 相手に~ていく 猫なで声で
[せめよる] 人ガ 人ニ 
 ・敵の軍勢がまさに海岸近くに攻め寄ってきたとき、嵐がやってきた。
 ・右サイドから攻め寄られたら、どうやって防ぐか。
[たちよる] 人ガ 所ニ
 ・駅を出て、ちょっと本屋に立ち寄ってから、家に帰った。
 ・大阪の実家に帰るとき、奈良に立ち寄って仏像を見た。
   家・駅・玄関先・スナック・図書館・本屋・店に 帰りに 通りがかりに
   ふらっと ふらりと 見舞いかたがた 来たついでに 近いうちに 久しぶりに
 

ちかよる(近寄る)  五(ちかよらない・ちかよります・ちかよって・ちかよれば・ちかよろう)
[1]〔人ガ 人・ものニ〕
 △ちかよりたい  ちかよってくる  ちかよってはいけない  ちかよるな!
 △[少し/少しずつ/急に/とつぜん/大股(おおまた)に/大胆(だいたん)に]~。
  △[危険物(きけんぶつ)/野生(やせい)動物/政治家(せいじか)/権力者(けんりょくしゃ)]に~。
  ・道を歩いていると、知らない男が近寄ってきた。
 ・クラスのかわいい子に「私に近寄らないで」と言われてしまった。
  ・興奮(こうふん)している馬(うま)に近寄るのは危険(きけん)だ。
 ・あの人は怖(こわ)そうで近寄りがたい。

かたよる(偏る)  五(かたよらない・かたよります・かたよって・かたよれば)
[1]〔人ガ ものガ〕
 △かたよりがちだ  かたよってはいけない  かたよらないほうがいい  かたよるな!
 △[少し/大きく/かなり/ひどく/非常に/信じられないほど]偏っている
  △[性格(せいかく)/知識(ちしき)/思想(しそう)/好(この)み/判断(はんだん)]が~。
  ・彼はものの考え方がかなり偏っている。
 ・太った人は食べ過ぎというだけでなく、栄養(えいよう)が偏っていることが問題なのです。
[2]〔ものガ ものニ〕
 ・船の進路(しんろ)が南に偏っていたため、台風(たいふう)に近づいてしまっていた。 
 ・政治が国の経済重視(じゅうし)に偏ってしまい、国民の生活が軽視(けいし)されている。


よせる(寄せる)一(よせない・よせます・よせて・よせれば・よせよう)
[1]〔人・ものガ 所・ものニ/ヘ〕
 △[波(なみ)/敵]が~。
 ・波がきしに寄せてはかえす。
 ・敵兵(てきへい)がどんどんこちらへ寄せてくる。
[2]〔人ガ (人・所カラ)(もの・所 ニ/へ) 人・ものヲ〕
 △[新聞/雑誌(ざっし)/論文(ろんぶん)]に目を~。
 ・まず、真ん中のテーブルを少し右に寄せます。次に、ベッドを壁に寄せて下さい。 
 ・そうじをしますから、つくえやいすをへやのすみへ寄せてください。
 ・兄は机の上の本をはしに寄せて紙を広げ、なにやら書き始めた。
 ・人から質問(しつもん)が寄せられる。
 ・この本は字が小さいから、目を寄せて見ないと読めません。
 ・花(はな)に目を寄せて見ると、花の中に虫がいた。
 ・寒いので、かぜの来ないへやのすみへ身(み)を寄せた。
 ・台風(たいふう)で、家がこわれてしまったので、しばらく知り合いの所へ身を寄せていた。
 ・せっかくさそってくれたのだから、寄せてもらいましょう(=訪問(ほうもん)しましょう)。
 ・田中先生が新聞にこの本の書評(しょひょう)を寄せている。
 ・おじは人を寄せるのがすきで、おじの家にはよく人があつまっている。
 ・全国(ぜんこく)からおいわいの電報(でんぽう)が寄せられた。
 ・いろいろの方(かた)から質問の手紙が寄せられましたので、おこたえします。

<複合動詞:よせ->
[よせあう] 人・ものガ ものヲ
 ・子猫たちが体を寄せあって眠っている。まったくかわいいものだ。
 ・すみで店の人が額を寄せあって何か相談している。夜逃げの相談か?
  肩・顔・体・額・頬・口・傘を 屋根を ぴったりと 肩を~て過ごす
[よせあつめる] 人ガ ものヲ 
 ・食堂で2、3人の学生がひたいを寄せあつめて何かそうだんしている。
 ・父はカラオケがすきで、よく家に人を寄せ集めては、へたな歌をきかせていた。
 ・みんなのポケットの中の金を寄せあつめてみたが、2000円にもならなかった。
   頭・枝・記憶・切れ端・客・言葉・断片・話・宝石を 体の脇の肉を
[よせあわせる] 人ガ ものヲ 
 ・みんなの知恵を寄せ合わせて、この事態を何とか打開しよう。
 ・やぶってすててあった手紙の切れはしをひろって寄せ合わせてみた。
[よせつける] 人ガ ものヲ 
 ・病気を寄せ付けない強い体をつくろう。
 ・この馬は人間ぎらいで、私以外の人を寄せ付けないのです。
   顔・体・腕を ~ない 医者・夫・男・病気・他人・ライバルを そばに
<複合動詞:-よせる>
[うちよせる] ものガ 所ニ
 ・大きななみがいくつも岸に打ちよせている。
 ・浜辺には波に打ち寄せられた海草やごみが散乱していた。
   大波・小波・怒濤が 沖合から 海岸・岸・岩壁・岸辺・心に どうどうと
[かきよせる] 人ガ ものヲ
 ・外に出ると冷たい空気が首筋に入り込み、思わずコートの襟をかき寄せた。
 ・砂場で子供が砂をかき寄せ、小山を作ろうとしている。
   襟・髪・空気・小皿のネギ・砂・荷物・ほこり・胸の辺りを
[こぎよせる] 人ガ ものニ ものヲ
 ・急いで岸にボートをこぎ寄せた。
 ・もうちょっとこっちにこぎ寄せてくれないと、ロープが届かない。
[せめよせる] 人ガ ものニ 
 ・次々と敵の大群がこちらへ攻め寄せて来る。
 ・敵兵がときの声を上げて攻め寄せてきたとき、これまでだと感じた。
      大軍が 敵の軍勢が 終日 ひしひしと ときの声を上げて

[15] 散る・撒く
  多くの人や(小さい)ものが、ある範囲に広がって存在するようになること、することを表す動詞。

◇ちる
 「散る」は、まとまっていたものが離ればなれになることを表す。文型は、
   もの・人ガ (所ニ) ちる
        桜の花が散る  子どもたちが河原に散っていく
で、場所を特に言わないことが多い。
 「花・葉が散る」は、花や葉が地面に落ちることだが、「(あたりに)破片・群衆が散る」では、
ある中心的な一点から回りにばらばらに分かれることを言う。
 ひゆ的な用法で「痛みが散る」、「戦場に散る」(死ぬ)などの使い方がある。慣用表現として「気
が散る」(集中できない)がある。
・複合動詞
 「ちり-」の形の複合動詞は「散り敷く」「散りばめる」がある。「散り敷く」は何かが散って、

 あたりに敷き詰めたようになること。「散りばめる」は、宝石などを散らすようにはめ込むこと。ひ
ゆ的に文章に美しい言葉を使うことも言う。
 「-ちる」のかたちの複合動詞として「はじけ散る」「舞い散る」がある。それぞれ「はじけるよ
うに(勢いよく)~」「舞うように(美しく)~」ことを表す。
◇ちらす
 「散らす」は、「散る」に対応する他動詞で、散るようにすること。
   人・ものガ もの・人ヲ (所ニ) 散らす
      風が 花・葉を散らす    パセリをスープに散らす    騎馬警官が群衆を散らす
という文型になる。
 慣用表現として、「気を散らす」(集中力をなくす)、「火花を散らす」(激しく争う)がある。
・複合動詞:「-ちらす」の形のもの。
 「追い散らす」「蹴散らす」「吐き散らす」「まき散らす」などは、「~して散らす」あるいは「~
するようにして散らす」ということを表す。
    ゴミに集まったカラスを追い散らす  敵を蹴散らす  スイカの種を吐き散らす
    汚い言葉を吐き散らす  根拠のないうわさをまき散らす
  「当たり散らす」「怒鳴り散らす」「わめき散らす」などは、「やたらに~する」ことを表す。
        イライラして家族に当たり散らす
  「書き散らす」「読み散らす」なども、多くの量を、雑に、ということを表す。
    雑文を書き散らす  雑誌を読み散らす
◇ちらばる
 「散らばる」は、人やものが一か所に固まらず、あちこちに散って広がること。
      人・ものガ 所ニ ちらばる
       親戚が全国に散らばっている
◇ちらかる
 「散らかる」は、ものが乱雑に散って広がること。「散らばる」よりもマイナス評価がある。
      ものガ ちらかる
       部屋の中は書類が散らかったままだ
◇ちらかす
 「散らかす」は、「散らかる」ようにすること。
・複合動詞:「~ちらかす」の形の「取り散らかす」「脱ぎ散らかす」などがある。
      人ガ ものヲ ちらかす
    子供はいつもおもちゃを散らかす
◇まく
  「撒く」は、あたりに散って広がるように落とすこと。また、大勢の人に配ること。植物の種の場
合は「蒔く・播く」などの表記も使われる。
      人ガ (ものカラ) 所ニ ものヲ まく
       道に水を撒く   街頭でビラを撒く    畑に種を蒔く
・複合動詞「振り撒く」は、振るように撒くこと。
◇ばらまく
  「ばら撒く」は、バラバラに散らして撒くこと。あちこちの多くの人に配ること。
      人ガ ものヲ (所・人ニ) ばらまく
    庭に植物の種をばらまく  政治家が地元に金をばらまく  


ちる(散る)五(ちらない・ちります・ちって・ちれば・ちろう)
[1]〔ものガ (所ニ)〕
 △ちりそうだ  ちりにくい  ちりかけている  ちってしまう  ちらないうちに
  ちろうとしている  ちらせる  ちるな!
 △[ゆっくり/すこしずつ/一(いっき)気に/ぜんぶ/だいぶ/半分ぐらい]~。
  [パッと/パラパラと/バラバラと/あちこちに/全体に/隅(すみ)のほうに]~。
 △[花/さくら/葉(は)/紅葉(こうよう・もみじ)/粉(こな)/水滴(すいてき)]が~。
  [人々/群衆(ぐんしゅう)/票(ひょう)/気/痛(いた)み/若い命(いのち)]が~。
 ・三日もしないうちに花が散ってしまった。
 ・木の葉(このは)の散る秋に、恋人とこの公園を散歩(さんぽ)したらいいだろうなあ。
  ・イルカが大きくジャンプして、ふたたび水面に落ちると、大きな水しぶきが散った。
 ・この爆弾(ばくだん)が爆発(ばくはつ)すると、こまかい破片(はへん)があたりに散って、人々を
  傷(きず)つけるのです。
 ・強い風でいっしゅん雲(くも)が散って、太陽(たいよう)が顔(かお)を見せた。
 ・コンサートが終わると聴衆(ちょうしゅう)は三々五々(さんさんごご)散っていった。
 ・セースルマンたちは朝の会議(かいぎ)のあと、町中(まちじゅう)に散っていった。
 ・高校野球のシーズンになると、試合(しあい)結果(けっか)が気になって、何をしていても気が散
  ってしまうんですよ。
 ・いい薬を飲んだおかげで、今までのしつこい痛みがうそのように散った。(なくなった)
 ・戦争でわかい命(いのち)がたくさん散っていった。(死んだ)

<複合動詞:ちり->
[ちりしく] ものガ 所ニ
 ・落ち葉が道に散り敷いて、観光ポスターのような風景だ。
 ・桜の花びらが庭一面に散り敷いていて、薄桃色のじゅうたんのようだ。
   落ち葉が 道に木の葉が 桜の花びらが庭に 月光が道に 一面に 
[ちりばめる] 人ガ ものニ ものヲ
 ・星くずを散りばめた夜空を見上げながら、彼と二人、手をつないで歩いた。
 ・彼女の話は随所に世界の歴史や文化に関する知識が散りばめてあって、さすがだね。
   宝石・星くず・金銀を 工夫・言葉・知識を 隅々にまで 随所に ふんだんに
<複合動詞:-ちる>
[とびちる] ものガ 所ニ
 ・実験をしている時に薬品が爆発して、ガラスの破片がほうぼうへ飛び散った。
 ・人間がせきをすると、口からばいきんがはき出されて、部屋中に飛び散ります。
   水・汗・油・血・ガラスの破片・しぶき・火の粉が あたりに 一面に
[はじけちる] ものガ 
 ・箱の中の火薬が爆発し、火の玉があたりにはじけ散った。
 ・暖炉の中の薪が崩れ、火の粉がはじけ散った。
 ・土地の価格と株価が急落し、バブルがはじけ散った。
[まいちる] ものガ 所ニ
 ・落ち葉の舞い散る停車場で、亡くなった妻によく似た人を見かけた。
 ・小雪の舞い散るゲレンデで、僕らは思う存分スキーを楽しんだ。
   落ち葉・枯れ葉・小雪・桜吹雪・花びらが 風に ひらひらと


ちらす(散らす)五(ちらさない・ちらします・ちらして・ちらせば・ちらそう)
[1]〔人・ものガ ものヲ〕
 △ちらしてしまう  ちらしたような  ちらさないでほしい  ちらそうとする  ちらすな!
 △[少しずつ/一度に/一気(いっき)に/激(はげ)しく/パッと/パラパラと]~。
 △[花/雲(くも)/木の葉(このは)]を~。
 ・大雨がふって、せっかく咲(さ)いた桜(さくら)の花を散らして(?ちらせて)しまった。
 ・最後に、パセリをチーズに散らして、彩(いろど)りを添(そ)えます。
 ・弟は部屋のあちこちにゴミを散らす悪い癖(くせ)がある。
 ・モーターボートが水しぶきを散らして走っていった。
 ・白地(しろじ)に赤や青の花もようを散らした生地(きじ)でドレスを作った。
 ・ニュースを見ていたら、騎馬警官(きばけいかん)がデモの群衆(ぐんしゅう)を散らしていた。 
 ・気を散らさないで、一つのことを一生懸命(いっしょうけんめい)やりなさい。
 ・となりの部屋から流れてくる音楽で気を散らされ、勉強に集中(しゅうちゅう)できなかった。
 ・両校(りょうこう)の試合(しあい)は、火花(ひばな)を散らす(ような)熱戦(ねっせん)だった。
 ・怖いおじいさんが来るのを見て、子どもたちは、蜘蛛(くも)の子を散らすように走りだした。 

<複合動詞:-ちらす>
[おいちらす] 人ガ 人・ものヲ
 ・カラスがゴミに集まっていたので、棒を振り回して追い散らした。
 ・警官隊がデモの群衆に放水し、追い散らした。
   ネズミ・民衆・群れ・先陣を   野次馬を
[けちら(か)す] 人ガ ものヲ
 ・重戦車のようなその選手は、相手チームの選手を蹴散らして進んでいった。
 ・勇者は敵軍を蹴散らして、敵の大将を討ち取った。
   石ころ・落ち葉・寂しさ・砂・土・敵・敵軍・雪・男・霧を 
[はきちらす] 人ガ ものヲ
 ・ガツガツとスイカを食べ、種をあたりに吐き散らした。
 ・オーディションで不合格となった俳優は捨てぜりふを吐き散らして部屋を出ていった。
   皮・唾・毒舌・捨てぜりふを 口汚いののしりの言葉を ぺっぺっと

ちらばる(散らばる) 五(ちらばらない・ちらばります・ちらばって・ちらばれば・ちらばろう)
[1]〔所ニ 人・ものガ〕
 △ちらばりそうだ  ちらばりかける  ちらばってしまう  ちらばらないようにする
 △[少しずつ/一気に/ばっと/ばらばらと/めちゃくちゃに/雑然(ざつぜん)と]~。
    [四方(しほう)/あちこち/ほうぼう/各地/全国/世界中/へやの隅々(すみずみ)]に~。
 △[紙くず/落ち葉(おちば)/おもちゃ/本/スリッパ/人々/子どもたち/建物]が~。
  [へやにゴミが/世界に作品(さくひん)が/日本中に親類(しんるい)が]ちらばっている
 ・部屋のあちらこちらに本や新聞やくつしたなどが散らばっている。
 ・散らばった道具(どうぐ)を片づけて、さて、今日の仕事は終わりだ。
 ・全国に散らばっているファンが来年大阪に集まって、ファンクラブを作ることになった。
 ・世界中に散らばっている作品を集めた展覧会(てんらんかい)が、東京でひらかれます。
 ・そんなに散らばらないで、先生のまわりにあつまってください。
 ・バスが公園(こうえん)につくと、子どもたちは四方八方(はっぽう)へ散らばって行った。


ちらかる(散らかる) 五(ちらからない・ちらかります・ちらかって・ちらかれば)
[1]〔所ニ ものガ〕
 △ちらかりがちだ  ちらかってしまう  ちらからないようにする  
 △[あちこち/あたり一面/部屋中(へやじゅう)/庭(にわ)/机の上/居間(いま)]に~。
 △[おもちゃ/紙くず/書類(しょるい)/ゴミ/新聞など/服]が~。
 ・机の上に紙や本、鉛筆、お菓子(かし)などが一面に散らかっていて、仕事ができない。
 ・私の部屋の中は脱(ぬ)いだ服や新聞などが散らかりがちだ。かたづけようと思ってはいるんだが。
 ・その事務所は、あたりに書類が散らかっていて、どこに何があるのかわからなかった。
 ・いろんなものが散らかった部屋の真ん中(まんなか)で、彼は小説を書いていた。
  ・散らかったままですが、どうぞお上がりください。(人をへやに招き入れるとき)


ちらかす(散らかす)五(ちらかさない・ちらかします・ちらかして・ちらかせば・ちらかそう)
[1]〔人ガ 所ニ ものヲ〕
 △ちらかしがちだ  ちらかしてしまう  ちらかしてはいけない  ちらかさないようにする
  ちらかされる  ちらかすな!
 △[あちこち/あたり一面/部屋中(へやじゅう)/庭(にわ)/机の上/居間(いま)]に~。
 △[おもちゃ/紙くず/書類(しょるい)/ゴミ/新聞など/服]を~。
 ・子どもたちは部屋中(へやじゅう)におもちゃを散らかしたまま、外にあそびに行ってしまった。
 ・道に紙屑(かみくず)を散らかさないようにしましょう。
 ・新聞や雑誌の切り抜(ぬ)きを部屋に散らかしたままにして、いつも妻に叱(しか)られる。
 ・朝、ゴミを出しておくと、カラスにゴミを散らかされてしまう。何かいい方法はないか。
[2]〔人ガ 所ヲ〕
 △[部屋/教室/事務所/食堂/あたり]を~。
 ・教室を散らかした人はそうじをして帰ってください。
 ・子どもに机(つくえ)の上を散らかされた。


<複合動詞:-ちらかす>
[とりちらかす]  人ガ もの・所ヲ 
 ・取り散らかしておりますが、よろしければどうぞお上がりください。
 ・乱雑に取り散らかされた作業場で、職人が一心に腕を振るっている。
   部屋・家の中・材料を 
[ぬぎちらかす]  人ガ 所ニ ものヲ
 ・砂浜に彼の服が脱ぎ散らかしてあった。ここから海に入って、おぼれてしまったらしい。
 ・夕食に出かける前、彼女はあれこれ着替えてみて気に入らず、何枚も脱ぎ散らかしたま
  ま出ていってしまった。
      服・ズボン・シャツ・着物を  靴を


まく(撒く)  五(まかない・まきます・まいて・まけば・まこう)
[1]〔人ガ (所カラ) 所ニ ものヲ〕
 △まいてみる  まいておく  まいてはいけない  まかないようにする  まこうとする
  まかせる  まかれる  まくな!
 △[庭(にわ)/畑(はたけ)/あたり一面/そこらじゅう/世間(せけん)/世界]に~。
  △[水/肥料(ひりょう)/農薬(のうやく)/種(たね)/砂(すな)/小石(こいし)]を~。
  ・晴れた日が続いたので、彼は地面(じめん)に水をたっぷりまいた。
 ・農協(のうきょう)が飛行機から田んぼに農薬をまいている。
 ・彼らは裏(うら)の畑に麦(むぎ)の種をまいておいた。
 ・選挙(せんきょ)が近づき、どこかの党(とう)が駅前でビラをまいている。別の党は金をまいてい
  るといううわさがある。しかし、このうわさも誰かがわざとまいているのかもしれない。
 ・まわりのビルの窓(まど)という窓からパレードに紙吹雪(かみふぶき)がまかれている。
  ・民族感情(みんぞくかんじょう)の対立が、両国(りょうこく)の間に争(あらそ)いの種をまいた。

<複合動詞:-まく>
[ふりまく] 人ガ (人・所ニ) ものヲ          
 ・まったく、いい加減なうわさを振りまいているのは誰だ!  
 ・彼は観客に笑顔を振りまいて番組を収録したあと、楽屋で暗い顔で鏡を見つめていた。
      塩・花・香り・しぶき・笑顔・愛嬌・愛想・笑いを 


ばらまく 五(ばらまかない・ばらまきます・ばらまいて・ばらまけば・ばらまこう)
[1]〔人ガ ものヲ 人・所ニ〕
 △ばらまきたい  ばらまいてはいけない  ばらまかせる  ばらまくな!
 △[人/人々/選挙民(せんきょみん)/畑(はたけ)/庭(にわ)/町/全国]に~。
  △[金/贈(おく)り物/種(たね)/ビラ/小石(こいし)/うわさ/補助金(ほじょきん)]を~。
  ・政府が選挙の人気取(にんきと)りのために、国民に子ども手当(てあて)をばらまこうとしている。
 ・選挙のライバルを批判(ひはん)するビラを運動員にばらまかせている。
 ・親戚(しんせき)のおばさんが私の見合い写真をあちこちにばらまいているそうだ。恥ずかしい。
 ・昔は、飛行機(ひこうき)から広告(こうこく)のビラをばらまいたことがあるが、今ではやっては
  いけないことなのだろう。    

[16] こぼれる・漏れる・汲む
 液体などが容器から出てしまうこと、容器に入れることを表す動詞を見る。

◇こぼれる
 「こぼれる」は、中にものが入りきらなかったり、穴やすきまが空いていたりして、外に出てしま
うこと。場所を「ものカラ 所ニ」で示す。ひゆ的に、精神的なものや言語についてもいう。
      ものガ ものから 所ニ こぼれる 
    水がグラスから床にこぼれる  袋の穴から豆がこぼれる  グチがこぼれる
・複合動詞
 「こぼれ落ちる」「こぼれ出る」は、こぼれる方向を表す。「吹きこぼれる」は、湯などが沸騰し
て容器からあふれ出ること。
◇こぼす
 「こぼす」は、中の液体などをこぼれるようにして外に出してしまうこと。ひゆ的に精神的なもの
についても言う。
      人ガ (所ニ) ものヲ こぼす
    テーブルにコーヒーをこぼす   つい不平をこぼす
◇もれる
 「漏れる」は、液体・音などが小さな穴やすきまから出てしまうこと。ひゆ的に、情報がほかの人
に知られてしまうこと、リストの項目などが足りないことも表す。
      ものガ ものカラ 所ニ もれる
       バケツから水が漏れる  情報が外部に漏れる  私の名前が名簿から漏れている
  「-ている」の形は、継続または結果の状態を表す。
・複合動詞「漏れ聞く」は、直接でなく、他の人から聞くこと。「漏れ出す」「漏れ出る」は、漏れ
て出ること。「漏れ出す」は、「漏れ始める」の意味にもなる。
◇もる
 「漏る」は、液体が小さな穴やすきまから出てしまうこと。入れ物自体についても言う。
      ものガ (ものカラ) 
    雨が天井から漏る   このバケツは水が漏る
◇もらす
 「漏らす」は、液体や音などを小さな穴やすきまから出してしまうことだが、発展した用法で使わ
れることが多い。比ゆ的に、情報をほかの人に知らせること、リストの項目などを落としてしまうこ
とも表す。
      人ガ ものヲ もらす
       ため息・おしっこを 漏らす  名前を漏らす
      人ガ 人ニ ものヲ もらす
      秘密・不満を漏らす
・複合動詞
 「-もらす」の形で、するべきことができなかったことを表す。言語関係の動詞に付く。
    言い漏らす  書き漏らす  聞き漏らす 
◇くむ
  「汲む」は、液体をすくい取ること。酒を飲むことも言う。ひゆ的に、他人の気持ちを察すること
を言う。
   人ガ (所カラ)(ものニ) ものヲ  くむ
        井戸からバケツに水を汲む  相手の思いを汲む


こぼれる(零れる) 一(こぼれない・こぼれます・こぼれて・こぼれれば)
[1]〔ものガ (ものカラ) (所ニ)〕
 △こぼれそうだ  こぼれてしまう  こぼれていく  こぼれないようにする 
 △[さらさら/ぽたぽた/すうっと/どんどん/一気(いっき)に]~。
 △[水/おちゃ/ビール/お酒/しょうゆ/みそ汁(しる)/スープ]がテーブルに~。
 ・コップがたおれて、ジュースがテーブルにこぼれた。
 ・お茶がこぼれてしまいました。ごめんなさい。
 ・宴会(えんかい)が終わったあとのテーブルの上にビールがこぼれている。
 ・床(ゆか)にこぼれた砂糖(さとう)にアリがあつまって来た。
 ・たたみの上にしょうゆがこぼれている。さっきこぼしたらしい。
 ・タッチしたグラブからボールがこぼれ、ランナーはセーフになった。(野球)
 △[涙(なみだ)/汗(あせ)/笑(わら)い/笑(え)み/微笑(びしょう)/色気(いろけ)]が~。
 ・友だちの話があまりかわいそうで、目から涙(なみだ)がこぼれておちた。
 ・みんなが親切にしてくれるのがありがたくて、涙がこぼれそうだ。
 ・川の水を手ですくって運(はこ)ぼうとしたが、どうしてもゆびの間からこぼれてしまう。
 ・話がへたなので、ときどきみんなの間から笑いがこぼれた。
 ・店員(てんいん)がこぼれるばかりの笑みを顔にうかべて「いらっしゃいませ」と近よって来た。
 △[ぐち/不平(ふへい)/不満(ふまん)/うらみつらみ]が~。
 ・酒を飲んでいるうちに、彼らの口からグチがこぼれはじめた。
 ・さかなのほねを切ったら、ほうちょうの刃(は)がこぼれた。

<複合動詞:こぼれ->
[こぼれおちる] ものガ ものカラ
 ・砂を両手ですくい上げると、手の間からサラサラと砂がこぼれ落ちた。
 ・「だめじゃないか!!」とどなりつけると、妻の目から、はらはらと涙がこぼれおちた。
   砂・光が 地面に 音を立てて ざらざらと ばらばら 次から次へと
[こぼれでる] ものガ ものカラ
 ・雲間からこぼれ出た日の光が山肌を明るく照らした。
 ・酔いが回ってきたのか、彼の口から思わず本音がぽろりとこぼれ出た。
<複合動詞:-こぼれる>
[ふきこぼれる] ものガ
  ・おかゆが吹きこぼれてしまって、コンロがべたべただ。
  ・おそばをゆでるときは、吹きこぼれないようによく見ていてください。
      怒り・思い・悔し涙・鍋・涙・やかん・湯が 


こぼす(零す)五(こぼさない・こぼします・こぼして・こぼせば・こぼそう)
[1]〔人ガ (所ニ) ものヲ〕
 △こぼしそうになる  こぼしてしまう  こぼしてはいけない  こぼさないようにする
  こぼさせる  こぼされる  こぼすな! 
 △[ちょっと/大量(たいりょう)に/だらだら/ぽたぽた/うっかり/わざと]~。
 △[水/お茶(ちゃ)/ビール/みそ汁(しる)/しょうゆ/スープ]を~。
 ・テーブルにコーヒーをこぼしてしまった。
 ・いつも子どもに水をこぼされるので、ふた付きのカップを買ってきた。
 ・このお茶をこぼさないようにおじいちゃんのところに持って行ってちょうだい。
 ・私はうっかり者(もの)で、こぼそうと思っているわけではないのに、いつも何かこぼしてしまう。
 ・その話を聞いて、みんなが「かわいそうに。」と涙(なみだ)をこぼしていた。
 ・大量点(たいりょうてん)を入れられて負けたキーパーは悔(くや)し涙をこぼして泣いていた。
[2]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △[ぐち/不平(ふへい)/不満(ふまん)/泣き言(なきごと)]を~。
 ・おばあちゃんは、小西さんの所で一日に一度グチをこぼすのが習慣(しゅうかん)になっている。
 ・私に不平をこぼされてもねえ。私はあなたの上司(じょうし)じゃないし。
 ・職場(しょくば)の不満を食事時(しょくじどき)にこぼすな。食事がまずくなる。(家族に)
[人ニ 文ト]
 ・大西さんは、人に会うといつも「不景気(ふけいき)でこまる。」とこぼしている。
 ・きのうも中西さんは「妻(つま)がお金をつかいすぎる。」とこぼして、帰っていった。


もれる(漏れる) 一(もれない・もれます・もれて・もれれば) 
[1]〔ものガ 所カラ (所ニ)〕
 △もれそうだ  もれているようだ  もれてくる  もれてしまう  もれないようにする
 △[ちらちら/少し/どこからか/かすかに/大量(たいりょう)に/知らぬ間(ま)に]~。
 △[光(ひかり)/ガス/空気/すきま風/日射(ひざ)し/月影(つきかげ)/明かり]が~。
  [声(こえ)/泣き声(なきごえ)/笑(え)み/失笑(しっしょう)/本音(ほんね)/ぐち]が~。
 ・ドアのすきまから外に光が漏れている。中にだれかいるらしい。
 ・自動車の燃料(ねんりょう)タンクからガソリンが漏れているんじゃないか。
 ・どこかでガスが漏れているらしい。ガスのにおいがする。
 ・木の葉(は)の間から日の光が漏れて来る。春の光だ。
 ・夜、レコードを聞く時はまどをしめて、音が外に漏れないように小さな音で聞きましょう。
 ・パイプのまわりがぬれている。どこかから水が漏れているのではないだろうか。
 ・となりの部屋から病人(びょうにん)の苦しそうな声が漏れてくる。
 ・言うつもりはなかったんだが、つい本音が漏れてしまった。聞かなかったことにしてくれ。
 ・ぼくの失敗談(しっぱいだん)を聞いていた彼女の口から笑みがこぼれた。やった!
[2]〔ものガ 人ニ〕
 △[問題(もんだい)/情報(じょうほう)/計画(けいかく)/内容(ないよう)/]が~。
 ・試験(しけん)の前に、問題が何人かの学生に漏れていたらしい。
 ・秘密(ひみつ)が外部(がいぶ)の人に漏れてしまった。
 ・この事実は絶対に外部に漏れないようにしなければならない。
 ・世間(せけん)にこの話が漏れたら、私は破滅(はめつ)だ。絶対に漏らすなよ。
[3]〔人・ものガ ものニ/カラ〕
 △[名簿(めいぼ)/一覧(いちらん)/住所録(じゅうしょろく)/アドレス帳(ちょう)]から~。
 ・高山さんはとても上手なのに、代表選手団(せんしゅだん)の選(せん)に漏れてしまったそうだ。
 ・大川さんの名が名簿から漏れています。書き入れておきますね。
 ・買物のリストにバターとニンジンが漏れているよ。
 ・御多分(ごたぶん)に漏れず(=他の例と同じように)、あの学生も、試験の時しか勉強しない。

<複合動詞:もれ->
[もれきく] 人ガ ものヲ 
 ・あなたが退職なさると漏れ聞いたのですが、何か事情がおありなのですか。
 ・漏れ聞くところによれば、隣のうちの娘さんが結婚なさるそうだ。
   音・声・消息・相談・話・悲鳴を 姉の口から 
[もれだす] ものガ ものカラ
 ・タンクからガスが漏れ出した。
 ・工場の廃液処理施設から廃液が漏れ出し、下水に流れ込んだ。
[もれでる] ものガ ものカラ
 ・雲の間から月の光が漏れ出ていて、美しい。
 ・部屋の明かりが扉のすき間から漏れ出ている。
   明かり・煙・苦しみが 言葉がのどの奥から


もる(漏る) 五(もらない・もります・もって・もれば) 
[1]〔ものガ〕
 △[水/雨/バケツの底(そこ)/天井(てんじょう)/屋根(やね)]が~。
 ・このくつは底(そこ)が漏る。(=くつの底が漏る)
 ・このバケツは水が漏る。(=バケツの水が漏る)
 ・あっ、天井(てんじょう)が漏っている。
 ・A:天井が漏る家はこまる。(家の天井が漏る)
  B:「天井が漏る」のではなくて、「やねが漏る」のだろう。
[2]〔所カラ ものガ〕
 △[雨/空気]が~。
 ・天井から水が漏っている。
 ・この家は天井から雨が漏る。(=この家の天井から雨が漏る) 
 ・車の下からガソリンが漏っている。


もらす(漏らす)五(もらさない・もらします・もらして・もらせば・もらそう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △もらしそうだ  もらしかける  もらしてしまう  もらさないようにする
 △[うっかり/つい/知らず知らず/がまんできずに/そっと/小さく]~。
 △[おしっこ/水/声(こえ)/あくび/笑(え)み/微笑(びしょう)/苦笑(くしょう)]を~。
 ・ちいさな弟(おとうと)がトイレまでがまんできず、ろうかでおしっこを漏らしてしまった。
 ・医者(いしゃ)が歯(は)をぬいたしゅんかん、父は「うっ」というさけびごえを漏らした。
 ・先生の話を聞きながら、あくびを漏らさないようにするのが大変だった。
 ・彼女の、そっと微笑を漏らす顔を見たいがために、彼はあらゆることをしゃべり続けた。
 ・首相(しゅしょう)のとまっているホテルのまわりはおまわりさんがおおぜいパトロールをしてい
  て、水も漏らさぬ(=かんぜんな)警戒(けいかい)ぶりだ。
 ・今度の契約(けいやく)の相手(あいて)は、P社だ。P社のことを細大(さいだい)漏らさず(=く
  わしく)しらべておいてくれ。
[2]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △もらしかける  もらしてしまう  もらさないようにする  もらされる 
 △[秘密(ひみつ)/秘密の計画(けいかく)/問題/データ/情報(じょうほう)]を~。
  [不満(ふまん)/ぐち/本音(ほんね)/弱音(よわね)]を~。
 ・このことは秘密(ひみつ)ですから、ほかの人に漏らさないでください。
 ・試験問題を外部(がいぶ)に漏らした人がいるらしい。
 ・夫が職場(しょくば)の秘密情報を妻に漏らし、妻は近所の奥さんに漏らし、、、。
 ・社内の極秘(ごくひ)データが何者かによって漏らされてしまった。
 ・「この車はエンジンの音が大きすぎる。」山中さんは、こんな感想(かんそう)を漏らした。
 ・あの人が不平(ふへい)を漏らすのを聞いたことがない。 


くむ(汲む)五(くまない・くみます・くんで・くめば・くもう)
[1]〔人ガ (ものカラ)(ものニ) ものヲ〕
 △くみたい  くんでほしい  くんでおく  くんではいけない  くませる
  くまされる  くもうとする  くめ!  くむな!   
 △[すこしずつ/いちどに/いっぱいに/いそいで/ゆっくり]~。
 △[水/おゆ/おちゃ/海水/川の水]を~。[酒/日本酒/ビールを]~。
 ・川まで行ってこのバケツに水を汲んで来てください。
 ・おけに井戸(いど)から水を汲んでおきましたから、かおを洗ったらどうです。つめたくて気持ち
  がいいですよ。
 ・私の家には水道がなかったので、まいにち母がとなりの家の井戸から水を汲んで来て使っていた。
 ・この水は汲みたてだから、つめたくておいしいですよ。
 ・テントをはりおわったら、川から水を汲んで来て、ごはんを作りましょう。
 ・秋の夜は一人酒をくんで本でも読むのがよい。
[2]〔人ガ (人の)ものヲ〕
 △ くんでほしい  くんでやる  くんでもらう  くもうとする
 ・彼らの気持ちを汲んで、今回はだれも罰(ばっ)しないことにした。
 ・学生たちの希望(きぼう)を汲んで、午後は休みにした。
 ・相手側の事情(じじょう)を汲んでやることにして、きびしい請求(せいきゅう)はしなかった。

<複合動詞:くみ->
[くみあげる] 人・ものガ ものヲ
 ・この工場では、井戸の水を電気ポンプで汲み上げてつかっています。(=ポンプが水を)
 ・学校はもっと学生の意見を汲み上げて(=とりいれて)、学生の希望に近い授業をやってほしい。
   井戸水・海水・気持ち・地下水を 産湯・残り湯を
[くみだす] 人ガ ものヲ (ものカラ)
 ・ボートの中にたまった水を手で汲み出した。
 ・お風呂の残り水をくみ出して庭にまいた。
   上がり湯・水を バケツで 柄杓で 井戸から地下水をポンプで
[くみとる] 人ガ ものヲ 
 ・穴に泥がたまっている。子供が落ちるといけないから、汲み取っておいたほうがいい。
 ・王様はわれわれ国民の気持ちを汲み取って、政府の指導者に助言をしてくださった。
      上澄み・教訓・言外の意味・好意・真意・心情を 
[くみかわす] 人ガ 人ト ものヲ 
  ・ゆうべは、ひさしぶりに友だちとさけを酌み交わした。(いっしょに飲んだ)

[17]離れる・放す

◇はなれる
 「離れる」は、付いていた状態から付いていない状態になること。間に距離があること。その状態
を「-ている」の形であらわす。「所ヲ」または「ものカラ」、「ものト」で場所、相手などを示す。
      人・ものガ 所・ものヲ/カラ/ト はなれる
    席・国を離れる  隣の町から20キロ離れている    家族と離れて暮らす
・複合動詞「かけ離れる」は、大きな違いがあること。「飛び離れる」は、飛ぶように離れること、

  大きく離れていることを表す。基準となるものを「ものカラ」で表す。
       理想が現実からかけ離れている    毛虫からさっと飛び離れる
◇はなす
  「離す・放す」は、付いている状態から離れている状態にすること。間に距離を置くこと。捕まえ
ていた動物などを自由にすること。
      人ガ ものヲ (ものカラ) はなす
    机を壁から離す  木と木を離して植える  セミを放してやる
・複合動詞は、「-はなす」の形のものがある。
 「切り離す」「突き放す」「引き離す」「振り放す」は、前の動詞がどのように「はなす」かを表す。
  「切り離す」は、切って離す、別々にすること。「突き放す」は、強く突いて離れさせること。慕
  ってくる人に対して冷たい態度を取ること。「引き離す」は、引くことで(むりに)離すこと。
  また、後ろに続くものから大きく離れること。「振り放す」は、付いているものを振って離れさ
  せること。
     機関車を貨物車から切り離す  相手を両手で突き放す  二人を引き離す
    先頭が二位以下を引き離す   警官の手を振り放す
 「解き放す」「解き放つ」は、縛っているものを解いて、自由にすること。「放つ」は「放す」の
  古い言い方。
    人々を束縛から解き放す/解き放つ
・スル動詞「解放する」は、解き放して自由にすること。「釈放する」は、捕らえられていた人を許
して自由にしてやること。
       奴隷を解放する  政治犯を釈放する


はなれる(離れる)一(はなれない・はなれます・はなれて・はなれれば・はなれよう)
[1]〔人・ものガ 所・ものヲ〕
 △はなれてしまう  はなれてはいけない  はなれていく  はなれてみる
  はなれないようにする  はなれようとする  はなれさせる  はなれろ!  はなれるな!
 △[少し/しばらく/ちょっとの間/長い間/ずっと/二十年の間]~。
 △[仕事場(しごとば)/持ち場/ふるさと]を~。[港(みなと)/プラットフォーム]を~。
 ・船が港を離れた。
 ・国を離れてから、もう10年になります。
 ・機械(きかい)を動かしている時に、そばを離れると危険(きけん)です。
 ・かってに席(せき)を離れないでください。
 ・勤務(きんむ)時間中にかってに持ち場(もちば)を離れてはいけない。
 ・職(しょく)をはなれてからは、好きな絵をかいたり、花をそだてたりしてくらしています。
 ・はい、ちゃんと並んで。列を離れてはだめだよ。
 ・親元(おやもと)を離れて、一人でアパートでくらしているので、時々とてもさびしくなります。
 ・教師(きょうし)という立場を離れて、きみと話し合おうと思う。
 ・あぶない! そこを離れろ! 
[2]〔人・ものガ 人・ものカラ〕
 △[少し/遠く/じゅうぶん/かなり/はるかに/1メートル]~。
 △[火/機械(きかい)/危険物(きけんぶつ)]から~。
 ・家族から遠く離れて外国で暮らしています。
 ・この絵は、離れて見た方がきれいに見える。(絵から)
 ・あぶないから、火から3メートルは離れなさい。
 ・テレビから2メートル以上(いじょう)離れるように、母から言われています。
 ・私が子どものころ、学校は私の家から4キロも離れた所にあった。
 ・やっと、子どもから手が離れたので、何かしごとをしたい。(=子どもが私の手から離れた)
 ・政府(せいふ)の考え方は、国民の考え方からだんだん離れてしまった。
 ・前は人気のあった国王から、しだいに国民の心が離れていった。
[3]〔人・ものガ 人・ものト (ものガ)〕(〔人・ものト 人・ものガ〕)
 △[少し/かなり/だいぶ/じゅうぶんに]はなれている
 △[町と町が/家と家が]~。木と木の間が~。
 ・わたしは弟と年が七つ離れている。
 ・P町とQ町は200キロメートルぐらい離れている。

<複合動詞:-はなれる>
[かけはなれる] ものガ ものト/カラ
 ・ねらいとはかけ離れた所にボールが飛んでいった。
 ・あなたの言っていることは、現実からかけ離れているんですよ。 
      気持が 原点から 現実・実力・日常・予想・理念と 予測と結果が ~た
[とびはなれる] 人・ものガ ものカラ/ト
 ・こんなに飛び離れたいくつかの土地に同じ地名があるのはおもしろいことだ。
 ・きゅうに今までの話とは飛び離れた事をいわれたので、しばらく何の事だか分からなかった。
      さっと ぱっと ぴょんと 本土から~ている孤島


はなす(離す・放す)五(はなさない・はなします・はなして・はなせば・はなそう)
[1]〔人ガ もの・人ヲ (所ニ)〕
 △[鳥(とり)/魚/虫/馬/牛]を~。
 △はなしておく  はなしてある  はなしたほうがいい  
  はなさなければならない  はなそうとした  はなされる
 △[遠くに/完全に/はっきり/かなり/大きく]~。
 ・小鳥(ことり)を空に放してやった。
  ・広い池にたくさんの魚が放してあり、人々がパンくずをやると集まってくる。     
 ・万引(まんび)きをした子どもをしかったあと、放してやった。
[2]〔人ガ ものカラ ものヲ〕 
 △[目/手/足]を~。
 ・ハンドルから手を放して自転車にのるのはあぶないですよ。
 ・小さい子どもをつれている時は(その子どもから)目を離してはいけない。
 ・今とてもいそがしくて(しごとから)手が離せません。
 ・灯油(とうゆ)のカンはあぶないから、火から離しておいてください。
 ・この辞書(じしょ)はとてもべんりだから、いつも手元(てもと)から離せません。
 ・ベッドはかべから10センチぐらい離しておいてください。
 ・本からもっと目を離しなさい。さもないと目が悪くなりますよ。
  ・あの二人はいっしょにしないで、離しておいたほうがいい。会うとすぐけんかをするから。
[3]〔人ガ ものヲ (ものト)〕 
  ・イスを隣のイスと離しておいてください。
 ・いけのまわりに3メートルずつ離してさくらの木を植(う)えました。
 ・隣(となり)の人の答えが見えないように、テストの時は机をいつもよりずっと離して並べること
  にしています。
 
<複合動詞:-はなす>
[きりはなす] 人ガ ものカラ/ト ものヲ
 ・駅で、機関車を貨物車から切り離す作業をしていた。
 ・いいですか、私の離婚問題とこの問題とは切り離して議論してください。
      腕・首・手足・肉・二つのものを・不要な部分を 二人を 社会・周囲から 
[つきはなす] 人ガ ものヲ 
 ・飛びかかかってきた男を両手で思い切り突き放した。
 ・トップの選手がスパートをかけて、2位以下の選手を突き放した。
      相手・女・夫・肩・体・胸・老人を 冷淡に 冷たく きっぱり あえて
   ~ような言い方・態度・表情  もう一歩というところで~される
[ときはなす・ときはなつ] 人ガ 人・ものヲ (ものカラ)
 ・馬を解き放すと、草原に向かって軽快に駆けていった。
 ・ついに無罪が確定し、悪夢から解き放された思いです。 
 ・家の呪縛から解き放たれた女たちが社会の中で自由に振る舞った。
      馬・女・心・罪人・パワー・人々・我が身を  悪夢・恐怖・呪縛・鎖から~れる
[ひきはなす] 人ガ 人ヲ (人カラ) 
 ・あの二人はあえばケンカをするから、少しの間、引きはなしておこう。
 ・二人がなぐり合いをはじめたので、まわりにいた友だちがとめに入って二人を引きはなした。
 ・山下くんは2位を大きく引きはなしてゴールインし、マラソン大会で1位になった。
     体・感覚・距離・子供・手・二人・母子・他社 ぐいと 無理に 二位を
[ふりはなす] 人ガ ものヲ
 ・少年は警官の手を振り放して逃げた。
 ・二位以下を大きく振り放し、独走態勢でゴールした。
      腕・女・肩・手を 
<スル動詞>
[解放(かいほう)する]  人ガ 人ヲ(ものカラ)
 ・大統領が奴隷を解放した。 
 ・小鳥を鳥かごから解放してやった。
 ・やっとこの面倒な仕事から解放された。 
[釈放(しゃくほう)する]  人ガ 人ヲ
 ・外国からの圧力で政治犯が釈放された。
 ・あなたの力で私の息子を釈放してもらえないか。

[18] 付く・付ける

◇つく
 「付く」は、ものが別のものの表面から離れないようになること、新たなものが加わること、物事
が定まり、落ち着くことなどを表す。ひゆ的に、抽象的なことにも言う。対象をニ格で示す。
 「-ている」の形で結果の状態を表す。名詞修飾に「-た」の形が使われる。
     ものガ ものニ つく
    ズボンに泥が付く  地面に足跡が付いている  服に匂いが付く
    貯金に利子が付く  車庫が付いた家      争いに勝負が付く
 抽象的な力や霊的なことにも言う。「憑く(つく)」という表記もある。
    英語の力が付く  亡霊が憑いていると言われる  狐が憑く
 精神的なことで、何かが定まること。
    決心・想像・見当がつかない
 明かりや火などにも使われる。
   ものガ つく 
    明かり・テレビがついている  火がつきやすいカーテン  スイッチがつかない
  ある地位や仕事をすることを言う。
   人ガ ものニ つく
    新しい仕事に就く  重要なポストに就く  王位につく
 人に従って教えを受けること、人の後を追うことを言う。
    先生について学ぶ  前の車について行く
  「着く」は移動に関する場合の表記で、別の項目とする。 (→「移動:着く」)
・ 複合動詞は、前項としての用法、後項としての用法のどちらもある。
 「つき-」の形の複合動詞 
  「付き合う」は、人が(しかたなく)人と行動をともにする。男女が親しくなって、その関係を保つ。
 「付き従う」は、人のあとについてゆくこと。また、命令に従うこと。
 「付き添う」は、世話をするために人のそばに付いていること。
 「付きまとう」は、いつもそばに付いていること。特に、人にいやがられても付いていること。
    妻の買い物に付き合う  あの二人は付き合っている  社長に付き従う
    病人に付き添う  女性につきまとう男
 「-つく」の形の複合動詞 
 「かじりつく」は、かみつくこと。ひゆ的に、離れないようにすること。
 「吸い付く」は、吸って何かにしっかり付くこと。
    リンゴにかじりつく  机にかじりついて勉強する  磁石が鉄板に吸い付く
 「とりつく」は、離れないようにしっかりつかまること。魔物などが人につくこと。ひゆ的に、あ
    る感情などが頭から離れなくなること。     
 「張り付く」は、広いものがぴったりと付くこと。ひゆ的に、人が他の人について離れないこと。
 「引っ付く」は、ぴったりと付くこと。話しことば。
 「巻き付く」は、長いものが他のものを巻くようにして付くこと。
    ヤモリが壁に張り付く  髪がひたいにひっつく  朝顔が支柱に巻き付く
 類義の複合動詞
 「食い下がる」は、強い相手にねばり強く争ったり、追求したりすること。
    先頭の選手に食い下がる  
・スル動詞
 「定着する」は、しっかり付いて離れないこと。「付属する」は、主なものに対して従う関係にあ
って付いていること。「付着する」は、何かが他のものの表面に付いていること。
   いい評価が定着したチーム  本体に部品が付属している   壁に汚れが付着する 
◇つける
  「付ける」は、「付く」に対応する他動詞で、離れていたものを他のものと合わせて、離れないよ
うにすること、ものに新たな要素を加えること、物事を落ち着かせることなどを表す。「ものニ も
のヲ つける」の形が基本だが、「ものニ」をとらない用法もある。
      人ガ ものニ ものヲ つける
       胸に名札を付ける  子どもに名前を付ける  泥・足跡・匂い・利子を付ける
    争いに決着を付ける  数学の力を付ける  見当を付ける
    へやに/の 明かりをつける  ストーブに火を付ける
    スイッチを付ける  人の跡を付ける (これらは「ものニ」がない)
 「書く」に近い用法がある。「付く」と対応しない用法である。
    ノートに日記を付ける  メモを付ける(書類にメモを「添える」意では言える) 
 「-ている」の形は、動作の進行中、結果の状態のどちらにもなる。
    今、パンにバターを付けている   この部屋はいつも明かりをつけている
・複合動詞は、前項としての用法、後項としての用法のどちらもある。
 「つけ-」の形の複合動詞 
 「つける」の意味が保たれているもの。
 「付け合わせる」は、主な料理に野菜などを添えること。
 「付け加える」は、すでにあるものに、さらに付けること。特に言語表現について言う。 
 「付け加わる」は、すでにあるものに、さらに付くこと。   ▼「付く」のほうへ!
 「付け足す」は、すでにあるものに、さらに付けること。
 「付け替える」は、今までのものをやめて、別のものを付けること。また、別のものに付けること。
     肉に野菜を付け合わせる  本文に注を付け加える/付け足す
    玄関の電球を付け替える
 「付け落とす」は、記録すべきことを書き忘れること。
 精神的・対人的な用法になるもの。
 「付け上がる」は、相手が自分に対して厳しくないので、偉そうな態度をすること。
 「付け入る」は、相手の弱みなどを利用して事を進めること。
 「付け込む」は、「付け入る」と同じく、相手の弱みなどを利用して事を進めること。
        甘やかすと付け上がる  弱点に付け入る/付け込む
 「付け狙う」は、あとをつけるなどして、おそう機会をうかがうこと。
 「つけ回す」は、どこまでもしつこくあとをつけること。
        命をつけねらわれる    記者がスターをつけ回す
 「-つける」の形の複合動詞
 「こすり付ける」は、(強く)こすって他のものにつけること。
 「擦り付ける」は、こするようにつけること。
 「塗り付ける」は、厚くたくさん塗ること。
 「はり付ける」は、紙・布などを広げてはること。ある仕事に人を配置すること。
 「巻き付ける」は、まわりを巻くようにして付け、離れないようにすること。
        壁に泥をこすりつける/擦りつける   布・ひもを棒に はり付ける/巻き付ける
 「吸い付ける」は、何かを吸うように(勢いよく)つけること。
 「引き付ける」は、自分の近くへ(自分に付くように)引くこと。ひゆ的に、相手の心をつかんで
  こちらに注目させること。
        磁石が釘を吸い付ける  人を引きつける話し方
 「取り付ける」は、器械などを他のものに(使うために)つけること。また、自分に有利なことを
  相手と決めること。   
        スイッチを壁に取り付ける  上司の了解を取り付ける


つく(付く・就く)五(つかない・つきます・ついて・つけば・つこう) 
[1]〔人・ものニ 人・ものガ〕
 △つきそうだ  つきやすい  つきすぎる  ついてしまう  ついてほしい
  つかないでほしい  ついてはいけない  ついてくる  つかせる  つかれる
 △[ぴったり/しっかり/かならず/ときどき/たまに]~。
  [少し/たくさん/ひどく/ペタッと/べっとり/べたべた]~。
 △手に[泥(どろ)/インク/ケチャップ]が~。机に[よごれ/きず]が~。
  [色/におい/しみ]が付いたシャツ
 ・プリンターのインクを替(か)えた時、手にインクが付いてしまった。
 ・あら、シャツに口紅(くちべに)が付いているわ!!  
 ・大事にしていた車にいつの間(ま)にか傷(きず)がついている。
 ・焼き肉をやったあと、テーブルに油がべっとり付いていた。
 △雑誌(ざっし)に[付録(ふろく)/おまけ]が~。服(ふく)に[飾(かざ)り/ボタン]が~。
  単語に[訳(やく)/発音記号(はつおんきごう)/解説(かいせつ)/しるし]がついている
  [にわ/プール/車庫(しゃこ)]が付いた家
 ・ファッション雑誌は、奇妙(きみょう)な飾りが付いた服ばかりだ。だれが着るんだろう。
 ・今の雑誌は付録がたくさん付いていて、その付録がほしくて買う人が多い。
 ・このリストの中で印(しるし)のついていることばをよく覚(おぼ)えてください。
 ・庭(にわ)の付いた家にすみたいと昔から思っていた。
 ・この家は車庫が付いていないから、どこか駐車場(ちゅうしゃじょう)を借りないといけない。
 ・カラオケの付いたステレオを買ったから、歌(うた)いに来ませんか。
 ・この部屋にはクーラーが付いているので夏でも気持ちよくくらせる。
 ・わたしの部屋にこんど電話が付きました。ばんごうは(007)5648です。
 △代表団(だいひょうだん)に[通訳(つうやく)/助手(じょしゅ)]が~。
  病人(びょうにん)に[看護士(かんごし)/付き添(つきそ)い]が~。
 ・パックの旅行団(りょこうだん)には通訳が二人付いている。
  ・入院(にゅういん)していても親切な看護士さんが付いていてくれるから、安心です。
 △給料(きゅうりょう)に[残業手当(ざんぎょうてあて)/住宅(じゅうたく)手当]が~。
  貯金(ちょきん)に[利子(りし)/利息(りそく)]が~。  
  ・今月は残業をずいぶんやったので、手当がたくさん付いている。
 ・最近は低金利(ていきんり)で、銀行にあずけてもぜんぜん利息が付かない。
 △子どもに[英語の力/思考力(しこうりょく)/知恵(ちえ)/悪い癖(くせ)]が~。
  体に[筋肉(きんにく)/ぜい肉/脂肪(しぼう)]が~。
 ・家の子どもたちは、さいわいに自分で勉強する癖が付いたようです。
  ・運動不足(うんどうぶそく)でおなかに脂肪が付いてしまってどうも困っています。
 △[タバコに火が/料理(りょうり)に味が]が~。
 ・火のついたタバコを道にすてないでください。
 ・この料理はまだ味(あじ)がついていませんよ。材料(ざいりょう)に火を通しただけです。
 ・この前の試合(しあい)に勝(か)ってから、うちのチームには勢(いきお)いがついてきた。
 △争(あらそ)いに[かた/けり]が~。勝負(しょうぶ)に決着(けっちゃく)が~。
 ・両国(りょうこく)の長い争いにはなかなかけりがつきそうにない。
  ・この勝負に決着が付くのは今夜遅くになるでしょう。
[2]〔(所ニ) ものガ〕
 △[家々(いえいえ)/部屋]にあかりが~。[電灯(でんとう)/テレビ/パソコン]がついている
 ・スイッチをいれても電気(=電灯)がつかない。おかしいなあ。
 ・テレビがついているのに、部屋にはだれもいない。
 ・日がくれて、道の街灯(がいとう)がついた。
 ・家の玄関(げんかん)についているあかりが見えると安心(あんしん)するのです。
[3]〔人ガ 人・ものニ〕
 ・学問(がくもん)はいい先生について勉強することがたいせつです。
 ・私は、あの人についていこうと思います。
 ・大学を卒業して、貿易関係(ぼうえきかんけい)の仕事についた。
 ・次の人事異動(じんじいどう)で重要なポストに就くことが決まった。
 ・私も道を知らないのですが、前の車のあとについて行けばだいじょうぶですよ。

<複合動詞:つき->
[つきあう] 人ガ 人ニ/ト
 ・帰りに買物をするんですが、ちょっと付き合ってくれませんか。
 ・A:みんなでお茶をのみに行くんですが、付き合いませんか。
  B:きょうはちょっと...。
 ・A:山田君、誰かいい人いるのかな。
  B:いないと思うけど、どうして?
  A:私の友達にいい子がいるんだ。二人を付き合わせてみたいな。
   悪友・仲間と 酒・二次会を  家族同様に 家族に 買い物・食事・お茶・病院・遊びに
   気さくに 仕方なしに 真剣・普通・対等に 個人的に 一日 我慢して
   根気よく 親しく ちょっと とことん どこまでも 仲良く 親に隠れて
[つきしたがう] 人ガ 人ニ
 ・むかしは妻は夫に付き従うのがふつうだったが、今はその反対がふつうだ。
 ・弟子たちは、あくまでも師に付き従って、苦しい旅を続けた。
   権力者に 大国に 離れずに 影が 唯々諾々と
[つきそう] 人ガ 人ニ
 ・子どもの入社試験にまで付きそって来る母親がいる。
 ・社長は心臓病なので、いつも看護婦が付きそっている。
   ガイドが 患者・子供・生徒・病人・遺体に レッスンに ぴったり ~て看病する
[つきまとう] 人ガ 人ニ
 ・ストーカーというのは、ある人にしつようにつきまとって迷惑や被害を与える者をいう。
 ・彼女は、最近しつこい男に付きまとわれて困っていたらしい。
   イメージ・影・危険・疑問・不安・いざこざが 後を 周囲に うるさく ずっと

<複合動詞:-つく>
[かじりつく] 人ガ ものニ
 ・おなかがすいていた子供は、配達されたピザの大きな一切れにかじりついた。
 ・いつまでもあんな会社にかじりついていないで、別の仕事をさがした方がいいよ。
 ・この子は寒いのがきらいで、冬は外へ出ないで、一日中ストーブにかじりついている。
 ・そんなに毎日机にかじりついていないで、たまには映画でも見に行ったらどう?
      リンゴ・チキンに 足・腕・首・背中・石・ストーブに 仕事・生活に 
[すいつく] ものガ ものニ
 ・ヒルが足に吸いついて離れない。気持ち悪い。
 ・磁石(じしゃく)に釘が吸い着いた。
      ほこり・唇が ヒルが 足・地面・肌に 磁石に ぴったりと 隙間なく
[とりつく]  人ガ ものニ  
 ・数人の登山家が切り立つ岩壁にとりついて、少しずつ、登っている。
 ・田舎のひいおばあさんが、キツネにとりつかれたことがあると言うんだ。
 ・このところ、妙な考えにとりつかれて困っている。
 ・あんなそっけない言い方があるかなあ。とりつく島もない、というところだね。
      霊・物の怪・虱・狐・ウイルス・疑問・我欲が 人が岩場・崖・仕事に
[はりつく] 人・ものガ 人・ものニ
 ・ヤモリが壁に貼りついている。
 ・新聞記者が大臣に張り付いて、特ダネを狙っている。
   ズボンが足に お面・表情が顔に 氷・疑惑・視線が ガラス・脳裏・皮膚に
   Tシャツが肌に 背筋に恐怖が 紙が額に 気配が体の周りに べったり しつこく
[ひっつく] 人・ものガ 人・ものニ
 ・あの娘、いつも彼氏にぴったりひっついて、幸せそうだね。
 ・夏の体育の時間は、濡れた髪が額にひっつくのがうるさくてたまらない。
     皮・スカート・蛭が 腰・のどに ぴったり 濡れた髪が額に
[まきつく] ものガ ものニ
 ・朝顔のつるが竹垣に巻きついている。
 ・ひものはしが車のじくに巻きついてしまって、とれない。
   つる・ヘビが 枝・木・体・手首・棒に ぐるぐる
<複合動詞:その他>
[くいさがる] 人ガ 人ニ
 ・何度引き離されてもまたじりじりと追いつき、最後まで食い下がった。
 ・野党の議員が首相にしつこく食い下がって、とうとう政策のミスを認めさせた。
   腰に 敵軍に 必死に しつこく どこまでも 最後の最後まで
<スル動詞>
[付着(ふちゃく)する]  ものガ ものニ
 ・新築だというのに、壁に汚れが付着していた。あまりいい仕事をしていないようだ。
 ・犯人の服には被害者の血液が付着しているはずだ。
[定着(ていちゃく)する]  ものガ 所ニ
 ・新しい制度が国民の間に定着(を)するまで、かなり時間がかかるだろう。
 ・新しい外来語がどんどん使用され、定着(を)する前にまた新しい言葉がでてくる。
   あだ名・言い方・習慣・評価・表現・評判・ルール・イメージが 社会・国に
[付属(ふぞく)する]  ものガ ものニ
 ・本体に付属している部品が7つあります。ご確認ください。
 ・この大学に付属する高校が2つ、中学が1つある。

つける(付ける・就ける・着ける)一(つけない・つけます・つけて・つければ・つけよう)
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △つけやすい  つけにくい  つけすぎる  つけておく  つけてある  つけてしまう
  つけてもらう  つけてあげる  つけてはいけいない  つけなくてはいけない
  つけようとする  つけさせる  つけられる  つけさせられる
 △[少し/たくさん/たっぷり/しっかり/きっちり/きちんと/正確(せいかく)に]~。
  [すぐに/いそいで/あわてて/落ちついて/ていねいに/慎重(しんちょう)に]~。
 △[胸(むね)に名札(なふだ)を/髪(かみ)にリボンをーを/ぼうしにかざりを]~。
  [パンにバターを/すしにしょうゆを(すしをしょうゆに)/車にエアバッグを]~。
 ・花嫁(はなよめ)は髪に赤い花をつけることになっています。
 ・みなさん、胸(むね)にこのバッジをつけてください。
 ・私は、身(み)につける物をあまりかまわないんです。
 ・おかしにおまけを付けてくれた。
 ・子どものパンにバターをつけてあげた。
 ・品物(しなもの)の一つ一つに値段(ねだん)が付けてあります。
 △[商品(しょうひん)に価格(かかく)を/料理(りょうり)に味(あじ)を/タバコに火を]~。
  ・仕入れ値(しいれね)に利益(りえき)をくわえた額(がく)を計算して、価格を付ける。
  ・よく焼けたら、塩(しお)とコショウで味を付けます。
 ・山小屋(やまごや)の古いストーブにマッチで火をつけようとしたが、なかなか火がつかない。
 △[子どもに名前を/手帳(てちょう)に記録(きろく)を/争(あらそ)いに勝負(しょうぶ)を]~。
 ・もらってきたイヌに「ジョン」と名前をつけた。
 ・自分の子どもに名をつけるのは親のたのしみの一つだ。
 ・あんまりむずかしい名前をつけられると、子どもが迷惑(めいわく)する。
 △[元気/力(ちから)/知恵(ちえ)/栄養(えいよう)/体力(たいりょく)]を~。
 ・体力をつけるために毎朝ジョギングをしています。
 ・子どもにへんな知恵を付けないで(=へんなことを教えないで)ください。
 △[匂(にお)い/香(かお)り/しみ/傷(きず)/汚(よご)れ]を~。
 ・いい香りの付いたびんせんに生まれて初めてのラブレターを書いた。
 ・運送屋(うんそうや)に新しく買った家具(かぐ)に傷を付けられてしまった。
 ・ワインをこぼして服にシミをつけてしまった。どうしよう、、、こわい家内(かない)におこられる。
 △[日記(にっき)/帳簿(ちょうぼ)/家計簿(かけいぼ)]を~。
  ・毎日日記を付ける習慣(しゅうかん)というものは、なかなか身に付かない。
 ・私は毎日つかったお金をノートにつけています。
 △[技術(ぎじゅつ)を身に/手に職(しょく)を]~。
 ・わかい間に手に職をつけて(=しごとをおぼえて)おくべきだ。
 ・外国語を身につける(=おぼえる)と、あとで役(やく)にたちますよ。
 △[けち/文句(もんく)/いいがかり]を~。
 ・私のやったことにそんなに文句をつけないで(=文句を言わないで)くれ。
 ・あの人は、私が買ったものにいつもケチをつける(=わるく言う)。
 △[人/動物のあと/前のタクシー]を~。
 ・前の車をつけてください、とタクシー運転手に言ったら、うれしそうな顔をした。
 ・刑事(けいじ)はあやしい男のあとをつけていった。
[2]〔人ガ ものヲ 所ニ〕
 △[船(ふね)/車]を~。
 ・ボートを岸(きし)に着けて、子どもたちをのせてあげた。
 ・トラックは裏口(うらぐち)に着けて下さい。荷物(にもつ)を運(はこ)び出します。
[3]〔人ガ ものヲ〕
 △[電灯(でんとう)/電気/テレビ/ラジオ/クーラー/ストーブ/ガス]を~。
  [日記(にっき)/帳簿(ちょうぼ)/家計簿(かけいぼ)]を~。
 ・ああ、さむい。いそいでストーブをつけましょう。
 ・ガスをつけたまま、ねむってしまった。
 ・だれがつけたのか、人のいない部屋のテレビがつけっぱなしだ。部屋を出る時にけせばいいのに。
 ・わたしは勉強をする時、たいていラジオをつけます。

<複合動詞:つけ->
[つけあがる] 人ガ
 ・やさしくするとつけあがる。厳しくするとすぐ泣く。とかく・・というものは、、。
 ・ああいう男は、厳しく言わないとすぐ付け上がるから気をつけたほうがいい。
   甘やかすと 優しくすれば ~のもいい加減にしろ
[つけあわせる] 人ガ ものヲ ものニ
 ・肉料理には野菜を付け合わせます。
 ・ステーキに付け合わせてあるポテトって、意外においしいのがないんだよね。
[つけいる] 人ガ ものニ
 ・相手に付け入るすきを与えてはいけない。
 ・弱点を見せると敵に付け入られる。練習試合でも気を抜かないように。
   混乱・弱点・不在・油断・弱みに ~すきを与えない・余地がある
[つけおとす] 人ガ ものヲ 
 ・帳簿の監査で、入金が付け落とされていることがわかった。意図的なものだろうか。
 ・テストを返すとき、何か所か付け落としていることに気づいた。
[つけかえる] 人ガ ものヲ ものニ
 ・最近空き巣が増えているそうなので、鍵を新型の開けられにくいものに付け替えた。
 ・このボタン、ひびが入っているから付け替えてくれない?
   鍵・ドア・馬具・針・ひも・ボタン・糸を
[つけくわえる] 人ガ ものヲ ものニ
 ・さきほどの先生の行き届いたお話に付け加えることは何もありません。
 ・あき子さんと話していると、そばをゆみ子さんが通った。「ゆみ子さんて、きれいですね、、。
  あっ、あき子さんだってきれいですよ。」私はいそいで付け加えた。
   解説・感想・価値・言葉・嫌み・意味・修飾語・条件・説明・皮肉・批判を
   一言 新たに 遠慮がちに 勝手・最後・さらに ついでに 何気なく 念のため
[つけくわわる] ものガ ものニ
 ・今回の撮影に新たなシーンがつけ加わったそうだ。俺が崖から海に落ちるんだって!
 ・僕がテレビゲームをする時の条件が一つ付け加わった。お母さんにもやらせてあげること、だっ
  て。お母さん、下手だからいやなんだよなー。
[つけこむ] 人ガ ものニ
 ・人の弱味につけ込んで、むりな事を頼むとは、悪い男だ、あいつは。
 ・難しい問題を抱えていたところにつけ込まれ、不利な条件をのまされてしまった。
   弱み・弱さ・むち・他人の不幸・足元・患者の心理・気持ちの隙・品不足に
[つけたす] 人ガ ものヲ ものニ
 ・おかずが足りないような気がしたので、あとからひややっこを夕食に付け足した。
 ・予定した議題はこれで終わりですが、何か付け足す事はありませんか。
   おかず・景品・言葉・説明・データを
[つけねらう] 人ガ 人・ものヲ
 ・謎の組織から命をつけねらわれている主人公が、とにかく逃げ回るという映画である。
 ・娘をつけねらう野蛮な男どもから娘を守らねばならぬ。今日も幼稚園の砂場で男の子たちの行動
  を監視している私である。
  命・娘・将軍家を  敵・男に~われる
[つけまわす] 人ガ 人ヲ
 ・写真雑誌の車が、大スターの車をつけまわして、何かスキャンダルを探そうとしている。
 ・人のあとをつけ回して、何を調べようというんですか、探偵さん。
      相手・女・後・犯人を  親の敵と
<複合動詞:-つける>
[こすりつける] 人ガ ものヲ ものニ 
 ・子犬がうれしそうに体をこすり付けてきた。
 ・山道でころんでズボンについたどろを帰りの電車で、シートにこすりつけた。
[すいつける] 人・ものガ ものヲ
 ・スイッチを入れると、電磁石が鉄片を吸い付けるので、穴から空気が流れます。
 ・電車に乗ったとたん、目が車内広告に吸い付けられた。タレントの○○が結婚!? 
 ・タバコを吸い付けていないと、人のタバコの煙が気になる。
     目を タバコを 磁石で  ~られる 目が新聞に
[すりつける] 人ガ ものヲ ものニ
 ・家に帰ると、犬が私のズボンに鼻をすりつけた。何かにおうらしい。
 ・子供は顔を母親の胸に擦りつけながら、泣きじゃくった。
     頭・顔・体・唇・鼻・額・頬を 塩・吸い殻・マッチの火を 畳・床・胸に
[とりつける]  人ガ ものニ ものヲ 
 ・電気のスイッチはどこに取り付けましょうか。
 ・エアコンの室外機を壁の外に取り付ける工事をしている。騒音がひどい。
 ・役所の仕事というものは、偉い人たちの了解を取り付けないと何事も進まない。
      アダプター・アンテナ・板・換気扇・機械・日除け・部品を 許可・協力・委任状・
   開発認可・承認・約束・了解を 上手に いち早く うまく 苦心して
[ぬりつける] 人ガ ものニ ものヲ
 ・体中に泥を塗りつけた人たちが集まってきた。変なお祭りだなあ。
 ・ずいぶん厚く絵の具を塗りつけた絵だね。絵の具代がかかったろうなあ。
      絵の具・オイル・白粉・口紅・石鹸・泥・バターを たっぷりと 一面に
[はりつける] 人ガ ものニ ものヲ
 ・アルバムに写真を貼り付けた。
 ・先生がくれたプリントは、ノートに貼り付けておいた。
      切手・お札・紙・写真・布・ポスター・レッテルを 糊で壁に 人を仕事に張り付ける
[ひきつける] 人ガ ものヲ (ものニ)
 ・バットを振る時、もっとひじを脇に引き付けたほうがいい。
 ・山下さんは人を引きつける人がらを持っている。
 ・人を引きつける話し方とはどんなものでしょうか。
 ・彼女の優しさが子供たちをひきつけるんだね。
 ・あの人は話がうまいから引きつけられてしまう。
      金属・体・心・女・大人・子供・気持・観客・視聴者・世論・敵・読者を
   ぐっと 強く 磁石が 手元まで ~られる 心を 人柄に 思わず どことなく
[まきつける] 人ガ ものヲ ものニ
 ・ロープのはしは、足にひっかからないように、このハンドルに巻きつけておきます。
 ・棒の先にボロきれを巻きつけて、それに油をしみこませた。これに火をつけてあかりにするのだ。
      糸・帯・ガーゼ・髪・コード・綱・包帯・腕を 首に きつく ぐるぐると

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