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                   ◇感 覚◇
  
        [1]  感じる・覚える  
        [2]  見える・見る・見せる  
        [3]  聞く・聞こえる  
          [4] におう 
        [5] 痛む  
        [6] 味覚  
  
  
        感覚を表す動詞をとりあげる。
       感覚の種類は、視覚・聴覚・嗅覚・痛覚・味覚の5つである。その他に、感覚があ
       ること自体を表す「感じる」がある。 
        感覚を表す動詞は、精神作用に関わる意味合いを持つことが多い。「見る」や「聞く」
       は外見や音声を受け取るだけでなく、その内面や内容を理解することを表す。
        自他の対のある動詞は、他動詞の可能形・受身形と自動詞との関係(「見られる:見
       える」「聞ける・聞こえる」)、使役形と他動詞の関係(「見せる:見させる」)に注意が
       必要である。
             月が見える  月食が見られる
         外国のラジオ放送が聴ける  音楽が聞こえる
         映画を見せる  映画を見させる
        自発の用法を持つ動詞がある。自発は、受身形と同じ形で、人を主体としてとらず、
       「自然に、おのずから、そうなる」ことを表す。         
          作品に作者の決意が感じられる   変化の兆しが見られる                    
    


                  ◇感  覚 1◇
 [1] 感じる・覚える

  感じる  感じ入る 感じ取る  知覚する 実感する 直感する 痛感する     
    ~感じがする/感じだ
    覚える

[2] 見える・見る・見せる

  見える   
    見る    見合う 見飽きる 見上げる 見当たる 見誤る 見合わせる 見出す 見入る
        見受ける 見失う 見送る 見落とす 見下ろす 見返す 見限る 見かける
        見かねる 見交わす 見切る 見極める 見下す 見くびる 見比べる 見越す
        見込む 見下げる 見定める 見知る 見据える 見透かす 見過ごす 見捨てる
        見損なう 見初める 見損じる 見出す 見立てる 見違える 見尽くす 見繕う
        見つける 見積もる 見通す 見とがめる 見とどける 看取る 見とれる
        見直す 見習う 見慣れる 見抜く 見逃す 見計らう 見放す 見張る
       見間違う 見守る 見回す 見回る 見向く 見破る 見分ける 見渡す
       見忘れる    閲覧する 観察する 鑑賞する 見学する 見物する 参照する
       視察する  下見する 直視する 拝見する 傍観する 目撃する 脇見する
    見せる    見せ合う 見せかける 見せつける 見せびらかす
    眺める  眺め回す 眺め渡す
    見つめる 見つめ合う 見つめ直す
    にらむ  にらみ合う にらみつける
    のぞく  のぞき込む のぞき見る
    うかがう
    望む   展望する


                                                                           
◇感覚の表現
  感覚を表す動詞は、他の一般の動詞とはいくつかの点で違った特徴を持つ。
 感覚形容詞との関係、「見える」と「聞こえる」という自動詞の存在、「-ている」の形にせずに
現在の状態を表せる、つまり状態動詞としての性質を持つこと、などである。
◇感覚形容詞
 感覚の表現としては、感覚動詞以外に感覚形容詞がある。特に味覚に関しては、それぞれの感覚形
容詞があり、そちらを使うのが日常的な表現である。また、「痛む」に対して「痛い」が感覚の直接
的表現としてふつうである。
    おいしい 甘い からい  くさい  痛い / うるさい  まぶしい
◇感覚の対象と主体
 「見える・聞こえる・におう」は、感覚の対象をガ格で示す。その場合、感覚の主体である人は現
れなくてよい。
   感覚の対象+ガ 感覚動詞
    山が見える  音が聞こえる  何かがにおう
 感覚の主体を表す場合は、ニ格で表される。主題化されると、「に」は省略されやすい。
    私(に)は絵の中に人の顔が見える。
    あなた(に)はあの音が聞こえないのですか。
 「感じる・見る・聞く・覚える」は、感覚の対象をヲ格で示す。
   主体+ガ 対象+ヲ 感覚動詞
       私は光を感じる   海を見る  音楽を聴く  痛みを覚える
◇感じる・覚える
 感覚全体の一般的な表現として「感じる」がある。その対象をヲ格で示す。そう感じる体の部分を
ニ格で示す。他の感覚をすべて表せる。
    人が 光・音・臭い・味・痛み・揺れを 感じる    足に痛みを感じる
 「~(ような)感じがする」という形も使われる。いわゆる「直感」も表せる。
    ちょっと痛い/部屋が揺れている/何かいいことがある ような感じがする
 「覚える」は「(痛みを)感じる」の文学的な表現で、書きことば。
◇感覚と意志的動作
 「見える・聞こえる・におう」という感覚に対して、「見る・聞く・かぐ」という人の意志的な動
作の表現がある。「痛む」には、対応する意志的な動詞はない。味覚の表現では、「味わう」は単に
味を感じるだけでなく、楽しむという意味合いがある。「味を見る」という表現がある。
◇現在の表し方
 感覚動詞(の一部)は、そのままの形で現在の状態を表すことができる。「感じる・見える・聞こえ
る・におう・痛む」などは、話している現在の感覚を表せる。
    何か感じる  光が見える  音楽が聞こえる  ガスがにおう  足が痛む
    いい味がする
 「テレビを見る・話を聞く」などは、「見ている・聞いている」の形で現在を表す。 

〔1〕感じる・感ずる 

◇かんじる・かんずる
 感覚全体の一般的な表現として「感じる」がある。その対象をヲ格で示す。「感ずる」という形も
ある。(変化形は「感じる:感ずる」のみが違い、あとは同じ。「感ずれば」は古い形))
      人ガ ものヲ かんじる
    光・音・臭い・味・痛み・揺れを 感じる
 「感じる」の形で現在の話者の感覚を表す。「-ている」は、その感覚が持続的であることを示す。
    かすかな揺れを感じます/感じています
 また、以上のような感覚でとらえられるものとは別に、精神的な事柄を心にとらえ、ある思いを持
つことも表す。対象を「ものニ」で表す。
   人ガ ものニ ものヲ かんじる
    愛情・責任・優越感を 感じる   仕事に生きがいを感じる  将来に不安を感じる
 名詞「感じ」を使った「~(という/ような)感じがする」という表現が使われる。
    ちょっと痛いような/揺れているような 感じがする
 「感じる」は、「ものヲ」の位置に「文ノ/コト ヲ」「文ト」をとることができる。感覚だけで
なく、精神的な内容も表す。
    誰かが後ろにいるのを感じる  この仕事は難しいと感じる
    その時、自分が間違っていたことを強く感じた
 「文ト」の中のガ格の名詞をヲ格にする文型がある。
    この仕事を難しいと感じる
 い形容詞の「-く」の形、な形容詞の「-に」の形を受けることができる。
       音を大きく感じる(=大きいと)  忠告をうるさく感じる(=うるさいと)
 他の助動詞、補助形式も同様の形をとる。
    子どもっぽく/やりにくく/少し高いように/優れているように 感じる
 自発の表現「感じられる」が使われる。
    彼女の話し方には育ちの良さが感じられる
 可能の表現も同じ形になる。
    1000キロ離れたこの町でも地震による揺れが感じられた 
・複合動詞
 「感じ入る」は、心に深く感じ、感心することを表す。ニ格をとる。
 「感じ取る」は、感じ、理解すること。とくに、はっきりしない、感じにくいものをつかむこと。
 ヲ格をとる。
    彼らの犠牲的精神に感じ入る  微妙な雰囲気を感じ取る
・スル動詞
 「知覚する」は、感覚によって対象をとらえることで、「×感覚する」という語がないことを補っ
  て、その代わりに使われる科学的なことば。
 「実感する」は、実際に現実のものとして心からそう感じること。
 「直感する」は、説明や経験によらずに、直接に感じとること。
 「痛感する」は、精神的に痛いほど強く感じること。
       外界・光の変化を 知覚する   物価の高さ・言語の重要性を 実感する
    話のうそを直感する              問題の難しさ・自分の未熟さを 痛感する
◇おぼえる
 「覚える」は、「感じる」の文学的な表現で、書きことば。特に精神的な感覚・感情・思いなどに
ついて言うことが多い。
   人ガ (ものニ) ものヲ おぼえる
        腰に痛みを覚えた  寂しさ・怒り・共感を 覚える
 

かんじる(感じる)一(かんじない・かんじます・かんじて・かんじれば・かんじよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △かんじにくい  かんじやすい  かんじたくない  かんじてしまう  かんじてほしい 

  かんじさせる  かんじろ!  かんじられる
 △[かすかに/微妙(びみょう)に/ほんの少し/強く/じんと/たっぷり/しみじみ]~。
 △[音/光/味(あじ)/痛(いた)み/揺(ゆ)れ/におい]を~。
  [甘(あま)み/辛(から)み/苦(にが)み/渋(しぶ)み/うまみ/すっぱさ]を~。
  [めまい/吐き気(はきけ)/頭痛(ずつう)/息苦(いきぐる)しさ/疲(つか)れ]を~。
  [喜(よろこ)び/悲(かな)しみ/苦(くる)しみ//憎(にく)しみ/愛(あい)]を~。
  [うれしさ/辛(つら)さ/苦(にが)さ/寂(さび)しさ/楽(たの)しさ]を~。
  [安定感(あんていかん)/退屈(たいくつ)/不安(ふあん)/危険(きけん)]を~。
  [決意(けつい)/意志(いし)/意気込(いきご)み/潔(いさぎよ)さ]が感じられる
 ・暗い洞窟(どうくつ)の中で、かすかに光を感じたので、その方向へ行ってみた。
 ・毎日体の疲れを感じていて、これから先どうなるのだろうかと思っていた。
 ・この絵(え)を見て、どんなことを感じましたか。
 ・最近話題(わだい)の小説を読んでみたが、おもしろさが感じられなかった。
 ・一人でいると寂しさを感じることもあるが、一方で何とも言えない気楽(きらく)さを感じる。
 ・さむさのために手がしびれて何も感じなくなってしまった。
 ・母が病気になってから、身(み)にしみて母のありがたさを感じた。
 ・社会に出ていろいろなことを感じたが、いちばん強く感じさせられたのは自分の不勉強だった。
 ・あの人は生活(せいかつ)の苦労(くろう)を身近(みじか)に感じてそだったので、ほかの人の苦

  しみがよく分かる。
 ・人々の言葉の端々(はしばし)から再建(さいけん)への意気込みが感じられ、うれしかった。
 ・この絵には、何とも言えない奥深(おくぶか)さが感じられる。
[文のヲ]
 ・夜中(よなか)にふと目をさますと、家がかすかにゆれているのを感じた。
 ・夢の中で、何かが遠くで鳴っているのを感じたんだが、目を覚(さ)まさず、ねぼうした。
 ・私はその時、みんな心の中で応援(おうえん)してくれているのを感じて、とてもうれしかった。
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △[足/背中(せなか)/腰(こし)/腕(うで)/首筋(くびすじ)/胃(い)のあたり]に痛みを~。
  [肌(はだ)に冷たさを/目に光を/耳にかすかな音を/心に温かさを]~。
  [仕事に責任(せきにん)を/態度(たいど)に反発(はんぱつ)を/結果(けっか)に失望(しつぼ
   う)を/人柄(ひとがら)に魅力(みりょく)を/先行(さきゆ)きに不安(ふあん)を/結論(けつ
   ろん)に疑問(ぎもん)を/継続(けいぞく)に困難(こんなん)を]~。
 ・突然(とつぜん)、胃(い)にはげしい痛みを感じた。   
 ・鼻(はな)の奥(おく)にほんのりとした、上品(じょうひん)な香(かお)りを感じる。 
 ・足の痛(いた)みがだんだんひどくなって、とうとう歩くのにも困難(こんなん)を感じるように
 なった。
 ・社長のやり方にみんなは不安を感じはじめた。
 ・兄の身勝手(みがって)な態度(たいど)に弟たちはみんな反発を感じていた。
 ・あの人の話し方には誠実さ(せいじつさ)が感じられない。
 ・父があまりひどくおこっていたので、わたしは身に危険(きけん)を感じたほどでした。
 ・風のつめたさにも秋の気配(けはい)が感じられる。
 ・この試合(しあい)に出てみて、自分の体力に限界(げんかい)を感じました。
 ・この事故(じこ)については、社長として重大(じゅうだい)な責任を感じています。
 ・小西さんの意気(いき)に感じるところがあって、100万円を寄付(きふ)した。
[3]〔人ガ 文ト〕
 ・会社に勤(つと)めてみて、働くことはなかなか大変なことなんだと感じさせられた。
 ・作りかけのケーキを一口(ひとくち)食べてみて、ちょっと甘すぎるかな、と感じた。
 ・私は、この製品(せいひん)はなかなか売れるんじゃないかと感じています。
 ・その時、セールスマンの話のうらには何かあると感じた。
 ・計画の変更(へんこう)が必要(ひつよう)だと感じたので、あらためて調べなおすことにした。
 ・部屋に入ったとき、カーテンの陰(かげ)に誰かが隠(かく)れていると感じた。
[ものヲ もの(だ)ト]
 ・初めは、その問題を重大なことだと感じていたが、あとで大したことではないとわかった。
 ・妻(つま)を愚(おろ)かな女だと感じたのはこれが最初ではなかった。
[ものヲ イ形-く/ナ形-に/その他の形]
 ・仕事を楽しく感じるのは、自分の生活がうまくいっている時だ。
 ・勉強は面白いものだと先生は言うけれど、面白く感じたことなんかない。
  ・生きることをつらく感じたときは、この海を見て自分の小ささを感じるのがいいようです。
  ・人生を退屈(たいくつ)に感じたことはない。やりたいことがたくさんあるから。
 ・好きなようにやりたいという兄のことばが、とても子どもっぽく感じられた。
 ・朝から少し熱(ねつ)があり、かばんがいつもより重いように感じられた。
 ・あの人の言っていることも何となくわかるように感じた。

<複合動詞:かんじ->
[かんじいる] 人ガ ものニ
 ・あの人のサービス精神には感じ入ったね。だれの話もよく聞き、決していやな顔をしない。
 ・彼女の踊りの中の、ほんのわずかな動きの中にある表現の深さにいたく感じ入った。
   意気に 表現に 古さに いたく つくづく ほとほと しきりに
[かんじとる] 人ガ ものヲ (ものカラ)
 ・その場の雰囲気を感じ取って、何を言うべきか、何をすべきかを考えなさい。
 ・彼女の言動から、彼女の強い意志を感じ取った。
 ・宗教の言葉の深い意味を感じ取ることができるかどうかは、その人の信仰の深さによる。
   悪意・危うさ・息づかい・意地・異変・意味・動き・嘘・思い・危険・気持・
   心情・頼もしさ・抵抗・敵意・配慮・人の気配・不安・震え・雰囲気・変化・余裕を
   肌で 皮膚で 鋭敏に 即座に 直ちに 敏感に 本能的に まざまざと
 
<スル動詞>
[知覚(ちかく)する]  人ガ ものヲ / 人ガ 文ヲ
 ・暗いところで物の存在を知覚するには、どの感覚がもっとも有効か。
 ・私は、昆虫はどのように外界を知覚しているのか(ということ)を研究している。
[実感(じっかん)する]  人ガ ものヲ  / 人ガ 文ヲ
 ・この新車に試乗して、加速力のすごさを実感してみて下さい。
 ・大学に入学し、初めての英語の授業に出てみて、まぐれで合格したことを実感した。
   インフレ・好況・不景気・不幸・孤独・恐怖を  つくづく まざまざと はっきりと
[直感(ちょっかん)する]  人ガ ものヲ  / 人ガ 文ト
 ・ドアの向こうにある危険を直感し、ドアから離れた。
 ・相手の次の手を見たとき、自分の負けを直感した。
 ・この事件には何か裏がある、と直感した。
  ・その箱を見たとき、この中に鍵が隠されている、と直感した。   
[痛感(つうかん)する]  人ガ ものヲ
 ・会長として二期目も務めさせていただくことになり、責任の重さを痛感しております。
 ・自分の無能力さを痛感する毎日です。
   至らなさ・力不足・無力・事態の重大さ・一人暮らしの不便を  しみじみ つくづく

<複合述語>
[感じがする/感じだ]
  ・何だか床が揺れているような感じがする。(揺れているように感じる)
 ・ちょっとそれは無理な感じがします。(無理だと思う)
 ・これはうまく行くっていう感じが強くしました。(うまく行くと強く感じた)
 ・そろそろやめようかな、という感じです。(~と考えている)


おぼえる(覚える)  一(おぼえない・おぼえます・おぼえて・おぼえれば)
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △おぼえてしまう  おぼえないわけがない  おぼえざるをえない  おぼえさせる
 △[心から/強く/深(ふか)く/心底(しんそこ)/何となく/かすかに]~。
  △[生き方/意見/ことば/態度(たいど)/行動(こうどう)]に共感(きょうかん)を~。
  [現状(げんじょう)/言い訳(わけ)/結果(けっか)/措置(そち)]に怒(いか)りを~。
  ・ああいう人たちの行動には、何とも言えない不快感(ふかいかん)を覚える。
 ・首相(しゅしょう)のあいまいな答弁(とうべん)に深い失望を覚えざるを得(え)ない。
 ・あの人の生き方に共感(きょうかん)を覚えました。
 ・弱い人々を助けることのできない社会のあり方に怒(いか)りを覚えます。
 ・彼は結婚(けっこん)しようと言いながら、なかなか行動(こうどう)に出ない。私はだんだん彼
  の態度(たいど)に疑(うたが)いを覚えはじめた。
 ・魚の必死(ひっし)に逃(に)げる様子(ようす)に、なんだか哀(あわ)れを覚えてしまった。
 ・この小説(しょうせつ)を読んで大変な感動(かんどう)を覚えました。
 △[痛(いた)み/疲(つか)れ/めまい/悲(かな)しみ/寂(さび)しさ]を~。
 ・ボールをなげようとした時、突然(とつぜん)腕(うで)に鋭(するど)い痛みを覚えた。
 ・私の行為(こうい)がそんな結果(けっか)をもたらしてしまったと聞いて、胸(むね)に痛(いた)
  みを覚えないわけにはいかなかった。
 ・急にに体の奥底(おくそこ)に疲れを覚えて、立っていられなくなった。
 ・コップの水を飲んだ時に、舌(した)にかすかに苦(にが)みを覚えた。
〔人ガ 文ニ ものヲ〕  
 ・かれの仕事の鈍(のろ)いのには、苛立(いらだ)ちを覚えてしまった。

〔2〕見える・見る・見せる
  目の感覚に関する動詞を考える。基本の自動詞「見える」、それに対応する他動詞「見る」、相手
としての人をニ格にとる「見せる」が一つのまとまりをなす。それ以外に、他動詞「眺める」「睨む」
「覗く」「窺う」「望む」がある。
   (人ニ)ものガ みえる
    人ガ ものヲ みる
    人ガ 人ニ ものヲ みせる
     人ガ ものヲ ながめる/にらむ/のぞく/うかがう/のぞむ
◇みえる
 視覚、つまり何かが目でとらえられることは「見える」で表される。感覚の対象をガ格で示し、感
覚の主体である人は現れなくてよい。感覚の主体を表す場合は、ニ格で示される。
  (人ニ)ものガ みえる
    山が見える   私にはあの星が見える
・場所の表し方
 感覚の対象が存在する場所を「所ニ」で示す。
   所ニ ものガ みえる 
      北の空に北極星が見える      西に富士山が見える
 感覚の主体である人の位置を方向の基点と見なして、「所カラ」を使うことができる。
   所カラ ものガ みえる
    ここから私の家が見えます   東の窓から海が見える
・視覚に基づく判断
 「見える」は、単に視覚を表すだけでなく、その視覚を元にして判断することを表す。ある抽象的
なものの存在を判断する場合。
    作品に作者の工夫・苦労・努力が 見える
 あるものの外見に基づく判断を表す場合。判断の結果をニ格で示す。
   人・ものガ ものニ みえる
    彼は30歳ぐらいに見える   その服は高級品に見える
 その判断が正しくないと知っている場合にも言える。
    この子はまるで小学生に見える
 外見がそのものとは違うという判断をする場合。   
    これは盗聴器に見えない   あなたは40代に見えない 
  その判断がイ形容詞で表される場合は「-く」の形をとる。ナ形容詞は名詞と同じ「-に」になる。
    品物が大きく・安く 見える   元気に・貧相に 見える
 他の助動詞・補助形式の場合、それぞれの活用の型によってとる形が決まる。
    忙しそうに/自由なように/持ちやすく 見える 
 動詞がある状態を表す場合、「-て」の形で使われる。
    ずいぶん疲れて見える     先がとがって見える 
・文の/ところ/と 
 視覚の内容が文の形をとる場合、「文のが」の形をとる。「文ところが」の形もある。
    子供が庭にいるのが見える   隣の人が家に入るところが見えた
 内容が不定(疑問?)の場合、「文か(どうか)」の形になる。
    シュートが入ったかどうかよく見えなかった   どこに入ったか見えなかった
 判断の内容が文の形をとる場合、「文と」の形をとる。
     問題が難しすぎたと見えて、すぐあきらめた学生が多かった
      誰かお客が来たと見えて、玄関が騒がしい
    ついに交渉はまとまったかと見えた
 疑問文の形が名詞と同じように見なされ、「-に」をつけて使われる用法がある。
      実験は失敗したかに見えた (失敗に見えた=本当はそうではなかった)
・人や動物の視覚能力を表す表現に「目が見える」がある。「目を見る」わけではない。
    私は目が見えない   手術で目が見えるようになる
    ネコは闇夜でも(目が)見える
・「見える」は、「来る」の尊敬表現として使われる。
    会には、佐藤先生も見えた

◇みる
 「見える」に対応する他動詞は「見る」で、意志的な行為を表し、ヲ格をとる。単なる視覚の働き
から、観察・判断・予測まで、意味の幅は広い。
   人ガ ものヲ みる
       人が空を見る  映画・テレビドラマを 見る  新聞・雑誌を 見る
    反応・経過・様子を 見る  子どもの勉強を見てやる  患者を診る
  視覚・観察の内容が文の形をとる場合、「文のを」の形をとる。「文ところを」の形もある。
    鮭がたまごを産むのをテレビで見る
    泥棒が隣の家に入ろうとするところを見た
 文が不定の内容の場合、「文か(どうか)(を)」の形をとる。 
    相手がどう来るか(を)見る  相手が攻めてくるかどうか(を)見る
 判断の内容が形容詞で表される場合、イ形容詞は「-く」の形をとる。
    事態を軽く見る  彼女を甘く見る
  判断の内容が文の形をとる場合、「文と」の形をとる。名詞述語・ナ形容詞の「だ」は省略する場
合がある。
 この用法で、名詞述語・形容詞では「ものヲ 述語 と見る」の文型にもなる。
    希望者は100人以内(だ)/状況は有利(だ)/被害は大きい/困難は続く と見る
    希望者を100人以内(だ)/状況を有利(だ)/被害を大きい と見る
・「見られる」と「見える」
 可能形「見られる」と「見える」の用法の違いが問題になる。
 「見える」は光線が目に入り、視覚が働いて脳に情報が届くこと。「見られる」は、ある状況の下
で何かを見ることができるということ。
    後ろの席は前が見えない   夜は満天の星が見える   私は目が見えない
    霧が晴れたので、流星群が見えた/見られた  (光が届いた:状況が整った)
       この映画は日本では見られない    今日は月食が見られる
    テレビが壊れて野球が見られない    子どもの喜ぶ顔が見られそうだ
 「見られる」は、受身形でもある。
    犯人は店員に顔を見られた  店を出て行くところを見られた
  また、「見られる」は自発の用法もある。
    経済状況に変化の兆しが見られる
 可能表現との区別は微妙だが、「兆しを見ることができる」という積極的な意味合いよりも、「自
然にそう感じてしまう」という意味合いで、自発の用法と考えられる。
 最近、可能の「見られる」は、話しことばでは「見れる」という「ら抜き表現」が一般的になりつ
つある。
・使役形「見させる」と「見せる」
 「見る」に対応する他動詞「見せる」と、使役形の「見させる」は意味が近い。「見せる」は、自
分の所有物や管理しているものを他の人の目の前に出す、という意味合いで、「見させる」は、見る
ことを許可する、あるいは強制的に見ることを指示する、という意味合いで使われる。
    子どもの写真を見せる   自分の部屋を見せる      子どもに見せたくない映画
       美術展を見させる   待ち時間にマンガを見させておく
・複合動詞:「み-」の形のものが非常に多い。基本的にヲ格をとる。用法の似たものをいくつか
 のまとまりに分ける。
・相互的
 「見合う」は、二人がお互いに見ること。また、二つの物事が内容的に釣り合うこと。
    顔を見合う  成果がコストに見合うかどうか      労働に見合った賃金を
 「見合わせる」は、意外なことなどに驚いて、人がお互いに顔を見ること。
 「見交わす」は、互いに相手を見て、意図を確かめるようにすること。
    子どものことばに妻と顔を見合わせた   二人は目と目を見交わした
・再度
 「見返す」は、もう一度確かめるように見ること。
 「見直す」は、もう一度よく見る。評価をし直すこと。
    テストの答えを見返す      テストの答えを見直す
・繰り返し
 「見慣れる」は、いつも見てよく知っていること。
 「見つける」は、いつも見ていて、見慣れていること。(→独立項目「みつける」)
       見慣れた風景      この手のドラマは見つけているので新鮮みがない
 「見飽きる」は、(何度も見たので)見るのに飽きること。
    お互い顔を見飽きたなあ   見飽きた壁のポスター
・最後まで
 「見とどける」は、ことの成り行きを最後まで自分でしっかり見ること。
 「看取る・見取る」は、病人の世話を最後まですること。見て、理解すること。
       試合を最後まで見届けた      親の最期を看取る
 「見切る」は、最後まで見ること。「見尽くす」は、見るべきものをすべて見てしまうこと。
    すべての展示品を見切るには5時間かかる      この監督の映画は見尽くした
・範囲
 「見回す」は、まわりをぐるっと見ること。「見渡す」は、広い範囲に渡って見る。
 「見通す」は、初めから終わりまで、あるいは遠くまで見ること。
       周りを見回す      街全体を見渡す   奥の部屋まで見通す
・見る方向
 「見上げる」は、上の方を見ること。
 「見下ろす」は、高いところから下を見ること、あるいは、上から下まで見ること。
    夜空を見上げて星を数える  窓から街を見下ろす   頭から足の先まで見下ろす
 「見向く」は、何かを見ようとして、そちらに顔を向けること。
       こっちを見向いてくれない
・軽蔑
 「見下す」は、相手を自分より下のものと考えること。「見くびる」は、相手を軽く見ること。
 「見下げる」は、相手を劣ったものとして低く見ること。「~た+名詞」の形でよく使われる。
       貧乏人を見下す      相手の実力を見くびる      見下げた男だ
・反発
 「見返す」は、こちらを見た相手を見ること。前に自分を低く見た者に、立派になった自分を見せ
  て、自尊心を取り戻すこと。
    意地になって相手の目を見返す  立派になって兄を見返す
・失敗
 「見失う」は、それまで見ていたものがどこへ行ったかわからなくなること。
 「見誤る」は、何かを見て、間違った判断をすること。
    ウサギの足跡を見失う     信号を見誤る
 「見違える」は、見たのに、他のものだと思ってしまうこと。それほど変化していること。
 「見間違う」は、ある物事を見て、間違って別のものだと思うこと。
       数字を見違える      時計の針を見間違う
 「見損なう」は、見間違うこと。見る機会を逃すこと。(「みそこねる」の形もある)また、(人の)
  評価を誤ること。
    テレビの連続ドラマを見損なう      あの人を見損なっていた
 「見落とす」は、うっかり何かを見ない、気づかないこと。 
 「見過ごす」は、見るべきものに気づかないこと。また、見ても対処しないこと。
    誤植を見落とす   間違いを見過ごす
 「見損じる」は、見る機会を逃すこと。
 「見逃す」は、見る機会を逃すこと。また、見て対処すべきものをしないこと。
 「見忘れる」は、見たものを忘れてしまうこと。見ることを忘れてしまうこと。
      いつものドラマを見損じた    決勝戦を見逃す  万引きを見逃す    天気予報を見忘れる
・しないこと
 「見合わせる」は、事情により、あることをしないでおくこと。
 「見送る」は、何かを今回はしないこと。
       出発を見合わせる   採用を見送る/見合わせる
・見た経験
 「見受ける」は、見たことがあること。
 「見かける」は、それを見たことがあること。否定の形でよく使われる。
    反対する人も時々見受けられる   駅で知人を見かける    見かけない顔だね
 「見知る」は、以前に見て知っていること。
       見知った顔が何人かいた
・発見
 「見あたる」は、探しているものが見つかること。否定で使われる。
 「見出(みいだ)す」は、価値のあるものを見つけること。
    けさの新聞が見あたらない   生きがいを見いだす
・見てよいものを選ぶ
 「見立てる」は、見て、いいものを選ぶ。診断する。
 「見繕う」は、服装や料理など、何かに合ったものを選んで整えること。
 「見計らう」は、ちょうどいい時間やものを選ぶこと。 
    ネクタイを見立てる   贈り物を見繕ってもらう
    母への贈り物を見計らってもらう   タイミングを見計らう
・否定的決断
 「見限る」は、何かに期待することをやめること。
 「見切る」は、何かがもうだめだと考えて関わらないこと。
    妻が夫を見限る   医者に見切られる 
 「見捨てる」は、弱い立場の相手との関わりを持つことをやめること。
 「見放す」は、もうダメだと考えて、関わらないことにすること。
    私を見捨てないで      医者が見放す
・予測
 「見越す」は、将来のことを予測すること。 
  「見通す」は、将来のことや心の中など、わかりにくいことを予測、知ること。
    渋滞を見越して朝早く出る   今後の展開を見通す
 「見込む」は、よい物事を期待する。あらかじめそのことを考えておく。
       増収を見込む  男と見込んで
・見て判断
 「見受ける」は、見て判断すること。
 「見積もる」は、何かをする前に、それに必要なもののだいたいの計算をすること。
    お元気なようにお見受けした    業者が費用を見積もる  
 「見極める」は、徹底的によく見て、知ること。
 「見定める」は、十分よく見て、あるいは考えて、判断をすること。
    限界を見極める      目標を見定める
・比べる
 「見比べる」は、(違いをを)見て比べること。
 「見分ける」は、見て、違うものを区別する。正しく物事を判断する。
    二つの表を見比べる      雌雄を見分ける
・内面
 「見透かす」は、表面に現れていないことを水を透かしてみるように理解すること。
 「見抜く」は、表には見えない内側にあるものをしっかり見て、確実に知ること。
 「見破る」は、隠していることを観察・分析などから知ってしまうこと。
       気持ちを見透かす    意図・嘘を見抜く    相手の嘘を見破る
・しっかり見る
 「見据える」は、人・ものをじっと見つめること。また、抽象的な対象をよく検討すること。
    相手の目を見据える  現実を見据える
 「見張る」は、目を大きく開いてみること。よく注意して何かの番をすること。
       目を見張ってみる  裏口を見張る
・没入
 「見入る」は、心を奪われたようにじっと見ること。
 「見とれる」は、美しさ・素晴らしさなどに心を奪われてうっとり見ること。ニ格をとる。
    舞台の演技に見入る    女優に見とれてしまい、話の筋はわからなかった
・その他
 「見送る」は、何かが去るのを見ていること。
 「見かねる」は、平気で見ていられないこと。
 「見初める」は、一目見て恋をすること。
    友人の出発を駅で見送る  他人の貧乏を見かねる    王子に見初められたシンデレラ
 「見出(だ)す」は、見始めること。見るようになること。 
 「見立てる」は、あるものを別のものと見なす。
 「見とがめる」は、警官などが、怪しいと考えて問いただすこと。よくないとして非難すること。
       映画を見出したのは小学生の時だ    雲の形を動物に見立てる  警官に見とがめられる
 「見習う」は、人のよいところを見てまねをすること。
 「見守る」は、何かが安全なように、それを注意して見ていること。
 「見回る」は、悪いこと・異変がないか、ある範囲を見て回ること。
       母のやり方を見習う  親が子どもを見守る    畑を見回る 
◇スル動詞
 「見る」に関係するスル動詞には次のようなものがある。「わき見する」以外はヲ格をとる。
 何を見るか
 「閲覧する」は、図書館などで、そこの本や新聞などを読んだり調べたりすること。
 「参照する」は、他のものを見て参考にすること。
 「目撃する」は、事件が起こった場所にいて、実際に見ること。
 「脇見する」は、見るべき方向以外に目を向けてそちらを見ること。これだけ自動詞。
 「拝見する」は、謙譲表現で、人のもの、行動を見せてもらうこと。
 どのように見るか
 「見学する」は、実際に見に行って、それに関する知識を得ること。
 「見物する」は、楽しみのために名所や催し物などを見ること。
 「観察する」は、物事の状態や現象をそのまま客観的によく見ること。
 「視察する」は、実際にその場所に行って、物事がどうなっているかを見て調べること。
 「下見する」は、何かを行う前に、その場所や会場などを見て調べておくこと。
 「直視する」は、目をそらさず、事実や実態をそのまままっすぐに見ること。
 「傍観する」は、ある状況で、物事の当事者でないという立場で、何もせず、脇から見ていること。

◇みせる
 人に対して「見る」ようにすることを「見せる」で表す。「人ニ ものヲ」となる。見せる対象は
具体物から精神的なものまで。「医者に見せる」は診察をしてもらうこと。(「診せる」とも書く)
      人ガ 人ニ ものヲ みせる
    友だちにノートを見せる    敵に弱みを見せる     子どもを医者に見せる 
 人が、ある対象に対して、ある態度をとることを表す。
      人ガ  ものニ  ものヲ  みせる
    仕事に熱意を見せる   条件に不満そうな態度を見せた
 ひゆ的に、物事がある状態になることを表す。
   ものガ  ものヲ  みせる
    景気が回復の兆しを見せる  事態は意外な展開を見せた
 「見せる」状態が文で表される場合がある。「文のを」「文ところを」で示す。
人ガ 人ニ 文ヲ みせる
    子どもが歩けるようになったのを田舎の両親に見せに行った
    蛇が脱皮するところをビデオで見せられた
 「見る」の使役形「見させる」との違いは「見る」の解説を参照。
・「-て見せる」
  「見せる」には補助動詞としての用法がある。人に見えるようにある行為をし、それによって相手
にやり方を教えたり、自分の気持ちや強い意志を示したりしようとする。
    生徒にやらせる前に、教師がやってみせる  子どもに促すように、軽くうなずいて見せた
       母のいる前で、木の上にのぼって見せた   絶対に勝ってみせるぞ
・「ものニ/イ形-く/ナ形-に/-そうに/-ように」
 人に「見せる」のは実際の様子だけではない。「見える」と同様に、事実とは少し違う印象を人に
持たせるように「見せる」場合がある。
   人・ものガ 人・ものヲ  人・ものニ 見せる
    落ち着いた服装が彼女を(実際よりも)知的な女性に見せている
    安物を高級品に見せる
 イ形容詞は「-く見せる」、ナ形容詞は「-に見せる」の形になる。
    品物を大きく見せる   和服が姉を上品に見せている
 その他の助動詞・補助形式。動詞は「-ように見せる」とする。
    食品をおいしそうに見せる   自分を偉そうに見せる   安っぽく見せてしまう
    金持ちのように見せる   右から攻めるように見せて、左から攻める
・複合動詞
 「見せ合う」は、互いに何かを相手に見せること。相手を示す「人ト」または複数の主体をとる。
 「見せかける」は、実際はそうでないのに、表面だけそう見えるようにすること。
 「見せびらかす」は、自慢そうに見せること。「見せつける」は、自分のもの、行動をわざと人に
  見えるようにして、相手の反応を楽しむこと。
       友達と写真を見せ合う  3人は互いに時計を見せ合った
    ダイヤの指輪を見せびらかす  敵に実力を見せつける

 以下は「見る」に近い意味の動詞で、「見る」に何らかの意味が付け加わる。
◇ながめる
 「眺める」は、特に意識を集中せずに、遠くを、あるいは何か一つのものを見ていること。
      人ガ ものヲ ながめる
    ぼんやりと雲・赤ん坊の顔を 眺めていた
・複合動詞
 「眺め回す」と「眺め渡す」がある。「周りを眺める」ことと「遠くまで眺める」ことを表す。
       あたりを眺め回した  遠くの景色を眺め渡す
◇みつめる
  「見つめる」は、目をそらさずに、あるものをじっと見続けること。
      人ガ 人・ものヲ みつめる
    相手の目を見つめる  現実を見つめて考え直す
・複合動詞
 「見つめ合う」は、お互いに相手を見つめること。「見つめ直す」は、もう一度しっかり見ること。
    二人は互いに見つめ合っていた  現実・自分を 見つめ直す
◇にらむ
  「にらむ」は、鋭い目つきでじっと相手やものを見ること。ひゆ的に「推測する」の意味になる。
      人ガ 人・ものヲ にらむ
    相手・顔・ドアを にらんでいる   世界情勢をにらむ
       彼が犯人だとにらんでいる   
・複合動詞
 「にらみ合う」は、お互いに相手をにらむこと。「にらみつける」は、相手を強くにらむこと。
    二人がにらみ合う  顔をにらみつける
◇のぞく
  「覗く」は、狭いところに顔を近づけて向こう側を見ること。あるいは反対に、狭いところから何
かが姿を現すこと。カラ格をとる。覗くための道具そのものをヲ格としてとる場合がある。
      人ガ (所カラ) 所ヲ のぞく / 人ガ ものヲ のぞく
    ドアのすき間から中を覗く      望遠鏡を覗く
      ものガ ものカラ のぞく /
      ポケットからハンカチが覗いている
・複合動詞    
 「のぞき込む」は、何かの中を覗くこと。「のぞき見る」は、覗くようにしてみること。
        窓から家の中を覗きこむ   隣の人の答案を覗き見る
◇うかがう
 「窺う」は、人に気づかれないようにこっそり様子を見ること。目に見えるものだけでなく、抽象
的なものもヲ格にとる。
      人ガ ものヲ うかがう
    家の中・あたりの気配・相手の顔色を うかがう   
◇のぞむ
 「望む」は、遠くから眺めることで、かたい書きことば。
   人ガ ものヲ のぞむ
    はるかに富士を望む
・スル動詞
 「展望する」は、はるか遠くまで見渡すこと。


みえる(見える)一(みえない・みえます・みえて・みえれば) 
[1]〔ものガ (所カラ)(所ニ)〕
 △みえにくい  みえはじめる  みえすぎる  みえそうで、みえない  みえるかもしれない
  みえるようになる  みえないようにする  みえなくなった  
 △[よく/はっきり/くっきり/ぼんやり/うっすらと/かすかに/ゆがんで]~。
  [ぼんやりとしか/はっきりは/少ししか/ぜんぜん/まったく]見えない
 △[星(ほし)/月/湖(みずうみ)/大きなビル/人かげ/小さな虫(むし)/おばけ]が~。
  [私の家から海が/ここからあなたが/学校の屋上(おくじょう)から東京タワーが]~。
  [遠くに山が/丘(おか)の上に小さな赤い家が/北の空に北極星(ほっきょくせい)が]~。
 ・ホテルの窓(まど)から富士山(ふじさん)が見えます。
 ・あのかどを右にまがると前に駅(えき)が見えるはずです。
 ・きょうは曇(くも)っていて、星が見えません。
 ・雨のあと、空にきれいな虹(にじ)が見えることがあります。
 ・望遠鏡(ぼうえんきょう)を使うと、遠くの物がよく見える。
 ・なにか動物の姿が見えたら、教えてください。
 ・向こうに学校が見えるね。あれが見えれば、あと10分ぐらいで駅に着くよ。
 ・二階(にかい)の窓(まど)から、庭で遊(あそ)んでいる子どもと妻(つま)の姿(すがた)が見える。
 ・学校の屋上(おくじょう)からなら、東京タワーが見えそうだ。
 ・外はくらくて何も見えません。
 ・きょうは中山さんの姿(すがた)が見えない。(=中山さんは来ていない)
 ・いつの間にかわたしの自転車が見えなくなった。(=なくなった)
[文のガ]
 ・門の所に人が何人かいるのが見える。
 ・家の玄関(げんかん)を出ると、前の道を中山君があわてて走っていくのが見えました。
 ・この前の嵐(あらし)の時、山の上の木にかみなりが落ちたのがはっきり見えた。
 ・流れ星(ながれぼし)がスーッと流れて、ふっと消えたのがよく見えた。
 ・顕微鏡(けんびきょう)を覗(のぞ)くと、微生物(びせいぶつ)が動いているのが見えた。
[文ところガ]
  ・望遠鏡(ぼうえんきょう)で、みんなが山を下りてくるところが見えた。
 ・この場所から、熊がサケを捕まえるところが見えるそうだ。
[文か(ガ)]
 ・先週座った席は、シュートが入ったのかどうか(が)よく見えなかった。
 ・この席なら、本当に入ったのかどうか(が)よく見えますよ。
[2]〔人ニ ものガ〕
 ・私に見える物がどうしてあなたに見えないのですか。
 ・字が小さいので、老眼(ろうがん)の私にはよく見えない。
 ・彼には飛んでくるボールの回転(かいてん)が見えるらしい。
 ・両チームの実力を知る人には、勝負の結果は見えている。
[文のガ]
 ・彼女は、何度も星が流れるのが見えたそうだ。
  ・私には、うちの子が一等(いっとう)になって表彰(ひょうしょう)されるのが見えるようだ。
[3]〔ものニ ものガ〕
 △[顔に疲れが/体力に衰(おとろ)えが/態度(たいど)に熱意(ねつい)が]~。
 ・どうしましたか。何となく、顔に疲れが見えますよ。
 ・最近、彼は脚力(きゃくりょく)に衰えが見える。そろそろ現役引退(げんえきいんたい)だな。
 ・この作品(に)は、かなりの努力(どりょく)と工夫(くふう)の跡(あと)が見えるね。
  ・学生たちには反省(はんせい)の色が見えない。いったい何を考えているんだ。
[4]〔人・ものガ ものニ〕
 ・あの人は何となく日本人に見えないね。外国人かもしれないね。
 ・人は話し方によって、教養人(きょうようじん)にも、下品(げひん)な人間にも見えてしまう。
 ・二十歳(はたち)を過ぎているのに、彼女はまだまだ子どもに見える。
 ・今日はなんだか美人に見えるね。え? 最初から美人だって? これは失礼しました。
 ・商品(しょうひん)は、ディスプレイの工夫(くふう)で、ずっと高級品に見えるんです。
  ・「この絵、トラに見えないか?」「いやあ、よくてもネコに見えるかどうかだな」
[イ形容詞-く]
 △[ずいぶん若く/少し新しく/かなり古く/なんだか汚(きたな)く/ずっと大きく]~。
 ・その服を着ると、ずっと若く見えるね。いいと思うよ。
 ・このセーター、年寄(としよ)りくさく見えない? 
 ・こうやってちょっと汚(よご)すと、古く見えて貫禄(かんろく)が出るんだ。高く売れるよ。
 ・この問題は難(むずか)しく見えますが、じつはかんたんな問題です。
[ナ形容詞-に]
 ・ちょっと化粧(けしょう)しただけで、ずいぶんきれいに見えるから不思議(ふしぎ)だ。
 ・一見(いっけん)高級(こうきゅう)に見える時計だが、実は安物(やすもの)だ。
[その他]
 ・これ、安っぽく見えるけど、けっこういいものなんだよ。
 ・このケーキ、とてもおいしそうに見えるね。高そうにも見えるけれど。
 ・なんかいいことあったみたいに見えるけど、どうしたの?
  ・「疲れ気味(ぎみ)のように見えますが、大丈夫ですか?」「疲れ気味? むしろ、死にそうに見
  える、って言ってほしいところだね。毎日、夜中まで残業だからな。ひどい会社だよ」
 ・問題は解決(かいけつ)したかに見えたが、実はまだ大きな問題が隠(かく)されていた。

[動詞-て]
  ・こういう色の服は、いくらかやせて見えるから好きだ。
 ・水に棒(ぼう)を差し込むと、曲がって見えるのはなぜか。
 ・歩き方が疲れて見えるよ。元気出して歩こう。           
[5]〔文ト〕
 ・田中さんは自分の間違(まちが)いにまだ気がつかないと見える。(=気がつかないらしい)
 ・その子どもは、とてものどがかわいていたと見えて、お茶をつづけて3杯(ばい)も飲んだ。
 ・ガンは完全に治ったかと見えたが、2年後に再発(さいはつ)してしまった。
  ・だれの目にも、もう負けたかと見えたが、そこからふんばって逆転(ぎゃくてん)した。


みる(見る・診る)一(みない・みます・みて・みれば・みよう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △みたい  みはじめる  みてほしい  みておく  みたほうがいい  みたら、わかる
  みてもいい  みなければならない  みようと思う  みればみるほどすばらしい
  こっちをみろ!  じろじろみるな! 
 △[じっくり/念入(ねんい)りに/注意して/ぼんやり/細かく/ざっと/だいたい]~。
  [ジロジロ/キョロキョロ/チラチラ/チラッと/つくづく/しげしげと]~。
 △[青い空/広い海/遠くの川/高い山/空の雲/風景(ふうけい)/景色(けしき)]を~。
  [木/森/紅葉(こうよう)/木々(きぎ)の緑(みどり)/月/星/夜空(よぞら)]を~。
  [小さな子ども/きれいな女性/かわいい人形(にんぎょう)/かわいい動物/虫/花]を~。
 ・目がつかれた時は遠くを見るといいですよ。
 ・ほら、こっちを見てごらん。おもしろい物がかざってあるよ。
 ・むすこは私におこられると思っているのか、私のほうをちらちらと見ている。
 ・わたしの母は人の顔(かお)さえ見れば文句(もんく)を言う。ほんとうにうるさい。
 ・これは日本ではここでしか見られないめずらしい現象(げんしょう)です。
 ・そんなバカな事は見たことがない。
 ・子供を失った家族の様子(ようす)は、気の毒(どく)で見るにしのびない。
 ・もって帰ったかさをよく見ると、わたしのものではなかった。どこかでまちがえたらしい。
 ・見たところ、この二つの製品(せいひん)の間にほとんどちがいが見られない。
 ・足が痛いって、見たところ何ともないようだけれど、どこをぶつけたの。
 ・どの点から見ても、もうしぶんのない計画(けいかく)だ。
 △[テレビ/映画(えいが)/劇(げき)/ドラマ/スポーツ/試合(しあい)/ゲーム]を~。
 ・こんどの土よう日に野球(やきゅう)の試合(しあい)を見に行きませんか。
 ・わたしはあまりテレビを見ません。
 ・A:山田監督の新しい映画(えいが)はどうでしたか。
  B:いや、ひどい。見られたものじゃないよ。
 △[まんが/雑誌(ざっし)/新聞(しんぶん)/資料(しりょう)]を~。
 ・食事中に新聞を見ないでください。
 ・このしごとはもうすぐおわりますから、それまで、その雑誌(ざっし)でも見ていてください。
 ・つぎの会議(かいぎ)までにこの資料をざっと見ておいてください。
 △[調子(ちょうし)/具合(ぐあい)/加減(かげん)]を~。
  [味(あじ)/温度(おんど)/肉のやわらかさ/表面(ひょうめん)]を~。
 ・風呂(ふろ)の湯加減(ゆかげん)を見てください。
 ・スープの塩(しお)かげんを見ていないので、足りなければ入れてください。
 ・この料理(りょうり)を作るのははじめてだったので、とちゅうで何度も味を見なくてはならな
  かった。
 ・この機械(きかい)はさっきから変な音を出しています。ちょっと具合を見てくれませんか。
 △[態度(たいど)/様子(ようす)/顔色(かおいろ)/人柄(ひとがら)/能力(のうりょく)]を~。
 ・このあとどうなるかはわかりません。しばらく様子を見ましょう。
 ・あいての出方(でかた)を見て、こちらの出方をきめよう。   
 ・子どもが親の顔色(かおいろ)を見るようになった。
  △[決着(けっちゃく)/意外な展開(てんかい)/進展(しんてん)/結末(けつまつ)]を~。
 ・この事件はまだ解決(かいけつ)を見ていない。
 ・両国(りょうこく)がこれからも協力(きょうりょく)していくことで意見の一致(いっち)を見た。
 △[病人(びょうにん)/患者(かんじゃ)/けが人/重傷者(じゅうしょうしゃ)]を~。
 ・A:どうも最近(さいきん)つかれやすいんだ。
  B:じゃあ、お医者(いしゃ)さんに診てもらった方がいいわよ。
 ・手を出してください。脈(みゃく)を見ますから。
 △[運勢(うんせい)/結婚運(けっこんうん)/恋愛運/人相(にんそう)/手相(てそう)]を~。
 ・友だちに手相を見てもらった。
 ・コンピュータが運勢を見てくれるっていうんだけど、信じられるかしら。
 ・わたしの見るところでは、この計画(けいかく)はうまく行かないでしょう。
 ・将来的(しょうらいてき)に見て、P案よりQ案の方が良いと思います。
 △[子ども/子どもの勉強/犬の世話(せわ)/店(みせ)/事務所の経理(けいり)]を~。
 ・子どもの面倒(めんどう)を見てくれる人がいない。
 ・父はよくわたしの勉強を見てくれた。
 ・人手(ひとで)が足りないので、いま店はおばあちゃんに見てもらっている。
 ・ちょっとジュースを買ってきますから、その間この荷物(にもつ)を見ていてくださいませんか。
 △[人/もの]を~。
 ・社会人になってから、物を見る目が変わってきたと、自分でも思います。
 ・商売(しょうばい)をやっていくためには人や物を見る目がなくてはだめだ。
 ・相手を見てものを言ってくれ。わたしはそれほどバカだと思っているのか。
  △[ばか/ひどい目/痛い目/危ない目/いい目]を~。
 ・せっかく手伝ってやったのに、へただと文句(もんく)を言われた。ほんとうにバカを見た。
  ・いいもうけ話があると言われ、いくらか金を出したが、ひどい目を見た。
 ・少し痛い目を見れば、彼も自分の愚(おろ)かさに気づくだろう。
[文のヲ]
 ・大勢の人が駅のほうへ走っていくのを見た。何があったんだろう。
 ・桜の花が風に舞(ま)うのを見ていた。すばらしかった。
 ・どろぼうが窓から出ようとしているのを見て、思わず大きな声を出した。
 ・子どもは、電車がホームに入ってきたのを見て、「うわー、かわいい!」とよろこんだ。
[文ところヲ]
 ・あの二人がキスをしているところを偶然(ぐうぜん)見てしまった。
 ・作業服(さぎょうふく)の男が女子トイレから出てくるところを見た。トイレは工事中だった。
[文か(どうか)(ヲ)]
 ・コーチは、相手チームがどう来るか(を)じっと見ていた。
 ・商品によごれがないかどうか(を)、注意してよく見た。
 ・彼女は、私がどこにさいふを隠(かく)したのかをしっかり見ていた。
[2]〔人ガ 文ト〕
 ・私たちは、敵(てき)が右から攻(せ)めてくると見ていた。
 ・専門家(せんもんか)は、今の円高(えんだか)がまだ当分(とうぶん)続くと見ている。
[ものヲ イ形-く]
 ・政府(せいふ)は事態(じたい)を重く見、P国の大使を招(まね)いて協議(きょうぎ)した。
 ・彼は社内では軽く見られていたが、会社を辞めて勉強し、みごと会計士(かいけいし)になった。
[3]〔人ガ ものヲ もの(だ)ト〕
 ・私はこの話を初めからむりな話だと見ていた。(=この話は)
 ・彼女は彼のことを頼(たよ)りにならない男だと見ていたらしい。

<複合動詞:み->
[みあう] ものガ ものニ
 ・「君たち、よく似ているね」そう言われて、二人は互いにまじまじと顔を見合った。
 ・この労力に見合うだけの成果を上げたい。
 ・われわれの貢献に見合った報酬を出すべきだ。
   顔・目・体つきを コストが 価値・実態・予算・増加に ちょうど ぴったり
   価値に~た金を払う 実態に~た指導 予算に~た活動 労働に~た賃金
[みあきる] 人ガ ものヲ 
 ・富士山は見るたびに姿を変えるから、いくら見ても見あきません。
 ・同じコマーシャルを何回やるんだろう。もう見飽きたよ。
   風景・振る舞い・私生活を いつまでも~ない    ~た顔・絵・図表・地図
[みあげる] 人ガ ものヲ 
 ・夜、満天の星空を見上げると、人間なんて小さいものだとつくづく思う。
 ・「また雨?」母は、ベランダで雨雲を見上げて言った。
 ・西田さんは60才になってまた大学に入ったそうだ。見上げたものだ。(=すばらしい)
   青空・雨雲・石段・上・額・崖・壁・看板・木・雲・刑事の顔・国旗・桜を
   月・天・天井・星・窓・屋根・夕空を うっとり こわごわ ちらと ぼんやり
[みあたる] ものガ    (否定で使われる)
 ・きのうこのあたりに本をおいたのだが、どうも見あたらない。
 ・町内のお祭りに行ったが、知った顔は見あたらなかった。
 ・ドアの鍵が壊され、空き巣が入ったらしいのだが、荒らされた跡は見あたらない。
   ~ない 姿・理由・方法が 知っている顔・つけいる隙・適当な方法が
   荒らされた形跡・気持のはけ口・雪らしい雪が どこにも 皆目 影も形も
[みあやまる] 人ガ 人・ものヲ
 ・ドライバーが信号を見誤ったことが今回の事故の原因だ。
 ・どうやら、我々は情勢を見誤っていたらしい。
      距離・状況・主因・信号・標識を
[みあわせる] 人ガ 人ト ものヲ 
 ・子どもがおもしろいことを言ったので妻と顔を見合わせてわらってしまった。
 ・しまった! 敵に裏をかかれた! 我々は思わず顔を見合わせた。
 ・台風が近づいているそうなので、出発は見合わせた。
 ・今回はいい応募者がいなかったので、新規採用は見合わせようと思う。
   刊行・帰省・講演会・支援・出撃・出航・出席・出版・使用・上陸・進学を
   渡航・連絡・職探しを  目を 互いに・思わず顔を
[みいだす] 人ガ 人・ものヲ 
 ・わたしはあの方に見いだされて画家として世に出ることができた。
 ・生きる目的を見いだせなくて(=見つけられなくて)、まよっているわかものが多い。
 ・最近、やっとこの問題の解決の糸口を見いだしました。
   安住の地・生きがい・一致点・意味・因果関係・解決策・価値・可能性・関連・
   共通点・才能・接点・楽しみ・短所・チャンス・つながり・手だて・慰め・余地を
[みいる] 人ガ ものニ/ヲ 
 ・観客は緊張して舞台の演技に見入っていた。
 ・その化学者は、悪魔にでも魅入られたように、あやしげな実験を繰り返した。
   絵本・鏡・画面・記事・光景・写真・姿・地図・寝顔・盤面・モニターに
   顔・画面・花・メニューを  熱心に いつまでも じっと 固唾をのんで まじまじと
[みうける] 人ガ ものヲ 
 ・お見受けしたところ、道にまよっているようですが、どちらへ行かれるのですか。
 ・これはあちこちでよく見受ける光景だ。
 ・最近、このことばの不自然な使い方を見受けることが増えた。
   姿・報告・不穏な動きを あちこち・随所に 時々 往々 多々
[みうしなう] 人ガ ものヲ 
 ・前の車のあとをつけていたのだが、踏切で待たされ、見失ってしまった。
 ・人生の目標を見失ってしまったような気がする。
   明かり・足跡・女・きっかけ・自己・自分・初心・先頭・全体・大局・人影・方角・
   本筋・道・目標・行方・行く先を  一瞬 ややもすると うっかり
[みおくる] 人ガ 人・ものヲ 
 ・国へ帰る友だちを空港で見送った。
 ・見送りに行きますから、出発の時間を知らせてください。
 ・十分な準備ができなかったので、今回は受験を見送った。来年こそは合格したい。
 ・緊張したバッターは絶好球を見送ってしまった。
   夫・親・客・旅立ち・電車・一行・後ろ姿・背中・葬列を 解散・議決・告発・採用・
   実施・受験・出撃・出発・増税・提案・賃上げを いつまでも 黙って    兄が帰るのを
[みおとす] 人ガ ものヲ / 文ことヲ                                     
 ・小さなまちがいも見落とさないように、よく見てください。
 ・我々は機械の操作手順の中にあった危険性を見落としていたのだ。
 ・パーティーの招待者のリストに彼女の名前がないことを見落としていた。
   審判が 危険・誤植・印・表情・名前・名画を うっかり 注意しないと
[みおろす] 人ガ ものヲ 
 ・山の上から見下ろすと、谷はとても深いように見えた。
 ・ホテルの窓から町を見下ろしていた彼女は、小さな子どもが彼女を見上げているのに気づいた。
   海・滑走路・川・眼下・下界・下・水面・谷・谷底・町の灯・港・夜景を
[みかえす] 人ガ 人・ものヲ 
 ・問題の解答を書いたあと、間違っていないか、もう一度よく見返した。
 ・相手がきつい目で睨んできたので、やつの目を見返してやった。
 ・家がびんぼうだったので、クラスメートによくバカにされた。それでわたしは卒業したあと、み
  んなを見返してやろうと、いっしょうけんめい働いた。
   細かい計算・間違いそうな所を  何度も 注意深く 目を皿のようにして
   相手の顔・目・視線を  人・金持ち・馬鹿にした連中を じっと まっすぐ 皮肉な目で
[みかぎる] 人ガ 人ヲ 
 ・あの男はいくら注意しても悪い所を直そうとしないので、私はあの男を見かぎることにした。
 ・細々と店を続けていたが、この業界の前途を見限って、転業することにした。
      前途を 東京を 妻が夫を きっぱり
[みかける] 人ガ 人・ものヲ
 ・きのう駅で高山さんを見かけた。
 ・あの人、見かけない人だね。だれ?
   顔・後ろ姿・車・友だち・似た者・例・表現を たまに たびたび ちらと
[みかねる] 人ガ ものヲ 
 ・おばあさんが大きな荷物を持って大変そうだったので、見かねて持ってあげた。
 ・新入社員がもたもたやっているので、見るに見かねて手伝ってやった。
      貧乏・苦しい家計・取り乱した格好を ~て忠告する・手を貸す・手伝う
[みかわす] 人ガ 人ト ものヲ 
 ・友だちが予想したとおりの問題がテストに出たので、その友だちと互いに顔を見かわした。
 ・あの二人は何かあると目と目を見交わしている。どうもあやしい。
        笑顔・顔を 互いに 目と目を
[みきる] 人ガ 人・ものヲ
 ・あの展覧会は午後だけでは見切れないから、朝から行かないと。
 ・こう次から次へと問題を起こすんじゃ、とてもお前の面倒を見切れないよ。
  看病・引き際・行く末を
[みきわめる] 人ガ ものヲ 
 ・状況をよく見きわめてから、わたしたちの動き方をきめましょう。
 ・失敗の原因をよく見極めて、次回からの実験に生かしたい。
   安全・価値・技量・結果・原因・限界・効果・才能・実態・実力・状況・真相・性格・
   性質・正否・違い・動向・能力・病状・行く末・全体像を はっきりと  しっかり
[みくだす] 人ガ 人ヲ
 ・あの男はほかの人を見下すような態度をする。
 ・私は、みんなから「バカなヤツだ」と見下されていました。
   相手・庶民・他人・同級生・読者・人・世の中を 一段下に ~たような態度
[みくびる] 人ガ 人ヲ
 ・弱いと思って相手を見くびると、ひどい目にあうかもしれないよ。
 ・相手は試合の前の晩、酒を飲んでいたそうだ。見くびられたものだ。
        相手・腕・会社・生活・人を 頭から 甘く  子供・しろうとと
[みくらべる] 人ガ 人・ものヲ 人・ものト
 ・八百屋で野菜を見比べて、新鮮なものを買う。
 ・これをあれを見くらべてみると、あちらの方がずっと良いようだ。
        親子・夫妻・二人・両方・二つの表・年表を 交互に 慎重に 母親と娘を
[みこす] 人ガ ものヲ / 文ト / 文ことヲ
 ・十年、二十年さきのことを見越して人生の計画を立てるべきだ。
 ・渋滞を見越して朝早く出たのは正解だった。
 ・我々にはどうせ勝てないと見越して、相手は1軍の選手を休ませ、2軍を出してきた。
   一歩先・事態・渋滞・需要・将来・成長・高値・値上がりを 勝てないことを
[みこむ] 人ガ ものヲ(ものト)/ ものニ ものヲ 
 ・価格を千円上げたので、年間一千万円の増収が見こまれる。
 ・あなたを男と見こんで頼むのだが、ゆみ子にこの手紙を渡して、返事を聞いてきてもらいたい。
 ・推計には必ず誤差を見込んだほうがいい。
   腕・才能・人物・人柄を 誤差・増益・税収減・利益・悪化を 高めに 
[みさげる] 人ガ 人ヲ 
 ・友だちのノートを写して出すなんて君は見さげた男だ。
 ・人に見下げた態度をとる者は、自分が見下げられた時、文句を言う権利がない。
   人・他人・弱々しい態度を ~た男・やつ・人間  見下げ果てた奴
[みさだめる] 人ガ ものヲ
 ・目標をよく見定めて、それに向かってしっかり進むことが大切だ。
 ・お化けとか幽霊とか言われているものも、よく正体を見定めれば、怖いものではない。
   相手・足元・位置・気持ち・結果・健康状態・細部・事態の進行・品物・周囲・正体・真意・
   心中・姿・筋道・性質・正否・特徴・中身・流れ・方角・方向・源・目標・行方を
[みしる] 人ガ 人ヲ
 ・会場には特に見知った顔はいなかった。
 ・若輩ですが、どうぞお見知りおきください。
   男・顔・姿・先生・隣人・ホテルを
[みすえる] 人ガ ものヲ 
 ・彼女は、僕の目をじっと見据えて、こう言った。
 ・現実を見据えて、よく考えて書かれた評論だ。
   相手・顔・敵・横顔・一点を 過去・現状・十年先・将来・その先を 厳しく
[みすかす] 人ガ ものヲ
 ・こちらの心中を見透かされて、交渉で強く出ることはできなかった。
 ・敵の動揺を見透かして、強く出たのが今回の勝因だ。
   足元・思い・考え・気持ち・胸中・心・下心・心中・動揺・腹・秘密・不安・弱みを
[みすごす] 人ガ ものヲ 
 ・小さなまちがいでも見すごしてはいけない。
 ・小さなことだから見すごされることが多い。
   記事・事実・要望・研究・肝心な所を うっかり 不正・不貞を~せない
[みすてる] 人ガ 人・ものヲ 
 ・アキラはダメな人間だが、自分の子どもだから見すてるわけにはいかない。
 ・私を見捨てないでください。
   親・夫・神・国・子供・仲間・家業・幸福・信徒を あっさりと 簡単に
[みそこなう] 人ガ ものヲ 
 ・忙しくて展覧会に行く暇がなく、有名な絵を見そこなってしまった。
 ・あの男はもう少ししっかりした男だと思ったんだけどね。見そこなっていたね。
   顔・正体・本質・評判の映画・見たかった芝居を  あなたを~た
[みそめる] 人ガ 人ヲ
 ・私が彼を見初めたのは、中学3年の時でした。
 ・彼女は王子様に見初められ、結婚を申し込まれました。
   女の子・娘を 初対面で パーティーで
[みそんじる] 人ガ 人・ものヲ
 ・残業で遅くなり、9時からのドラマを見損じた。
 ・急にトイレに行きたくなってしまい、最後の一番を見損じてしまった。残念。

[みだす] 人ガ ものヲ
 ・私がフランス映画を見だしたのは、大学生の時です。
 ・ちょっと気分転換、と思ってマンガを見出すとやめられない。
[みたてる] 人ガ ものヲ 
 ・父にネクタイを上げたいのですが、どんなものがいいか分からないので、ひとつ見立ててくれ
   ませんか。
 ・むかし、木切れを仏様(ほとけさま)に見立てておがんでいる男がいました。
   祝いの品・ワイン・いい柄・傘を 自分で 雲を動物に 木の葉を魚に
[みちがえる] 人ガ 人・ものヲ 
 ・二、三年会わない間にゆみ子さんは見ちがえるほどきれいになった。
 ・我が家のリフォームをしたら、見違えるようによくなった。
 ・暗いところで仕事をしていたため、いくつか数字を見違えたらしい。計算が合わない。
   数字・明かりを ~ほど美しく・元気に・大きくなる ~ようによくなる
[みつくす] 人ガ ものヲ
 ・チャップリンの映画は見尽くした。どれも傑作だ。
 ・アニメの評論を書いてみたいが、量が多くて見尽くせない。
[みつくろう] 人ガ (人ニ) ものヲ
 ・特にご希望がなければ、適当に見繕って料理をお出ししますが。
 ・妻の誕生日のために花を買いたいのですが、何か見つくろっていただけませんか。
   贈り物・プレゼント・料理の材料を 適当に
[みつける]  
 ・隣のぼろアパートも、毎日見つけていると、何となく趣のある建物のように見えてくる。
[みつもる] 人ガ ものヲ 
 ・台所のリフォームにいくらかかるか、業者に見積もってもらった。
 ・収益予想を過大に見積もって投資を募った会社の役員が逮捕された。
 ・将軍は丘の上に立って、敵の兵力を見積もった。
   数・額・価値・規模・長さ・利益・利子を 内輪に 過大に 粗く 少なく
[みとおす] 人ガ ものヲ
 ・このドアを開けると、奥の部屋まで見通すことができます。
 ・専門家でも今後の展開を見通すのは難しいだろう。
 ・人生、一歩先のことが見通せない。手探りで進むだけだ。
 ・平凡なアニメで、最後まで見通さないうちに、結末がわかってしまう。
   一歩先・動き・運命・全体・気持ち・結果・心の中・五十年先・今後の展開・先・
   将来・対局・腹の底・闇の中を  先の先・底まで  何もかも
[みとがめる] 人ガ ものヲ
 ・守衛は、大きなカバンを持った男を見とがめて、中身を見せるように言った。
 ・係官に見とがめられずに、国境を通り過ぎた。これで安全だ。
   笑い・汚い格好・濡れたシャツ・あわただしい様子を ~られる 警備員に
[みとどける] 人ガ ものヲ 
 ・仕事の結果を見届けるまでは安心できません。
 ・試合は最期まで見届けないと、どうなるかわからない。
   一部始終・安全・結果・実態・首尾・勝負・成り行き・変化・行く先・歴史的な一瞬・
   気持ち・死・様子・成長を 最期まで つぶさに とくと 

[みとる] 人ガ ものヲ 
 ・親の最期を見とるのは、子供としての義務だ。
 ・このまま一人で生きていくと、誰にも看取られず死んで行くんだな、と思う。
   父の死・父の最期・母・臨終・老母を 手厚く  誰にも~ずに死んでいく
[みとれる] 人ガ ものニ 
 ・あき子さんのうつくしさに見とれていて、話しかけるのをわすれてしまった。
 ・女優があまりきれいなので、見とれてしまって話の筋などわからなかった。
   動き・演技・女・顔・芸・景色・花・一挙一動に 刻刻の変化に うっとり
   ぼんやり しばし 我を忘れて 声も出さずに 陶然と
[みなおす] 人ガ 人・ものヲ 
 ・テストの解答をよく見直したら、間違いに気がついた。
 ・計画を最初から見直す必要がある。
 ・いい加減な人だと思っていたら、意外にまじめなので見直した。
   絵・顔・写真・時計・荷物・表札を 父親・妻・夫を あり方・基準・帰省・計画・
   仕組み・女性・税・政策・制度・戦略を 一から 根本から 冷静な目で
   柔軟に 速やかに 大胆に 全面的に 改めて しっかりと 何度も もう一度
[みならう] 人ガ 人・ものヲ 
 ・私も母を見習って、人の悪口は言わないようにしよう。
 ・あのチームには、我々が見習うべき点がたくさんある。
   夫婦・ご隠居・生活の立て方・やり方を ~べき手本 商売・家事を~せる
[みなれる] 人ガ 人ものヲ
 ・見慣れた街角の光景の中に、何か違和感を覚えた。
 ・庭に見慣れない猫がいる。どこの猫だろう。
  顔つき・着物・制服姿・星を 見慣れた景色・光景・街角
  見慣れない生き物・男・品物・デザイン・文章・虫・老人
[みぬく] 人ガ ものヲ 
 ・子供は、大人のウソを見抜いているが、気付かないふりをする。
 ・教授は、彼女の素質を見抜いて助手にした。
   誤り・いかさま・意図・嘘・裏・お芝居・価値・からくり・考え・関係・偽装・偽造・
   気持ち・欠陥・仮病・才能・資質・魂胆・下心・弱点・実体・正体・真相・企み・手の内・
   秘密・不正・変装・本質・目的・弱みを 正確・的確に 素早く 鋭く
[みのがす] 人ガ ものヲ/文ヲ 
 ・今日は決勝戦のテレビ中継があったんだ! 見逃してしまった! 
 ・重要な問題点が見逃されているのに気づかず、あとで後悔することになった。
 ・子供が庭の柿をとっていくぐらいは見逃してやるさ。
   過ち・欠点・誤植・事実・不正・変化・横流し・死亡記事・好球を うっかり
[みはからう] 人ガ ものヲ 
 ・ちょうどよい時を見計らって、次の料理を出す。
 ・いとこの結婚の贈り物を、何か見計らっていただけませんか。
   タイミング・折・いない時・隙・留守・潮時・風向き・機嫌を 
[みはなす] 人ガ 人ものヲ
 ・あいつは医者も見放すような状態になるまで我慢していたらしい。ほとんど自殺だね。
 ・どうも今回ばかりは運に見放されたようだ。試験のヤマがまったくはずれた。
   医者が 病人・我が子を  見放される 運・運命の神様・親・幸運・つき・天に
[みはる] 人ガ ものヲ 
 ・「えっ!?」彼女がバッグから出した写真をみて、私は目を見張った。
 ・お前は裏口を見張っていろ。誰か来たら知らせるんだぞ。
 ・みんなの荷物を預かって、とられないように見張っていた。
   家・男・車・建物・駐車場・様子・行動・行き帰り・生活を 遠くから
[みまちがう] 人ガ 人・ものヲ 人・ものト
 ・英語の辞書だと思って持ってきたら、見間違っていた。フランス語の辞書だ。
 ・朝、寝ぼけて時計の針を見間違ったらしい。今から行ってもひどい遅刻だ。休むか。
   顔・字・図・時計の針・後ろ姿を
[みまもる] 人ガ 人・ものヲ 
 ・優しい両親に見守られて、私は何一つ不自由なく育った。
 ・神様が私たちをいつも見守っていてくださいます。
   赤ちゃん・子・表情・寝顔・手つき・動き・行列・言動・工事・効果・作業・
   事態の進行・推移・戦況・成り行き・変化を 気長に 興味深く じっと 慎重に
[みまわす] 人ガ ものヲ 
 ・父は、辺りを見回して、車を停める所を探していた。
 ・自分の周りを見回してみれば、結局同じような生き方をしてきた人間ばかりだ。
   辺り・家の中・会場・顔ぶれ・客席・左右・広場・本棚を きょろきょろ
[みまわる] 人ガ ものヲ
 ・最後に工場の中を見回ってから、うちに帰ることにしています。
 ・畑を見回って作物のでき具合をチェックした。
   辺り・家・家中・海辺・工場・周囲・田畑・畑・部屋・屋敷・山を じっくりと
[みむく] 人ガ 人・ものヲ
 ・手を上げていたのに、先生は一度も私のほうを見向いてくれなかった。
 ・この間、デートをすっぽかしてから、彼女はぼくのことを見向きもしてくれない。
   見向きもしない・されない
[みやぶる] 人ガ ものヲ
 ・あいつの嘘を見破るくらい簡単なことはない。うそを言うときは必ず眉毛が上がるんだ。
 ・レポートはコピぺを見破られて0点、単位はもらえなかった。世の中甘くない。
   いたずら・嘘・からくり・偽造・気持ち・計略・計画・ごまかし・招待・真意・真相・素性・
   度胸のなさ・ピンハネ・丸写し・回し者を  たちどころに 一目で にせものと 変装を
[みわける] 人ガ ものヲ/文ヲ 
 ・おいしいスイカを見分ける方法を教えてあげよう。
 ・この距離から、どの犬があなたの犬か(を)見分けられますか。
   色・顔・形・区別・魚・雌雄・種類・商品の価値・敵味方・品質・良し悪しを
   一目で 的確に 直感的に 鋭く めざとく 嘘と本当を 偽物か本物かを
[みわたす] 人ガ ものヲ 
 ・東京は見渡す限り、家、家、家だ。
 ・屋上からは町がひと目に見わたせる。
   辺り・会場・学界・左右・四方の景色・島全体・紙面・周囲・場内・世界・世間
  ・全体・店内・通り・畑・広場・問題を ぐるりと ざっと 端から端まで ~限り
[みわすれる] 人ガ ものヲ
 ・予定表を見忘れていて、午後の予定がわからない。
 ・天気予報を見ておいてと言われたのに見忘れてしまった。まあ、曇りだと言っておこう。
      顔・時計・予定表を うかうかと

<スル動詞>
[閲覧(えつらん)する]  人ガ ものヲ
 ・その本は貴重な本なので、許可をもらわないと閲覧することができません。
 ・書庫の中の本も自由に閲覧させてもらい、大変参考になった。
   図書・新聞・蔵書・貴重な本を ウエブサイトを 書き込みを
[観察(かんさつ)する]  人ガ 人・ものヲ
 ・社会学者の彼女は、毎日街を行き交う人々を観察している。 
 ・彼は、誰かに観察されているように感じていた。
   相手・動き・客・行動・周囲・状況・推移・生態・他人・内部・人間・反応・表情・様子を
   顕微鏡・望遠鏡・鋭い目で  実際に・子細に・慎重に・冷静に・客観的に・意地悪く
 [~の観察をする]
  ・子供が学校の宿題で毎日カイコの観察をしている。  
 〔人ガ 文ヲ〕
 ・雲が少しずつ形を変えていくのを観察し、写真に撮った。
 ・いろいろな昆虫が脱皮するところを観察してみたい。
 ・クモがどのように巣を張るのか(を)観察して記録した。
[鑑賞(かんしょう)する]  人ガ ものヲ
 ・私は、窓際に座る美しい女性の横顔を鑑賞していた。
 ・展覧会に行って美しい絵画を鑑賞するのが、私の楽しみです。
   絵画・歌舞伎・骨董品・古美術・実物・能楽・美術・名画を
 [~の鑑賞をする]
  ・奈良の寺へ行って、ゆっくり仏像の鑑賞をしたい。
[見学(けんがく)する]  人ガ ものヲ
 ・高校の生物の授業を見学した。
  ・留学生は工場を見学しに行った。
      学校・工場・作業・手術・勤務の様子を  じっくり・細かく・熱心に
 [~の見学をする]
  ・新しい実験室の見学をした。
 〔文ヲ〕
  工場でロボットが車を組み立てていくのを見学した。
[見物(けんぶつ)する]  人ガ ものヲ
  ・野球を見物してから食事をした。
 ・この名店街をしばらく見物して、時間をつぶしてから映画に行こう。
   サッカーの試合・物まね大会・ドラマの撮影現場・会場の中・けんかを  
 [~の見物をする]
  ・午後は市内の見物をした。
 〔文ヲ〕
 ・大道芸人が手品をするのを見物した。
[参照(さんしょう)する]  人ガ ものヲ
 ・細かい議論については、別冊の記録を参照してください。
 ・各種の翻訳を参照してみたが、どれもこの個所は誤訳している。
   一次資料・巻末ノート・原典・図・注・表・本文・別の版・日本語訳を
[視察(しさつ)する]  人ガ ものヲ
 ・社長は海外の工場を視察する旅に出た。
 ・大臣が災害の被害状況を視察したりするが、あんなことはムダなだけだ。
   外国・欧米諸国・各地・基地・現地・現場・戦線・前線・敵情・被害状況・被災地を
 [~の視察をする]
  ・文部科学大臣が教育現場の視察をして、いったい何がわかるのだろう?
[下見(したみ)する]  人ガ ものヲ
 ・田中先生が来週のハイキングのコースを下見してきたそうだ。
 ・この週末は、秋の修学旅行のホテルを下見しに行かなければならない。
 [~の下見をする]
  ・演奏会場の下見をした。なかなかいいホールだった。
[直視(ちょくし)する]  人ガ ものヲ
 ・事実を直視する勇気を持とう。
 ・我々はこの過酷な現実を直視しなければならない。
   現状・事実・事態・実態・歴史を  ありのままに 冷静に 目をそらさずに
[拝見(はいけん)する]  人ガ ものヲ
  ・失礼します。身分証明書を拝見します。
 ・入構許可証を拝見させていただきたいのですが、、、。
   切符・航空券・免許証・写真・作品・部屋・コレクション・お手並みを
[傍観(ぼうかん)する]  人ガ ものヲ
 ・私は成り行きを傍観していたわけではない。悲劇を食い止めようとしていたのだ。
 ・我々はどちらに味方することもできず、事態を傍観しているばかりだった。
   形勢・光景・惨劇・事件・世の中を  なすところなく 腕をこまねいて
[目撃(もくげき)する]  人ガ ものヲ
 ・一度だけ、交通事故を目撃したことがある。
 ・不審な人間を目撃した人はいませんか。
   一部始終・光景・殺人・事故の瞬間・犯罪・犯人を 実際に たまたま まざまざと
[脇見(わきみ)する]  人ガ
 ・授業中はきょろきょろ脇見(を)しないで、前を向いていなさい。
 ・運転しているときは、脇見(を)するな!


みせる(見せる)一(みせない・みせます・みせて・みせれば・みせよう) 
[1]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △みせたくない  みせかねない  みせてほしい  みせてもらう   みせておく
  みせられる  みせようとする  みせるべきだ  人には見せられない
 △[そっと/こっそり/ひそかに/堂々(どうどう)と/あからさまに]~。
 △[ノート/写真(しゃしん)/しばい/おどり/手品(てじな)/演技(えんぎ)/なみだ]を~。
  [自信(じしん)のほど/決意(けつい)/心のうち]を~。[姿勢(しせい)/そぶり]を~。
  [真実(しんじつ)/偽(いつわ)りのないところ/隠(かく)していたもの/胸(むね)のうち]を~。
  [一部分を/ちょっとだけ/見せられる部分だけ/初めのほうだけ/できているところだけ]~。
  [すべて/全貌(ぜんぼう)]を~。
 ・友だちに授業(じゅぎょう)のノートを見せてほしいと言われ、見せてあげた。
 ・父に恋人(こいびと)の写真を見せたら、「なかなかいい男じゃないか」と言ってくれた。
 ・加藤さんはいつも娘(むすめ)の写真を持っていて、人に見せたがる。コマッタ人ダ!!
 ・あんな良い映画(えいが)を見せられると、これまでの自分の生き方がはずかしくなる。
 ・ゆみ子さんのおどっている写真を友だちに見せられてびっくりした。
 ・応援(おうえん)に来てくれた恋人にいいところを見せようとしてシュートしたが、みごとにはず
  れてしまった。
 ・口で10回説明(せつめい)するよりは、1回やって見せたほうが良く分かる。
 ・いい物を見せてやろうか。
 ・あき子はどんなにくるしくても、涙(なみだ)一つ見せたことがない。
 ・先生は子どもたちにはいつも笑顔(えがお)を見せていたが、心の中には深い悲しみを持っていた。
 ・みんな冷たかったが、川口さんだけは私に厚意(こうい)を見せてくれた。
 ・ほんとうに自分が悪いことをしたと思っているのなら、あやまりに来るとか何とか、誠意(せい
  い)を見せるべきだ。
〔文ヲ〕
 ・祖母(そぼ)に息子(むすこ)が一人で歩けるようになったのを見せた。
 ・学生が実験(じっけん)に取り組んでいるところを見学者に見せた。
 ・ヘビが脱皮(だっぴ)するところをビデオで見せられた。
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕 
 △[新しい仕事に熱意(ねつい)を/初めての経験(けいけん)にとまどいを/私のことばに不満(ふ
  まん)そうな態度(たいど)を]~。
 ・どうした! もっと練習にやる気を見せろ!
 ・店長は、私の出した契約条件(けいやくじょうけん)にぜんぜん興味(きょうみ)を見せなかった。
 ・最近の学生は勉学に熱意が見られないとある教授(きょうじゅ)が言ったが、その教授がまったく
  授業に熱意を見せないのはなぜだろう。
 ・この大量失点(たいりょうしってん)に、Pチームは動揺(どうよう)を見せた。
[3]〔ものガ ものヲ〕
 △[傾向(けいこう)/盛(も)り上がり/たかまり/動き/変化(へんか)/展開(てんかい)]を~。
 ・海外からの参加者(さんかしゃ)を迎え、平和運動が大きな盛り上がりを見せた。
 ・後半(こうはん)に入ると、試合(しあい)は意外(いがい)な展開を見せた。
 ・新チームは予想(よそう)以上のまとまりを見せ、トーナメントで勝ち進んだ。
 ・今期の貿易(ぼうえき)は、輸出(ゆしゅつ)が大きな伸(の)びを見せた。
[4]〔人・ものガ (人ニ) 人・ものヲ 人・ものニ〕
  ・あのセールスマンは、安物(やすもの)を高級品(こうきゅうひん)に見せるのがうまい。
  ・落ち着いた服装(ふくそう)が、彼女を実際(じっさい)よりも知的(ちてき)な女性に見せている。
〔イ形-く/ナ形-に/-そうに/-ように〕 
  ・どうすれば実際よりも大きく見せられるか。
 ・女の人はどうして自分を若く見せたいのだろうか。
  ・和服(わふく)が姉を上品(じょうひん)に見せているが、本当はあんなもんじゃない。
  ・売り場の照明(しょうめい)は、食品(しょくひん)をおいしそうに見せるように考えられている。
  ・自分を偉(えら)そうに見せたってだめだ。すぐばれる。
  ・さも金持ちのように見せて、相手をだました。
 ・右から攻(せ)めるようにみせて、左から攻める。
[5]〔人ガ 人ニ 動詞-てみせる〕
 ・人にやらせるには、その前に自分でやってみせるといい。
 ・子どもが母親の前で踊(おど)りを踊って見せている。
 ・次の試合(しあい)は、絶対(ぜったい)に勝(か)ってみせる!

<複合動詞:みせ->
[みせあう] 人ガ 人ト ものヲ 
 ・友だちとノートを見せ合ったりして、いっしょに勉強した。
   写真・日記・互いの持ち物・服・恋人を
[みせかける] 人ガ ものヲ ものニ / 人ニ 文ト
 ・金持ちにガラスだまを宝石に見せかけて高く売りつけた。
 ・右に行くと見せかけて、左にボールを蹴った。
   自殺・心中・事故・他殺・親切・偶然に 規模を大きく さも疲れたと
[みせつける] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・おい、おい。おくさんとなかの良いところをそんなに見せつけるなよ。
 ・この戦争でP国はQ国に3日間まけてしまった。これはQ国の強さを内外にまざまざと見せつけ
  た戦争であった。
   威力・恐ろしさ・実力・実態・事実・写真・証拠・姿・違い・内部・仲のいいところ・
   人間のいやな部分・卑劣さ・本性・余裕・落差・若さを まざまざと
   あからさまに あらわに わざと これでもかと言うほど 実力・体力の差を

[みせびらかす] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・彼は自分の恋人を見せびらかすように大学内を歩き回った。
 ・自分の才能を見せびらかしてはいけない。ねたまれる。
   衣装・きれいな歯・子供・力・特徴・能力・秘蔵品・持ち物・若さを


ながめる(眺める)一(ながめない・ながめます・ながめて・ながめれば・ながめよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △ながめてみる  ながめつづける  ながめるといい
 △[ゆっくり/のんびり/ぼんやり/ゆったりと]~。
 △[景色(けしき)/風景(ふうけい)/雑誌(ざっし)/絵(え)/写真(しゃしん)/アルバム]を~。
 ・パーティーに出たけれど、たのしむ気持ちになれず、何となくほかの人を眺めていた。
 ・ぼんやりと外を眺めていないで、あなたもてつだってください。今日はいそがしいんですよ。
 ・ビルの上から眺めると、このまちは木が多いですね。
 ・町のぜんたいを見たければ、あのビルの屋上(おくじょう)にのぼって眺めればいい。
 ・頂上(ちょうじょう)から、ゆっくり下の方の景色(けしき)を眺めようとしたが、ざんねんながら、
   霧(きり)が出て来て、ほとんど見えなかった。
 ・本を読んで目がつかれた時は、遠くを眺めるといい。
 ・ひまなので、そこにあった雑誌(ざっし)をのんびり眺めていた。
 ・病院で診察(しんさつ)を待つ間、雑誌(ざっし)を眺めて時間をつぶした。
 ・ぼんやりテレビを眺めているうちに、ふと前に別れた恋人のことを思いだした。

<複合動詞:ながめ->
[ながめまわす] 人ガ ものヲ 
 ・会場をざっと眺めまわしてみたが、そのパーティーにはわたしの知っている人はいなかった。
 ・学校の屋上から辺りを眺め回している人がいる。何をしているんだろう。
 ・広い店の中を眺め回して、何か面白そうなものはないか探してみた。
     あたり・群衆・四方・周囲・本棚・新聞・空・風景を ぐるっと きょろきょろ
[ながめわたす] 人ガ ものヲ 
 ・ここからなら、かなり遠くまで眺め渡せます。
 ・高いところに上って、遊園地の中を眺め渡してみたが、特に異常はないようだった。
     海・左右・外・空・道・内部・列・家・向こう・夜景・出席者の顔を


みつめる(見つめる)  一(みつめない・みつめます・みつめて・みつめれば・みつめよう)
[1]〔人ガ 人・ものヲ〕
 △みつめてしまう  みつめてはいけない  みつめないほうがいい  みつめられる
 △[じっと/じっくり/熱心(ねっしん)に/冷静(れいせい)に/興奮(こうふん)して]~。
  △[海/絵(え)/相手(あいて)の顔(かお)/鏡(かがみ)/一点(いってん)/壁(かべ)]を~。
 ・彼は、長い間じっとその絵を見つめていた。
 ・「私の今の気持ち、分かるでしょう」と彼女に見つめられて、私は何も言えなくなってしまった。
  ・私は、相手の目をじっと見つめた。すると、相手は目をそらした。
 ・子どもはろうそくの明かりを見つめていた。妻はその横顔(よこがお)をやさしく見つめていた。

<複合動詞:みつめ->
[みつめあう] 人ガ ものヲ
  ・二人は互いの目を見つめ合っていた。いつまでも、、、。
 ・夫婦は、お互いを見つめ合うのではなく、二人が作って行く未来を見つめてほしい。
[みつめなおす] 人ガ ものヲ
  ・そう言われて、私はその絵をもう一度見つめ直した。
 ・今回のことは、自分自身を見つめ直すいい機会だと感じました。
 ・自分の人生をゆっくり見つめ直してみたい。何ができるのか、何をなすべきなのか。
 ・中年夫婦が、お互いの関係を見つめ直したりすると、やっかいなことになりかねない。


にらむ(睨む)  五(にらまない・にらみます・にらんで・にらべば・にらもう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
  △にらみかける  にらんでやる  にらんではいけない  にらまないほうがいい
  にらもうとする  にらまれる  にらむな!
 △[きつく/じろりと/鋭(するどい)い目で/恨(うら)めしそうに/怒(いか)りをこめて/]~。
  △[相手(あいて)/部下(ぶか)/犯人(はんにん)/私の顔(かお)/ドア/後ろ/窓のほう]を~。
  [状況(じょうきょう)/政治情勢(せいじじょうせい)/株価(かぶか)/円安の動き]を~。
  ・チャンピオンは、挑戦者(ちょうせんしゃ)の目をじっとにらんだ。
 ・教授(きょうじゅ)は、あくびをした学生をじろりとにらみ、にやっと笑った。
  ・社長は、株(かぶ)と為替(かわせ)の動きをにらんで、出荷(しゅっか)の調整をしている。
 ・その国の政治情勢をにらんで、新工場建設の是非(ぜひ)を判断(はんだん)しなければならない。
[2]〔人ガ 文ト〕
 ・妹はお菓子をつくえの引き出しに隠(かく)している、とにらんだのは正しかった。
  ・俺のにらんだとおり、やはりやつの言葉はウソだった。(「言葉はウソだ」とにらんだ)

[3]〔人ガ ものヲ もの(だ)ト〕
  ・警察はその男を犯人とにらんでいるが、まだ証拠(しょうこ)が見つからない。
  ・私は、彼女は40歳ぐらいだとにらんでいるんだが、女性の年はわからないからなあ。

<複合動詞:にらみ->
[にらみあう] 人ガ 人ト
 ・ケーキの残り一切れを間において、姉と妹がにらみ合っていた。
 ・A国とB国は、国境問題で長年に渡ってにらみ合っている。
        二人・両者が 間近で じっと 激しく 敵同士のように 
[にらみつける] 人ガ 人・ものヲ
 ・門に手をかけると、中にいた犬が私をにらみつけた。
 ・肉の最後の一切れに手を出そうとしたら、妻ににらみつけられた。
        相手・顔・計器・前方・敵を すごい目つき・恐ろしい顔で じろりと


のぞく(覗く) 五(のぞかない・のぞきます・のぞいて・のぞけば・のぞこう)
[1]〔人ガ (ものカラ) 所・ものヲ〕
 △のぞきたい  のぞいてみる  のぞいてはいけない  のぞかないほうがいい
  のぞこうとする  のぞかせる  のぞかれる  のぞくな! 
 △[ちょっと/ちらっと/そーっと/つい/じっと/じろじろと/こわごわ]~。
  △[隣(となり)のへや/室内(しつない)/池の中/掲示板(けいじばん)/サイト]を~。
  [未知(みち)の世界/他人の私生活(しせいかつ)/人の秘密(ひみつ)]を~。
  [穴(あな)/ドアのすきま/小さな窓(まど)/カーテンの陰(かげ)/へいの横]から~。
  ・あやしい男が隣の家の中を覗いている。空き巣(あきす)じゃないか?
 ・女子(じょし)更衣室(こういしつ)を覗いていてつかまった中学生がいる。バカだなあ。
 ・「山田さん、いない?」「今いない。前の喫茶店を覗いてみたら? いるかもしれないよ」
 ・展望台(てんぼうだい)の手すりから下を覗くと、はるか下に谷川(たにがわ)が流れている。
  ・私は暇(ひま)があると古本屋(ふるほんや)を覗いている。
 △[望遠鏡(ぼうえんきょう)/顕微鏡(けんびきょう)/むしめがね]を~。
 ・顕微鏡を覗くと、小さな生物がそれぞれ生きていて面白い。
 ・父に言われて望遠鏡を覗いてみたら、土星(どせい)の輪(わ)が見えた。
[2]〔所カラ ものガ〕
  ・ポケットからハンカチが覗いている。
 ・幼稚園(ようちえん)のバスの窓から小さな顔がのぞいた。
 ・雲の切れ間から月が覗いた。
                            
<複合動詞:のぞき->
[のぞきこむ] 人ガ ものヲ 
 ・電車の中で、隣の人の新聞をつい覗き込んでしまう。
 ・高いがけの上から谷底を覗き込んだら、命が縮むほど怖かった。
   穴・家・井戸・内側・顔・がけの下・川・人の心・寝顔・闇を 珍しそうに
[のぞきみる] 人ガ ものヲ
 ・隣のやつの答案をのぞき見たら変な答えが書いてある。教えてやりたいがそうも行かない。
 ・塀のすき間から中をのぞき見たが、誰もいなかった。
   動き・心・事の次第・深淵・外の風景・他人の生活・手紙・秘密・部屋を 隙間から

        
うかがう(窺う) 五(うかがわない・うかがいます・うかがって・うかがえば・うかがおう)
[1]〔人ガ もの・所ヲ〕
 △うかがってはいけない  うかがわないほうがいい  うかがわせる  うかがわれる
 △[ひそかに/横目(よこめ)で/おそるおそる/そっと/ちらちらと/油断(ゆだん)なく]~。
  △[あたり/あちこち/家の中/左右(さゆう)/まわり/外/内部(ないぶ)]を~。
  [すき/チャンス/絶好(ぜっこう)の機会/相手(あいて)の顔色(かおいろ)]を~。
  ・ドアのすき間から中を窺うと、三人の男が話をしていた。
 ・戸口(とぐち)の方を窺うと、誰かがいるようだった。
 ・油断なく左右を窺いながら、慎重(しんちょう)に一歩(いっぽ)一歩前に進んでいった。
 ・ここは焦(あせ)って攻撃(こうげき)せずに、相手の出方(でかた)を窺おう。
[2]〔ものガ (ものカラ)〕 (可能・自発の形で)  
 △[努力(どりょく)/意気込(いきご)み/才能(さいのう)]が うかがえる/うかがわれる
 ・この作品からは、作者の並々(なみなみ)ならぬ努力と意気込みがうかがえる。
 ・相手の攻撃(こうげき)のしかたから、かなりの焦(あせ)りが窺われる。
 ・向こうから対戦(たいせん)を申し込んでくるなんて、自信(じしん)のほどが窺われるね。
[3]〔ものガ ものヲ)〕 (使役の形で)    
  ・彼のやる気を窺わせる手紙が来た。 (その手紙から、彼のやる気がわかる)
 ・筆者(ひっしゃ)の有り余る才能(さいのう)を窺わせる文章だ。  


のぞむ(望む) 五(のぞまない・のぞみます・のぞんで・のぞめば)
[1]〔ものガ ものヲ〕
  ・このホテルは北に富士を望む絶景(ぜっけい)の地に立てられています。
 ・眼下(がんか)に海を望む展望台から、遙(はる)かな水平線(すいへいせん)を眺めた。

<スル動詞>
[展望(てんぼう)する]  人ガ ものヲ
 ・丘の上から遠くの山々を展望すると、しみじみと自然の美しさを思う。
 ・今、我が社の将来を展望してみると、明るい材料ばかりとは言えない。
 [~の展望をする]
  ・ここで、二十一世紀の日本の展望をしてみたい。

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