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[14] 届く・着く・送る

      届く  
      届ける  届け出る  送り届ける
      着く   帰り着く たどり着く 行き着く  こぎ着ける
      送る   送り返す 送り込む 送り出す 送りつける 送り届ける 見送る
      達する  ゴールする 到着する 到達する

[15] 近づく・遠ざかる

     近づく  近づける 近寄る   接近する   
      遠ざかる 遠ざける 遠のく             

[16] 沈む・沈める 潜る

      沈む   沈み込む  沈没する  
      沈める
      潜る   潜り込む  潜水する

[17] 浮く・浮かぶ・浮かべる

      浮く   浮き上がる 浮き出す 浮き立つ 浮き出る  浮上する  
      浮かす
      浮かぶ  浮かび上がる 浮かび出る
      浮かべる

[18] 流れる・流す

      流れる  流れ歩く 流れ込む 流れ去る 流れ出す 流れ出る 流れ着く  
      流す   流し込む 流し去る

[19] 止まる・止める

       止まる  立ち止まる    
           ストップする 静止する 断水する 停止する 停車する 停滞する
      止める  差し止める せき止める 引きとめる
           ストップする 制止する 駐車する 停止する 
      留まる  思いとどまる 踏みとどまる  足踏みする
      留める  押しとどめる

  

 [14] 届く・着く・送る
 出発点から到着点までの移動を表す表現だが、到着点に注目した表現。
 到着点をニ格で示す。出発点をカラ格、到着点をマデ格で示す場合がある。

◇とどく
「届く」は、送ったものが目的地に行くこと。「-ている」の形は結果の状態を表す。
      ものガ (所カラ) 所ニ とどく
    いなかから小包が届く  家に荷物が届いている 
 何か延ばしたものが向こうに行き着くこと。 
    手が天井に届く  積もった雪が屋根に届くほどだ
 ひゆ的に、精神的な事柄にも使う。
   ものガ 人ニ とどく
    生徒に監督の目が届かない  気持ちが相手に届く
◇とどける
 「届ける」は、「届く」に対応する他動詞で、相手にものが届くようにすること。また、役所など
 にある事柄について連絡をし、書類を出すこと。
      人ガ 人ニ ものヲ とどける
    商店が客に商品を届ける   被害を警察に届ける
・複合動詞
 「届け出る」は、役所などに届ける用法をはっきり示す形。
 「送り届ける」は、大事なものを安全に届けることを表す。
    役所に住所変更を届け出る  書類を会社に送り届ける
◇おくる
 「送る」は、こちらのものを遠いところに行くようにだすこと。「届く」がものの到着にかかわる
のに対して、「送る」はその出発点での人の行為を表す。出発点をカラ格、到着点をニ格で示すが、
出発点は特に示さないことが多い。
   人ガ 人・所ニ ものヲ おくる
        知人に小包を送る     手紙・メールを送る     外国に荷物を送る
 「人ガ人ニものヲ送る」に意味的に対立するのは、「ものガ人ニ届く」。視点が「(送る)人」から
「もの」に移動する。相手に視点を移せば、「人ガものヲ受け取る」になる。
    母が知人に手紙を送る  手紙が知人に届く  知人が手紙を受け取る
 対象が人の場合、どこかへ行く人とある地点まで一緒に行くこと。対象となる人がそこからさらに
遠くへいく場合、「見送る」で表すことが多い。
   人ガ 人ヲ 所マデ おくる
    彼女を家まで送る  知人を駅まで送る  港で旅行に行く知人を 送る/見送る 
 対象が時間や季節の場合、その時間を過ごし、それが過ぎていく中で生きることを表す。
   人ガ ものヲ おくる
    行く春を送る  静かな晩年を送る
・複合動詞:「おくり-」の形で、移動のどの地点に注目するかや、送り手の態度などを表しわける。
 「送り返す」は、人から送ってきたものをもとの所へまた送ること。
 「送り込む」は、ある目的をもってものを送ったり、人を派遣したりすること。
 「送り出す」は、特に出発点の行為に注目した表現。ひゆ的に、人を世の中に出すことを言う。
 「送り付ける」は、相手の都合・迷惑を考えず、送ってしまうこと。
 「送り届ける」は、大事なものを安全に届けることを表す。
      欠陥商品を送り返す  産業スパイを送り込む  荷物を送りだす  卒業生を送り出す
   犯行声明を送り付ける  設計図を送り届ける
 「-おくる」の形では、「見送る」がある。人がどこかへ行く時、あるところまでついて行って、
  そこで人が去るのを見ていること。
      友人の出発を空港で/まで 見送る
 「贈る」は、ものを人にあげること。「対人関係」のところで扱う。
◇つく
 「着く」は、人・ものが自分の力、あるいは誰かに送られて目的地まで行くこと。「-ている」の
形は、結果の状態を示す。
      人・ものガ 所ニ つく
    4時間で山小屋に着いた    列車が東京に着く  荷物は家に着いている
・複合動詞
 「帰り着く」は、どこかへ行ったあと、元の所へ安全に戻ること。
 「たどり着く」は、苦労してやっと目的地に着くこと。
 「行き着く」は、行こうとしたところへ最終的に着くこと。
 「こぎ着ける」は、船をこいで目的地に着くこと。ひゆ的に、努力して目的を達成すること。
   長旅から家に帰り着く  南極点にたどり着く  二本の道が行き着くところは同じだ
   船を対岸にこぎ着ける  契約にこぎ着ける  
◇たっする
 「達する」は、ある(目標にした)ところまで行くこと。ヲ格をとって、あることを実現させること。
 「-ている」の形は、結果の状態を示す。書きことばでよく使われる。
      人・ものガ 所ニ たっする
       登山隊が頂上に達する  技術が水準に達している  目的を達する
・スル動詞
 「ゴールする」は、人がゴールに達すること。ボールなどをゴールに入れて得点すること。
 「到着する」は、人やものが目的地に着くこと。「到達する」は、人や物事が目的としているとこ
  ろに達すること。「到着」と違って、達するのが困難であることが含まれる。
    ランナーがゴールする  駅に到着する  目標・北極点に 到達する 


とどく(届く)五(とどかない・とどきます・とどいて・とどけば) 
[1]〔ものガ 所ニ/マデ〕           所カラ
 △とどきそうだ  とどきはじめる  とどいてほしい  とどいてしまう
  とどかないようにする  とどかせる  とどくようになる 
 △[そろそろ/やっと/なんとか/どうにか/ぎりぎり/ゆうゆうと]~。
 △[荷物(にもつ)/郵便(ゆうびん)/宅配便(たくはいびん)/手紙/たより/知らせ]が~。
 ・お便(たよ)り届きました。お元気そうで何よりです。私たちも元気で暮らしています。
 ・10日も前に出した手紙がまだあいてに届いていなかったそうだ。
 ・毎年お歳暮(せいぼ)が親戚(しんせき)から届く。良き日本の慣習(かんしゅう)だ。
 ・マッチは子どもの手の届かない所においてください。
 ・A:私が送った荷物、もう届いた?
  B:うん、届いているよ。
 ・せっかくプレゼントを上げても、すぐにお返しをされると、気持ちが届いているのか心配(しん
  ぱい)になる。(あいての心に)
 ・8月15日。二度と戦争が起こらないように祈る。私たちの祈(いの)りは天に届くのだろうか。
 ・投げた石が初めて川の向こう岸(むこうぎし)に届いたのは小学校の5年生のときだった。
 ・うちのむすめは4才になって、このごろ電気のスイッチに手が届くようになった。
 ・このプールは少し深いから、子どもは背(せ)が届かない。(=足が底(そこ)に届かない)
 ・昨日の大雪(おおゆき)で、雪が屋根(やね)まで届くほど積(つ)もった。
 ・教室(きょうしつ)が広すぎて、声(こえ)が後ろまで届かない
 ・仕事が多いのでこまかい所にまで目が届かない。


とどける(届ける)一(とどけない・とどけます・とどけて・とどければ・とどけよう) 
[1]〔人ガ 所ニ/ヘ ものヲ〕
 △とどけたい  とどけてほしい  とどけておく  とどけてある  とどけてもらう
  とどけてはいけない  とどけなくてはいけない  とどけようとする   
  とどけさせる  とどけられる  とどけさせられる
 △[かならず/ぜったいに/なんとかして/がんばって/いつも/たまに/ときどき]~。
 △[品物(しなもの)/荷物(にもつ)/手紙/小包(こづつみ)/プレゼント/書類(しょるい)]を~。
 ・父にたのまれて会社へ書類(しょるい)を届けに行った。
 ・店で頼(たの)めば買った物を家に届けてくれるが、料金(りょうきん)を取られることもある。
 ・結婚式場(けっこんしきじょう)にお祝(いわ)いの電報(でんぽう)がたくさん届けられた。
 ・宅配便(たくはいびん)の業者(ぎょうしゃ)は、荷物を決まった時間に届けようとして、かなりむ
  りをしている。
[2]〔人ガ (ものヲ) 人ニ〕
 ・子どもの名前を役所(やくしょ)に届けてきます。
 ・学生が掲示板(けいじばん)にポスターを出す時は学生係(がかり)に届けなくてはならない。
 ・公園(こうえん)でひろった財布(さいふ)を警察(けいさつ)に届けた。
 ・夏休み中の予定(よてい)を先生に届けて(=しらせて)ください。

<複合動詞:とどけ->
[とどけでる] 人ガ ものニ ものヲ
 ・夏休みに旅行(りょこう)する人は行き先と期間(きかん)を学生係に届け出てください。
 ・ひっこしした時は2週間(しゅうかん)以内に市役所(しやくしょ)に(そのことを)届け出なくては
  いけない。
<複合動詞:-とどける>
[おくりとどける] 人ガ ものヲ 所ニ                             
 ・デパートでは、たのめば、買った物を家まで送りとどけてくれます。
 ・酔っぱらった友人を家まで送り届け、奥さんの呆れ顔を見てきた。
       

つく(着く) 五(つかない・つきます・ついて・つけば・つこう) 
[1]〔人・ものガ 所ニ〕
 △つきそうだ  ついてしまう  つかなくてはいけない  
 △[やっと/そろそろ/もう少しで/少し遅れて/10分以内に/時間ちょうどに]~。
 △[むこう/ホテル/宿屋(やどや)/駅(えき)/空港(くうこう)]に~。
 ・飛行機が遅(おく)れて、夜の10時ごろやっとホテルに着きました。
 ・雪(ゆき)のために列車(れっしゃ)の着くのが30分おくれた。(列車が駅に)
 ・ちょっと遅れますが、5時ごろには着けそうです。(着く:着ける)
 ・まもなくお客さまがお着きになります。(お客がここに)
 ・あれからもう3か月もたちますが、あなたが送ってくれたというプレゼントは、まだ着きません。
  (私の所に)
 ・そろそろ会を始めますので、席(せき)について下さい。

<複合動詞:-つく>
[かえりつく] 人ガ 所ニ
 ・大雪のあとなので、家に帰りつくのに3時間もかかった。
 ・高速道路がひどい渋滞で、帰り着いたのは夜中の1時だった。
   家・アパート・自宅に 無事に 母国に
[たどりつく] 人ガ 所ニ 
 ・何時間も山道を歩いて、ようやくふもとの村にたどり着いた。
 ・郊外に家を買ったのはいいが、毎朝会社にたどり着くまでに疲れてしまう。
 ・地震で電車が動かないので、5時間歩いてやっと家にたどり着いた。
  ・ふらふらになりながらも、なんとか無事にゴールにたどり着くことができた。
   家・玄関・宿舎・頂上・目的地・生まれ故郷・完成・境地に かろうじて
[いきつく(ゆきつく)] ものガ 所ニ
 ・おれたちのような悪人が最後に行き着くところはここ、刑務所だ。
 ・彼女とわたしの研究の方法は少しちがうが、行き着くところは一つだ。
 ・この道がどこへ通じているか分からないが、行き着けるところまで行ってみよう。
      行くところまで ひた走りに  ~先が見える ~所まで押し進む            
[こぎつける] 人ガ ものヲ ものニ
 ・我々は船を対岸にこぎつけた。
 ・長い間苦労して、やっと自分の店の開店にこぎつけた。
 ・何とか契約までこぎつけたい。
      開催・完成・契約・結婚・合意・婚約・実現・卒業・逮捕・着工・調印に

 
おくる(送る) 五(おくらない・おくります・おくって・おくれば・おくろう)
[1]〔人ガ (ものデ) 人・所ニ/へ ものヲ〕
 △おくりつづける  おくってもらう  おくってもいい  おくったほうがいい 
  おくらなければならない  おくらせる  おくられる  おくろうとする
  おくれ!  おくるな!  
 △[いつも/ときどき/何度も/少しずつ/まとめて/一度に]~。
 △[郵便(ゆうびん)/小包(こづつみ)/航空便(こうくうびん)/船便(ふなびん)]で~。
  [手紙(てがみ)/メール/荷物(にもつ)/お金/贈り物/食べ物/本]を~。
 ・P社にサンプルを速達(そくたつ)で送ってください。
 ・このてがみを航空便(こうくうびん)で送りたいのですが、いくらかかりますか。
 ・外国の友だちにクリスマス・カードを送りたかったが、住所(じゅうしょ)が分からなかった。
 ・父はわたしに学資(がくし)を毎月6万ずつ送ってくれます。
 ・家から送った荷物は、ぜんぶ無事(ぶじ)に下宿に届いた。
 ・毎日たくさんのダイレクトメールが送られてくるが、開けもせずにゴミ箱行きだ。
[2]〔人ガ 人ヲ 所マデ〕
 △人を[家/駅(えき)/バス停(てい)]まで~。
 ・そのホテルは客をバスで駅まで送るサービスをしている。
 ・もう暗くなってきましたね。息子(むすこ)にバス停まで送らせますよ。
 ・A:ずいぶんおそくなっちゃった。(アパートまで)送ってくれる?
  B:うん、いいよ。
  A:お茶ぐらいごちそうするね。
  B:お茶だけ? もうちょっといいことないかなあ...。
[3]〔人ガ ものヲ〕
 △[休暇(きゅうか)/きらくな日々/たのしい毎日/ゆたかな生活/ゆめのような月日/さびしい
  一生]を~。
 ・老後(ろうご)は、ゆたかな生活をおくりたいものだ。
 ・こちらでは、たのしい毎日をおくっています。

<複合動詞:おくり->
[おくりかえす] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・このアンケートの返事は今月中に送り返さなければなりません。
 ・彼女に出したラブレターとプレゼントが送料受取人払いで送り返されてきた。
[おくりこむ] 人ガ 人・ものヲ ものニ
 ・プールでおぼれて仮死状態の男の子の肺に、人工呼吸で空気を送り込んだ。
 ・日本はオリンピックに200人の選手団を送りこんだ。
   風・エネルギー・空気・新風・人・役員・スパイ・大軍・調査隊を 大量に
[おくりだす] 人ガ 人ヲ ものニ
 ・涙をこらえて夫を戦地に送り出した。
 ・あの奥さんは毎朝にこやかな笑顔で御主人を送り出している。でも、本当はなかが悪いそうだ。
 ・本校は今年も三百余名の卒業生を無事に送り出すことができました。
   一行・家人・作家・ストレート・卒業生・荷・娘を 学校に・戦地に 世・社会に
[おくりつける] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・田中がデパートから高そうな酒を私の家に送りつけて来た。何か頼みたいことでもあるのだろう。
 ・犯人は犯行声明を警察に送りつけて、警察を挑発した。
   テープ・手紙・荷物・果たし状・犯行声明・報告書を
[おくりとどける] 人ガ ものヲ 所ニ 
 ・デパートでは、たのめば、買った物を家まで送りとどけてくれます。
 ・酔っぱらった友人を家まで送り届け、奥さんの呆れ顔を見てきた。
   妹・客・冊子・洋服・酔っぱらいを 家まで 家に 無事に 一刻も早く
<複合動詞:-おくる>
[みおくる] 人ガ 人・ものヲ / 人ガ 文ヲ           
 ・国へ帰る友だちを空港で見送った。
 ・見送りに行きますから、出発の時間を知らせてください。
 ・結婚する姉がふるさとへ帰るのを見送った。私も結局そうするのだろうか。
 ・緊張したバッターは絶好球を見送ってしまった。
 ・いい応募者がいないので、今回は採用を見送りましょう。
   夫・親・客・旅立ち・電車・一行・後ろ姿・背中・葬列を 解散・議決・告発・採用・
   実施・受験・出撃・出発・増税・提案・賃上げを いつまでも 黙って  兄が帰るのを
       
たっする(達する)  サ変(たっしない・たっします・たっして・たっすれば・たっしよう)
[1]〔人・ものガ 所ニ〕
 △たっしそうだ  たっしてほしい  たっするために  たっしないかもしれない
  たっしなければならない  たっしろ! 
 △[なんとか/どうにかして/ぎりぎり/ようやく/楽(らく)に/問題なく]~。
  ・とうとう登山隊が山頂に達した。
 ・42.195kmを走りぬけて、先頭ランナーがゴールに達するまであとわずかです!
[2]〔人・ものガ ものニ〕
  ・両国は貿易交渉(ぼうえきこうしょう)において合意(ごうい)に達した。
  ・長い議論(ぎろん)を経て、やっと結論(けつろん)に達することができました。
 ・我々はすでに疲労(ひろう)の極(きょく)に達していた。
[3]〔ものガ ものニ〕
 △[怒(いか)りが頂点(ちょうてん)に/交渉(こうしょう)が合意(ごうい)に/出席者(し
  ゅっせきしゃ)が過半数(かはんすう)に/観測値(かんそくち)が最高値に]~。
 ・原発(げんぱつ)反対のデモの参加者(さんかしゃ)は2万人に達した。
 ・今回の災害(さいがい)の被害総額(ひがいそうがく)は数兆(ちょう)円に達すると見られている。
 ・参加(さんか)の申し込みは、定員(ていいん)に達し次第(しだい)、しめ切らせていただきます。
 ・我(わ)が社の技術(ぎじゅつ)は世界水準(すいじゅん)に達していると言える。
 ・スターの登場(とうじょう)で、会場の盛り上がりは最高潮(さいこうちょう)に達した。
 ・彼女の歌は、ほとんど人間国宝(にんげんこくほう)の域(いき)に達しているね。
 ・悟(さと)りの境地(きょうち)に達するとはどういうことなのか、いろいろ調べてもわからない。
[4]〔人ガ (ものデ)ものヲ〕
 ・人生の目的(もくてき)を達することができる人は少ない。
  ・ついに新しいすい星を発見し、子どものころからの望みを達することができた。

<スル動詞>
[ゴールする] 人ガ 
 ・先にゴール(を)したのはどちらか、写真判定を待ちます。
 ・42.195キロを走りきって、ついに1位でゴール(を)しました! 
[到着(とうちゃく)する]  人・ものガ 所ニ
 ・夜遅くなって、我々の車は目的地に到着(を)した。
  ・やっと荷物が到着(を)した。
[到達(とうたつ)する]  人ガ 所ニ
  ・探検隊が南極点に到達(を)した。
 ・うちの店の年間売り上げが1億円に到達(を)するのはいつだろうか。
   かなりのレベルに  長い議論の末、結論に

[15] 近づく・遠ざかる 

◇ちかづく
  「近づく」は、何かの近くに行くこと。「-ている」の形は、現在の動きと結果の状態のどちらも
表しうる。「-ていく/てくる」の形もよく使われる。「-つつある」の形は書きことば。ひゆ的に、
人と親しくなろうとすること、ものが似てくることを表す。その場合、ト格をとりうる。時間的なこ
とに関しても言う。
      人・ものガ 人・ものニ ちかづく
    今、地球にすい星が近づいている  ネコが近づいてきた  台風が近づきつつある
       経済界の大物に近づこうとする  先生に/と 考え方が近づいてきた
    卒業の日が近づいている    プロジェクトが終わりに近づいてきた
◇ちかづける
  「近づける」は、人が何かを別のものの近くに移動させること。物理的な移動と、ひゆ的な用法が
ある。
      人ガ もの・人ヲ もの・人ニ ちかづける
    船を岸に近づける  政治家に美人のスパイを近づける  成績を全国平均に近づける
◇ちかよる
  「近寄る」は、人が何かの近くに行くこと。「近づく」がものや時間的なことでも言えるのに対し
て、「近寄る」は人か動物の意志的な動きを表す。
      人ガ 人・ものニ ちかよる
    危険物に近寄るな  公園でシカが近寄ってきた
◇とおざかる
  「遠ざかる」は、何かから遠くに離れていくこと。「-ていく」と共によく使われる。
      人・ものガ ものカラ とおざかる
       船が(岸から)遠ざかっていく  理想から遠ざかってしまう
◇とおざける
  「遠ざける」は、何かを遠くに離すこと。心理的に避ける意味でも使われる。
      人ガ もの・人ヲ もの・人カラ とおざける
       危険物を遠ざける  子どもを危険から遠ざける  男を遠ざける
◇とおのく
  「遠のく」は、何かが遠くに離れていくこと。抽象的な事柄によく使われる。
      ものガ とおのく
    足音が遠のく  危険が遠のいた    財政再建が遠のく


ちかづく(近付く) 五(ちかづかない・ちかづきます・ちかづいて・ちかづけば・ちかづこう)
[1]〔人・ものガ 人・ものニ〕
 △ちかづきそうだ  ちかづきにくい  ちかづいてくる・いく  ちかづいてみる
  ちかづいてしまう  ちかづいてはいけない  ちかづいてもだいじょうぶだ
  ちかづかないようにする  ちかづかせる  ちかづかれる  ちかづいてこられた  
 △[すこしずつ/じわじわと/どんどん/一気(いっき)に/ぐっと/ぐんぐん]~。
  [おそるおそる/こわごわ/どうどうと/おそれずに/わざと/うっかり/つい]~。
 △[岸(きし)/火/ライオン/政治家(せいじか)/終わり/本物(ほんもの)]に~。
 ・よる、一人で歩いていると、男が一人わたしに近付いて来た。
 ・父は今きげんが良くないから、あまり近付かない方がいい。
 ・近付いても安全な動物と、近付くとあぶない動物がある。
 ・むこうから友だちの山田くんが歩いて来ると思ったが、近付いてよく見たら知らない人だった。
 ・船(ふね)がゆっくりと港(みなと)に近付いて来た。さあ、この船で出発(しゅっぱつ)するぞ。
 ・頂上(ちょうじょう)に近付くと、まわりは岩(いわ)ばかりになった。
 ・田中は下心をもって、社長に近付くチャンスをねらっている。
 ・台風が近付きつつある(近付いている)ので、海があれている。
 ・一か月の長旅(ながたび)もいよいよ終りに近付いた。
 ・下絵(したえ)に色をぬったら、だいぶ本物に近付いて来た。
[2]〔ものガ〕
 △[夏休み/試験(しけん)/卒業(そつぎょう)/誕生日(たんじょうび)]が~。
 ・試験(しけん)が近付くと、大学の図書館(としょかん)は学生でいっぱいになる。
 ・結婚(けっこん)の日がいよいよわずか三日後に近付いた。


ちかづける(近付ける) 一(ちかづけない・ちかづけます・ちかづけて・ちかづければ・ちかづ
  けよう) 
[1]〔人ガ 人・ものニ 人・ものヲ〕
 △ちかづけすぎる  ちかづけにくい  ちかづけてみる  ちかづけておく  ちかづけてある
  ちかづけてはいけない  ちかづけようとする  ちかづけないようにする
 △[少しずつ/もっと/かなり/ぐっと/ぐいっと/一気(いっき)に/極端(きょくたん)に]~。
  [むりに/強引(ごういん)に/わざと/意識的(いしきてき)に/うっかり/つい]~。
 △[レベル/水準(すいじゅん)/学力]を~。
 ・あぶないから、ガソリンに火を近付けてはいけない。
 ・あまり目を近付けて本を読むと、目が悪くなりますよ。
 ・わたしたちのレベルをあの人たちの(のレベル)に近付けるには何をすればよいか。
 ・この子どもたちの学力を何とか、全国の平均(へいきん)に近付けてやりたい。


ちかよる(近寄る) 五(ちかよらない・ちかよります・ちかよって・ちかよれば・ちかよろう)
[1]〔人ガ 人・ものニ〕
 △ちかよりかける  ちかよってみる  ちかよってくる  ちかよってはいけない
  ちかよれない  ちかよろうとうする  ちかよらせる  ちかよられる 
 △[少しずつ/もっと/かなり/ぐっと/ぐいっと/一気(いっき)に/極端(きょくたん)に]~。
 △[そっと/大きく/急に/おずおずと/おそるおそる/大胆(だいたん)に]~。
  [むりに/強引(ごういん)に/わざと/意識的(いしきてき)に/うっかり]~。
 △[女性/子ども/車/馬/危険物(きけんぶつ)/火/機械(きかい)]に~。
 ・あぶないから、この機械(きかい)に近寄るな。
 ・よる道を歩いていると、知らない男が近寄って来た。
 ・カブキ町は悪い店がたくさんあるから、近寄らない方がいい。
  ・駅の地下道(ちかどう)を歩いていると、知らない男が近寄ってきた。
 ・道に蛇(へび)がいる、と思って近寄っていくと、折(お)れた木の枝(えだ)だった。
 ・子どもを火に近寄らせないように注意(ちゅうい)してください。
 ・クラスのかわいい子に「わたしに近寄らないで。」と言われてしまった。ショック。
 ・あの人はなんだかこわそうで、近寄りがたい。
 ・興奮(こうふん)している馬に近寄るのは危険ですよ。 
 ・理由は知りませんが、あのへやに近寄ってはいけない、と言われています。   
 ・あの人はなんだかこわそうで、近寄りがたい。

<スル動詞>
[接近(せっきん)する]  人・ものガ 人・ものニ
 ・大型の台風が接近するにつれて、風雨が激しくなってきた。
 ・最近、男たちが私に接近してくるようになった。整形した効果かしら。 


とおざかる(遠ざかる)  五(とおざからない・とおざかります・とおざかって・とおざかれば
  ・とおざかろう)
[1]〔人・ものガ ものカラ (所ヲ)〕
 △とおざかってゆく  とおざかってしまう  とおざかってはいけない
 △[少しずつ/次第(しだい)に/急速(きゅうそく)に/かなり/はるかに/知らぬ間(ま)に]~。
  △[足音(あしおと)/爆音(ばくおん)/汽笛(きてき)/雷(かみなり)/雷鳴(らいめい)]が~。
  [人々/人の心/互いの気持ち/人の気配(けはい)/意識(いしき)]が~。
  ・あの人を乗せた船が港(みなと)を出て遠ざかってゆく。
 ・モーターボートは海面(かいめん)を滑(すべ)るように遠ざかっていった。
 ・もう雷は遠ざかったみたいですね。さっきはちょっと心配しましたが。
 ・最近、この分野(ぶんや)の研究からはずいぶん遠ざかってしまった。
 ・私たちのやってきたことは、次第に目標(もくひょう)から遠ざかっているように思う。
 ・現実からはるかに遠ざかった理想(りそう)を求めて、戦(たたか)う人々がいる。

       
とおざける(遠ざける)  一(とおざけない・とおざけます・とおざけて・とおざければ・とお
  ざけよう)
[1]〔人ガ 人・ものヲ (ものカラ)〕
 △とおざけたい  とおざけておく  とおざけてしまう  とおざかけてはいけない
  とおざけようとする  とおざけさせる  とおざけられる  とおざけろ! とおざけるな!
 △[少しずつ/次第(しだい)に/できるだけ/遠くに/意識(いしき)して/つい]~。
 △[人/他人/女性/子ども/外国人]を~。[火/危険物(きけんぶつ)/酒/犬]を~。
  [戦争/滅亡(めつぼう)/問題/現実/世の中/苦しみ/悲しみ]から~。
  ・彼は人を遠ざけ、ひたすら実験室(じっけんしつ)にこもって一人で研究を続けた。
  ・私の気のせいかもしれないが、私はどうも若い女性から遠ざけられているようだ。
 ・
  ・人類(じんるい)をいかに滅亡から遠ざけるか。私の願いはただそれだけだ。
  ・子どもを世の中の悲惨(ひさん)さからできるかぎり遠ざけておきたいと思う。


とおのく(遠のく)  五(とおのかない・とおのきます・とおのいて・とおのけば・とおのこう)
[1]〔人・ものガ ひと・ものカラ〕
 △とおのいていく  とおのいてしまう  とおのかせる  とおのけろ!  とおのけるな!
 △[次第(しだい)に/急に/かなり/はるかかなたに/残念(ざんねん)ながら]~。
  △[思い出/関心(かんしん)/望み/チャンス/機会(きかい)/夢の実現(じつげん)]が~。
  ・足音(あしおと)は私のへやの前を通り過ぎ、次第に遠のいていった。
 ・広場にあふれていた群衆(ぐんしゅう)もすこしずつ去り、ざわめきも遠のいていった。
 ・私にとって生涯(しょうがい)一度のチャンスは、あっけなく遠のいてしまった。
 ・昔の記憶(きおく)ははるか遠のいて、ぼんやりとしか思い出せない。
  ・交渉(こうしょう)の現状(げんじょう)は、問題の解決(かいけつ)からはるか遠のいてしまったよ
  うだ。
  ・頭を打った時、意識(いしき)が次第に遠のいていくのが自分でもわかった。これで死ぬのか、と。

[16] 沈む・沈める・潜る

◇しずむ
 「沈む」は、ものが水面から底のほうへ動いていくこと。また、太陽や月が地平線より下に動いて
見えなくなること。
   ものガ (所ニ)しずむ
    船が沈む  日が沈む  石が水底に沈んでいく
 ひゆ的に、地味な色や何かが悪い状態になることも言う。
    沈んだ色合い  気持ちが沈む  マットに沈む(ボクシングで)
・複合動詞
 「沈み込む」は、すっかり沈むこと。特に気持ちに関していう。
    彼女は最近沈み込んでいる
◇しずめる
 「沈める」は、「沈む」に対応する他動詞で、ものを水面より下に「沈む」ようにすること。
   人ガ ものヲ (所ニ)しずめる
    敵の船を沈める  計測機器を湖底に沈める
 ひゆ的に、体を低い状態にすることや、社会的に苦しい状況になることなどをいう。
      ソファーに身を沈める  悲惨な境遇に身を沈める  挑戦者をマットに沈める
・スル動詞
 「沈没する」は大きな船などについて言う。
    タンカーが沈没した
◇もぐる
 「潜る」は、体全体を水の中に入れること。
   人ガ ものニ もぐる
    ダイバーが海に潜る  ペンギンが水に潜る 
 体を何かの中に入れることも言う。
    こたつに潜る   穴の中に潜る
 ひゆ的に、社会から隠れることも言う。
    地下に潜る
・複合動詞
 「潜り込む」は、水などの中に体を深く入れること。ひゆ的に、ひそかに入ることを言う。
    海底・ふとんに 潜り込む  会場・敵地に 潜り込む
・スル動詞
 「潜水する」は、人やそのための船がが水の中に潜って活動すること。
    潜水艦が深く潜水する  


しずむ(沈む)五(しずまない・しずみます・しずんで・しずめば) 
[1]〔ものガ 所ニ〕
 △しずみそうだ  しずみかける  しずんでしまう  しずんではこまる  しずんでいく
  しずまないようにする  しずませる  しずむな!
 △[ゆっくり/急に/とつぜん/すぐに/ずぶずぶと/あっと言うまに]~。
 △[船/貨物船(かもつせん)/日/夕日(ゆうひ)/月/三日月(みかづき)]が~。
 ・この船は絶対に沈みませんから安心してください。船から落ちたら、、、それは知りません。
 ・台風(たいふう)で船が海に沈んだ(=沈没(ちんぼつ)する)。
 ・この海のそこには宝物(たからもの)を積(つ)んだ船が沈んでいる。
 ・この車は水に落ちてもすぐには沈まないように作られています。
 ・二つの村(むら)がダムの底(そこ)に沈んでしまった。
 ・プールの底に沈んだゴミを一つ一つ潜(もぐ)って拾い集めている。これも潜る練習になる。
 ・私は泳ぎが下手(へた)で、いっしょうけんめい手足(てあし)を動かしてもすぐ沈んでしまう。
 ・三日月が地平線(ちへいせん)に沈む時、どういう形で沈んでいくのだろうか。斜(なな)めになっ
  たままか、おわんのように上に向くのか、それとも、、、。
 ・日は東から昇(のぼ)り、西に沈む。
[2]〔人・ものガ (ものニ)〕
 △[心/胸(むね)/気持ち/気分(きぶん)/空気(くうき)/声(こえ)]が~。
  [悲(かな)しみ/悲しい思い/憂(うれ)い/絶望(ぜつぼう)/物思(ものおも)い]に~。
 ・事故(じこ)の遺族(いぞく)は悲しみに沈んでいる。
 ・主役(しゅやく)の女優(じょゆう)の、物思いに沈んだ表情(ひょうじょう)がたまらなくいい。
  ・毎日気持ちが沈んでいて、ゆううつだ。
 ・負けたあとの沈んだ空気の中から、また気持ちを立て直してがんばっていく。
 ・気分が沈んだ時は、明るい音楽を聞いて、元気を出すことにしている。
 ・父のやっていた工場が倒産(とうさん)し、家族の生活はどん底(ぞこ)に沈んでいった。
 ・挑戦者(ちょうせんしゃ)はチャンピオンの強烈(きょうれつ)なパンチをあごに受けて、崩(くず)
  れるようにマットに沈んだ。
 ・難民(なんみん)キャンプを出た彼は、沈んだ声で当時のことを語(かた)り始めた。
  ・その着物、沈んだ色合(いろあ)いが何とも言えず上品(じょうひん)でいいですね。

<複合動詞:しずみ->
[しずみこむ] 人ガ
 ・ゆみ子は朝から沈み込んでいる。何があったのだろう。
 ・新入社員が上司に叱られてしばらく沈み込んでいたが、帰る頃には元気になった。
 ・このソファーは体が沈み込みすぎて、かえって座り心地(すわりごごち)が良くない。
   気分・心が 体がいす・ソファーに 考え・失望・憂鬱に 深く 重く
<スル動詞>
[沈没(ちんぼつ)する]  ものガ
  ・この海の底には、200年前に沈没(を)した船が眠っている。
 ・もともと潜っていた潜水艦が浮上できなくなったときも、「沈没した」と言うのだろうか?


しずめる(沈める)  一(しずめない・しずめます・しずめて・しずめれば・しずめよう)
[1]〔人ガ ものヲ 所ニ〕
 △しずめてしまう  しずめてはいけない  しずめようとする  しずめられる  しずめろ!
 △[ゆっくり/急に/静かに/そっと/ざぶんと/あっという間(ま)に]~。
  △[船/体/身(み)/腰(こし)/重(おも)り/ブロック/石]を~。
  ・ミサイルで敵(てき)の軍艦(ぐんかん)を三隻(さんせき)沈めた。
 ・コンクリートブロックを海底(かいてい)にしずめ、波の力を防(ふせ)いでいる。
 ・柔らかいベッドに体を沈め、ゆったりとした気持ちで今日のことを思い返した。
  ・湯船(ゆぶね)に深く体を沈め、目を閉(と)じて心の緊張(きんちょう)をほぐした。
  ・行政(ぎょうせい)の愚策(ぐさく)が村をダムの底(そこ)に沈めることとなった。
  ・忌(い)まわしい思い出を忘却(ぼうきゃく)の淵(ふち)に沈めようと試(こころ)みた。
 ・一発(いっぱつ)のパンチで相手をマットに沈めた。


もぐる(潜る)  五(もぐらない・もぐります・もぐって・もぐれば・もぐろう)
[1]〔人・ものガ ものニ〕
 △もぐりたい  もぐってみる  もぐっていく  もぐってしまう  もぐってはいけない
  もぐらないほうがいい  もぐろうとする  もぐらせる  もぐれ!  もぐるな!
 △[少し/深く/底(そこ)まで/長く/できるだけ/ずぶずぶと]~。
  △[水/水の中/水中(すいちゅう)/海/海底(かいてい)/砂(すな)/土の下/泥(どろ)]に~。
  ・透明(とうめい)な海に潜って魚たちと泳いでいると、夢(ゆめ)の世界にいるようだ。
 ・プールで潜って泳いだら、監視員(かんしいん)の人に怒られた。潜っちゃいけない、って。
 ・犬に追いかけられたネコは、縁の下(えんのした)に潜って何とか逃(に)げられた。
  ・お菓子(かし)とマンガを持って、ふとんに潜ってのんびり過ごす日曜の午後。
  ・足がずぶずぶと泥の中に潜って抜けなくなってしまった。
 ・オートバイの車輪(しゃりん)が深い雪の中に潜ってしまって、掘(ほ)り出すのが大変だった。
  ・昔、警察(けいさつ)に追われ、地下(ちか)に潜って政治活動をしていたことがある。

<複合動詞:もぐり->
[もぐりこむ] 人ガ ものニ
 ・熱い風呂から出て、電気毛布であたためておいた布団にもぐりこむ。冬の夜の楽しみ。
 ・偽の記者証明証を使って、会見の会場にもぐりこんだ。
   海の中・穴・こたつ・すき間・テーブルの下・寝袋・布団・ベッド・床下・
   敵陣・反対派の集会に  頭から さっと すっぽりと 客に化けて 
<スル動詞>
[潜水(せんすい)する]  人ガ 
 ・深い海底まで潜水(を)すると、周りの景色が一変する。
 ・経験の少ない人がこの辺で潜水(を)するのは危険です。

[17] 浮く・浮かぶ・浮かす・浮かべる

◇うく
 「浮く」は、ものが水上にあって、沈まない状態。あるいは、水の中から水面に上がっていくこと。
また、空中にあることも言う。空中の場合、反対は「落ちる」。「-ている」の形で状態を表す。
水中から水面への動きは「浮き上がる」が多く使われる。
     所・ものニ  ものガ うく
       ボートが池に浮いている      空に雲が浮いている  
  ひゆ的に、物が十分固定されていないこと、人が集団になじまないこと、心が弾む様子などを表す。
      人・ものガ ういている
    土台・釘が浮いている  彼はグループの中で浮いている     浮かない顔をする
・複合動詞
 「浮き上がる」は、液体・気体の中での上への移動を表す。ひゆ的な用法もある。
    飛び込んだ後、水面に浮き上がる   コーチは選手から浮き上がっている
 「浮き出す」「浮き出る」は、ものの表面に浮いたようにでて来ること。
 「浮き立つ」は、心が楽しく陽気な様子を表す。
    壁にしみが浮き出している  ひたいに浮き出た汗   心が浮き立ってくる
◇うかぶ
 「浮かぶ」は、「浮く」とほぼ同じ用法だが、ゆったりした感じと、上がっていく動きをより強く
表す。ひゆ的に、ものが浮かぶように、何かが感覚・意識に現れることを表す。
     所・ものニ  ものガ うかぶ
    青空に雲が浮かぶ  池に落ちたボールが浮かんでくる    アイデア・名案が頭に浮かぶ
・複合動詞
 「浮かび上がる」は、上への移動を示す。
 「浮かび出る」は、浮かんで出てくること。どちらもひゆ的な用法がある。
    泡が浮かび上がってくる  イメージが浮かび上がる  心に浮かび出てくる
◇うかす
 「浮かす」は「浮く」に対応する他動詞。「浮く」の使役形「浮かせる」も使われる。ものが浮く
ようにすることだが、「腰を浮かす」「費用を浮かす」などの用法でよく使われる。
      人ガ ものニ ものヲ うかす
    氷を水に浮かす  立とうとして腰を浮かす  節約して経費を浮かす
◇うかべる
  「浮かべる」は「浮かぶ」に対応する他動詞。ひゆ的に、身体的・精神的なことに多く使われる。
      人ガ ものニ ものヲ うかべる
    水に船を浮かべる  目に涙を浮かべる   心に母の顔を浮かべる


うく(浮く)五(うかない・うきます・ういて・うけば・うこう)
[1]〔所・ものニ ものガ〕
 △うきそうだ うくはずだ ういてしまう うかないようにする うかせる うくな! 
 △[ふわふわ/ぷかぷか/ゆらゆら/ぽっかり](と)ういている。
 △[池(いけ)/川/海/表面(ひょうめん)/空中(くうちゅう)]に~。
  [木/紙/人/泡(あわ)/油(あぶら)/ごみ/木の葉(は)/ボート/船(ふね)]が~。
 ・湖(みずうみ)の水面(すいめん)に木の葉が浮いている。
 ・この池(いけ)は、水面に油やごみが浮いていて、とても汚(きたな)い。
 ・海にぷかぷか浮いていたビンをひろってみたら、中に手紙が入っていた。
 ・木が水に浮くのは木が水よりかるいからです。
 ・彼女がプールで浮き、私が浮かないのは、彼女は脂肪(しぼう)が多く、私は筋肉(きんにく)が多
  いから、ではなく、たんに私が泳げないからです。
 ・コーヒーに油が浮いている。カップがよく洗ってなかったらしい。
 ・姉は苦しそうにいきをしている。ねつがある。ひたいにはあぶら汗(あせ)が浮いている。
 ・大山さんは小山さんにまかせたと言うし、小山さんはもともと大山さんのしごとだと言うので、
  この問題(もんだい)は宙(ちゅう)に浮いてしまった。
 ・一週間使わなかったら、ほうちょうの刃(は)に錆(さび)が浮いてしまった。
 ・このスープをおさらにいれて、さいごにきざんだパセリを少し浮かせます。
[2]〔ものガ〕
 ・A:浮かない顔(かお)をしているけれど、どうしたんですか。(=げんきがない)
  B:お金をおとしちゃったんです。
 ・本棚(ほんだな)のくぎが浮いて(=ゆるんで)いる。打ちなおそう。
 △[お金/時間]が~。
 ・ホテルにとまらないで、YMCAにとまったので、1000円も浮いた。(=あまった)
 ・このやりかたでやれば、15分ぐらいは浮くぞ。(=早くできる)
[3]〔人ガ〕
 ・みんながまじめにやっている中で、あいつだけ浮いているね。
 ・どうも私は浮いてしまうようだ。まわりに合わせて騒(さわ)ぐのがどうも下手(へた)なのだ。

<複合動詞:うき->
[うきあがる] ものガ 所カラ 
 ・水のそこからあわが浮き上がってきた。
 ・海を見ていたら、波の間から人の頭がぽっかりと浮き上がった。
   顔・体・木の根・血管・染み・船・模様・輪郭が  暗闇・地面から
   空中・水面・皮膚・頬に  くっきり・ぷかり・ゆらゆらと ところどころに 白く
   浮き上がらせる:姿・形・模様・横顔・立場を  鮮明に
[うきだす] ものガ 所ニ
 ・その紙を火であぶると、字が浮き出します(=見えてきます)よ。
 ・このとけいは、このボタンをおすと、ここに日付が浮き出します。
 ・重い物を持った時、父のうでに血管が浮き出した。
   血管・染み・指紋・模様・輪郭が  闇の中から 鮮やか・あらわ・明瞭に
   くっきりと 赤く うっすらと  目尻にしわが 
   浮き出させる:凹凸・曲線・文字・輪郭を 
[うきたつ] ものガ 
 ・春になると、何となく気分が浮き立ってきて、旅に出たくなる。
 ・遠足の子供たち。声が浮き立っていて、喜びの気持ちが押さえきれないようだ。
   体・気・気分・気持ち・声・心が  ひとりでに おさえようもなく どことなく
[うきでる] ものガ 所ニ
 ・その老人はそうとうの年なのだろう。うでには血管が浮き出ている。
 ・青い磁器の表面に、龍の形が浮き出ていた。
   血管・さび・静脈・そばかす・斑点が 表面・鮮やかに くっきり はっきり
<スル動詞>
[浮上(ふじょう)する] ものガ 所ニ
 ・潜水艦(せんすいかん)が海面に浮上した。
 ・弱小チームが最下位から三位に浮上して、ファンまで驚いている。
 ・突然、駅前再開発の構想が浮上してきて、関係者は情報収集に追われている。


うかす(浮かす)五(うかさない・うかします・うかして・うかせば・うかそう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △うかしたい  うかしてほしい  うかさなくてはならない  うかそうとする
  うかされる  うかせ!  うかすな!  うかせない
 △[少し/半分/かなり/じょうずに/うまく/できるだけ/くふうして]~。
 △[費用(ひよう)/こづかい/予算(よさん)/時間]を~。
 ・子どもたちが池(いけ)にビニールの船を浮かして遊んでいる。
 ・弟は毎日えきまでバスにのらないで歩いて、バス代を浮かして、コンピューターを買った。
 ・高いホテルに泊まらず、安い旅館(りょかん)に泊まって出張(しゅっちょう)の費用を浮かした。
 ・新しいやりかたをしたら、時間を15分も浮かすことができた。
 ・映画がおわって、立とうとして腰(こし)を浮かしかけたら、となりの妻(つま)がねむっているの
  で、しばらくまつことにして、すわりなおした。
  ・あおむけに寝て、腰(こし)をうかすようにして、そのままで十秒。なかなかきつい練習だ。
  ・彼は熱(ねつ)に浮かされたように、古代の秘宝(ひほう)を求めて世界をさまよっていた。
  ・バブルの時は、投資(とうし)ブームに浮かされて、株(かぶ)でずいぶん損(そん)をした。


うかぶ(浮かぶ)五(うかばない・うかびます・うかんで・うかべば) 
[1]〔所・ものニ ものガ〕
 △うかびにくい  うかびそうだ  うかんでしまう  うかんでくる  うかべ!
 △空に[ぽっかりと/ふわっと/ふわふわと/ふんわりと]~。
 △[木の葉(は)/紙/木の板(いた)/浮き輪(うきわ)/ボール/死体(したい)]が~。
  [空(そら)にくもが/池(いけ)にボートが/海にタンカーが/川にゴミが]~。
 ・水面(すいめん)にあわが浮かんで(=浮いて)いる。
 ・沖(おき)にヨットが二つ三つ浮かんでいるのが見える。
 ・青い空に白いくもが浮かんでいる。
 ・もぐろうとするのだが、どうしてもおしりが浮かんでしまう。(水面に)
 ・私はほとんど泳(およ)げません。水に入っても浮かんで(=浮いて)いるのがやっとです。
   (=やっと浮かんでいるだけです)
[2]〔ものニ ものガ〕
 △[はっきりと/くっきりと/ぼんやりと/かすかに]~。
 △[いい考え/名案(めいあん)/いやな記憶(きおく)]が~。
  [子どもの顔(かお)/ふるさとのけしき/映画の一シーン]が~。
 ・おてがみを読むと、なつかしいみなさんの顔が目に浮かびます。
 ・母の顔にかなしそうな表情(ひょうじょう)が浮かんだ。
 ・このうたをきくと、ふるさとのけしきが目に浮かぶなあ。
 ・目をとじると、母のおもかげが心に浮かんでくる。
 ・「ブレーキがおかしいな」中西のことばをきいた時、私の心にかすかな不安(ふあん)が浮かんだ。
 ・どうも良い考えが浮かばないなあ。(頭に)
 ・名案が浮かんだぞ。
 ・「この仕事をやれる人は...」と考えると、やはり田中さんの名が浮かんでくるな。(私の頭に)
 ・捜査(そうさ)をすすめるうちに、三人のあやしい男の名が浮かんだ。

<複合動詞:うかび->
[うかびあがる] ものガ 所ニ 
 ・いけの水面にあわが浮かび上がってきた。
 ・この国では、社会の上のほうに浮かび上がろうとしてもむずかしい。
 ・霧がはれて、山かげがむこうに浮かび上がった。(=見えてきた)
   泡・意外な事実・イメージ・疑い・絵・面影・顔・考え・記憶・疑問・疑惑・言葉・字・島影
   ・シルエット・姿・図柄・生活・全容・違う側面・人影・疲労感・妄想・夢・喜びの色・輪郭
   ・ルートが どん底・古い記憶の中/底から  鮮やか・鮮明・鮮烈・明瞭に
   頭・意識・眼前・会場・顔・空中・心・水面に
   生き生きと・次々と・はっきり・ぼうっと・ぼんやりと・まざまざと
[うかびでる] 人ガ 所ニ
 ・その名前を聞いたとき、20年前の小学生の顔が心の中に浮かび出てきた。
 ・月に照らされた水面に、小さな動物の顔がぽっかり浮かび出たのが見えた。
   愛想笑い・考え・言葉・姿・不満の色が  顔・心の中・水面・空に ぽっかり


うかべる(浮かべる) 一(うかべない・うかべます・うかべて・うかべば・うかべよう)
[1]〔人ガ 所ニ ものヲ〕
  △[池(いけ)にボートを/川に小舟(こぶね)を/海に灯籠(とうろう)を]~。
 △うかべたい  うかべてみる  うかべてはいけない  うかべさせる
  うかべられる  うかべようとする  うかべろ!  うかべるな!
 △[いくつも/たくさん/みんなで/しずかに/じょうずに]~。
 ・このきれいな池に彼女(かのじょ)とボートを浮かべてみたいなあ。
 ・亡(な)くなった人の思い出を胸(むね)に、人々は川に灯籠(とうろう)を浮かべました。
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △[顔(かお)にほほえみを/目に涙(なみだ)を/心にふるさとの町並みを]~。
 ・校長先生は、顔にえみをうかべて、私たちにやさしく話しかけられた。
 ・父はおでこにうっすらと汗(あせ)を浮かべていた。
 ・それをきいて、父はおこるどころか、口もとにほほえみを浮かべて「けがはないか」と言った。
 ・彼女は目に涙を浮かべながら、悲(かな)しい思い出を語(かた)った。

[18] 流れる・流す

◇ながれる
 「流れる」は、液体が(低いほうへ)動いていくこと。また、ものが液体と共に動いていくこと。
通過する所をヲ格で、到達点をニ格/へ格で、範囲を示す場合は「カラ・マデ」で表す。「-テイル」
の形は動きの進行中を表す。「-テイク/テクル」の形がよく使われる。
      ものガ 所ヲ (所カラ) 所ニ/へ ながれる
    川が町のほうへ流れている  小舟が川を流れてゆく  汗が背中を流れる
    濁った水が上流から流れてくる  あの雲はどこまで流れてゆくのか
 液体でなく、空間を媒体と考えて、音楽や言語についても使う。
    心地よいメロディーが流れる   うわさ・ニュースが流れる   電流が流れる
 ひゆ的な用法で、ガ格に「時間」をとる。
    時・月日・歳月が 流れる 
 また、計画・行事などが不成立になること、物事が好ましくないほうへ進むことを表す。
    計画・試合・会議が 流れる      生活が怠惰に・服装が華美に 流れる 
・複合動詞は、方向を表す「-こむ」「-さる」「-だす」「-でる」、到着を表す「-つく」がある。
 「流れ歩く」は、あちこちを放浪すること。
 「流れ込む」は中への動き、「流れ出す」「流れ出る」は外への動きを表す。「流れ出す」は、「流
  れ始める」の意にもなる。
 「流れ去る」「流れ着く」は「流れて~」の意を表す。
       諸国を流れ歩く  汚水が川に流れ込む  スピーカーから音楽が流れ出す
    長い年月が流れ去った  外国のゴミが海岸に流れ着く
◇ながす
 「流す」は、「流れる」に対応する他動詞で、液体を流れるようにすること、また、液体と共にも
のが流れるようにすること。液体以外の例も対応する。
      人ガ 所・ものニ ものヲ ながす
       溝に水を流す  ゴミを溝に流す  涙を流す
       音楽・うわさ・電流を 流す  
 「汗を流す」は、汗自体を出すことと、水で汗を落とすことの両方を意味する。
    運動をして汗を流す  風呂で汗を流す
 基本的に意図的動作だが、生理的な場合など、非意図的に使われることがある。
       涙・血を 流す   ボールを川に落として流してしまう
 昔、刑罰の一つとして罪人を遠くの島に送ることがあった。それを「島に流す」という。
   人ガ 人ヲ 所ニ ながす
    罪を犯して島に流される
 車などがある地域をあちこち動くことを表す。芸人が客を求めて町を移動すること。
   人・ものガ 所ヲ ながす
    タクシーが街を流す
 ひゆ的に、物事を軽い気持ちで行うことを表す。
    前半は軽く流して、後半から集中する
・複合動詞は、方向を表す「-こむ」「-さる」が付加した「流し込む」「流し去る」がある。
      ビールをのどに流し込む  津波が家々を流し去った


ながれる(流れる)一(ながれない・ながれます・ながれて・ながれれば) 
[1]〔ものガ  (所ヲ)(所ニ)〕  
 △ながれだす  ながれかねない  ながれていく  ながれてくる  ながれてしまう
  ながれてほしい  ながれないようにする  ながれさせる
 △[ゆっくりと/ゆったり/ゆうゆうと/ちょろちょろ/少し/大量(たいりょう)に]~。
  川(の水)が[さらさらと/ごうごうと/激(はげ)しく/渦(うず)を巻(ま)いて]~。
  [水がざあざあと/あせがだらだらと/血がどくどくと/なみだがすーっと]~。
 △[川/水/油/時間/時(とき)/歳月(さいげつ)/月日(つきひ)/年月(としつき)]が~。
  [ほこり/ゴミ]が水で~。[雲(くも)/煙(けむり)]が風で~。
 ・この町には北から南に大きな川が2本流れています。
 ・P川はQ平野(へいや)をゆっくり流れて、海にいたる。
 ・青い空を白い雲(くも)が流れて行く。
 ・川に浮かんだボールが目の前を流れていく。
 ・時間が流れると言うが、その速さはどのくらいか。もちろん、時速(じそく)1時間。
 ・あっという間に月日は流れ、その子は6才になって、小学校に入った。
 ・夜空(よぞら)を見ていたら、明るい星がすーっと流れた。流れ星(ながれぼし)だ。
 △[なみだ/血(ち)/汗(あせ)]が~。
 ・彼女のほおをひと筋(すじ)の涙がすーっと流れた。
 ・また愚(おろ)かな戦争が始まり、多くの人の血が流れ、軍人が勲章(くんしょう)をもらった。
 ・秋、作物(さくもつ)の収穫(しゅうかく)の時、気持ちのよい汗が背中(せなか)を流れる。
 △[音楽/メロディー/歌/ニュース/うわさ/憶測(おくそく)/観測(かんそく)]が~。
  [情報(じょうほう)/秘密(ひみつ)]が~。
 ・テレビの画面(がめん)に臨時(りんじ)ニュースが流れた。
 ・まちに変なうわさが流れている。
 ・P社は経営難(けいえいなん)を乗り切るためにQ社と合併(がっぺい)するだろうという憶測(お
  くそく)が流れた。 (人々のあいだに)
 ・新製品の情報がP社に流れているらしい。
 ・会社の秘密が社外(しゃがい)に流れてしまった。
 △[運動会/ハイキング/野球(やきゅう)の試合(しあい)]が雨で~。
  [建設計画(けんせつけいかく)/総会(そうかい)]が反対にあって~。
 ・運動会が雨で流れてしまって、家の子どもたちは不満(ふまん)たらたらだ。
 ・出席者(しゅっせきしゃ)が定数(ていすう)に足(た)りず、会議(かいぎ)は流れてしまった。
[2]〔ものガ ものニ〕
  △[ぜいたく/形式(けいしき)/怠惰(たいだ)/マンネリ/抽象論(ちゅうしょうろん)}に~。
 ・議論(ぎろん)が抽象論に流れてしまっている。具体的(ぐたいてき)な話をしよう。
 ・今の人々は、生活がぜいたくに流れていると言われる。私はぜいたくなんてとんでもない。ただ
  ただ怠惰に流れているだけだ。

<複合動詞:ながれ->  
[ながれあるく] 人ガ 所ヲ
 ・昔は諸国を流れ歩く旅芸人がいて、各地の事件や噂を伝えていた。
 ・何年も世界を流れ歩いて、やっと自分にとっての安住の地にたどりついた。
   各地・諸国・世界・全国を
[ながれこむ] ものガ ものニ
 ・この川には3つの小さな川が流れこんでいます。
 ・アマゾン川は大小の川をあつめて、大西洋に流れこんでいる。
 ・開けた窓から、どこかの音楽が流れ込んできた。
   川が湖に 他国の文化が
[ながれさる] ものガ 所ニ
 ・私たちのボートは岸から離れ、下流に流れ去ってしまった。
 ・それから、いくつの季節が流れ去ったのだろうか。私たちは年老いた。
   水・毎日・時・長い歳月・いくつもの季節が 足元を はかなく 穏やかに
[ながれだす] ものガ 所・ものカラ 所ニ
 ・貯水池の水があふれ、外に流れ出した。
 ・ひたいから汗が流れ出した。
 ・極秘のはずの話が、さまざまなルートで外部に流れ出した。
   言葉・土砂・光・音・鬱積が 口から よどみなく 堰を切って どっと
[ながれでる] ものガ 所・ものカラ 所ニ 
 ・工場の有毒な排水が、下水を通って外に流れ出ている。
 ・窓のすき間から、煙が外に流れ出ていた。そして、中学教師の声が響いた。「誰だ、トイレでタ
  バコを吸っているヤツは!」
   汗・液体・汚水・ガス・煙・声・明かり・血・光が 外に ちょろちょろ
[ながれつく] ものガ 所ニ
 ・海岸には多種多様のゴミが流れ着いている。ヤシの実だけではない。
 ・彼らは迫害を逃れ、諸国を転々として、この町に流れ着いた。
      岸・海岸・島・離れ島・浜辺・無人島に 


ながす(流す) 五(ながさない・ながします・ながして・ながせば・ながそう) 
[1]〔人ガ 所ニ ものヲ〕
 △ながしたい  ながしてしまう  ながしておく  ながしてはいけない
  ながさなければならない  ながさないようにする  ながされる  ながそうとする
 △水を[ざあざあと/ざっと/ちょろちょろと]~。[わざと/うっかり/つい]ゴミを~。
 △[水/お湯(ゆ)/油(あぶら)/汚水(おすい)/電気/ガス]を~。
  [ゴミ/生活排水(はいすい)/有毒物質(ゆうどくぶっしつ)/灯籠(とうろう)]を川に~。
 ・溝(みぞ)に水を流して、きれいにする。
 ・川にきたない水を流さないようにしましょう。
 ・工場が川に汚水を流していたことが明らかになった。
 ・川は、落ち葉(おちば)や土など、さまざまな物を下流(かりゅう)に流していく。
 ・ふうせんがかぜに流されて飛んで行く。
 △[涙をぽろぽろと/あせをだくだくと/血をだらだらと]~。
  [ひたい/背中(せなか)]に汗を~。ほおに涙(なみだ)を~。腕(うで)に血(ち)を~。
  [足/腕/背中]から血を~。目から涙を~。口からよだれを~。
 ・子どものかわいそうなようすを見て、人々は涙を流した。
 ・まけた大山さんは涙を流してくやしがった。
 ・多くの人々が戦争で血を流している。
 ・たまにボールをおいかけて、汗を流すのもいいですね。
 ・はやく風呂(ふろ)に入って汗(あせ)を流したい。
 ・汗水(あせみず)流して作った家が火事でやけてしまった。
 △[広告(こうこく)/音楽/レコード]を~。
 ・ホテルにはいつもしずかな音楽が流されていた。
 ・テレビの画面(がめん)にはたくさんの広告が流されているが、どれだけ効果(こうか)があるのか。
〔人ガ 人ヲ 所ニ/へ〕
 ・昔、罪(つみ)を犯(おか)した者は、遠くの島へ流された。
[2]〔人・ものニ ものヲ〕
〔人・ものニ ものヲ〕
 △[情報(じょうほう)/うわさ/デマ/指示(しじ)/指令(しれい)]を~。
 ・彼らは人々の間にデマを流し、会社を倒産(とうさん)させようとした。
 ・わたしの方にも商売(しょうばい)の情報を流してくださいよ。
 ・金をもらってライバル会社に情報を流していた社員がクビになった。
 ・悪質(あくしつ)なデマを流して、社会に害毒(がいどく)を流す連中(れんちゅう)がいる。
 ・A:ゴウ・ヒロムは、モデルの岡田ユミ子と浮き名(うきな)を流したが、今はどうしているかな。
  B:けっきょく別れて、今でもひとりですよ。
〔人ガ ものニ 流される〕
 ・その時々の気分に流されて生きていくのは良くないよ。
 ・今日まで、惰性(だせい)に流されて生き方を決めてきたが、明日からは生き方を変えようと思う。
[2]〔人・ものガ 所ヲ〕
 ・夜遅くなっても人通りは絶(た)えず、たくさんのタクシーが町を流している。
  ・彼は、今は有名な歌手になったが、昔は町を流して歩いていたそうだ。

<複合動詞:ながし->
[ながしこむ] 人ガ ものヲ ものニ 
 ・大雨でたまった水を水路を造って池に流し込んだ。
 ・我々は次々とジョッキのビールをのどに流し込んだ。
   液体・お茶・お粥・コンクリート・飯を 胃・型・のどに 食パンを牛乳で
[ながしさる] ものガ ものヲ
 ・大水はすべての物を流しさった。
 ・歳月が二人の間にあったわだかまりをすべて流し去ってくれた。
    台風が 時間が ゴミを 

[19] 止まる・止める

◇とまる
 「止まる」は、動いているものが動かなくなること。続いているものが続かなくなること。「-て
いる」の形で状態を表す。
   人・ものガ とまる
    モーター・時計・心臓・風が 止まる   せき・涙が 止まる
    水道・ガスが 止まっている    地震の揺れが止まる
 また、移動しているものがある所で(一時的に)動かなくなること。場所を「所ニ/デ」で示す。
   人・ものガ 所ニ/デ とまる
    タクシーが私の前で止まる   バスが停留所に止まっている
 鳥・虫などが飛んできて、ある(高い)ところで休むこと。ニ格をとる。
    ツバメが電線に止まる
  ひゆ的に、感覚・精神で捕らえられることを言う。ニ格をとる。
    目・耳・心に とまる                     
・複合動詞
 「立ち止まる」は、歩くのをやめて立っていること。       
・スル動詞
 「静止する」は動かないこと、動かなくなること。
 「停止する」「ストップする」は、動いているものが動かなくなること。どちらもヲ格をとる他動
  詞の用法もある。
 「停車する」は、車が止まること。
 「停滞する」は、物事が順調に進まないこと。
 「断水する」は、水道の水が止まること。
◇とめる
 「止める」は、「とまる」に対応する他動詞で、動いているものを動かなくすること、及び動こう
とするものを抑えること。
   人ガ ものヲ とめる
    ラジオ・扇風機を止める  ガス・水道を止める
    息を止める  注射で痛みを止める
 また、移動しているものをあるところで(一時的に)動かなくすること。
   人ガ ものヲ 所ニ/デ とめる
    車・タクシーを家の前に止めた
  ものを別のものに動かない状態で付けておくこと。精神的なことにも言う。
   人ガ ものニ ものヲ とめる
    胸に名札をとめる     風景を目にとめる  印象を心にとめる
・複合動詞は「-とめる」の形のものがある。
 「差し止める」は、ある行為をさせないこと。
 「せき止める」は、流れなどをさえぎって止めること。
 「引き止める」は、(引くようにして)行かせないこと、行為をさせないこと。
    出版を差し止める  川の流れせき止める  客を引き止める
・スル動詞
 「駐車する」は、ある場所に車を(一定時間)とめること。
 「制止する」は、人の行動を止めて、させないこと。
 「停止する」「ストップする」は、動いているものを止めること。
◇とどまる
 「とどまる」は、移動せず、そのままそこにいること。抽象的な事柄が、ある範囲から出ないこと。
      人・ものガ ものニ とどまる
        国・現職に とどまる    被害は五万円にとどまった    儀礼的なあいさつにとどまる
・複合動詞
 「思いとどまる」は、しようと決めたことを考え直してやめること。
 「踏みとどまる」は、(他の人が行ったあとも)行きたいと思ってもそこにとどまること。ひゆ的に、
  したいことをがまんしてやめること。
      留学を思いとどまる  逃げようとして踏みとどまる  辞職を踏みとどまる
・スル動詞
 「足踏みする」は、進まずに(歩くように)足を上下に動かすこと。ひゆ的に、物事が進まず、同じ
 状態にあること。
    経済成長が足踏みしている
◇とどめる
 「とどめる」は、「とどまる」に対応する他動詞で、移動をさせず、そのままの状態におくこと。
抽象的な事柄をある範囲から出ないようにすること。
      人ガ ものヲ ものニ とどめる
        家族を故郷にとどめる    事件を記憶に留めている   今回は問題提起にとどめる
・複合動詞「押しとどめる」は、他人の行動を説得などしてやめさせること。
    部下の辞職を押しとどめる


とまる(止まる)五(とまらない・とまります・とまって・とまれば・とまろう)
[1]〔ものガ〕
 △とまりそうだ  とまりにくい  とまってしまう  とまってはいけない
  とまらなければならない  とまろうとおもう  とまらせる  とまられる
 △[急に/とつぜん/ゆっくりと/しだいに/ほとんど/まったく/完全(かんぜん)に]~。
  [ちょっと/長く/よく/ときどき/いつも/たまに/全部(ぜんぶ)]~。
  [キィーッと/ガタンと/ピタッと/ぴったり]~。
 △[時計(とけい)/バス/列車(れっしゃ)/エンジン/水道/ガス/電気]が~。
  [揺(ゆ)れ/血(ち)/涙(なみだ)/笑(わら)い]がとまらない 
  [心臓(しんぞう)/人/お金/車]の動きが~。
 ・時計が止まっているので、時間が分からない。
 ・雪のためにバスがまったく止まってしまった。(一台のバス/バス路線全体)
 ・ナイフでゆびを切ってしまった。血がなかなか止まらない。
 ・きゅうに水道が止まった。どうしたのだろう。
 ・地震(じしん)が来たら、ゆれが止まるまで外に出ない方がいい。
 ・道を歩いていた人の動きが止まった。
 ・心臓(しんぞう)が止まった。ということは死んだということだ。
 ・息が止まってもまだ生きていることがあるから、あきらめてはいけない。
 ・前線(ぜんせん)のキャンプからの連絡(れんらく)が止まった。どうしたのだろう。
 ・お金が儲(もうか)って儲って、笑いが止まらない。
 ・結婚したばかりの時はうれしくて笑いが止まらなかったものです。
 ・恐(こわ)くて震(ふる)えが止まらない。
〔文ガ〕
 ・時計の音がかちかちうるさかったのが急に止まり、しんとしてかえって落ち着かなくなった。
 ・テレビの画面(がめん)がちかちかするのが止まらない。故障(こしょう)したらしい。
[2]〔人・ものガ 所ニ/デ〕
 ・この電車はどの駅(えき)にも止まります。
 ・玄関(げんかん)の前に知らない車が一台止まっている。
 ・私の話が新聞にのったつぎの朝、家の前に黒い大きな車が止まった。
 ・前の人が急に止まったので、ぶつかりそうになった。
 ・きれいな小鳥(ことり)が庭(にわ)の木にとまっている。
 ・蝶(ちょう)がスミレの花にとまったところを、帽子(ぼうし)をかぶせてつかまえた。
 ・弟(おとうと)の帽子にトンボがとまった。
 ・ふみきりではかならず一度止まりましょう。
 ・次のサービスエリアで止まって、何か食べましょう。
[3]〔ものガ ものニ〕
 ・新人の新鮮(しんせん)な動きが演出家(えんしゅつか)の目にとまり、新しい役(やく)をもらった。
 ・耳慣(みみな)れない発音が耳にとまった。どこの国のことばだろう。

<複合動詞:-とまる>
[たちどまる] 人ガ
 ・男は急に立ち止まり、後ろを振り返った。私はあわてて物陰に隠れた。
 ・彼女は、その店の前で立ち止まった。「うわ、おいしそうなケーキ!」
      入り口・一カ所・その場に ふと 急に いきなり 思わず ~て再考する
<スル動詞>
[ストップする]  ものガ
 ・彼の連続試合出場の記録がストップした。
 ・資材の調達が途切れ、工事がストップしてしまった。
[静止(せいし)する]  人・ものガ
 ・はい、その線の手前で静止して下さい。
 ・電車が静止した状態から突然動きだし、乗客が倒れそうになった。
[断水(だんすい)する]  ものガ
 ・水道工事のため、明日午前2時から4時まで断水します。(水道が)
 ・夏の暑いときに断水されるとまったく困る。
[停止(ていし)する]  ものガ 所ニ
 ・ボールはちょうどラインの上に停止(を)した。
  ・車が踏み切りの前で停止(を)している。
[停車(ていしゃ)する]  ものガ 所ニ 
  ・バスが停留所に停車(を)している。
 ・この線の手前で必ず停車(を)すること。
[停滞(ていたい)する]  ものガ (所ニ)
 ・日本の南方海上に前線が停滞(を)しており、この天気が数日続くでしょう。
 ・景気が停滞(を)しているので、新工場建設の計画も保留となっている。
   事務・人事・生産・流れ・梅雨前線が
   
とめる(止める) 一(とめない・とめます・とめて・とめれば・とめよう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △とめたい  とめてほしい  とめておく  とめてある  とめてみる  とめてしまう
  とめてはいけない  とめなくてはならない  とめるべきだ  とめようとする
  とめさせる  とめられる  とめさせられる 
 △[急に/とつぜん/しだいに/ゆっくりと/ぴったり/ピタッと/正確(せいかく)に/]~。
  [慎重(しんちょう)に/完全(かんぜん)に/だいたい/むりに/らんぼうに/ていねいに]~。
 △[ラジオ/テレビ/ステレオ/エンジン/車/タクシー]を~。
  [痛(いた)み/咳(せき)/しゃっくり/いびき/けんか/争(あらそ)い]を~。
  [水道/ガス/電気]をとめられる~。
 ・おゆがわいたので、ガスの火を止めました。
 ・うるさいから、ラジオを止めてください。
 ・出しっぱなしになっている水道を止めろ。
 ・料金(りょうきん)をはらわなかったら、{電話/電気/ガス/水道}を止められた。
  (☆「つかうことを禁止(きんし)された」ということ。ほかのものとのちがいに注意。)
 ・半分ねむりながら、目覚し時計(めざましどけい)を止めていた。
 ・さいごに部屋を出る人がクーラーを止めるようにしてください。
 ・息(いき)を止めて。そのまま。はい、おわりです。(X線写真(エックスせんしゃしん)をとる時)
 ・中西さんが立って話しはじめると、みんなは箸(はし)の動きを止めて聞き入った。
 ・いっしょに歩いていた犬が、曲がり角(まがりかど)で急に足を止めた。
〔文ヲ〕
 ・医者(いしゃ)にうんどう(すること)を止められています。
 ・私が(でかけることを)とめたのも聞かないで、父は雨の中を出かけて行った。
[2]〔人ガ 所ニ/デ ものヲ〕
 ・みせの前に自転車を止めないでください。ほかのおきゃくさんがこまります。
 ・A:車をどこに止めたらいいですか。
  B:あの白いビルのよこにあき地がありますから、そこに止めてください。
 ・あのパン屋の前で車を止めてください。(=停車(ていしゃ)する)
 ・ふみきりの前では一度、車をとめるようにしましょう。

<複合動詞:-とめる>
[さしとめる] 人ガ ものヲ 
 ・党の本部は、批判記事を書いた新聞記者の出入りを差し止めた。
 ・首相のプライバシーを侵害しているとして、出版物が差し止められた。
      違法工事・記事・出港・出版・使用・出入り・発売を
[せきとめる] 人ガ ものヲ
 ・川の水をダムでせき止め、発電所を作った。
 ・ビーバーは木の枝などを使って水の流れをせき止め、そこに巣を作っている。
      海水・川・川の水・急流・流れ・谷・車・感傷・腹立ち・女の子たちを ダムで
[ひきとめる] 人ガ 人ヲ
 ・時のながれを引きとめることはできない。
 ・「もう少し飲んで行けよ」と引き止められたが、「明日の朝早いので」と言って帰ってきた。
     客・男・父親・青年を 旅立ち・行き過ぎを

<スル動詞>
[ストップする]  人ガ ものヲ
 ・エンジンの設計図の誤りが見つかり、生産をストップした。
 ・料金が払えず、電気と水道をストップされた。
[制止(せいし)する]  人ガ 人・ものヲ
 ・警察が群衆を制止しようとしたが、とても無理だった。
 ・我々は広場の入り口で入場を制止されていた。
[駐車(ちゅうしゃ)する]  人ガ 所ニ ものヲ
  ・街の中は駐車(を)するところがなくて困る。
 ・バス停のそばに駐車(を)してはいけません。
[停止(ていし)する]  人ガ ものヲ             
 ・川が増水したため、列車の運行を停止した。
  ・器械(きかい)の異常(いじょう)を感知(かんち)して、自動的にシステムを停止した。


とどまる(留まる)  五(とどまらない・とどまります・とどまって・とどまれば・とどまろう)
[1]〔人ガ もの・所ニ〕
 △とどまりたい  とどまりそうだ  とどまってみる  とどまってはいけない
  とどまらないほうがいい  とどまろうとする  とどまらせる  とどまれ!
 △[長く/ずっと/いつまでも/当分(とうぶん)/一時的に/ほんの少し]~。
  △[その場/当地(とうち)/現地(げんち)/郷里(きょうり)/ふるさと/海外]に~。
  [現職(げんしょく)/公職(こうしょく)/大学/部長の座(ざ)/委員長(いいんちょう)]に~。
  ・彼は現在の職に三年留まっているので、そろそろ移りたいと言っている。
 ・私の先輩(せんぱい)は外国の赴任先(ふにんさき)に5年も留まっている。
 ・会長の座に当分の間留まることにした。
 ・初めは一週間の予定だったが、いろいろと調べなくてはならず、結局三ヶ月留まった。
[2]〔ものガ ものニ〕
 ・損害(そんがい)は百万円程度に留まっているので、それほどのことにはならなかった。
  ・起訴(きそ)されたのは3件の詐欺(さぎ)だが、彼の悪事(あくじ)はこれだけに留まらない。
 ・今回の事故(じこ)の負傷者(ふしょうしゃ)は100人にとどまらない模様(もよう)です。 
 ・責任(せきにん)の追及(ついきゅう)は部長だけに留まらず、もっと上にまで及ぶ可能性がある。

<複合動詞:-とどまる>
[おもいとどまる] 人ガ ものヲ
 ・家を出ようと思ったけれど、母に説得(せっとく)され、思いとどまってよかった。
 ・自殺(じさつ)を考えたこともあるが、その時は思いとどまった。
[ふみとどまる] 人ガ (所ニ)
 ・こわくてにげ出したい気持ちをやっとおさえて、踏みとどまった。
 ・仕事がとてもつらいので、どの人も2年とこの職場に踏みとどまろうとしない。
      土地・元の場所・都に 必死に かろうじて 狂気の一歩手前で
<スル動詞>
[足踏み(あしぶみ)する]  人・ものガ
  ・その場で何回か足踏み(を)してから、前に歩き始めてください。
  ・成長を続けていた経済が今年は足踏み(を)しています。

とどめる(留める)  一(とどめない・とどめます・とどめて・とどめれば・とどめよう)
[1]〔人ガ 人ヲ もの・所ニ〕
 △とどめたい  とどめておく  とどめてはいけない  とどめなければならない
  とどめようとする  とどめられる  とどめろ!  とどめるな! 
 △[しばらく/長く/ずっと/いつまでも/当分(とうぶん)/少しの間]~。
  ・彼は妻子(さいし)をふるさとに留めたまま、一人で東京に出てきた。
 ・兵士(へいし)を見張(みは)りとして村の入り口に留めておいた。
  ・三千の兵を国境(こっきょう)に留めて、敵(てき)の侵攻(しんこう)を防(ふせ)いだ。
[2]〔人ガ ものヲ ものニ〕
 ・小学校のクラス会で会った友人は子どもの頃の面影(おもかげ)を目元(めもと)に留めていた。
 ・彼女は20年前の事件(じけん)をはっきりと記憶(きおく)に留めているそうだ。
  ・委員長は話を概略(がいりゃく)的な説明に留め、詳細(しょうさい)は省略(しょうりゃく)した。
 ・政府は被害(ひがい)を最小限度(さいしょうげんど)に留めるべく努力したと言うが、結果はひど
  いものになった。
  ・今年度の予算(よさん)は、昨年度の9割(わり)に留めなければなりません。
 ・実験(じっけん)の経過(けいか)を記録(きろく)に留めておくように。
 ・彼女は今回の発見で歴史に名を留めることになるだろう。
[3]〔ものガ ものヲ ものニ〕
  ・その事件は強烈(きょうれつ)な印象(いんしょう)を彼の心にとどめた。
 ・川沿いの町並みは昔の面影(おもかげ)を白壁(しらかべ)にとどめている。

<複合動詞:-とどめる>
[おしとどめる] 人ガ 人・ものヲ
 ・群集が広場に入ろうとするのを警官隊が押しとどめた。(広場に入ろうとする群集を)
 ・爆発しそうな怒りをぐっと押しとどめた。
      足・怒り・笑み・解散・気持ち・言葉・涙・発言を かろうじて 懸命に

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