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変化6

 [25] 包む 巻く

   包む   包み隠す 包み込む  
      くるむ
      覆う   覆い隠す 覆い被さる 覆い尽くす
      巻く   巻き上がる 巻き上げる 巻き起こす 巻き起こる 巻き返す 巻き込む

          巻き付く 巻き付ける 巻き取る 巻き直す 巻き戻す

[26] 解く・解ける ほどく・ほどける ほぐれる・ほぐす

    解く  解き放す・解き放つ 解きほぐす  
      解ける
      梳かす
      ほどく  振りほどく
      ほどける
      たるむ
      ほぐれる
      ほぐす  解きほぐす もみほぐす

[27] 縛る くくる 束ねる

    縛る  縛り上げる 縛り付ける    束縛する 拘束する   
      くくる  くくりつける  ひっくくる
      束ねる
      綴じる  ファイルする

[28] 詰まる・詰める ふさがる・ふさぐ

    詰まる  行き詰まる 押し詰まる 煮詰まる  
      詰める  詰め合わせる 詰め替える 詰めかける 詰め込む 詰め寄る
      ふさがる
      ふさぐ

[25]包む・巻く
  ものの回りに他のものをつけて固定したり守ったりする動作を表す動詞。

◇つつむ
  「包む」は、紙や布などで外から見えないような状態にすること。そのようにして相手に渡すこと。
道具のデ格またはニ格をとる。
     人ガ ものヲ ものニ つつむ
       箱を紙で包む  ふろしきに着物を包む   霧に包まれる
    謝礼として1万円包む
 ひゆ的に、精神的なものなどに強く囲まれたような気持ちになること。感情などを隠すこと。
    会場が熱気・悲しみに 包まれる  事件は謎に包まれている
       包みきれないうれしさ  考えを包まず述べる
・複合動詞
 「包み隠す」は、包んで見えなくすること。ひゆ的に、事実・秘密などを人に知られないようにす
  ること。否定の形「包み隠さず(に)」の形で使われることが多い。
 「包み込む」は、中にしっかり包むこと。
◇くるむ
 「くるむ」は、布・紙などで巻くようにして包むこと。道具をニ格・デ格で示す。
   人ガ ものヲ (ものニ/デ) くるむ
    赤ん坊をタオルに/で  くるむ  
 くるむものをニ格にとり、道具のほうをヲ格にする文型もとれる。
   人ガ ものニ ものヲ くるむ
    赤ん坊にタオルをくるむ
◇おおう
  「覆う」は、ものを隠すように一面に何かをかぶせること。あたり全体に包むように広がること。
   ものガ ものヲ おおう
    雲が空を覆う  会場を覆う熱気
   人ガ ものヲ おおう
    顔・傷を 手で覆う  
・複合動詞
  「覆い隠す」は、何かで覆って見えないようにすること。ひゆ的に、抽象的なことにも言う。
 「覆い被さる」は、上から覆うようにかぶさること。
  「覆い尽くす」は、すべてを広く覆ってしまうこと。
◇まく
  「巻く」は、ひもや帯状のものを、人やものの回りに輪を描くようにつけること。「ものニものヲ」
の文型と、「ものヲものデ」の文型をとりうる。
   人ガ ものヲ ものニ 巻く / 人ガ ものヲ ものデ 巻く
    帯・包帯を 胴に巻く  木に縄・テープを 巻く 
    腕・傷を包帯で 巻く  ご飯・おにぎりを 海苔で巻く
 そのもの自体を丸くまとめること。 
   人ガ ものヲ 巻く
       ホース・ロープ・すだれを 巻く
 円を描くような動きを加える。もの自体が円を描くような動きをすること。自動詞の用法もある。
    (時計の)ネジを巻く  水が渦を巻く
    海面に渦が巻く  朝顔のつるが左巻きに巻く (自動詞の用法)
 「煙に巻かれる」は、煙に取り囲まれて方向がわからなくなる(息ができなくなる)こと。 
 慣用表現に「舌を巻く」「しっぽを巻く」「くだを巻く」「とぐろを巻く」などがある。
・複合動詞:「まき-」の形のものが多く、「巻いて・巻くように」の意と、「はげしく」の意味を加
えるものがある。
  「巻き上がる」は、円を描くように上に上がっていくこと。
 「巻き上げる」は、巻いてあげること。ひゆ的に、だましたり脅したりして人から奪い取ること。
 「巻き返す」は、一度巻いたものを反対に巻いて、元に戻すこと。ひゆ的に、負けそうになった状
  態から勢いを盛り返して反撃すること。
 「巻き込む」は、巻くようにして中に入れること。ひゆ的に、人を(好ましくない)物事に関係させ
  ること。
 「巻き付く」は、ものの回りを巻くようにして、離れない状態になること。ニ格をとる。
 「巻き付ける」は、巻き付くようにすること。
 「巻き取る」は、巻いて他のものに取ること。
 「巻き直す」は、もう一度巻くこと。
 「巻き戻す」は、巻いて元の状態に戻すこと。
 「巻き起こす」は、風や嵐が起こるようにすること。ひゆ的に、それがきっかけで予想外の大きな
  事柄を起こすこと。
 「巻き起こる」は、風やうねりが起こること。ひゆ的に、社会的に大きな事柄が起こること。


つつむ(包む)五(つつまない・つつみます・つつんで・つつめば・つつもう) 
[1]〔人ガ (ものデ)ものヲ〕
 △つつみたい  つつんでほしい  つつんでもらう  つつんである  つつんでおく
  つつんではいけない  つつまないといけない  つつめない  つつもうとする
  つつませる  つつまれる  つつめ!  つつむな!
 △[ていねいに/しっかり/ちゃんと/そっと/やさしく/かわいく/きれいに]~。
 △[お弁当(べんとう)/買った物/箱(はこ)/おみやげ/プレゼント/荷物(にもつ)]を~。
 ・それは人にあげるものですから、ていねいに包んでください。
 ・店の人にプレゼントをきれいな紙(かみ)で包んでもらった。
 ・母は何でも包みたがる。そして、中に何が包んであるか、みんな覚(おぼ)えているからすごい。
 ・やわらかい布(ぬの)で包まないと、傷(きず)がつきやすくなる。
 ・かびんを新聞紙(しんぶんし)で包もうとして、おとしてしまった。
 ・どんなことでも包まず話して下さい。(=かくさずに)
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △[ふろしき/新聞紙(しんぶんし)/ハンカチ/包み紙(がみ)]に~。
 ・お母さんはお弁当をピンクのハンカチに包んでくれた。
 ・店のおばあさんは、ダイコンを何にも包まずにそのまま渡(わた)してくれた。
 ・そのおじいさんは新聞紙に包んだ重そうな物を取り出すと、その包みをひろげた。
 ・にがい薬(くすり)はオブラートに包んで子どもにのませます。
 ・その、オブラートに包んだような言い方はやめて、はっきり言ってください。
[3]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 ・お坊(ぼう)さんにいくら包めばいいの? 10万円? そんなに?
 ・大工(だいく)さんに祝儀(しゅうぎ)を1万円包んだ。
[4]〔ものガ ものヲ〕
 △[霧(きり)/もや/煙(けむり)/闇(やみ)/夕闇(ゆうやみ)/緊張感(きんちょうかん)]が~。
 ・私たちは外に出た。町は深い霧に包まれていた。
 ・夕闇が山の間の村々(むらむら)を包み始め、静かに一日が終わろうとしていた。
 ・何か物騒(ぶっそう)な空気があたりを包んでいた。暴動(ぼうどう)が今にも起きそうだった。
 ・会場は悲しみに包まれ、故人(こじん)を想(おも)う人々が静かに語り合っていた。
 ・私たち四人姉妹(しまい)は、家族の愛に包まれて幸せな子ども時代を過(す)ごしました。
 ・ピリピリするような緊張感が試験場(しけんじょう)を包んでいて、叫(さけ)び出したくなるのを
  押さえるのに必死(ひっし)だった。

<複合動詞:つつみ->
[つつみかくす] 人ガ ものヲ 
 ・包み隠さずに、やったことを話しなさい。隠すと、罪が重くなる。
 ・製品に欠陥が見つかった場合、すべてを包み隠さずに公表することが必須だ。
   顔・胸・謎・矛盾を ~ずに語る・述べる・話す・事実を公表する
[つつみこむ] 人ガ ものヲ 
 ・両手で包み込むようにして、子猫を抱き上げた。
 ・シロップに漬けたフルーツを生地で包み込みます。
      雨・もやが 辺り・風景を 頭・腕・体・心を 腕に すっぽり 柔らかく


くるむ  五(くるまない・くるみます・くるんで・くるめば・くるもう)
[1]〔人ガ ものヲ ものニ/デ〕
 △くるんでおく  くるんでしまう  くるんだほうがいい  くるまなくてはならない
  くるめない  くるもうとする  くるませる  くるまれる  くるめ!  くるむな!
 △[ていねいに/何回も/厚(あつ)く/二重(にじゅう)に/しっかり]~。
  △[赤ちゃん/赤ん坊(あかんぼう)/体/頭/足/傷(きず)/遺体(いたい)]を~。
  ・はだかの赤ん坊をバスタオルでくるんで抱(だ)き上げた。
 ・白いモチをあんにくるんだ甘いお菓子を食べた。とてもうまかった。
 ・ドングリをいくつか拾(ひろ)い、ハンカチにくるんで家に持ち帰った。
 ・テーブルの上に、サラダがラップにくるまれて置かれていた。
  ・遺体を白い布(ぬの)でくるみ、担架(たんか)に乗せて運んだ。
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 ・人形(にんぎょう)の頭に綿(わた)をくるんで箱(はこ)に入れた。


おおう(覆う・被う)五(おおわない・おおいます・おおって・おおえば・おおおう)
[1]〔ものガ ものヲ〕
 △おおいそうだ  おおいがちだ  おおってしまう  おおわれる  おおうな!
 △[少し/一部分/全体的に/完全に/だいたい/ぴったりと]~。
 △[雲(くも)/熱気(ねっき)/不安感(ふあんかん)]が~。
 ・あつい雲が日本の空を覆っています。きょうは一日中くもりでしょう。
 ・山の上の方はゆきに覆われていた。
 ・その部屋のつくえやイスはほこりに覆われていた。長い間人が入ったことがないらしい。
 ・会議場(かいぎじょう)は熱気におおわれて(=つつまれて)いた。
 ・戦争(せんそう)がはじまったというニュースに、会議場(かいぎじょう)は、不安感におおわれた。
[2]〔人ガ ものデ ものヲ〕
 △[顔(かお)/目/耳]を手で~。
 ・そうじをする間、ほこりをかぶらないようにテーブルをしんぶんしで覆っておこう。
  (テーブルがほこりを)
 ・イスラム教徒(きょうと)の女の人は、よその人に(かおを)見られないようにかおをベールで覆う
  そうだ。
 ・事故(じこ)のあった所のようすがあまりひどいので、思わず目を覆いたくなった。
 ・目を覆うばかりの惨状(さんじょう)が目の前に拡がっていた。。
 ・そのニュースをきくと母は顔を両手(りょうて)で覆ってなき出した。
 ・近所の人がうちのかぞくについてあまりひどい事を言うので耳を覆いたくなった。
 ・ビニールで表面(ひょうめん)を覆って、いたまないようにした。

<複合動詞:おおい->
[おおいかくす] 人ガ ものヲ
 ・小さな娘は、ジャムの付いた口を両手で覆い隠した。
 ・この重大な事実を覆い隠そうとする動きがあるようだ。
   顔・口・体・事実・危険・行き詰まり・罪・感情・秘密を 両手で
[おおいかぶさる] 人・ものガ ものニ
 ・厚い雲が山頂に覆いかぶさっている。
 ・「あぶない!」と父親は子どもの体の上に覆いかぶさった。
       枝・顔・髪・雲・樹木・空・雰囲気・憂鬱・現実が 顔・頭・耳に 重く
[おおいつくす] ものガ ものヲ
 ・辺り一帯を黒い噴煙が覆い尽くし、パラパラと小石が落ちてきた。
 ・朝の空気は凍るように冷たく、池の表面は薄い氷に覆い尽くされていた。
   辺り・すべて・表面・町全体・全市を 山を若葉が
 

まく(巻く)五(まかない・まきます・まいて・まけば・まこう) 
[1]〔人・ものガ (ものデ) ものヲ〕
 △まいてある  まいておく  まいてもらう  まいてはいけない  まかなければならない
  まこうとする  まかれる  まかせる  まけ!  まくな!
 △[ぐるっと/ぐるぐる/二回/何回も/二重(にじゅう)に/何重(なんじゅう)にも]~。
 △[ねじ/ぜんまい/紙/タバコ/フィルム/渦(うず)]を~。
 ・けがをしたところを包帯でぐるぐる巻いた。
 ・子どものころ、よくご飯をのりで巻いてのり巻きを作った。
 ・のり巻きを巻くのは、あんがいむずかしい。
 ・むかしの時計はねじを巻くのをわすれると、とまってしまったものだ。
 ・おじいさんはタバコを巻くのが上手だ。
 ・昔のカメラはフィルムを巻かないと写真(しゃしん)がとれなかった。
 ・そこのホースを巻いてかたづけておいてください。
 ・一度使った包帯を洗って、また使えるようにていねいに巻いておいた。
 ・台風(たいふう)が来ているので川(の水)が渦を巻いて流れている。
 ・火事の時に、煙(けむり)に巻かれて死ぬ人が多い。(受身の形で使う:×煙が人を巻く)
 △[とぐろ/舌(した)/しっぽ/くだ]を~。
 ・へびがトグロを巻いてねむっている。
 ・弟の絵(え)があまりうまいので、わたしは舌を巻いた。
  ・加藤さんは酒に酔(よ)うとくだを巻くから困る。(酔っぱらってつまらないことをくどくど言う)
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △[足に包帯(ほうたい)を/腕(うで)にテープを/こしに帯(おび)を/柱(はしら)にひもを]~。
 ・あそこの、頭にターバンを巻いた人はだれですか。
 ・看護婦(かんごふ)さんが、足にぐるぐる包帯を巻いてくれた。
 ・包帯をこんなにたくさん巻くと、ほどく時に大変だね。
 ・大したけがでもないのに、手に包帯をぐるぐるまかれてしまったので、手が使えなくなった。
 ・首(くび)にマフラーを巻くと、とてもあたたかくなります。
 ・手がすべらないように、バットにテープを巻いた。
 ・日本人はあせが目に入らないようにひたいにぬのを巻きます。これを「はち巻き」といいます。
[3]〔ものガ〕
 ・川の水が渦を巻いてごうごうと流れている。
 ・この子はつむじが左(ひだり)に巻いている。
 ・朝顔(あさがお)のつるはどっち向きに巻いているんだっけ? 

複合動詞:まき->  
[まきあがる] ものガ
 ・突然、強い風が吹き、砂ぼこりが巻き上がった。
 ・突風が巻き上がり、瓦が吹き飛ばされた。
[まきあげる] 人ガ ものヲ 
 ・釣り糸が強く引かれたので、釣り人は急いで糸を巻き上げた。
 ・ポーカーでまけて、すっかりお金を巻き上げられてしまった。
 ・子どものころ、よく弟のこづかいを巻き上げた。
   網・糸・髪・簾・袖口・フィルム・帆・錨・リールを ほこり・土・雪を
   有り金・小遣い・財産・財布・荷物・大金・土地・財産・暴利を 洗いざらい
[まきおこす] もの・人ガ ものヲ  ものニ 
 ・彼女の活躍がテニスブームを巻き起こした。
 ・首相の不用意な言動が日本に大混乱を巻き起こした。
 ・この事件は、国民の間に広範な議論を巻き起こした。
   嵐・爆風・興奮・混乱・センセーション・評判・論議・幅広い議論・関心を
[まきおこる] ものガ
 ・南の海上に竜巻が巻き起こった。
 ・演奏が終わると、会場から盛大な拍手が巻き起こった。
 ・市長の発言に対して市民から厳しい批判が巻き起こり、市長は辞任に追い込まれた。
   一陣の風・新風・旋風・拍手の嵐・混乱・運動・批判・国際紛争・戦慄が
[まきかえす] 人ガ
 ・ハーフタイムで3点リードされていたが、何とか巻き返し、同点に追いついた。
 ・そこの所、もう一度テープを巻き返して聞かせて下さい。
   武装勢力が テープを 後半・終盤で 猛烈に じりじりと
[まきこむ] 人・ものガ ものヲ ものニ 
 ・一人の運転手の不注意が20台を巻きこむ大事故になった。
 ・夫婦げんかが両方の親を巻きこんで、大さわぎになった。
 ・ 大ぜいの人を巻きこんで戦争に反対する運動を起こそう。
 ・ちょっとした事から変な事件に巻き込まれた。
 ・交通事故に巻きこまれてけがをした。
 ・機械に服がさわると巻きこまれてしまうから、気をつけてください。
   しっぽ・紙を  人々・家庭・子供・市民・親戚・他人・友だち・無関係な人間・両親を
   戦争・犯罪・不幸・面倒なこと・不安の渦に
   ~れる 嵐・争い・いざこざ・紛争・騒ぎ・危険・警察沙汰・渋滞・事件・事故に
[まきつく] ものガ ものニ
 ・朝顔のつるが竹垣に巻きついている。
 ・ひものはしが車のじくに巻きついてしまって、とれない。
   つる・ヘビが 枝・木・体・手首・棒に ぐるぐる
[まきつける] 人ガ ものヲ ものニ
 ・ロープのはしは、足にひっかからないように、このハンドルに巻きつけておきます。
 ・棒の先にボロきれを巻きつけて、それに油をしみこませた。これに火をつけてあかりにするのだ。
   糸・帯・ガーゼ・髪・コード・綱・包帯・腕を 首に きつく ぐるぐると
[まきとる] 人ガ ものヲ ものニ
 ・その電気のコードはこのドラムに巻きとってください。(コードを)
 ・残ったテープは別のリールに巻き取っておいた。
   糸・コード・釣り糸・テープ・フィルム・巻き尺・メジャーを
[まきなおす] 人ガ ものヲ ものニ
 ・包帯が緩んできたので巻き直した。
 ・ケーブルがいい加減に巻いてあったので、きちんと巻き直した。
   糸・ケーブル・コイル・スカーフ・テープ・布・ねじ・包帯を
[まきもどす] 人ガ ものヲ 
 ・フィルムが終わった(=使い終わった)から巻きもどしましょう。
 ・録音テープを巻きもどしてください。
      テープ・ビデオテープ・フィルム・時計を すばやく ゆっくりと

[26] 解く・ほどく
  結んだもの・からまったものを元の状態にする動詞。自動詞と他動詞の対が多い。似た意味のもの
があり、使い分けが難しい。ひゆ的に精神的なことにも使われる。

◇とく
  「解く」は、結ばれていたり絡み合っていたりする部分を元に戻すこと。
      人ガ ものヲ とく
    ロープ・帯を 解く  結んだ髪を解く
 ひゆ的に、社会的・精神的なことで固まった状態をなくすようにすること。
    警戒・契約・誤解を 解く     怒りを解く
・複合動詞
 「解き放す」「解き放つ」は、縛っているものを解いて、自由にすること。「放つ」は「放す」の
  古い言い方。
   人々を束縛から解き放す/解き放つ
 「もみほぐす」は→「ほぐす」へ
◇とける
  「解ける」は、「解く」に対応する自動詞で、結ばれていたり絡み合っていたりする部分が(自然
に)元に戻ること。ひゆ的に、社会的・精神的なことで固まった状態がなくなること。
      ものガ とける
       紐・帯・結んだリボンが 解ける  警戒・誤解が 解ける    怒りが解ける
◇とかす
  「梳かす」は、もつれた髪にくしを入れて乱れを直すこと。
      人ガ ものヲ とかす
    洗った髪をよく梳かしておく
◇ほどく
  「ほどく」は、結ばれていたり絡み合っていたりする部分を元に戻すこと。「とく」より話しこと
ばとしてよく使われる。
      人ガ ものヲ ほどく
     靴の紐・帯をほどく    荷をほどく
・複合動詞
 「振りほどく」は、強く振ってほどくこと、放させること。
      ロープを振りほどく  警官の手を振りほどく
◇ほどける
  「ほどける」は、「ほどく」に対応する自動詞で、結ばれていたり絡み合っていたりする部分が(自
然に)元に戻ること。「ほどく」の可能形も同じ形になる。
   ものガ ほどける
       靴の紐がほどけてきた  ほどけないように固く結ぶ  固くてほどけない
◇たるむ
  「たるむ」は、張りつめていたものがゆるんで垂れるようになること。精神的なことにも言う。
      ものガ たるむ
    張った綱がたるむ      気持ちがたるんでいる
◇ほぐれる
  「ほぐれる」は、もつれたり固まったりしたものが解けること。ひゆ的に、精神的なことにも言う。
   ものガ ほぐれる
    筋肉のこりがほぐれる  緊張した気持ちがほぐれる
◇ほぐす
  「ほぐす」は、「ほぐれる」に対応する他動詞で、結び合ったり固まったりしているものを解いた
り柔らかくしたりすること。精神的なことにも言う。
      人ガ ものヲ ほぐす
    絡まった網・編んだセーターを ほぐす  魚の肉をほぐす    肩のこりをほぐす
    冗談を言って緊張をほぐす 
・複合動詞
 「解きほぐす」は、もつれたものを少しずつ解くこと。ひゆ的に精神的なことにも言う。
   からまった毛糸を解きほぐす  疲れ・ストレスを ときほぐす
  「もみほぐす」は、固くなった筋肉などをもんでやわらかくすること。


とく(解く) 五(とかない・ときます・といて・とけば・とこう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △ときたい  といてほしい  といてみる  といてもらう  といてあげる  といていく
  とかなければならない  とこうとする  とかせる  とかせられる
 △[ゆっくり/いそいで/じっくり/あわてて/のんびり/なんとか/やっと]~。
 △[靴(くつ)の紐(ひも)/荷物(にもつ)/包(つつ)み/ロープ/帯(おび)]を~。
  [禁止(きんし)/契約(けいやく)/警戒(けいかい)]を~。
 ・すみません。その、船をつないでいるロープを解いてください。
 ・荷物を運ぶのは何とか終わったが、一つ一つ紐を解かないと、中のものが出せない。
 ・プレゼントをもらって、さて、包みを解こうとする時が、いちばんわくわくする。
 ・きつくしめていた着物(きもの)の帯を解いて洋服(ようふく)に着かえたら、ずっとらくになった。
 ・強盗(ごうとう)がつかまって、やっと警察(けいさつ)の非常警戒(ひじょうけいかい)が解かれた。
 ・人から受ける誤解(ごかい)をいちいち解こうとしたら、大変だが、中にはどうしても解いておか
  なければならない誤解もある。

<複合動詞:とき->
[ときはなす・ときはなつ] 人ガ 人・ものヲ (ものカラ)
 ・馬を解き放すと、草原に向かって軽快に駆けていった。
 ・ついに無罪が確定し、悪夢から解き放された思いです。 
 ・家の呪縛から解き放たれた女たちが社会の中で自由に振る舞った。
   馬・女・心・罪人・パワー・人々・我が身を  悪夢・恐怖・呪縛・鎖から~れる 
[ときほぐす] 人ガ ものヲ
 ・仕事の疲れを解きほぐすには、ビタミン剤より、やはりアルコールだね。
 ・難解な科学理論を解きほぐして、わかりやすく解説する。
      緊張・誤解・疲れ・謎・縄・髪・糸のもつれ・矛盾・難解な理論・怒りを 一つ一つ


とける(解ける)  五(とけない・とけます・とけて・とければ)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △とけそうだ  とけかけている  とけてしまう  とけてはいけない  とけないようにする
  △[少しずつ/しだいに/半分/かんたんに/ひとりでに/ぱらりと]~。
  △[リボン/ひも/縄(なわ)/靴(くつ)ひも/結び目(むすびめ)/縫(ぬ)い目]が~。
  ・子どもの髪に結んだリボンが解けそうだ。
 ・靴のひもがしだいに解けてきた。しっかり結んだら、こんどは解けなくなってしまった。
 ・まわしが解けないようにしっかりと結んでおかないと、大変なことになりかねない。
 ・魔法(まほう)が解けると、馬車(ばしゃ)はカボチャになってしまった。
 

とかす(梳かす)  五(とかさない・とかします・とかして・とかせば・とかそう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △とかしたい  とかしておく  とかさないといけない  とかさせる  とかせ!
 △[ゆっくり/じっくり/ていねいに/何度も/くりかえし]~。
  ・髪(かみ)をゆっくり梳かしながら、今日のことを思い返していた。
 ・髪に癖(くせ)があるので、くりかえし梳かさないと、ぐしゃぐしゃになってしまうんです。
 ・美しい女性(じょせい)が長い髪を優雅(ゆうが)にとかしている姿(すがた)はなかなかいいね。
 ・梳かすというほどの髪がなくなってきたなあ。


ほどく(解く) 五(ほどかない・ほどきます・ほどいて・ほどけば・ほどこう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △ほどきたい  ほどいてみる  ほどいてはいけない  ほどかなければならない 
  ほどけない  ほどこうとする  ほどかせる  ほどかれる  ほどけ!  ほどくな!
 △[ゆっくり/ていねいに/慎重(しんちょう)に/あわてて/急いで/乱暴(らんぼう)に]~。
  △[帯(おび)/髪(かみ)/リボン/靴(くつ)ひも/縄(なわ)/ネクタイ/包(つつ)み]を~。
  ・引っ越し荷物(にもつ)をほどいていると、これからの生活への期待(きたい)がふくらんでくる。
 ・こんがらかった毛糸(けいと)をのんびりほどいていると、なぜか子供のころを思い出す。
 ・家に帰ってネクタイをほどく時、仕事から解放(かいほう)された気がする。
 ・海岸(かいがん)で漁師(りょうし)がからまった網(あみ)をゆっくりていねいにほどいていた。
  ・私が小さかったころ、からまってしまった毛糸(けいと)を父が時間をかけてほどいてくれた。
  ・このひもをほどくのは私だけ。他の人にほどかせてはいけません。

<複合動詞:-ほどく>
[ふりほどく] 人ガ ものヲ 
 ・彼女はつかみかかってくる男の手を振りほどいて大声を上げた。
 ・少年は体を縛っていた縄を振りほどき、鍵を壊して小屋から逃げ出した。
      腕・体・手・身・指を 邪険に がむしゃらに


ほどける(解ける) 五(ほどけない・ほどけます・ほどけて・ほどければ)
[1]〔ものガ〕
 △ほどけそうだ  ほどけかかっている  ほどけてはこまる  ほどけないようにする
 △[ひとりでに/自然(しぜん)に/ぱらりと/しだいに/少しずつ/一気(いっき)に]~。
  △[リボン/ひも/縄(なわ)/靴(くつ)ひも/結び目(むすびめ)/縫(ぬ)い目]が~。
 ・荷物のひもの結び方がゆるかったらしく、自然にほどけてきた。
  ・髪がほどけないように、リボンでしっかり結んだ。
  ・柔道(じゅうどう)を見ていると、帯(おび)がすぐほどけるのがどうも美しくないと思う。
  ・ロープが固く縛ってあって、私の力ではほどけなかった。(「ほどく」の可能形)
     からまった糸・緊張・靴ひも・縄・縫い目・ひも・結び目・リボンが


たるむ(弛む)  五(たるまない・たるみます・たるんで・たるめば)
[1]〔人・ものガ (ものガ)〕
 △たるみそうだ  たるんでしまう  たるんではいけない  たるまないようにする
 △[少しずつ/ひどく/だらりと/だらっと/なんとなく/つい]~。
  △[ロープ/綱(つな)/洗濯(せんたく)ひも/テニスのネット/網(あみ)]が~。
  [腹(はら)/顔/皮膚(ひふ)/脂肪(しぼう)/気/気持ち/精神(せいしん)]が~。
 ・洗濯ひもが強い風でたるんでしまった。
 ・ロープがそれ自体の重みでたるんできている。
  ・最近、腹の肉がたるんできて情(なさ)けない。
 ・母は太(ふと)りすぎで皮膚がたるんでいる。
 ・休み明けで、教師も学生も気持ちがたるんでいる。
 ・あまり必要性のないことの勉強は、つい心がたるんでしまう。
 ・このごろ、警察(けいさつ)はたるんでいると言われ続けている。
  ・疲れてきて、精神の緊張(きんちょう)がたるんでいるようだ。車の運転に気をつけよう。


ほぐれる(解れる)  一(ほぐれない・ほぐれます・ほぐれて・ほぐれれば)
[1]〔ものガ〕
 △ほぐれていく  ほぐれてほしい  ほぐれかける  ほぐれないとこまる
 △[少しずつ/だんだんに/ばらっと/ばらばらに/やわらかく/一気(いっき)に]~。
  △[首のこり/肩(かた)/筋肉(きんにく)/固さ/気持ち/感情(かんじょう)]が~。
  ・何が悪かったのか、なべの湯の中で麺(めん)が固まってしまってほぐれない。
 ・マッサージをしてもらうと、こり固(かた)まった肩の筋肉がほぐれていくのがわかる。
 ・会社でいやなことがあると、家に帰ってからもなかなか気分がほぐれなくてこまる。
 ・子どもたちの緊張(きんちょう)がほぐれるように、軽く元気づけてステージに送り出した。
 ・話し合いを続けるうちに、両者(りょうしゃ)の対立(たいりつ)した感情がしだいにほぐれてきた
  ようだった。


ほぐす(解す)  五(ほぐさない・ほぐします・ほぐして・ほぐせば・ほぐそう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △ほぐしたい  ほぐしてほしい  ほぐしてあげる  ほぐさなくてはいけない  ほぐせ!
 △[少しずつ/一気(いっき)に/ばらばらに/やわらかく/ていねいに/しんちょうに]~。
  △[からんだ糸(いと)/網(あみ)/毛糸(けいと)のセーター/疲れ/緊張(きんちょう)]を~。
  ・小さなものを編(あ)んで、できたらほぐし、また編むという練習をした。
 ・刑事(けいじ)は、絡(から)まった糸をほぐすように、こみ入った人間関係を調べ上げた。
 ・家に帰ると、愛犬(あいけん)が飛びついてきて一日の疲れをほぐしてくれる。
 ・ほぐした魚の肉をご飯にのせて、我が家の猫様(ねこさま)のお食事の始まりだ。
 ・試合(しあい)前の緊張をほぐすために、じゃんけんの勝ち抜き戦(かちぬきせん)をやった。
<複合動詞:-ほぐす>
[ときほぐす] 人ガ ものヲ
  ・仕事の疲れを解きほぐすには、ビタミン剤より、やはりアルコールだね。
 ・難解な科学理論を解きほぐして、わかりやすく解説する。
   緊張・誤解・疲れ・謎・縄・髪・糸のもつれ・矛盾・難解な理論・怒りを 一つ一つ
[もみほぐす] 人ガ ものヲ 
 ・肩こりがひどかったので、マッサージを頼んでもみほぐしてもらった。
 ・脳の疲れをもみほぐしてくれるような、夢のある小説が読みたい。
      体・こり・しこり・全身・つま先・気分・こったところを 丹念に

[27] 縛る・束ねる
  人が、縄やひもなどを巻くことで、人やものが動かないようにすることを表す動詞。「解く」「ほ
どく」と反対の意味を表す。
 
◇しばる
  「縛る」は、人・ものが動かないように、縄・ひもなどを巻き付けて先を結ぶ。他のものに固定す
る場合はニ格をとる。ひゆ的に、人の行動の自由を制限すること。
      人・ものガ 人・ものヲ (ものニ) しばる
    泥棒・傷口・雑誌の束を 縛る  旗を柱に縛る  時間・規則に 縛られる
・複合動詞
 「縛り上げる」は、動けないようにしっかりと(何重にも)縛ること。
 「縛り付ける」は、あるものを他のものに、離れないように縛ること。ニ格をとる。
◇くくる
  「くくる」は、ばらばらのものを一つにまとめて縛ること。ひもなどを巻きつけて締めること。
  慣用表現で「高をくくる」は、大したことはないと思って軽く見ること。「腹をくくる」は、悪い
事態を予想して覚悟を決めること。
      人ガ ものヲ くくる
    雑誌をひもでくくる  首をくくる(自殺する)  
・複合動詞
 「くくりつける」は、あるものを他のものに、離れないように縛ること。ニ格をとる。
 「ひっくくる」は、力を入れて、手荒に縛ること。 
◇たばねる
 「束ねる」は、細長いものや平たいものをひとまとめにしてくくること。ひゆ的に、人々の中心に
なってみんなをまとめること。
      人ガ もの・人ヲ たばねる
    稲・髪を束ねる  選手たち・町内を 束ねる
・スル動詞
 「束縛する」は、人の行動の自由を制限すること。
 「拘束する」は、ある場所に留めおいて、自由に行動させないこと。言論・権利の自由な行使を制
  約すること。
◇とじる
 「綴じる」は、ばらばらにならないように、穴をあけ、糸などを通して一つにまとめること。その
場所をニ格で示す。
      人ガ ものヲ (ものニ) とじる
        書類をバインダーに綴じる
・スル動詞「ファイルする」は、書類・新聞などを分類・整理して(綴じて)まとめておくこと。


しばる(縛る)  五(しばらない・しばります・しばって・しばれば・しばろう)
[1]〔人ガ (ものデ) 人・ものヲ〕
 △しばりたい  しばりにくい  しばっておく  しばってある  しばってみる
  しばってほしい  しばってはいけない  しばらなければならない  しばろうとする 
  しばらせる  しばられる  しばらせられる
 △[きつく/かたく/つよく/ゆるく/よわく/ちょっと/ぎゅっと/ぐいぐい]~。
  [ていねいに/らんぼうに/つぎつぎに/ひとつずつ/かたはしから/ぜんぶ]~。
 △[荷物(にもつ)を縄(なわ)で/髪の毛(かみのけ)をリボンで/ふくろを輪(わ)ゴムで]~。
 ・古い本をひもで縛って戸棚(とだな)に入れた。
 ・血(ち)を止めるために傷口(きずぐち)を包帯(ほうたい)で縛った。
 ・刈(か)り取った稲(いね)は少しずつ縛って、たばねておく。
 ・髪の毛をリボンで縛って、乱れないようにする。
 ・その男は留守番(るすばん)をしていたおばあさんの手足をストッキングで縛り、ひきだしにあっ
  た十万円を持ってにげたそうだ。
 ・まず、骨のおれた所をしっかりシャツで縛れ。
 ・昔は人を借金(しゃっきん)で縛って働かせるなどということもあったそうだ。 
[2]〔ものガ 人ヲ〕
 △[スケジュール/予定/規則(きそく)]にしばられる。
 ・この会社では規則に縛られて、いい仕事ができ来ない。(規則が人を)
 ・団体旅行(だんたいりょこう)なので時間に縛られて、ゆっくり見物することができなかった。
 ・人の世(よ)は、人間関係(にんげんかんけい)に縛られて、動きにくいことが多い。
[3]〔人ガ ものヲ ものニ〕
 ・うるさい子どもを柱(はしら)に縛っておいたら今度は泣き始めたそうだ。あたりまえだ。
 ・部屋(へや)に入ると、この家の主人がいすに縄で縛られていた。

<複合動詞:しばり->
[しばりあげる] 人ガ 人・ものヲ
 ・警備員は泥棒をつかまえて縛り上げた。
 ・畑を荒らす鹿を捕まえ、縛り上げておいたら、子供たちがかわいそうだと言う。
      体・主人・箱・両足・両手を 縄・ロープで 後ろ手に がんじがらめに
[しばりつける] 人ガ 人・ものヲ (ものニ)
 ・泥棒をつかまえて柱に縛り付けた。
 ・日本の男の人は女の人を家庭に縛り付けたがる。
 ・綱のはしを木に縛り付け、人の背ぐらいの高さにぴんと張った。
 ・この学校は学生を縛り付ける規則がたくさんある。
      足・体・心・行動・視線を 縄で 枝・木・仕事・家に 子供を手元に
<スル動詞>
[束縛(そくばく)する]  人・ものガ 人・ものヲ
 ・人々の自由と権利を束縛している権力を倒さねばならない。
 ・人間を束縛するのは規則や社会制度ではない。それらを支える人間自身だ。
   人・国民・政府を  精神・感情・心・良心を  自由・権利を  自らを
   法律・伝統・仕事・時間に~される
[拘束(こうそく)する]  人ガ 人ヲ
 ・この国の政治活動家の多くが拘束され、虐待されているという報告がなされた。
 ・労働者は工場の中の様々な規則に拘束されている。
      相手・大人数を 手足・身柄を 生活・精神を 


くくる(括る) 五(くくらない・くくります・くくって・くくれば・くくろう)
[1]〔人ガ (ものデ) ものヲ〕
 △くくっておく  くくってしまう  くくればいい  くくろうとする  くくるな!
 △[しっかり/まとめて/乱暴(らんぼう)に/手荒(てあら)く/ざっと/手早(てばや)く]~。
  △[荷物(にもつ)/古い雑誌(ざっし)/新聞紙/段(だん)ボール紙(がみ)/薪(まき)]を~。
  ・ひもでくくった荷物をトラックの荷台(にだい)に積んだ。
 ・空いた段ボール箱(ばこ)は、たたんでひもでくくっておいてください。
 ・数学では、式をカッコでくくることが多い。 〔例:6a+3b=3(2a+b)〕 
 ・試験は何とかなるだろうと高(たか)をくくっていたら、難しい問題が出てたいへんだった。

<複合動詞:くくり->
[くくりつける] 人ガ ものヲ ものニ
 ・ゆれても鏡がおちないように、ひもでしっかり柱に括りつけた。
 ・名ふだをかさの柄(え)に括りつけた。
 ・のこぎりのふくろは腰に括りつけてある。
      幼児・籠・荷札・人間・端・弁当・丸太・両足を 木・杭・背中・荷台に
<複合動詞:-くくる>
[ひっくくる] 人ガ 人・ものヲ
 ・たまっていた新聞紙をひもでひっくくって古紙回収に出した。
 ・世の中の悪人を片っ端からひっくくって、無人島に放り出したら気持ちいいだろうな。
      荷物・新聞紙・問題点・悪人・下手人を 片っ端から


たばねる(束ねる) 五(たばねない・たばねます・たばねて・たばねれば・たばねよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △たばねておく  たばねていく  たばねたほうがいい  たばねなければいけない
  たばねないでおく  たばねようとする  たばねさせる  たばねろ!
 △[しっかり/まとめて/いくつかわけて/乱暴(らんぼうに)に/雑(ざつ)に/ていねいに]~。
  △[稲(いね)/草/小枝(こえだ)/わら/花/髪(かみ)/棒(ぼう)/コピー/新聞紙]を~。
  ・小屋(こや)の横には、木の枝を切って束ねたものがいくつも置いてあった。
  ・稲を束ねてここにかけ、しばらく乾燥(かんそう)させるのです。
 ・彼女は長い髪を後ろに束ねて、汗(あせ)びっしょりで働いていた。
  ・一ヶ月分の新聞をひもで束ねて玄関(げんかん)の前に置いた。
 ・彼は族長(ぞくちょう)として一族を束ね、他の部族と戦っていかなければならなかった。
 ・この組織(そしき)を束ねる所長として、あなたに期待(きたい)する人は多いのです。
 

とじる(綴じる) 一(とじない・とじます・とじて・とじれば・とじよう)
[1]〔人ガ ものヲ (ものニ)〕
 △とじなさい  とじておく  とじたほうがいい  とじなければいけない  とじろ!
 △[しっかり/まとめて/かたく/乱暴(らんぼう)に/雑(ざつ)に/ていねいに]~。
  △[新聞/本/原稿(げんこう)/紙/資料(しりょう)/プリント]を~。
 ・ここにある紙を大きさ別に分けて綴じておいてくれませんか。
  ・図書館では新聞を半月分ずつ綴じて置いてある。
 ・学生に配(くば)るプリントをホッチキスで綴じるのに、けっこう時間がかかる。
  ・大きなバインダーに書類を綴じたものが棚(たな)に並べてある。
 ・本文(ほんぶん)を見ながら問題を考えるので、試験の問題用紙は綴じないほうが見やすい。

<スル動詞>
[ファイルする]  人ガ ものヲ 
 ・多くの書類を分類し、ファイルするということが、私にはまったくできない。
 ・彼の部屋には、切り抜かれ、ファイルされた新聞記事が山のように積まれている。

[28] 詰まる・詰める・ふさぐ
 あるものや場所に他のものが(たくさん)あって、いっぱいになった状態を表す動詞。それ以上入ら
なかったり、通れなかったりする。「つまる・つめる」「ふさがる・ふさぐ」は自動詞・他動詞の対。
抽象的なこと・精神的なことにも言う。

◇つまる
 「詰まる」は、ものがいっぱい入って、それ以上入らない状態になること。ひゆ的に、すべきこと
が多くて時間がないことを言う。「-ている」の形で状態を表す。
   ものニ ものガ つまっている
    財布に札がぎっしり詰まっている    本がつまったカバン
    仕事・予定が つまっている
  じゃまになるものがあって、ものがそこを通れない状態になること。原因となるものをガ格で示す
文型と、デ格で示す文型がある。
      ものニ ものガ つまる / ものガ (ものデ) つまる
    パイプに泥がつまっている  パイプが泥でつまっている  鼻・息が つまる
 ひゆ的に、何らかの問題に困ること。問題をニ格で示す。
   人ガ ものニ つまる
    金・返答・言葉に つまる
 短くなること。
   ものガ つまる
    行間が詰まりすぎている  着物の丈がつまる  日がつまる
 日本語の促音を「つまった音」という。
    つまった音(小さい「っ」で表される音)
・複合動詞
 「行き詰まる」は、道がなくなってそれ以上進めなくなること。ひゆ的に、物事がそれ以上進まな
  くなること。
       経営・考え・話し合いが 行き詰まる  アイデアに行き詰まる
 「押し詰まる」は、事態が切迫すること。ある決まった時期が迫ること。 
 「煮詰まる」は、煮えすぎて水分がなくなること。ひゆ的に、議論などが出尽くして、結論を出す
  段階になること。
    期限・会期・年の瀬が 押し詰まる   スープ・考え・問題が 煮詰まる 
◇つめる
  「詰める」は、「つまる」に対応する他動詞で、空いているところがなくなるように、いっぱいに
入れること。
      人ガ ものニ ものヲ つめる
    箱に菓子を詰める  奥に詰めてください(自分の体を)  息を詰める(止める)
 ひゆ的に、空いた時間がないようにすること、休まずにすること、議論で不十分なところがないよ
うにすることなどを言う。
      人ガ ものヲ つめる
    一日中詰めて働く  根を詰める  話・議論を 詰めておく
 短くすること。
    行間を詰める  植木の枝・着物の丈を 詰める  暮らしを詰める(倹約する)
 将棋で、王がつむ状態にすること。
 自動詞の用法で、ある場所に行き、そこで待機すること。
   人ガ 所ニ つめる
    交番・現場・事務所に 詰めている
・複合動詞:「つめ-」の形のもの、「-つめる」の形のもの、どちらもある。
「つめ-」の形のものは、ものを詰める意味と、人が人に迫る意味のものがある。
  「詰め合わせる」は、一つの箱やかごに二種類以上のものを詰めること。
 「詰め替える」は、入っているものを出し、代わりに別のものを詰めること。
 「詰め込む」は、できるだけたくさん入れること。
      紅茶とクッキーを詰め合わせる  カバンの中身を詰め替える  着替え・乗客を 詰め込む
 「詰めかける」は、そばに迫り寄ること。大勢でいっせいに押しかけること。
 「詰め寄る」は、相手のすぐそばまで寄ること。ひゆ的に、激しい態度で相手に迫ること。
   客が店・バーゲンセールに 詰めかける  ファン・記者が タレント・政治家に 詰め寄る
「-つめる」の形のものは、「強く、どこまでも、全部~する」という意味になるものが多い。
  「追い詰める」「通い詰める」「切り詰める」「食い詰める」「敷き詰める」「煎じ詰める」「突き詰
める」「問い詰める」「登り詰める」「張り詰める」「見つめる」「煮詰める」
◇ふさがる
  「塞がる」は、そこにものがあるために通れない、入れない状態になること。その場所が使えない
状態になること。ひゆ的に、時間が使えないこともいう。「-ている」の形で状態を表す。
      ものガ ふさがる
    道・穴・入り口が ふさがっている  会議室・席・手が ふさがっている
    今日の午後は(用事で)ふさがっている
 慣用表現で、「開いた口がふさがらない」は、呆れ返ること。
◇ふさぐ
  「塞ぐ」は、空いている場所に何かを置くか、何かで覆うかして、そこを通ったりそこに入ったり
できないようにすること。その場所を使えなくすること。
      人・ものガ もの・所ヲ ふさぐ
    道・穴・入り口を ふさぐ  目・耳・窓を ふさぐ  荷物が座席・場所を ふさいでいる
 「口をふさぐ」は、実際に手などで覆うことと、脅すなどしてしゃべらせないことも言う。
 「責めをふさぐ」は、与えられた役目・責任などを果たすこと。
 自動詞のひゆ的な用法で、心がゆううつな状態であること。
   人ガ ふさぐ
    彼は最近ふさいでいる


つまる(詰まる)五(つまらない・つまります・つまって・つまれば) 
[1]〔ものガ〕
 △つまりそうだ  つまりかけている  つまってしまう  つまるとこまる
  つまらないようにする  つまらせる  
 △[少し/ひどく/まったく/完全(かんぜん)に]~。
 △[パイプ/鼻(はな)/血管(けっかん)/のど/息(いき)]が~。
  [間隔(かんかく)/車間距離(しゃかんきょり)/次の仕事との間/予定(よてい)]がつまる
 ・鼻(はな)が詰まってしまって、くるしくてしかたがない。
 ・溝(みぞ)が詰まってゴミがながれないので、子どもにそうじをさせた。
 ・血管が詰まると危険(きけん)ですから、食事の内容(ないよう)に気をつけて下さい。
 ・毎日しごとの予定(よてい)が詰まっていて休みがとれない。これでは息(いき)が詰まってしまい
  そうだ。
 ・純毛(じゅんもう)のセーターは、洗うと、詰まって袖(そで)がみじかくなってしまう。
[2]〔ものガ ものニ〕
 △[ごみ/どろ/本/札束(さつたば)]がつまっている
 ・下水(げすい)のパイプにごみが詰まっていて、水がながれない。
 ・おもちがのどに詰まって救急車(きゅうきゅうしゃ)を呼ぶという事故(じこ)がよくあります。
 ・お金のたくさん詰まった財布(さいふ)をひろった。さあ、どうしよう。
 ・おしいれには本がいっぱい詰まっているので、ふとんがはいらない。
 ・田中さんはいつも本がぎっしり詰まったかばんを持ち歩いている。
[3]〔人ガ ものニ〕
 △[答(こた)え/返事(へんじ)/ことば]に~。
 ・きゅうにむずかしい事を聞かれたので、返事に詰まってしまった。
 ・となりの奥さんに、「うちの主人(しゅじん)は何もやっても上手なんです。」と言われて、返す
  ことばにつまってしまった。

<複合動詞:-つまる>
[い(ゆ)きづまる] 人・ものガ (ものニ)
 ・二人とも主張をまげようとしないので、話合いは行き詰まった。
 ・さいきん仕事がうまく行かなくて、行き詰まっている。
 ・どうもアイデアに行き詰まってしまって、ゲーム制作が進まない。
   運営・経営・交渉・政治・考え・話・芸・自転車操業が 金・アイデアに
[おしつまる] ものガ
 ・暮れも押しつまった12月27日に火事がおきて、何もかも焼けてしまった。
 ・会期も押しつまってきて、残りは3日となった。
   期限・暮れ・情勢・年・年の瀬が いよいよ
[につまる] ものガ
 ・なべを火にかけておいたのを忘れ、スープが煮詰まってしまった。
 ・議論を繰り返すうちに、問題が煮詰まってきた。あと少しだ。
   汁・ジャム・話・計画・事態・考え・頭の中が


つめる(詰める)一(つめない・つめます・つめて・つめれば・つめよう) 
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △[かばんに荷物(にもつ)を/箱(はこ)におもちゃを/棚(たな)に本を]~。
  [弁当箱(べんとうばこ)におかずを/ビンに水を/壁(かべ)のすきまにセメントを]~。
 △つめにくい  つめておく  つめてある  つめてしまう  つめてもらう  つめてくれる
  つめてはいけない  つめなければならない  つめようとする  つめさせる  つめられる
 △[たくさん/ぎっしり/ぴったり/ぎゅうぎゅうに/むりに/できるだけ]~。
 ・毎朝かばんに本を詰めて学校へ行く。
 ・まどのすきまに紙(かみ)を詰めて風をふせいでいる。
 ・鼻血(はなじ)が出たら鼻にティッシュを詰めて、頭を下げるといい。
 ・この荷物をもっと右に詰めれば、少しは場所があくだろう。
 ・わたしの子どものころ、母は毎朝お弁当をつめてくれた。
[2]〔人ガ ものヲ〕
 △[行間(ぎょうかん)/間隔(かんかく)/あいだ/差(さ)]を~。[そで/すそ]を~。
 ・前の車との間隔を詰めすぎると、事故(じこ)が起きやすいので気をつけよう。
 ・文章が長くなりすぎたが、行間を詰めて、何とか1枚に印刷(いんさつ)した。
 ・長すぎるので、ズボンのすそを自分で詰めようとしたが、うまくできなかった。
 △[食費(しょくひ)/生活費]を~。
 ・食費を詰めるのはよくないよ。体をこわしたら、かえってお金がかかるんだから。
 ・そのころの私は生活費を詰めてまで競馬(けいば)に金を費(ついや)やしていた。
 △[話/交渉(こうしょう)/議論(ぎろん)/案(あん)/考え]を~。
 ・期限(きげん)が迫(せま)っているので、あちらとの話をもっと詰めておかないといけない。
  ・その件については、まだあまり考えを詰めていないので、少し待ってください。
 ・あんまり根(こん)を詰めて(=集中(しゅうちゅう)して)仕事(しごと)をすると、体を壊(こわ)し
  てしまいますよ。
[3]〔人ガ 所ニ〕
 △[会社/交番(こうばん)/事務所(じむしょ)/現場(げんば)]に~。
 ・事件(じけん)をすぐに新聞に書くために、警察(けいさつ)には新聞記者が何人も詰めている。
 ・現場(げんば)に何日も詰めて作業(さぎょう)の指揮(しき)をした。

<複合動詞:つめ->
[つめあわせる] 人ガ ものヲ ものト
 ・箱を開けると、紅茶とコーヒーが詰め合わせてあった。
 ・生活に必要な物から遊ぶ物までいろいろ詰め合わせて、外国にいる息子に送ってやった。
   各種の品・土産品・所持品を
[つめかえる] 人ガ ものヲ (ものカラ) ものニ
 ・昔のカメラはフィルムを詰め替えたりして面倒だったが、味があった。
 ・安いチョコレートを買ってきて、きれいな箱に詰め替え、バレンタインで配った。
   チョコレート・フィルム・弾・タバコ・瓶・ケースを
[つめかける] 人ガ ものニ
 ・安売りをやっているので、お客がスーパーにおおぜい詰めかけた。
 ・党首の辞任会見を予想して、党の本部にマスコミ関係者が詰め掛けた。
   観客・関係者・客・見物人・参詣者・記者・ファンが 会場・玄関・集会に
   千人近くが 次々と ぎっしり ぼつぼつ 後から後から 押し合うように
[つめこむ] 人ガ ものヲ ものニ
 ・大学の入学試験に通るためにはくだらない知識をたくさん頭に詰めこまなくてはならない。
 ・時間がないので、5分ぐらいでいそいでごはんを詰め込んだ。
   金・火薬・がらくた・着替え・ご飯・品物・客・乗客・生徒を 知識・教養を
[つめよる] 人ガ 人ニ
 ・記者たちは「あれはウソだったんですか!」と首相に詰め寄った。
 ・使途不明のお金について母に詰め寄られ、父はしどろもどろだった。
   語気鋭く 詰問するような口調で つかみかからんばかりの態度で 人に
<複合動詞:-つめる>
「-つめる」の形のものは、「強く、どこまでも、全部~する」という意味になるものが多い。
  「追い詰める」「通い詰める」「切り詰める」「食い詰める」「敷き詰める」「煎じ詰める」「突き詰
める」「問い詰める」「登り詰める」「張り詰める」「見つめる」「煮詰める」
  (それぞれ前の動詞の項を参照)

ふさがる(塞がる)  五(ふさがらない・ふさがります・ふさがって・ふさがれば・ふさがろう)
[1]〔ものガ (ものデ)〕
 △ふさがりそうだ  ふさがりかけている  ふさがってはこまる  ふさがらないようにする
 △[しだいに/少しずつ/いつのまにか/急に/困ったことに/知らないうちに]~。
  △[道/道路(どうろ)/パイプ/管(くだ)/下水(げすい)/溝(みぞ)/穴(あな)]が~。
    [席(せき)/座席(ざせき)/部屋(へや)/家/傷口(きずぐち)/のど/腸(ちょう)]が~。
  ・空気を通すための穴は、しだいに土砂(どしゃ)でふさがりつつあった。
 ・パイプはゴミでふさがっていて、燃料(ねんりょう)が装置(そうち)に送られていなかった。
  ・大通りは集まってきた群衆(ぐんしゅう)でふさがっていて、車はとても通れなかった。
 ・道のわきにある溝はたくさんの落ち葉(おちば)でふさがってしまっている。
  ・港(みなと)はしだいにたまってきた泥(どろ)でふさがりかけていた。
 ・傷口はだんだんふさがってきたようだ。もう大丈夫(だいじょうぶ)だ。
 ・老人は、モチなどでのどがふさがってしまって窒息死(ちっそくし)する危険(きけん)がある。
 ・会議室(かいぎしつ)は、だれか使っていてふさがっているので、ほかのへやを探(さが)そう。
 ・私は今ちょっと仕事で手がふさがっているので、他の人をそちらに行かせます。
  ・今日の午後は、あいにく(予定が)ふさがっています。
 ・まったくあいつの言っていることはばかばかしすぎて、開いた口がふさがらない。


ふさぐ(塞ぐ)  五(ふさがない・ふさぎます・ふさがって・ふさがれば・ふさがろう)
[1]〔人・ものガ ものヲ〕
 △ふさぎたい  ふさいでほしい  ふさいではいけない  ふさぐべきだ  ふさげない
  ふさごうとする  ふさがせる  ふさがれる  ふさげ!  ふさぐな!
  △[急いで/少しずつ/しっかり/ていねいに/むりやり/けんめいに/きれいに]~。
 △[道/廊下(ろうか)/階段(かいだん)/パイプ/管(くだ)/穴(あな)/へや/場所]を~。
  ・何か事件(じけん)があったのか、警察(けいさつ)がバリケードで道を塞いでいた。
 ・学生たちが固まって話していて通路(つうろ)をふさいでいる。少しは回りを見ろ。
  ・この店はあふれた商品が階段をふさいでいて、火事(かじ)などの時、非常に危険(きけん)だ。
 ・壁(かべ)の穴を板(いた)でふさごうとしたが、かえって壁をくずして穴を広げてしまった。
 ・捨(す)ててもいいようなものが押し入(おしい)れをふさいでいて、必要なものが入らない。
 ・会社は、やめたベテランのあとを今度来た新人(しんじん)で塞ごうとした。むりな話だ。
  △[口/耳/目/鼻(はな)/傷口(きずぐち)/血管(けっかん)]を~。
  ・男は彼女が叫(さけ)ぼうとしたので、口を手で塞いだ。
 ・思わず耳をふさぎたくなるような騒音がへやの中に満(み)ちていた。
 ・血(ち)のかたまりが血管をふさぐと血が流れなくなり、危険です。
[2]〔人ガ (ものガ)〕
 ・彼は入試(にゅうし)の失敗(しっぱ)で気分が塞いでいるらしく、元気がない。
 ・天気が悪いとどうしても気が塞ぐ。空が晴(は)れたら気も晴れるだろう。 
 ・姉(あね)は最近どうもふさいでいる。何があったのだろうか。

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