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変化5

[20] 混ざる・混じる・混ぜる 交える

    混ざる  混ざり合う     
      混じる      混じり合う  入り混じる  混血する
      混ぜる      混ぜ合わせる 織り交ぜる かき混ぜる 取り混ぜる  ミックスする
      交える

[21] 結ぶ つながる・つなぐ・つなげる 継ぐ

    結ぶ   結び合わせる 結びつく 結びつける  取り結ぶ  
      つなぐ  つなぎ合わせる つなぎ止める  食いつなぐ  取り持つ
      つながる
      つなげる
      継ぐ    継ぎ合わせる 継ぎ足す  受け継ぐ 語り継ぐ 取り次ぐ 引き継ぐ

[22] 分かれる・分ける

    分かれる   分岐する   分裂する  
      分ける      分け合う 分け与える 分け入る  押し分ける 書き分ける
           掻き分ける かぎ分ける 切り分ける 取り分ける 振り分ける
           見分ける 盛り分ける
           区分する 区別する 手分けする 等分する 分解する 分割する
           分業する 分散する 分担する 分配する 分別する 分類する  分離する

[23] 揃う・揃える 整う・整える 備わる・備える

    揃う    出揃う 生え揃う   
      揃える   買い揃える 切り揃える とり揃える
      整う
      整える  買い整える    支度する 準備する 整備する 整理する セットする
                   調整する 手入れする 用意する
      備わる
      備える  兼ね備える  設備する 装備する 荷造りする 武装する

[24] 積もる・積む 重なる・重ねる

    積む      積み上げる 積み替える 積み重なる 積み重ねる 積み込む 積み出す   
          積み立てる 積み残す
      積もる  降り積もる
      重なる  重なり合う  うち重なる 折り重なる
      重ねる    重ね合わせる  折り重ねる 塗り重ねる
      盛る   盛り上がる 盛り上げる 盛り返す 盛り込む 盛りつける 盛り分ける

[20] 混ざる・混じる
 種類の違ったものが一緒になることを表す動詞。「まざる・まじる」は自動詞、「まぜる」が他動
詞という対立になっている。「交える」は一部含めることと、交差すること。
  反対概念は「分ける」、「取り除く」など。

◇まざる
  「混ざる・交ざる」は、あるものが他のものの中に入って、区別がつきにくくなること。ひゆ的に、
抽象的なものにも言う。ト格またはニ格をとる。
   人・ものガ 人・ものト/ニ まざる
    砂とセメントがよく混ざる  赤に青が少し混ざっている  油と水は混ざらない  
       いくつかの文化が混ざっている 
・複合動詞
  「混ざり合う」は、2種以上のものが互いに他の中に入って、一緒になること。
    いくつかの民族が混ざり合う
◇まじる
 「混じる・交じる」は、あるものの中に他のものが(少し)入ること。互いがまだ区別できる場合に
主に使われるが、「まざる」とほぼ同じようにも使われる。ト格またはニ格をとる。
   人・ものガ 人・ものト/ニ まざる
    米に麦が混じっている  大勢の女の中に男が数人混じる
    日本人と中国人の血が混じっている
・複合動詞
  「混じり合う」は、2種以上のものが互いに他の中に入って、一緒になること。
 「入り混じる」は、他のものの中に入って一緒になること。いろいろな要素が入っていること。
・スル動詞
 「混血する」は、人種の異なる父母の間に産まれた子が両方の特質を持つようになること。
◇まぜる
  「混ぜる・交ぜる」は、2種以上のものを一緒にすること。ト格またはニ格をとる。
   人ガ ものト/ニ ものヲ まぜる
    セメントと砂を混ぜる  米に麦を混ぜる  卵を混ぜる
・複合動詞
 「混ぜ合わせる」は、2種以上のものを互いによくまぜること。
 「織り交ぜる」は、布などを織る時、2種以上の違ったものをまぜること。
 「かき混ぜる」は、よく混ざるようにかき回して混ぜること。
 「取り混ぜる」は、いろいろなものを一つに混ぜること。
・スル動詞
 「ミックスする」は、種類の違うものを混ぜること。  
◇まじえる
  「交える」は、あるものを他のものに含めること。細長いものを互いに組ませるようにすること。
ひゆ的に、人と何かをやりとりすること。やや書きことば。
   人ガ ものニ ものヲ まじえる
    たとえ話・英語・体験・みぶりを 交えて説明する  私情・主観を 交えずに評価する
   人ガ 人ト ものヲ まじえる
    ひざを交える  一戦・戦火を 交える(=戦う)   
 「ひざを交えて話す」は、少人数で親しく話すこと。    


まざる(混ざる・交ざる)五(まざらない・まざります・まざって・まざれば) 
[1]〔ものガ ものト/ニ〕
 △まざりやすい  まざりにくい  まざってしまうと、もう分けられない
  よくまざったら、つぎに
 △[よく/ごちゃごちゃに/少し/たくさん/かなり]まざっている
 △[しおがさとうと/新しい本が古い本と]~。
 ・野菜(やさい)がドレッシングと混ざるようによくかきまぜてください。
 ・まだ、すなとセメントがよく混ざっていない。
 ・あとから入れたデータが古いデータと混ざってしまって、区別が付かない。
 ・おべんとうがかばんの中でころがったので、中のごはんとおかずが混ざってしまった。
 ・数百枚の百円玉の中に、五十円玉が何枚か混ざっている。
 ・油(あぶら)は水とは混ざらない。
[2]〔ものガ〕
 ・よくかわかないうちに別の色(いろ)をぬったので、えのぐが混ざってしまった。
 ・ふくろの中には、いろいろなおかしがまざって入っていた。
 ・トランプのカードがよく混ざっていなかったようだ。同じ数が続けて出る。 

<複合動詞:まざり->
[まざりあう] ものガ ものト
 ・この国の文化は、いくつかの文化が混ざり合ってできたものです。
 ・日本人は、さまざまな民族の血が混ざり合っている。


まじる(混じる・交じる)五(まじらない・まじります・まじって・まじれば・まじろう)
[1]〔人・ものガ 人・ものニ〕
 △ まじりやすい  まじりにくい  まじってしまう  まじらないようにする
 △[いくらか/多少/ちらほらと]~。
 △[小学生の中に中学生が/日本人の中に外国人が/石の中に宝石(ほうせき)が]~。
 ・私はもう60才ですが、これから、若い人に混じっていっしょに勉強するつもりです。
 ・私に来た手紙の中にあなたへの手紙が混じっていました。
 ・このイヌはほんとうのプードルではない。いくらか、ほかの血(ち)が混じっているそうだ。(こ
  のイヌの血にほかのイヌの血が)
 ・卒業式(そつぎょうしき)の日はうれしさの中にさびしさの混じった複雑(ふくざつ)な気持ちにな
  った。
 ・二十年ぶりで友だちに会ったら、その友だちの髪(かみ)にも白い物が混じっていた。

<複合動詞:まじり->
[まじりあう] ものガ ものト
 ・空の青とゆうやけのピンクが混じり合ってとても良いながめになった。
      記憶・血・匂い・光・様々な音が なめらかに 渾然と 光と闇が
<複合動詞:-まじる>
[いりまじる] ものガ ものト
 ・この音楽は、原色が入り交じった、南国の強烈な自然を感じさせる。
 ・様々な職業の経験者が入り交じった個性的なチームを作りたいと思っています。
   いくつかの要素が 複雑に 雑然と 希望と不安が 新旧 声に驚きが
   恥じらいといらだちが  恐怖とあこがれが~た目つき ~た表情・顔 
<スル動詞>
[混血(こんけつ)する]  人ガ 人ト
 ・日本列島で諸民族が混血(を)し、現在の「日本人」ができあがったと考えられる。


まぜる(混ぜる)一(まぜない・まぜます・まぜて・まぜれば・まぜよう) 
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △まぜやすい  まぜにくい  まぜておく  まぜてみる  まぜてはいけない 
  まぜると危険(きけん)  まぜようとしたら  まぜてかきまわす
 △[よく/じゅうぶんに/しっかり/手で/スプーンで/はしで/かきまわして]~。
 △[赤に白を/ごはんに野菜(やさい)を/米(こめ)に麦(むぎ)を/ガソリンに水を/鉄(てつ)に他
   の金属(きんぞく)を]~。
 ・100%の金(きん)はやわらかいので、ほかの金属(きんぞく)を少し混ぜてかたくして使います。
 ・米(こめ)に野菜(やさい)などを混ぜてたいた物を「混ぜごはん」と言います。
 ・青の絵の具(えのぐ)と黄(き)の絵の具を混ぜると緑色(みどりいろ)になります。
[2]〔人ガ ものト ものヲ〕
 ・小麦粉(こむぎこ)とたまごとバターをよく混ぜてください。
 ・いたずらで砂糖(さとう)と塩(しお)を混ぜておいた。
 ・シャベルで砂(すな)とセメントをよく混ぜろ。
 ・トランプのカードをよく混ぜておく。
 ・百人一首(ひゃくにんいっしゅ)の読み札(ふだ)を混ぜてバラバラにしておく。
 ・「混ぜるな危険(きけん)」という注意が漂白剤(ひょうはくざい)などの容器(ようき)に書いてあ
  ることがある。あるものと混ぜると、有毒(ゆうどく)ガスが発生(はっせい)したりするからだ。

<複合動詞:まぜ->
[まぜあわせる] 人ガ ものヲ ものト
 ・セメントと砂をよく混ぜ合わせてください。
 ・材料を混ぜ合わせてから、スープを加えます。
      絵の具・材料・野菜・具・各種の粉・カード・全体・哀れみと軽蔑を
<複合動詞:-まぜる>
[おりまぜる] 人ガ ものニ/ト ものヲ
 ・これまでの経験をいろいろと織り交ぜて、新人に役に立つような話をしてほしい。
 ・この本は、戦後の党の活動を、事実と多少の潤色を織り交ぜて報告している。
   体験談・経験を 虚構の話を 追憶と空想を 満足と憂いを
[かきまぜる] 人ガ ものヲ
 ・溶かしたバターを入れて、よくかき混ぜてください。
 ・卵をよくかき混ぜた。
   落ち葉・記憶の底・空気・クリーム・全体・卵・土・鍋の中・牌・表面を
[とりまぜる]  人ガ ものヲ (ものト)
 ・悲しい話、楽しい話、いろいろ取り混ぜた作品集です。
 ・いろいろなお菓子を大小取り混ぜて箱詰めにしました。ご進物にどうぞ。
      大小・和洋・虚実・あることないことを 洋風と和風・平仮名と漢字を
<スル動詞>
[ミックスする]  人ガ ものヲ ものト
 ・甘さが辛さとうまくミックスされていて、いい味になっている。
 ・この両者の長所を上手にミックスすることができたら素晴らしいんだが。


まじえる(交える)一(まじえない・まじえます・まじえて・まじえれば・まじえよう)
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △まじえてほしい  まじえてある  まじえてはいけない  まじえたほうがいい
 △[少し/いろいろ/あれこれ/]~。
  △[体験(たいけん)/身振(みぶ)り/たとえ/比喩(ひゆ)/英語]を~。
 ・あの人の話は、具体(ぐたい)的な体験やたとえ話を交えて話してくれるのでわかりやすい。
 ・その国のことばがわからなくても、下手(へた)な英語と身振りを交えてがんばれば、何とか言い
  たいことは通じるものだ。
 ・彼は、何かと英語を交えて話をするので、みんなに嫌(きら)われている。
 ・課長(かちょう)、仕事に私情(しじょう)を交えないでください。
 ・夏休みの前の日に先生を交えてパーティーをした。
[2]〔人ガ 人ト ものヲ〕
 △[ひざ/戦(たたか)い]を~。
 ・きょうはみなさんとひざを交えて、ゆっくりお話することができたので、みなさんの気持ちがよ
  く分かりました。
 ・ゆうべもまた、ちょっとしたことがもとで、妻(つま)と一戦(いっせん)を交えてしまった。うち
  はなかが良すぎるんだ。

[21]結ぶ・つなぐ
  二つのもの、場所を何らかの方法で関係づけることを表す動詞。具体的には、ひものような長いも
のを使う。ひゆ的な用法が多い。自動詞の「-ている」の形は、結果の状態を表す。

◇むすぶ
  「結ぶ」は、ひもなど長いものの端を組んで締め、離れないようにすること。
      人ガ ものヲ むすぶ
    糸・ロープ・靴のひもを 結ぶ  帯・ネクタイを 結ぶ  
 あるものに他のものをつけて離れないようにする。ひもなどの長いものを道具のデ格とする場合と、
そのもの自体をつける場合がある。対象のニ格またはト格をとる。
      人ガ ものニ/ト ものヲ むすぶ
    リボンで髪を結ぶ  リボンで髪に花を結ぶ  髪にリボンを結ぶ
    木の枝におみくじを結ぶ      木の枝と枝をロープで結ぶ
  ひゆ的に、二つのものを何からの形で関係させること。あるまとまりや状態を生じること。
      人・ものガ ものト ものヲ むすぶ
    島と島を船で結ぶ  飛行機が離島を本島と結ぶ
    インターネットが候補者と有権者を結ぶ
      人・ものガ ものヲ むすぶ
     話を感謝の言葉で結ぶ  研究が実を結ぶ
 相手のト格をとる用法がある。
      人ガ 人ト ものヲ むすぶ
    不動産屋と契約を結ぶ  日本がアメリカと安全保障条約を結ぶ
 受身の「結ばれる」という形で、男女が結婚するに至ることを表す。
    二人はめでたく結ばれた
  慣用表現「(人と)手を結ぶ」は、協力すること。   
・複合動詞
 「結び合わせる」は、二つのものを結んで一つにすること。
 「結びつく」は、結ばれて一つになること。密接な関係を持つこと。
 「結びつける」は、動かないように結んでつけること。ひゆ的に、二つの事柄を関係づけること。
 「取り結ぶ」は、契約などを固く結ぶこと。二者の仲を取り持つこと。人の機嫌を損ねないよう、
うまく計らうこと。
◇つなぐ
  「繋ぐ」は、二つのものを細長いものなどで結び止めて離れないようにすること。対象のニ格また
はト格をとる。ひゆ的に、二つのものを何からの形で関係させること。
      人ガ ものヲ ものニ/ト つなぐ
    ロープで船を岸につなぐ  ひもで犬を木につないでおく
    デパートが新館を本館と連絡通路でつなぐ  国が橋で島と本土をつなぐ
       短いひもを何本もつなぐ(ひもとひもを)
    橋が四国と本州をつなぐ    海底トンネルが本州と北海道をつないでいる
    交換手が電話を社長・会議室に つなぐ
 相手のト格をとる用法がある。人と身体的、精神的に関わりを持つこと。
      人ガ 人ト ものヲ つなぐ
    子どもが大人と手をつなぐ  被災者同士が心をつなぐ
 ひゆ的に、切れそうなもの、終わりそうなものを何とか続くようにすること。
    再手術に望みをつなぐ     薬で命をつないでいる
・複合動詞
 「つなぎ合わせる」は、二つ以上のものをつないで一続きのものにすること。
 「つなぎ止める」は、離れないようにしっかりととめること。ひゆ的に、精神的なことにも言う。
 「食いつなぐ」は、(苦しい中で)何とかして食べていく、生き続けていくこと。
  「取り持つ」は、二者の間に立って、話し合いなどがうまくいくように世話をすること。
◇つながる
  「繋がる」は、「つなぐ」に対応する自動詞で、(離れていた)二つのものが結びつけられること。
関係づけられること。
   人・ものガ 人・ものニ/ト つながる
       ビルが駅と地下道で繋がっている  テレビがコードで録画機とつながっている
    電話がつながる(通じる)    私は彼と血がつながっている(血縁関係にある)
    一人の人間は世界中の人といろいろな関係でつながっている     
 ひゆ的に、あることが他のことのきっかけ、原因となることを表す。
      ものガ ものニ つながる
    小さなミスが失敗につながる  知名度が当選につながった
◇つなげる
  「繋げる」は、(いくつかの)ものを結び合わせて長いものにすること。
      人ガ ものヲ つなげる
       ロープを長く繋げる  短い論文をつなげて長いものにする
◇つぐ 
 「継ぐ・接ぐ」は、離れているものをつけて、一続きにすること。やや書きことば。ひゆ的に、人
が人の仕事などを同じような形で続けること。
   骨を接ぐ  木に竹を接ぐ  親の仕事・遺志を 継ぐ
・複合動詞:「つぎ-」の形のものと、「-つぐ」の形のものがある。
  「継ぎ合わせる」は、ものを他のものに継いで、長くすること。
 「継ぎ足す」は、足りないところを後から加えること。継いで長くすること。
  「-つぐ」の形のものは、「受け継ぐ」「語り継ぐ」「取り次ぐ」「引き継ぐ」など。

 
むすぶ(結ぶ)五(むすばない・むすびます・むすんで・むすべば・むすぼう)   
[1]〔人・ものガ ものヲ〕
 △むすびやすい  むすんである  むすんでおく  むすんでみる  むすばないといけない
  むすぼうとする  むすばせる  むすばれる  むすべ!  むすぶな!
 △[かたく/きつく/しっかりと/ていねいに/ほどけないように/ゆるく/ゆるめに]~。
 △[ロープ/綱(つな)/糸(いと)/靴(くつ)のひも/帯(おび)/ネクタイ/リボン]を~。
  [話/スピーチ/あいさつ/講演(こうえん)]を~。
 ・お母さんが小さな女の子の髪(かみ)を結んであげていた。
 ・きものの帯(おび)を一人で結ぶのはむずかしそうだ。
 ・うちの子はまだ小さいので、くつのひもがまだ一人で結べない。
 ・会社に就職(しゅうしょく)したばかりのころは、ネクタイを結ぶ(=しめる)のに時間がかかって
  大変でした。
 ・古雑誌(ふるざっし)の束(たば)をふといひもで結んで、古紙(こし)として出した。
 ・山川さんは、さいごに感謝(かんしゃ)のことばであいさつをむすんだ(=おわった)。
 ・エッセイは、終わりをどういう話で結ぶかが難しい。
 ・秋になり、庭(にわ)の柿(かき)の木が赤い実(み)を結んだ。
 ・長い間の石田さんの研究(けんきゅう)が実を結んで、ガンのくすりができた。
 ・あきらめるな。努力(どりょく)は必(かなら)ず実を結ぶものだ。
[2]〔人ガ ものニ/ト ものヲ (ものデ)〕
 ・子どもの髪にリボンを結んでやった。
 ・小さな女の子が髪(かみ)にきいろいリボンを結んでいる。
 ・木の一本一本に目印(めじるし)のひもを結んでいく。
  ・神社(じんじゃ)で人々が木の枝(えだ)におみくじを結んでいた。
  ・きれいなひもで、カバンにぬいぐるみが結んであった。
  ・台風(たいふう)が来るので、植木屋(うえきや)さんが木と木をロープで結んでいる。
 ・点Aと点Bを直線(ちょくせん)で結びなさい。
 ・二つのトランクをひもで結んでおいた。
[3]〔人ガ 人ト ものヲ〕
 △[国交(こっこう)/外交関係(がいこうかんけい)/親交(しんこう)]を~。
 ・A社とB社は、この事業(じぎょう)について手を結ぶ(=きょうりょくする)そうだ。
 ・外国の企業(きぎょう)と契約(けいやく)を結ぶばあい、あいての国の法律(ほうりつ)を知ってお
  くことが必要(ひつよう)だ。
 ・不動産屋(ふどうさんや)と契約を結ぶとき、法律に詳(くわ)しい人にきてもらうといい。
 ・日本はアメリカといくつかの重要(じゅうよう)な条約(じょうやく)を結んでいる。
[4]〔ものガ ものト ものヲ (ものデ)〕
 ・新幹線(しんかんせん)は東京と大阪を3時間あまりで結んでいる。
 ・大型(おおがた)トラックによる輸送(ゆそう)が生産地(せいさんち)と消費者(しょうひしゃ)を結
  んでいるわけです。
 ・この海に点在(てんざい)する島(しま)と島を船(ふね)が結んでいる。
〔むすばれる〕
 ・私たち二人の恋(こい)がみのって、今日ここに結ばれる(=けっこんする)ことになりました。
 ・私たちがはじめて結ばれたのは、4年前バレンタイデーの夜だったわ。

<複合動詞:むすび->
[むすびあわせる] 人ガ ものヲ ものト
 ・違った色のひもを何本も結び合わせて長いひもを作った。
 ・私を彼女と結び合わせてくれたのは、二人の共通の知人だった。
      縄・ひも・両端・端・髪・心・二人を 二つのもの・一対を
[むすびつく] ものガ ものト
 ・人間の頭の中で、ある概念と音が結びついて、単語が生まれます。
 ・何万もの原子が結びついて、一つの分子を形成する。
   心が 結果・政治問題・収益・政権・核心・動機に 周囲の風景と じかに 
   実用に~デザイン 排出削減に~仕組み 犯人に~てがかり 論理的に
[むすびつける] 人ガ ものヲ ものト/ニ
 ・ボートの綱を杭に結びつけておいて、湖で少し泳いだ。
 ・あの二人を何とか結びつけてみたいね。合うと思うよ。
      糸・おみくじ・飾り・ネクタイ・二つ・夫婦を・二人・みんな・両者・出来事・意味・話・
   問題を 枝に 商売・犯行に 男と女を しっかりと 無理に 
<複合動詞:-むすぶ>
[とりむすぶ]  人ガ 人ト ものヲ 
 ・我が社は中国の会社と契約を取り結ぶことになった。
 ・赤ん坊のご機嫌を取り結ぶのがなかなか大変でね。なにせ、言葉が通じないからねえ。
      機嫌・契約・条約・取引を


つなぐ(繋ぐ)五(つながない・つなぎます・つないで・つなげば・つなごう) 
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △つなぎやすい  つないでおく  つないである  つながなくてはいけない
  つなごうとする  つながせる  つながれる
 △[しっかり/きちんと/わすれずに/かならず/たしかに]~。
 △[いぬ/馬]を木に~。[ボート/船(ふね)]を岸(きし)に~。
 ・イヌはあぶないから、木などにつないでおいてください。
 ・建物(たてもの)のよこに馬が2頭(とう)つながれていた。
 ・ボートが流されないように、しっかりと岸(きし)につないでください。
  ▽すべて何らかのひも、ロープなどを使って、それを結んでいること
[2]〔人・ものガ (ものト) ものヲ〕
 △[ひもとひも/電線(でんせん)/]を~。
 ・電気会社の人たちが、大風(おおかぜ)で切れた電線をつないでいる。
 ・金(きん)の輪(わ)をたくさんつないでネックレスをつくった。
 ・渡り廊下(わたりろうか)で本館(ほんかん)と別館(べっかん)をつないである。
 ・その島は橋(はし)で本土(ほんど)とつながれている。
 ・ただ一本のロープが彼と彼女をつないでいた。
[3]〔人ガ (人ト) ものヲ〕
 ・では、私と手をつないで下さい。
 ・みんなで手をつないで踊(おど)りましょう。(手と手を)
 ・被災者(ひさいしゃ)は心をつないで苦難(くなん)を乗りこえた。
 ・世界の人と心をつないで一つにすれば、戦争(せんそう)をふせぐことができるだろうか。

<複合動詞:つなぎ->
[つなぎあわせる] 人ガ ものヲ ものト
 ・手と手をつなぎ合わせて、丸くなって踊った。
 ・ロープをつなぎ合わせ、ビルの屋上から7階の部屋の窓に救助(きゅうじょ)に向かった。
   糸・イメージ・言葉・記事・推理・ばらばらの記憶を 端と端を
[つなぎとめる] 人ガ 人・ものヲ
 ・この危機に、顧客の信頼をいかにつなぎ止めるかが、我が社の営業部員の命だ。
 ・女性の心を金でつなぎ止めようとしても無理だ、とはよく言われることだが、、、。
      顧客・信頼・心・過去を 各部分を 金で
<複合動詞:-つなぐ>
[くいつなぐ] 人ガ 
 ・ひどいかぜで買い物にもいけなかったが、家にある食料で何とか食いつないだ。
 ・短期のアルバイトをいろいろやって、その日その日を食いつないでいた。
   その日その日を 今ある食料で なんとか 細々と
<複合動詞:その他>
[とりもつ]  人ガ ものヲ 
 ・役所と企業の間をうまく取り持つのが「天下り」の役目だ。それで給料をもらっている。
 ・二人の仲を取り持って、ついに結婚させた私だけれど、本当はその一人が好きだった。
      間・縁・機嫌・男女・仲・取引相手を 


つながる(繋がる)五(つながらない・つながります・つながって・つながれば)  
[1]〔ものガ ものト/ニ〕
 △つながりそうだ  つながりかける  つながってほしい  つながってはいけない
  つながらなければいけない  つながらせる 
 △[やっと/なんとか/かすかに/強く/太く/細く]~。
 ・島とやっと電話がつながった。
 ・このパイプラインはとなりの国までつながっている。
 ・この電気の配線(はいせん)はどこにつながっているの? 
 ・小さなミスが大きな失敗(しっぱい)につながるものだ。 
 ・党首(とうしゅ)の女性問題が人気(にんき)の低下(ていか)につながった。
[2]〔人・ものガ 人・ものト(ものガ)〕
 ・このパソコンはあのプリンターとつながっている。(コードが)
 ・私は彼女と血(ち)がつながっている。
 ・みんなの心と心がつながって、争いがなくなるといい。


つなげる(繋げる)五(つなげない・つなげます・つなげて・つなげば・つなげよう)  
[1]〔人ガ ものヲ ものト/ニ〕
 △つなげたい  つなげてみる  つなげなければならない  つなげさせる  つなげろ!
 ・切れた毛糸(けいと)をたくさんつなげて編み物(あみもの)の練習(れんしゅう)をした。
  ・大きな橋(はし)をかけて四国(しこく)と本州(ほんしゅう)をつなげたので、交通の不便(ふべん)
  さが解消(かいしょう)された。
 ・このデパートは、新館(しんかん)を増築(ぞうちく)し、連絡通路(れんらくつうろ)で新館を本館
  とつなげて、売り上げのいっそうの増加(ぞうか)をねらっている。
 ・人から人へ、友情(ゆうじょう)の輪(わ)をどこまでもつなげていきたい。
 

つぐ(継ぐ・接ぐ)  五(つがない・つぎます・ついで・つげば・つごう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △つぎたい  ついでほしい  つがなければならない  つがせる  つがせられる
 △[しかたなく/いやいや/しぶしぶ/よろこんで/つぎつぎと/代々(だいだい)]~。
  △[親(おや)の仕事(しごと)/財産(ざいさん)/家/店/家業(かぎょう)/遺志(いし)]を~。
 ・この百年、親子(おやこ)代々、この家業を継いできました。
  ・お前にこの会社を継いでもらいたいと思うが、社長の地位(ちい)を継ぐためには、お前はもっと
  修業(しゅぎょう)をせねばならぬ。
 ・王位(おうい)を継ぐものをどうやって決めるか。
 ・だれに跡(あと)を継がせればいいか、ワンマン社長は悩(なや)んでいた。
 ・病院に行って、折れた骨(ほね)を接いでもらった。

<複合動詞:つぎ->
[つぎあわせる] 人ガ ものヲ ものト
 ・あまっている布を継ぎ合わせてぞうきんを作った。
 ・気にいっていたお皿なのに、われてしまったの。なんとか継ぎ合わせてちょうだい。
   生地・布・布きれ・手ぬぐい・割れ目を 
[つぎたす] 人ガ ものヲ ものニ
 ・折れたイスの脚に棒を継ぎ足した。すぐまた折れそうだが。
      炭・ろうそく・言葉・アパート・二階を 文化を
<複合動詞:-つぐ>
[うけつぐ] 人ガ ものヲ (人カラ)
 ・兄は父の性格をうけついで、とても明るい。
 ・このお店は百年の伝統をうけつぐ古いお店です。
 ・伝統をうけつぎながらも、新しい時代にも合うものを作らなければならない。
    遺産・遺伝子・王位・技術・芸風・事業・思想・事務所・性格・宝・血・地位・伝統・富・
   日本文化を 祖先から そのまま 代々 連綿と・先祖代々~れる
[かたりつぐ] 人ガ 人ニ ものヲ
 ・我々は、戦争の悲惨さを次の世代に語り継いでいかなければならない。
 ・今回本にまとめられたこの物語は、口から口へ代々語り継がれてきたものだ。
   戦争体験・物語・歴史・様子を 後世に 代々 現代に 親から子へと
[ひきつぐ] 人ガ 人カラ/人ニ ものヲ 
 ・前任者から引き継いだ仕事をより充実させて、後任に引き継ぐ。
 ・この方針はこの学校ができてからずっと先生たちの間に引きつがれてきている。
   後・会社・経営・計画・権力・仕事・首相の座・続き・ノウハウ・バトン・話・思い・説明・
   世話・やり方を 前任者から 後に 次期・新政権に 同僚から・に
[とりつぐ]  人ガ ものヲ 
 ・外からかかってきた電話を課長に取り次いだ。
 ・すみませんが、この要望書を知事に取り次いでいただけませんか。
   意向・客・言葉・電話・話・名刺・要求・来客を 支配人・主人・大統領に
              


[22]わかれる・分ける

◇わかれる
 「分かれる」は、一つになっていたものがいくつかになって、離れたり、対立したりすること。
 結果のニ格をとる用法と、基準のカラ格または相手のト格をとる用法がある。
   人・ものガ ものニ わかれる
    道は町のはずれで二つに分かれる  2台の車に分かれて乗る    意見が分かれる
 結果のニ格はト格を含みうる。 
    生徒は男と女に分かれて座る  意見が賛成と反対に分かれる
 カラ格は、全体の一部分を示す。ト格は対等の関係を示す。
   人・ものガ ものカラ/ト わかれる
    枝が幹から分かれる  少数派が主流派から分かれる  
    父兄は生徒と分かれて座る  私は彼と意見が分かれた  
  (「別れる」は、「対人」の「付き合う」で既述)
・スル動詞:自動詞の用法のみのもの(自動・他動両用のものは「分ける」の所に)
 「分裂する」は、一つのものがいくつかに分かれる(分かれて対立する)こと。
 「分岐する」は、鉄道・道などが二つの方向に分かれること。
◇わける
  「分ける」は、「分かれる」に対応する他動詞で、一つになっていたものをいくつかに離すこと。
 結果のニ格をとる用法と、基準のカラ格または相手のト格をとる用法がある。
   人ガ 人・ものヲ ものニ 分ける
       生徒を男女に分ける  社員を3つのグループに分ける
 結果のニ格はト格を含みうる。 
    生徒を男と女に分ける  生物を動物と植物に分ける
 カラ格は、全体の一部分を示す。ト格は対等の関係を示す。
   人ガ ものヲ ものカラ/ト わける
       完成品の中から不良品を分ける   高級品を一般の品と分ける
  分けたものを何人かが自分のものにすること。
   人ガ (人ト) ものヲ 分ける
    弟と財産を分ける    共同経営者と利益を分ける
  ものを分けて、人に与えること。「売る」ことのえん曲な表現としても使われる。
   人ガ 人ニ ものヲ 分ける
       親が子どもにおみやげを分ける     会員には特別に安く分ける
  物事が人と人を別れさせる
   ものガ 人・ものヲ 分ける
       運命が二人を分けた
  前に進むために、じゃまになるものを左右に寄せること。
   人ガ ものヲ 分ける
     人垣を分けて前に出た  茂みを分けて進んだ
・複合動詞:「わけ-」の形のものは少なく、「-わける」の形が多い。
 分配すること
  「分け合う」は、一つのものを何人かで分けること。お互いのものを相手に分けること。
 「分け与える」は、ものを分けて人に与えること。
 「取り分ける」は、区別して取って分ける。めいめいに分けて取る。
  「盛り分ける」は、いくつかに分けて盛ること。 
 力で二つに分けること
 「分け入る」は、じゃまなものを左右にかき分けて中へ進むこと。 
 「掻き分ける」は、手で左右へ分けるようにして、道を開くこと。
 「押し分ける」は、前にあるものを押すようにして左右に分けること。
 「切り分ける」は、切って分けること。
 区別すること
  「見分ける」は、見て、違うものを区別する。正しく物事を判断する。
 「聞き分ける」は、いくつかの音や声を聞いて、違いを区別すること。
 「かぎ分ける」は、においの違いを区別すること。また、物事の微妙な違いを感じ取ること。
 「書き分ける」は、文体や内容の違いがはっきりわかるように区別して書くこと。
・スル動詞
 自動・他動両用のもの
  「分解する」は、一つのものが部分に分かれること。部分に分けること。
 「分散する」は、一つのものが分かれて散らばること。分けて散らすこと。
 「分離する」は、一つのものが分かれて離れること。分けて離すこと。
 他動詞のもの
 「分類する」は、物事を形・性質など何らかの基準に従って分けること。
 「区分する」は、一つのものをいくつかの部分に分けること。
 「区別する」は、ある物事と他の物事との違いによってそれらを分けること。
 「等分する」は、一つのものを等しい分量に分けること。
 「分割する」は、一つのもの、特に土地や面積をいくつかに分けること。
 「分業する」は、仕事を分けて受け持つこと。特に、一つの工程をいくつかの段階に分け、それを
  違った人が受け持つこと。
 「分担する」は、仕事などをいくつかに分けて受け持つこと。
 「分配する」は、あるものを何人かに分けて配ること。
 「分別する」は、いくつかのものを種類によって分けること。特に、ゴミの種類を分けること。 
 「手分けする」は、一つの仕事を何人かが分けて受け持つこと。


わかれる(分かれる)一(わかれない・わかれます・わかれて・わかれれば・わかれよう)
[1]〔人・ものガ ものニ〕
 △わかれやすい  わかれそうだ  わかれてしまっている  わかれないようにする
 △[はっきり/みごとに/くっきりと/完全に/だいたい/ぼんやりと]~。
  [ばらばらに/半々(はんはん)に/2対1に/大きく]~。
 △[意見(いけん)/考え/見方/好(この)み/アンケートの答え]が~。全体が五つに~。
 ・この市(し)は北区、南区、中央区(ちゅうおうく)の三つに分かれている。
 ・クラスの意見は京都へ行きたいというのと、北海道が良いというのとの、二つに分かれた。
 ・この道(みち)は山の上で西と東に分かれている。
 ・議員(ぎいん)たちは市長派(しちょうは)と反市長派(はんしちょうは)に分かれて、争っている。
 ・血管(けっかん)は先のほうへ行くと、さらにこまかい血管に分かれます。
 ・火星(かせい)に生物がいるかどうか、学者の間の意見は分かれている。
   ☆「学者の間で」でもいい。
 ・学生寮(りょう)は男子寮と女子寮とに分かれている。
[2]〔人・ものガ 人・ものト〕
 △わかれはじめる  わかれかける  わかれそうだ  わかれていく  わかれてしまう
 △[はっきり/きれいに/かんぜんに/少しずつ/だんだん]わかれてくる
 △[水と油(あぶら)/おとなと子ども/紅組(あかぐみ)と白組(しろぐみ)]が~。
 ・男の学生は女の学生と分かれてすわっている。
 ・JRのP線とQ線は、このえきで分かれます。
 ・ドレッシングの酢(す)と油(あぶら)が分かれていますから、よくまぜてください。
[3]〔人・ものガ 人・ものカラ〕
 ・わたしたち三人は本隊(ほんたい)から分かれて東へむかった。
 ・P族(ぞく)は、千年ぐらい前にQ族から分かれたものと考えられている。 
 ・このえきまで地下鉄はJRと同じ線を走っていますが、ここでJRから分かれて地下に入ります。
[4]〔ものガ〕
 △[はっきり/決定的(けっていてき)に/真っ二つ(まっぷたつ)に/さまざまに]~。
 △[意見/解釈(かいしゃく)/議論(ぎろん)/見解(けんかい)/判断(はんだん)]が~。
 ・女性が結婚(けっこん)してからも仕事(しごと)をしたほうがいいかどうか(という問題)は論議が
  分かれるところだ。
 ・こういう事故(じこ)の責任(せきにん)はだれがとるのか、という点(てん)について法律(ほうり
  つ)の解釈は分かれている。
 ・一審(いっしん)と二審(にしん)の裁判所(さいばんしょ)の判断は分かれた。

<スル動詞>
[分岐(ぶんき)する]  ものガ
 ・町のはずれで鉄道は東西に分岐し、それぞれ神戸と広島に向かう路線になる。
 ・車は幹線道路から分岐した地方道に入っていった。
[分裂(ぶんれつ)する]  ものガ ものニ
  ・自由民主党が自由党と民主党に分裂(を)したわけではない。
 ・この薬品を加えると、細胞が急速に分裂(を)する。
   運動・組合・社会・組織・政党が 二つに ばらばらに


わける(分ける)一(わけない・わけます・わけて・わければ・わけよう) 
[1]〔人ガ もの・人ヲ ものニ〕
 △わけにくい  わけてみよう  わけたほうがいい  わけなければならない
  わけられる  わけさせられる  どうわければいいか
 △[はっきり/きっちり/きちんと/正確(せいかく)に/てきとうに/いいかげんに]~。
  [二つに/半分に/等分(とうぶん)に/同じ大きさに/五人に]~。
  [大きさ別に/色別(いろべつ)に/大きさで/ねだんで/好みによって]~。
 △[おみやげ/景品(けいひん)/カード/ぬすんだ品物(しなもの)]を~。
 ・買って来たみかんを三つに分けた。
 ・先生は学生を四つのグループに分けた。
 ・留学生を国別(くにべつ)に分けて、すわらせてください。
 ・りんごを大きさ別に三つに分けた。
 ・文章(ぶんしょう)は、てきとうに段落(だんらく)に分けると読みやすい。
 ・父はかみの毛を七三(しちさん)に分けている。
[2]〔人ガ ものヲ 人ト〕
 △[お金を兄と二人で/このおかしをみんなで]~。
 ・父の遺産(いさん)を兄と二人で分けた。
 ・このお金を兄弟(きょうだい)で分けてつかいなさい。
[3]〔人ガ 人・ものヲ〕
 △[人ごみ/高くしげる草]を~。
 ・夕方(ゆうがた)の市場(いちば)はたいへんな人出で、買物をするためにわたしたちは人ごみを分
  けてすすまなくてはならなかった。
[4]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △知合いににわの柿(かき)のみを~。
 ・わたしは母がおくってくれたりんごを同じアパートの人に分けた。
 ・母はおかしを子どもたちに分けてくれた。
 ・A:はたけの大根(だいこん)を分けていただきたいんですが...。(=売って)
  B:いいよ。あそこにあるから、すきなのをえらんだらいいよ。一本30円でいいよ。

<複合動詞:わけ->
[わけあう]人ガ 人ト ものヲ
 ・食べ物を3人で分け合った。
 ・少ない利益を分け合って、みんなで少しずつ育ててきた地元の産業を大事にしたい。
 ・互いの持てるものを分け合い、苦しいときも悲しいときも助け合って生きてきた。
      金・食べるもの・パン・飯・利益・赤字・痛み・感情・権力・慰め・部屋を
[わけあたえる] 人ガ 人ニ ものヲ
 ・リーダーは獲物を人々に公平に分け与えた。
 ・難民たちは食料を分け与えられ、ともかくも生きていくことができてほっとした。
   獲物・菓子・米・住居・食料・書籍を おしみなく
[わけいる] 人ガ ものニ/ヲ
 ・森の茂みを分け入って、古代の遺跡を探した。
 ・山深い奥地に分け入って、野生動物の生態調査をした。
   林の中・茂みを 奥地・学問の道・山林・湿原・深山・やぶの中に 奥深く 山深く
<複合動詞:-わける>
[おしわける] 人ガ 人・ものヲ
 ・見物人を押しわけて一人の男が前の方へ出て来た。
 ・デパートはとてもこんでいたので、人を押しわけて歩かなければならなかった。
      海水・客・群集・茂み・人・幕・群・枝を 人並みを~歩く
[かきわける] 人ガ ものヲ
 ・上手な小説家は何十人もの登場人物の性格をみごとに書き分ける。
 ・これは優れた短編小説集で、作品ごとに文体を書き分けるという試みがなされている。
      スタイル・清濁・文字を 厳重に きちんと ちゃんと
 ・作者はこの絵の中で何十種類もの花を見事に描き分けている。
   肖像・花・明暗を
[かきわける] 人ガ ものヲ
 ・草むらをかき分けて、小動物の巣を探した。
 ・バーゲンセールの人混みをかき分けて、狙っていたものを手に入れた。
      間・朝靄・生け垣・茨・衣類・枝・髪・空気・草・群集・雑草・乗客・砂・のれん・人・人垣
   ・人込み・人だかり・人波・幕・水・やぶ・雪・夜の闇を 手で
[かぎわける] 人・ものガ ものヲ
 ・私にはどの花の匂いもみんな同じように感じます。ちがいを嗅ぎ分けることはできません。
   危険・鮮度・違い・同類・匂い・秘密を 敏感に
[きりわける] 人ガ ものヲ
 ・ケーキを子供たちに切り分けた。
 ・ケーキを四つに切り分けて、小皿にのせた。
 ・肉を人数分に切り分けて下さい。
      固まり・肉・半紙・棒・野菜を 二つに 
[とりわける]
 ・大皿の料理を各自で小皿に取り分けて食べる。
 ・子供たちには母親が肉を取り分けてやった。 
      魚・刺身・自分の分・スープ・肉・料理・同じ分量を 小皿・小鉢に
[ふりわける] 人ガ ものヲ ものニ
 ・仕事の一部を各支店に振り分けてやってもらうことにした。
 ・我が社の持つ人材を適所に振り分け、効率よく事業を進めていきたい。
      仕事・商品・高級品を 適所に 等級ごとに 荷物を肩に
[みわける] 人ガ ものヲ 
 ・おいしいスイカを見分ける方法を教えてあげよう。
 ・この距離から、どの犬があなたの犬か見分けられますか。
      色・顔・形・区別・魚・雌雄・種類・商品の価値・敵味方・品質・良し悪しを
   一目で 的確に 直感的に 鋭く めざとく 嘘と本当を 偽物か本物かを
[もりわける] 人ガ ものヲ ものニ
 ・そのサラダを小皿に盛り分けてください。
 ・席には先ほどのデコレーションケーキが一人前ずつ盛り分けられていた。
      おかず・サラダ・料理・材料を 小皿に 一人前ずつ

<スル動詞>
[区分(くぶん)する]  人ガ ものヲ (ものニ)
 ・この地域を三つに区分して、それぞれ担当者を配置しようと思う。
 ・市の境界というのは誰がどう区分したのか知らないが、ずいぶん不自然なものだ。
[区別(くべつ)する]  人ガ ものト/カラ ものヲ
  ・日本人と中国人を写真で区別するのは難しい。
  ・自信とうぬぼれを区別するのは謙虚(けんきょ)さである。
[手分け(てわけ)する]  人ガ ものヲ
 ・作業をみんなで手分けしてやればそんなに時間はかからないだろう。
 ・建物の中は広いので、手分けして探そう。あなた達は2階をお願いします。
[等分(とうぶん)する]  人ガ ものヲ
 ・利益を三等分して三人で分けた。
 ・五人いるから、ケーキを五等分しなければならない。しかし、五等分というのは難しい。
[分解(ぶんかい)する]  人ガ ものヲ 
  ・機械を分解し、部品を丁寧に洗った。
 ・小さいころ、壊れた目覚まし時計をもらって分解してみるのが好きだった。
 [~の分解をする]
  ・初めて自転車の分解をした。
 〔ものガ〕
  ・機体が空中で分解した。
[分割(ぶんかつ)する]  人ガ ものヲ
 ・土地を分割して、平等に兄弟で相続することにした。
 ・一つの国を南北に分割し、それぞれ別の国が占領するということが行われた。
[分業(ぶんぎょう)する]  人ガ ものヲ
 ・何段階かの作業を分業して、手早く進めていった。
 ・分業することによって、生産の効率化を図っている。
[分散(ぶんさん)する]  人ガ ものヲ
 ・できるだけリスクを分散するため、いくつかのルートで部品を調達している。
 ・火薬は、一個所で一定量以上にならないように、分散して保管しています。
 〔ものガ〕
 ・広い地域に店舗が分散しているので、物資の輸送が問題になる。
 ・反政府運動は、勢力が分散してしまい、大きな力となっていない。
 [~の分散をする]
  ・危険の分散をすることは組織の維持に必須なことだ。
[分担(ぶんたん)する]  人ガ (人ト) ものヲ
  ・仕事を3人で分担して早く片付けた。
  ・このメンバーで分担してやろう。
 ・費用はみんなで分担してほしい。
[分配(ぶんぱい)する]  人ガ ものヲ
 ・利益を公平に分配するために、さまざまな方法が考えられた。
 ・余った食べ物はみんなで分配して家に持ち帰った。
 [~の分配をする]
  ・獲物の分配をしなければならないが、いろいろ文句が出そうだ。
[分別(ぶんべつ)する]  人ガ ものヲ
 ・ゴミを分別するのは、面倒だがやらないといけないことの一つだ。
 ・どう分別していいのかわからないときは、市役所に聞いて下さい。
[分離(ぶんり)する]  人ガ ものヲ (ものト/カラ)
 ・歩道と車道をはっきり分離していない道路がまだまだ多い。
 ・成分を分離する器械にかけて、毒物が入っていないか調べた。
 [~の分離をする]
  ・混入物の分離をまずしなければならない。
 〔ものガ(ものト/カラ)〕
  ・時間が経つと油が分離する。
[分類(ぶんるい)する]  人ガ ものヲ
  ・学者が植物を分類する。
 〔人ガ ものヲ ものに〕
 ・クジラやイルカを哺乳類に分類するのはなぜですか。
 [~の分類をする]
  ・用途によって、食品の分類をする。

[23]揃う・整える  
  ものが過不足なく、乱れた状態でないことを表す動詞。自動詞・他動詞の対が多い。自動詞は状態
の変化を表し、「-ている」の形は結果の状態を表す。         
                                         
◇そろう
  「揃う」は、二つ以上のものがばらばらでなく、同じような状態になること。一致すること。乱れ
がなく並ぶこと。あるべきもの・人がすべてあること。
「-ている」の形で状態を表す。
      人・ものガ そろう
    大きさ・長さ・形が 揃っている  足並み・音が 揃う  列が揃っている
       選手・出席者・必要品・条件・証拠が 揃う
・複合動詞:「-そろう」の形のものがある。
 「出そろう」は、残らず、全部が出てきて揃うこと。
 「生えそろう」は、全部が生えて揃うこと。特に、子どもの歯が揃うこと。
◇そろえる
  「揃える」は、「揃う」に対応する他動詞で、二つ以上の物事を同じような状態にすること。一致
させること。乱れなく並べること。必要なものや人を集めておくこと。基準としてト格をとる。
      人ガ ものヲ (ものト) そろえる
    大きさ・長さ・形を 揃える  (隣と)足並み・声を 揃える  履き物を揃える
    必要品・家具・スタッフ・有名スター・道具・証拠を 揃える
・複合動詞:「-そろえる」の形のものがある。 
 「買いそろえる」は、必要なものを買って揃えること。 
 「切りそろえる」は、切って(長さや形を)揃えること。 
 「取りそろえる」は、あるべきものすべてを集めて揃えること。
◇ととのう
 「整う」は、物事があるべき状態になること。形やまとまりがよく、不調・不足がないこと。
     ものガ ととのう
       準備・条件・環境が 整う  整った服装・文章・足並み  縁談・取引が 整う
◇ととのえる
  「整える」は、物事を目指す状態にすること。形や物事をまとめ、不足がないようにすること。
      人ガ ものヲ ととのえる
    服装・味・コンディションを 整える  夕食・準備・交渉を 整える   
・複合動詞「買い整える」は、必要なものを買って整えること。
◇そなわる
  「備わる」は、必要なものが不足なく用意してあり、使える状態になること。自分のものとしてあ
るものが身に付いていること。
     人・ものニ ものガ そなわる
     設備・条件が 備わっている  資格・能力が 備わっている
◇そなえる
  「備える」は、物事が起こった時のために必要なものを用意すること。自分のものとしてあるもの
が身に付いていること。何かに対して心の準備をすること。
     人ガ ものニ ものヲ そなえる
       教室に消火器を備える  オフィスに事務機器を備える
     人ガ ものヲ そなえる
      資格・威厳を備える
   人ガ ものニ そなえる
    災害・危機・試験に 備える
・複合動詞
 「兼ね備える」は、二つ以上の優れた性質や能力を同時に持っていること。
・スル動詞            
 「支度する」は、外出・食事の時、必要なものをととのえること。  
 「準備する」は、あることにすぐ取りかかれるような状態にすること。 
 「用意する」は、何かをする前に、すぐできるように必要なものや状態を整えること。万一のこと
  を考えて細かい点まで気を配ること。
 「荷造りする」は、荷物を運んだり送ったりできるように箱に入れたりひもで縛ったりすること。
 「調整する」は、調子や過不足などを整えて、正常な状態にすること。 
 「整備する」は、すぐ役立てられるように準備を整えること。 
 「整理する」は、乱れた状態にあるものに秩序を与え、利用しやすくすること。不必要なものを取
  り除くこと。 
 「装備する」は、戦闘・登山などのために武器や用具などを準備すること。 
 「設備する」は、ある目的に必要なもの、建物・器械などを用意すること。 
 「武装する」は、戦闘のために武器を装備すること。 
 「セットする」は、目的に応じて形や条件を整えること。特に、パーマをかけた髪を整えること。
 「手入れする」は、現状に手を加えてよい状態にすること。 


そろう(揃う) 五(そろわない・そろいます・そろって・そろえば)
[1]〔人・ものガ〕
 △そろいそうだ  そろいかける  そろいすぎる  そろってほしい  そろわなくてはこまる
  そろうようにする  そろわせる
 △[ぜんぶ/半分/だいたい/ほとんど/完全に/ぴったり/やっと/どうにか]~。
 △[参加者(さんかしゃ)/家族(かぞく)/材料(ざいりょう)/メンバー/カード]が~。
  いろいろな[器具(きぐ)/部品(ぶひん)/サイズ/色/デザイン]がそろっている
  [大きさ/品質(ひんしつ)/調子(ちょうし)/出(で)だし/リズム]がそろわない
 ・あなたと二人で歌うと、どうも調子が揃いませんね。
 ・ラジオを作る部品なら、秋葉原(あきはばら)へ行けばたいてい(の物が)揃いますよ。
 ・コーラスをする時に服装(ふくそう)が揃っていないのはおかしいものだ。
 ・仕事の足並(あしな)みが揃っていない。揃うようにたがいに調整(ちょうせい)しろ。
 ・メンバーが揃ったら、試合を始めよう。
 ・A:こんなにおおぜい大学を出たのが揃っていて、だれもこの漢字を知らないのか。
  B:だって、大学では国語の授業(じゅぎょう)がなかったんですもの。
 ・きょうはこの料理(りょうり)を作ろうと思ったが、材料が揃わないので、できない。
 ・よいカードが揃わないので、なかなか上がれない。(トランプで)
 ・心がやさしい、料理が上手、それに美人と、よい条件(じょうけん)がこんなに揃っているのに、
  ゆみ子さんはまだ結婚(けっこん)のあいてが見つからない。
[2]〔人・ものガ 所ニ〕
 ・この研究所にはいろいろな専門(せんもん)の研究者がそろっているから、話が面白いです。
 ・ここには工作の道具がほとんど揃っているから、たいていの物は作れますよ。
 ・この店はあまり品が揃っていない。あちらの店の方がいろいろおいているから、あれこれ選べる。

<複合動詞:-そろう>
[でそろう] ものガ
 ・各社の作成した開発プランが出揃った。
 ・論文集の論文がまだ出そろわないので、印刷できません。
   意見・材料・商品・データ・料理・穂が 都道府県ごとの額が すべて
[はえそろう] ものガ 
 ・この赤ちゃんはもう歯が生えそろっている。すごい。
 ・小鳥のひなの羽が生え揃ってきた。もうすぐ巣立ちだ。
      歯・羽毛・芝・竹が


そろえる(揃える)一(そろえない・そろえます・そろえて・そろえれば・そろえよう)
[1]〔人ガ 人・ものヲ〕
 △そろえたい  そろえてほしい  そろえておく  そろえてある  そろえてもらう
  そろえなければならない  そろえようとおもう  そろえさせる  そろえられる そろえろ
 △[ぜんぶ/ほとんど/いろいろと/きちんと/やっと/とうとう/なんとか/がんばって]~。
 △[材料(ざいりょう)/道具(どうぐ)/品物(しなもの)/証拠(しょうこ)/人/メンバー]を~。
 ・ちょっと珍(めずら)しい料理をつくるから、いろいろ材料を揃えなくてはならない。
 ・この紙のはしを揃えて切って下さい。
 ・今度の日曜日に野球(やきゅう)をやりたいので、メンバーを揃えて下さい。
 ・かした金は、あさってまでに耳を揃えて(=ぴったりぜんぶ)返してくれよ。
 ・靴(くつ)を脱(ぬ)いだら、きちんと揃えなさい。
 ・子供たちは声を揃えて教科書を読んだ。
 ・店を開(ひら)こうと思ったら、少なくともこれくらいの品は揃えないとだめだ。
[2]〔人ガ ものヲ ものト/ニ〕
 ・カーテンの色を家具(かぐ)の色と揃えてほしい。
 ・ネクタイの模様(もよう)を上着(うわぎ)と揃えてしまうと、かえって変だ。
 ・夫婦(ふうふ)のTシャツのデザインを揃えて作ってみた。
 ・木の高さを同じに揃えて切った。

<複合動詞:-そろえる>
[かいそろえる] 人ガ ものヲ
 ・子どもが小学校に入学するとき、あれこれ買い揃えるのがとても楽しかった。
 ・着物はそれ自体も高いが、いろいろ小物が必要なので大変だ。
[きりそろえる] 人ガ ものヲ
 ・幼稚園の入園式で、前髪を切りそろえたかわいい女の子がいた。
 ・家の垣根の木の高さを切りそろえた。
   後ろ髪を 髪の毛・先・つめを 同じ長さに きれいに 短く 髪を肩で
[とりそろえる]  人ガ ものヲ 
 ・大工さんが大工道具を取り揃えて、いよいよ我が家のリフォーム開始!
 ・生命保険のプランをいろいろと取り揃えてあります。
      品数・証拠書類・民芸品・小道具・用具・美人・心尽くしの品を

ととのう(整う)五(ととのわない・ととのいます・ととのって・ととのえば) 
[1]〔ものガ〕
 △ととのいそうだ  ととのいやすい  ととのっていなければならない  ととのうようにする
 △[だいたい/ほとんど/やっと/なんとか/きちんと/じゅうぶんに/完全(かんぜん)に]~。
 △[用意(ようい)/材料(ざいりょう)/品物(しなもの)/服装(ふくそう)/食事(しょくじ)]が~。
 ・歓迎(かんげい)の準備(じゅんび)が整った。
 ・出発(しゅっぱつ)の用意がまだ、整いません。
 ・となりのへやにはりっぱな食事が整えてあった。
 ・この計画を実行(じっこう)にうつす条件(じょうけん)がまだ整わない。
 ・縁談(えんだん)が整って、来月には、ゆみ子は嫁いりするということになった。
 ・専門店(せんもんてん)なのに、品物がこんなに少なくては、体裁(ていさい)が整わない。
 ・この国は、できたばかりなので、まだ政府としての機構(きこう)がじゅうぶん整っていないのだ。


ととのえる(整える)一(ととのえない・ととのえます・ととのえて・ととのえれば・ととの
  えよう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △ととのえやすい  ととのえておく  ととのえなければならない  ととのえさせる
  ととのえようとする  ととのえられている  
 △[少し/だいたい/ほとんど/やっと/なんとか/ちゃんと/きちんと/ていねいに]~。
 △[用意(ようい)/材料(ざいりょう)/服装(ふくそう)/食事(しょくじ)]を~。
 ・先生の到着(とうちゃく)の前に歓迎(かんげい)の準備(じゅんび)を整えておかねばなりません。
 ・あなた方は、出発(しゅっぱつ)の用意を整えておいてください。
 ・あちらのへやに食事が整えてありますから、どうぞ、めしあがってください。
 ・交渉の条件(じょうけん)が整えられなければ、あの方をここにまねくことはできない。
 ・人々は、このオアシスで旅装(りょそう)を整えて、さばくをこえる旅(たび)へと出発して行く。
 ・独立後(どくりつご)は、まず、国としての機構(きこう)を整えることが大事だ。

<複合動詞:-ととのえる>
[かいととのえる] 人ガ ものヲ
  ・新居に移るに当たって、古い家具を処分して新たに買い整えた。
 ・最新式の設備を買い整えて、海外のライバル企業との競争に勝ち残りたい。

<スル動詞>
[支度(したく)する]  人ガ (ものヲ)
  ・時間がありませんから、早く支度して下さい。
  ・今日は早く出るというので、私も早く起きて朝食を支度しなければならなかった。
 [~の支度をする]
  ・時間がないので急いで食事の支度をした。
  ・出発の支度はもうできましたか。    
[準備(じゅんび)する]  人ガ ものヲ                           
  ・料理は材料と道具を正しく準備してから始めましょう。
 ・事前に予想して答弁を準備しておいたので、突然の質問にも困らなかった。
 [~の準備をする]
  ・一回の講義の準備をするのに3日かかる。
[整備(せいび)する]  人ガ ものヲ
 ・きちんと整備された飛行機に乗りたいので、あまり安い航空会社は使わない。
 ・我が市は下水道を完全に整備した市として、全国でも早いほうだ。
   河川・エンジン・ガイドライン・規約・法規・交通網・制度・態勢・組織・環境・条件を
 [~の整備をする]
  ・車の整備をするのが飯より好きだ。
[整理(せいり)する]  人ガ ものヲ
  ・机の上の物を整理しなさい。
 ・まず、問題の条件を整理することから始めよう。
 [~の整理をする]
  ・一日中、書類の整理をしていた。
[セットする]  人ガ ものヲ
 ・目覚ましを7時にセットしたんですが、鳴らなかったらしいんです。
 ・駅前の美容院で髪をセットしてきた。
[調整(ちょうせい)する]  人ガ ものヲ
  ・エンジンの調子が悪いので、調整してもらった。
 ・会議の日程を調整しそこなって、同じ時間に会議が重なってしまった。
 [~の調整をする]
  ・各人のスピードがバラバラで、作業の進み具合の調整をするのに苦労した。
[手入れ(ていれ)する]  人ガ ものヲ
 ・兄は自転車をこまめに手入れして、いつもきれいにして使っている。
 ・よく手入れすれば長く使えるものを、すぐ使い捨てにしてしまう世の中だ。
 [~の手入れをする]
  ・父は時々庭木の手入れをして、気晴らしにしている。
[用意(ようい)する]  人ガ ものヲ
 ・あした授業で使うものを用意しておいて下さい。
 ・用意されていた防護服を着て、建物に入った。
 [~の用意をする]
  ・遠足の用意をしている子供は、実に楽しそうだ。


そなわる(備わる)  五(そなわらない・そなわります・そなわって・そなわれば)
[1]〔所ニ ものガ〕
 △そなわっていない  そなわっているべきだ  そなわってなければならない
 △[少し/だいたい/ほとんど/ぜんぶ/どうにか/きちんと/完全(かんぜん)に/やっと]~。
  △[家具(かぐ)/器具(きぐ)/運動用具(ようぐ)/設備(せつび)/電子機器(でんしきき)]~。
  ・この研究室には最新式(さいしんしき)の設備が備わっています。
 ・会議室(かいぎしつ)には大型(おおがた)のスクリーンが備わっていて、便利(べんり)です。
 ・前に入院した病院には、リハビリのための運動用具がいろいろ備わっていて、ずいぶん使わせて
  もらいました。
[2]〔人・ものニ ものガ〕
 ・あの俳優(はいゆう)は立ち姿(すがた)に威厳(いげん)が備わっているね。すごいもんだ。
 ・会長の奥様(おくさま)は、顔に気品(きひん)が備わっている。さすがに私なんかとはちがう。
 ・この評論(ひょうろん)は、文章に風格(ふうかく)が備わっていて、すばらしい。


そなえる(備える)  一(そなえない・そなえます・そなえて・そなえれば・そなえよう)
[1]〔人ガ 所ニ ものヲ〕
 △そなえたい  そなえてほしい  そなえるべきだ  そなえなければならない
  そなえようとおもう  そなえさせる  そなえろ!
 △[少しずつ/だいたい/ほとんど/ぜんぶ/どうにか/きちんと/完全(かんぜん)に]~。
  △[家具(かぐ)/最新設備(さいしんせつび)/大型(おおがた)スクリーン/消火器(しょうかき)/
   脱出装置(だっしゅつそうち)/駐車場(ちゅうしゃじょう)/ヘリポート]~。
 ・家具はまだ揃(そろ)っていませんが、少しずつ備えていきたいと思っています。
 ・大学が教室に消火器を備えることにしたそうだ。
 ・マンションの部屋(へや)に立派(りっぱ)な脱出装置を備えていても、使い方がわからないのでは
  意味がない。
 ・わからないことがあったらすぐ調べられるように、各種(かくしゅ)の事典(じてん)を机のよこに
  備えてある。
[2]〔人ガ ものヲ〕
  ・立派(りっぱ)な人格(じんかく)を備えた政治家というものは、どこを探してもいないようだ。
 ・いろいろな資格(しかく)を備えていても、実際(じっさい)の仕事の中で役(やく)に立つかどうか
  はわからない。
[3]〔人ガ ものニ〕
 △[試験(しけん)/面接(めんせつ)/将来(しょうらい)/経済危機(けいざいきき)]に~。
  ・学年末(まつ)の試験に備えて、そろそろ勉強を始めないといけない。
 ・あのビルは屋上(おくじょう)にヘリポートを造り、緊急時(きんきゅうじ)に備えている。
 ・政府は本気(ほんき)で経済危機に備えているのかどうか疑(うたが)わしい。
 ・万一(まんいち)に備え、リュックの中に食料などを入れ、玄関(げんかん)においてある。
[4]〔人ガ ものニ ものヲ〕
  ・母は毎日仏壇(ぶつだん)に花を供(そな)えて拝(おが)んでいます。
 ・父の墓(はか)の前にみなが集まり、御神酒(おみき)を供えて一年の報告(ほうこく)をした。

<複合動詞:-そなえる>
[かねそなえる] 人・ものガ ものヲ
 ・社長になる人は指導力と大胆さを兼ねそなえていなくてはならない。
 ・この機械は四つの機能を兼ねそなえている。
   趣味と実益・知力と勇気・都会的なセンスと野性味・攻守走を
<スル動詞>
[設備(せつび)する]  人ガ ものヲ  所ニ
 ・会議室には最新の情報機器を設備してあります。 
 ・防犯のために何も設備せずに、大金を置くなんて!  
[装備(そうび)する]  人ガ (ものニ) ものヲ
 ・全座席にエアーバッグを装備してあります。
 ・強力なエンジンを装備しているので、他の車には負けない。
 [~の装備をする]
  ・万一のため、補助モータ-の装備をした。
[荷造り(にづくり)する]  人ガ ものヲ
 ・大きな家具を売り払い、身の回りの品を荷造りして、さて、明日は引っ越しだ。
 ・高価な絵を荷造りするのは、専門の業者に頼んだほうがいい。
[武装(ぶそう)する]  人・ものガ ものデ
 ・近代的な装備で武装(を)した軍隊が、隣国を侵略しようとしていた。
 ・いくら理論で武装(を)しても、正確なデータがなければ砂上の楼閣だ。

[24]積もる・重ねる

◇つもる
  「積もる」は、細かいものが上へ(高く)重なること。ひゆ的に、精神的なことや借金などに言う。
   ものガ ものニ つもる
    屋根に 雪・灰・ほこりが つもる  心に積もる思い  無理・借金が積もる
・複合動詞
 「降り積もる」は、雪や火山灰などが降って積もること。
◇つむ
  「積む」は、ものの上にものを載せること。ひゆ的に、精神を育てる行為を繰り返すこと。また、
船や車などに(運ぶために)ものを載せること。船や車がものを載せていること。
   人ガ ものニ ものヲ つむ
       石・本・札束を 積む  経験・教養・修業・トレーニングを 積む   (×犯罪を積む)
   ものガ ものヲ つむ
    荷物を積んだトラック  空母が核兵器を積んでいる
・複合動詞:「つみ-」の形のものが多い。ひゆ的に、抽象的なものに関して言う用法が多い。
  「積み上げる」は、積んで高く重ねること。ひゆ的に、抽象的なものを少しずつ作り上げること。
 「積み重なる」は、ものが上へ高く重なっていくこと。ひゆ的に、抽象的な物事が何度も繰り返さ
れていくこと。
 「積み重ねる」は、ものを上へだんだん高く積んでいくこと。ひゆ的に、抽象的な物事を何度も繰
り返して内容をよくしていくこと。
 「積み替える」は、積んであるものを別の場所に移して積むこと。積んであるものを降ろして、別
のものを積むこと。
 「積み込む」は、船や車などの中に荷物を積むこと。
 「積み出す」は、荷物を船や車に積んで送り出すこと。
 「積み立てる」は、(貯金などして)お金を何回かに分けて少しずつたくわえること。
 「積み残す」は、車や船などに積みきれないで一部を残すこと。 
◇かさなる
  「重なる」は、何かの上に同種のものがのること。ひゆ的に、抽象的な事柄で一致する(部分があ
る)こと。同種の物事が繰り返されること、二つ以上のことが同時に起こることなどを表す。
     ものガ ものニ/ト かさなる
    何枚も皿が重なっている  重なった石  主張が部分的に重なる
    不幸・幸運が 重なる  用事・会議が 重なる  受賞式が誕生日と重なる
・複合動詞:「-かさなる」の形のものがある。
 「重なり合う」は、お互いに他に重なること。
  「うち重なる」は、あるものの上にさらに他のものがのること。ひゆ的に、不幸などにも言う。
 「折り重なる」は、多くの人やものが次々に重なること。
◇かさねる
  「重ねる」は、何かの上に同種のものをさらにのせること。ひゆ的に、同じことを繰り返すこと。
   人ガ ものニ ものヲ かさねる
       皿・座布団・レンガを 重ねる  靴下を重ねてはく  議論・妥協・経験・犯罪を 重ねる
  「月日・年月を 重ねる」は、時間が過ぎること。「回を重ねる」は同じことを繰り返すこと。
・複合動詞:「-かさねる」の形のものがある。
 「重ね合わせる」は、ものを他のものに重ねて合わせること。
 「積み重ねる」→「積む」
  「折り重ねる」は、多くの人やものを次々に重ねること。  
 「塗り重ねる」は、何度も重ねて塗ること。
◇もる
  「盛る」は、(山の形に)高く積み上げること。容器に(多く)入れること。ひゆ的に、あるものの中
に含めること。やや古い表現で、人に毒などを飲ませること。
   人ガ ものニ ものヲ もる
    砂・土を 盛る   皿に料理を盛る  作品に新思想を盛る  毒を盛る
・複合動詞:「もり-」の形のものがある。
  「盛り上がる」は、(中から外・上へ向けて)盛ったようにふくらみ高くなること。ひゆ的に、強
い力でわき上がるように何かが起こること。
    土が盛り上がっている  意欲・ムード・雰囲気・議論・世論が 盛り上がる
 「盛り上げる」は、盛って高くなるようにすること。ひゆ的に、さかんにすること。
    大皿に果物を盛り上げる  ムード・雰囲気を 盛り上げる
 「盛り込む」は、いろいろなものを中に入れること。ひゆ的に使われることが多い。
    規定・条件・新味・対策・要求・いろいろな内容・サスペンスを 盛り込む
 「盛りつける」は、料理を(かたちよく)食器に入れること。
 「盛り分ける」は、いくつかに分けて盛ること。
  「盛り返す」は、衰えていた勢いを元のように大きく、盛んにすること。


つもる(積もる)五(つもらない・つもります・つもって・つもれば) 
[1]〔所・ものニ ものガ〕 
 △つもりそうだ  つもってほしい  つもってはこまる  つもらないでほしい
  つもってしまう  つもらないようにする  つもらせる 
 △[少し/すこしずつ/かなり/だいぶ/そうとう/すごく/山のように]~。
 △[床(ゆか)にホコリが/屋根(やね)に雪(ゆき)が/国民(こくみん)に不満(ふまん)]が~。
 ・庭(にわ)にだいぶ雪が積もった。
 ・夕方(ゆうがた)から大雪(おおゆき)になった。今晩はそうとう積もりそうだ。子どもたちは雪で
  遊びたいので、積もってほしいと思っているようだが、大人(おとな)は積もっては困るのだ。
 ・きのう大風(おおかぜ)がふいたので、つくえやいすの上にあつくホコリが積もっている。
 ・国民の間に長年(ながねん)の不満が積もりに積もっているようだ。
[2]〔ものガ〕
 ・借金がつもって、どうにもかえせない。
 ・長い間の無理(むり)が積もって、とうとう病気になってしまった。

<複合動詞:-つもる>
[ふりつもる] ものガ ものニ
 ・新雪が降り積もり、スキーヤーたちはその柔らかさを楽しんだ。
 ・この土地は火山灰が降り積もってできた土地なので、大雨が降ると崩れやすい。
   火山灰・新雪・灰・雪が 静かに 街角に 音もなく 休みなく

つむ(積む)五(つまない・つみます・つんで・つめば・つもう) 
[1]〔人ガ 所・ものニ ものヲ〕
 △つみにくい  つんでみる  つんでおく  つんである  つんではいけない
  つまなければならない  つもうとする  つませる  つまれる
 △[すこし/たくさん/どんどん/高く/山のように/できるだけ/むりに]~。
 △[車に荷物(にもつ)を/トラックに石を/タンカーに重油(じゅうゆ)を]~。
  「床(ゆか)に段(だん)ボール箱(ばこ)を/棚(たな)に食器(しょっき)を]~。
 ・子どもたちがかわらに石を積んでいる。
 ・つくえの上に山のように積まれた宿題を見ていると頭がいたくなってくる。
 ・目の前に1000万円積まれても、この本は売らない。世界に一さつしかないのだから。
 ・自転車ににもつを積む時はあまり高く積まないように、気を付けよう。
 ・川の両側(りょうがわ)には、近所(きんじょ)の人々によって砂袋(すなぶくろ)が積まれている。
[2]〔人・ものガ ものヲ〕
 △[車が荷物を/タンカーが石油(せきゆ)を/ヘリコプターが援助物資(えんじょぶっし)を]~。
  [経験/修業(しゅぎょう)/保証金(ほしょうきん)/お金]を~。
 ・5万トンの石油を積んだタンカーが事故を起こして、油(あぶら)がうみにながれ出した。
 ・タンスやふとんを積んだトラックがアパートの前にとまった。だれかひっこして来たらしい。
 ・社会人としてさまざまな経験(けいけん)を積むと世の中のことが分かってくる。
 ・となりの医者(いしゃ)のむすこが大学に入った時は、父親はずいぶんお金を積んだ(=はらった)
  らしい。
 ・たくさん修行(しゅぎょう)を積めば、立派(りっぱ)な坊(ぼう)さんになれるというものでもない。

<複合動詞:つみ->
[つみあげる] 人ガ ものヲ ものニ
 ・つくえの上に本をそんなに積み上げたって、どうせ、ほとんど読まないんだろう?
 ・はこをそんなに高く積み上げないでください。くずれるとあぶないですよ。
 ・外国語や数学の勉強は少しずつ積み上げていくものだから、毎日かならず勉強してください。
      雑誌・参考書・書類・資料・椅子・石・金・軍事費・議論・実績・友好を
   順に 無造作に うず高く 乱雑に こつこつ せっせと 整然と 山のように
[つみかえる] 人ガ ものヲ ものニ
 ・貨物を船からトラックに積み替え、各地に配送した。
 ・飛行機から積み替えたときに紛失してしまったらしい。
 ・この車は荷物を積み替えないと。今載っているものを降ろして、あっちの荷物を積んでくれ。
   荷物・箱・品物・本を
[つみかさなる] ものガ ものニ
 ・机の上には山のように本が積み重なっていた。
 ・収容所の隅には穴が掘られ、ガス室で殺された死体が積み重なっていた。
 ・自分の心の中に経験が積み重なって、次第にそこからヒントが得られるようになった。
   経験・罪業・がらくた・掘り出した土・いくつかの疑問が うず高く
[つみかさねる] 人ガ ものヲ 
 ・木でできた棒を積み重ねていって、倒したら負け、という遊びがある。
 ・地道にデータを積み重ねていけば、説得力のある分析が生まれてくる。
 ・はじめは下手でも、努力して練習を積み重ねていけば、じょうずになるでしょう。
 ・人間は経験を積み重ねて、だんだん成長して行くのだ。
   箱・本・実験・データ・業績・訓練・努力・論理を 確実・着実に 一歩一歩
[つみこむ] 人ガ ものヲ ものニ
 ・車のトランクにかばんや箱を積み込んでおいてください。
 ・トラックに荷物を積みこんで、さあ、今日はひっこしだ。
   貨物・食料・武器・野菜を トラック・車のトランクに 次々と 無造作に
[つみだす] 人ガ ものヲ 
 ・とれた白菜をトラックで積み出した。さて、市場でいくらの値が付くか。
 ・次々と木材が船で積み出されていく。
   製品・石炭・荷・木材を 貨車・トラック・船で  
[つみたてる] 人ガ ものヲ 
 ・来年、海外旅行に行こうと思って、少しずつお金を積み立てている。
 ・今から積み立てておかないと、この子が大学に入ったときに大変よ。
      学資・結婚資金を 定額を 毎月一定額を
[つみのこす] 人ガ ものヲ
 ・トラックが小さかったので荷物をいくつか積み残してしまい、友人の車を頼んだ。
 ・二日間の会議で多くの成果が上がったが、積み残された問題もまた多くあった。
   荷物・家具・段ボール・野菜・資材を 問題・課題・議論・論点を


かさなる(重なる)五(かさならない・かさなります・かさなって・かさなれば・かさなろう)
[1]〔ものガ ものト〕
 △かさなりそうだ  かさなるとこまる  かさならないようにする  かさなるな!
 △[少し/一部(いちぶ)/大部分/ちょうど/ぴったり]~。
 △「こどもの日」と日よう日が~。
 ・アルバイトの日と彼女のたんじょう日が重なった。どうしよう。
 ・新しい法律(ほうりつ)で、日よう日と祭日(さいじつ)が重なると、つぎの日が休みになることに
  なった。
 ・さあ、写真(しゃしん)をとりますよ。小山さん、前の人と重なって顔(かお)が写りませんから、
  少し右へよってください。(小山さんが前の人と)
 ・友だちの結婚式(けっこんしき)と父の葬式(そうしき)が重なった。結婚式に行こう。やっぱり友
  だちは大切だ。
[2]〔(ものニ) ものガ〕
 △[失敗(しっぱい)に失敗が/悪い事に悪い事が]~。
  [事故(じこ)/不注意(ふちゅうい)]が~。
 ・彼のへやは、本の上に本が重なって、山のようになっている。くずれたら大変だ。
 ・紙のはしが重なってしまって、コピーがうまくとれなかった。
 ・過失(かしつ)に過失が重なって大事故(だいじこ)になった。
 ・さいきん仕事が重なって、とてもいそがしい。
 ・悪いことに悪いことが重なった。 
 ・これ以上悪いことが重ならないように気をつけよう。

<複合動詞:かさなり->
[かさなりあう] 人・ものガ 人・ものト
 ・倒れた木と木が重なり合って、道が通れなくなっている。
 ・部屋がせまいので、わたしたち兄弟は重なり合ってねむった。
      色・影・枝・声・葉・屋根・予想が 複雑に いくつも ぴったり
<複合動詞:-かさなる>
[うちかさなる] ものガ 
 ・ひらひらと舞い落ちる花びらが打ち重なり、ピンクのじゅうたんを敷き詰めたようだ。
 ・打ち重なる不幸にもめげず、ヒロインが強く生きていく、という映画である。
[おりかさなる] ものガ
 ・地震でたおれた家の柱や壁などが折り重なるようにして道をふさいでいる。
 ・「火事だ!」という声に驚いて人々が走り出し、何人かが折り重なって倒れた。
   死体・葉・人々・紙が 幾重にも 次々と ~て倒れる


かさねる(重ねる)一(かさねない・かさねます・かさねて・かさねれば・かさねよう)
[1]〔人ガ ものヲ ものト〕
 △かさねてみる  かさねておく  かさねてはいけない  かさねたほうがいい
  かさねないようにする  かさねようとする  かさねさせる  かさねられる
  かさねろ!  かさねるな!  かさねられない
 △[そっと/ぴったり/きっちり/きちんと/うまく/慎重(しんちょう)に]~。
 △[紙と紙を/端(はし)と端を/手と手を]~。
 ・原稿(げんこう)とコピーを重ねて、たなに順(じゅん)においてください。
 ・紙のはしとはしを重ねてとじてください。
 ・おさらをそんなに何まいも重ねておくと、あぶないですよ。
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 ・寒いので、トレーナーにセーターを重ねて着ています。
 ・討議(とうぎ)に討議を重ねて、やっと結論(けつろん)を出すことができた。
[3]〔人ガ ものヲ〕
 △[無理(むり)/回(かい)/検討(けんとう)/会議(かいぎ)/経験(けいけん)]を~。
 ・父は無理を重ねて仕事をしたので、体をこわしてしまった。
 ・初めは難しくても、経験を重ねるとだんだんじょうずになる。
 ・この連続(れんぞく)コンサートは回を重ねるごとにお客がふえてきた。

<複合動詞:かさね->
[かさねあわせる] 人ガ ものヲ
 ・うすい紙を何まいも重ね合わせて、一まいのあつい紙をつくります。
 ・二つの図形を重ね合わせて、ぴったり重なるかどうかを確かめた。
 ・名前を聞いて、記憶の中の幼児を目の前の大学生に重ね合わせてみた。大きくなったなあ。
      思い出・形・体・記憶・気持・声・図形・皿を 自身に 今の状況と
<複合動詞:-かさねる>
[おりかさねる] 人ガ ものヲ
 ・紙を何枚も折り重ね、その上に皿をおいた。
 ・布を折り重ねて厚みを出し、中のガラスが割れないように包んであります。
   紙・布・服・両足・濾紙を 何枚も 
[ぬりかさねる] 人ガ ものヲ
 ・ここの部分に薄く青を塗り重ねると、空と山の色がいい感じになりますよ。
 ・絵の具を何重にも塗り重ねて、対象の質感を出そうと試みた。
    色・絵の具・塗料・ニス・ペンキ・コールタールを


もる(盛る)  五(もらない・もります・もって・もれば・もろう)
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
 △もってほしい  もってある  もってはいけない  もろうとする  もるな!
 △[高く/こんもりと/うずたかく/豪華(ごうか)に/おおざっぱに/ひそかに]~。
  △[土/砂/石炭(せきたん)/ごはん/サラダ/料理(りょうり)/意義(いぎ)/毒(どく)]を~。
 ・庭の真ん中に土を盛って高くした。
  ・ご飯をみんなの茶碗(ちゃわん)に盛ってください。  
 ・かごに果物(くだもの)が山のように盛ってある。 
 ・この保険(ほけん)は、特約事項(とくやくじこう)がたくさん盛ってあって、お得(とく)です。
 ・家臣(かしん)が王に毒を盛るというのは、昔の話によくある話だ。

<複合動詞:もり->
[もりあがる] ものガ
 ・畑の土がところどころ盛り上がっている。モグラがいるらしい。
 ・中年男たちが若いころの流行歌のカラオケで盛り上がっていた。
   山・土・肉・水面・泡・海面・宴会・座・気分・闘志・場・話が みるみる
[もりあげる] 人ガ ものヲ 
 ・かごにくだものが盛り上げてある。
 ・パーティーがちょっと沈んでいるね。(=静かだ)君、一つ歌でも歌って、わっと盛り上げて
   くれないか。
   土砂・絵の具・果物・力こぶ・話・雰囲気・気分・ムード・景気・座・会・試合・
   学園祭を  山盛りに うずたかく 一段と こんもりと 山と
[もりかえす] 人ガ ものヲ 
 ・このチームはしばらく調子が悪かったが、最近盛り返してきた。
 ・低迷している業績を盛り返すにはどうしたらいいか。
   勢い・勢力・戦況・人気・劣勢・力を 一時的に たちまち 何とか
[もりこむ] 人ガ ものヲ 
 ・事故の補償のことも契約に盛りこんであります。
 ・政党のマニフェストには、できそうもない政策が山のように盛り込まれている。
   土を 規定・条件・エピソード・新味・対策・内容・反戦思想・要求・一文を
   法案に 具体的に あれもこれも 
[もりつける] 人ガ ものニ ものヲ 
 ・料理をおいしそうに皿に盛り付けることも大切です。
 ・大皿の上に色とりどりのすしが美しく盛りつけられていた。
   料理・すし・具・アジのたたきを 皿・器に 
[もりわける] 人ガ ものヲ ものニ
 ・そのサラダを小皿に盛り分けてください。
 ・席には先ほどのデコレーションケーキが一人前ずつ盛り分けられていた。
   おかず・サラダ・料理・材料を 小皿に 一人前ずつ

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