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変化4
増える 急増する 激増する 増加する 増減する 増税する 増大する
繁殖する
増やす 増加する 増強する 増減する 増進する
増す
減る 軽減する 激減する 減少する 消耗する
減らす 軽減する 消耗する 減点する 削減する 節約する
足す 足しあわせる 言い足す 買い足す 書き足す つぎ足す 付け足す
加える 書き加える 付け加える 課税する 追加する プラスする 補足する
加わる 付け加わる 加盟する 参加する
添える 書き添える
補う 補い合う 埋め合わせる カバーする 補給する 補強する 補充する
のびる 伸び上がる 伸び悩む 上達する
のばす 引き延ばす 延期する 延長する
広がる 燃え広がる 拡散する 展開する 分布する
広げる 切り広げる 繰り広げる 拡大する 拡張する 展開する
広まる 普及する
広める
狭まる
狭める
縮む 縮み上がる
縮める 縮小する 短縮する
縮まる 縮小する
[19] 高まる・深まる・強まる・弱まる・衰える・薄まる・静まる
高まる 高める
低まる 低める
深まる 深める
はやまる 繰り上がる
はやめる 繰り上げる 繰り下げる 加速する 減速する
強まる 強める 強化する
弱まる 弱める 弱る
やわらぐ やわらげる
衰える
薄まる 薄める 薄れる 薄らぐ
褪せる
静まる 静まりかえる 寝静まる
静める
[15] 増える・増やす・増す 減る・減らす
ものの量の変化を表す動詞。「増える」「増やす」は自他の対応。「増す」は自他両方の用法がある。
「減る」「減らす」も自他の対応。スル動詞が多い。
◇ふえる
「増える」は、数や量が多くなること。
ものガ ふえる
人口・生産量・収入・体重・白髪・離婚・事故・死者・危険・負担が 増える
◇ふやす
「増やす」は、「増える」に対応する他動詞で、数や量が多くなるようにすること。
人ガ ものヲ ふやす
人口・生産量・収入・売り上げ・体重・公園・知識・機会を 増やす
◇ます
「増す」は、数や量、程度が大きくなること。大きくすること。自動・他動両方の用法がある。
ものガ ます
人口・生産量・収入・体重・白髪・離婚・事故・死者・危険・負担が 増す
速度・実力・威厳・比重・食欲・興味が 増す (これらには「増える」は使いにくい)
ものガ ものヲ ます
明るさ・勢い・激しさ・緊張感・現実味・重要性・勢力を 増す(「増える」は使いにくい)
台風が激しさを増す
「増す」の自動・他動の用法の対立は、「増える:増やす」のような「ものガ」対「人ガものヲ」ではないことに注意。「ものガ ものヲ 増す」では、二つのものは「全体-性質」の関係である。
・スル動詞:自動・他動の両方の用法を持つものが多い。
自動詞(「ふえる」と類義)
「繁殖する」は、動物・植物が(どんどん)生まれて増えること。
他動詞(「ふやす」と類義)
「増強する」は、人員・設備などを増やして、組織の機能を強めること。
自他両用
「急増する」は、急に増えること、増やすこと。
「激増する」は、数や量が急にひどく増えること。
「増加する」は、数や量が増えること、増やすこと。
「増税する」は、税金の額を増やすこと。
「増大する」は、数や量が増えること。程度が大きくなること。
「増減する」は、増えることと減ること。また、増やすことと減らすこと。
「増進する」は、体力や能力などが高まってよい状態になること。また、そのようにすること。
◇へる
「減る」は、数や量が少なくなること。
ものガ へる
お金・支出・人口・体重・使用量・面積が 減る
慣用表現で「腹が減る」は、空腹を感じること。「口が減らない」は、負け惜しみや反論を言うの
が上手なこと。
◇へらす
「減らす」は、数や量を少なくすること。
人ガ ものヲ へらす
予算・小遣い・社員・体重を 減らす
慣用表現で「腹を減らす」は、空腹になること。
・スル動詞
「軽減する」は、負担・苦痛などを減らして軽くすること。減って軽くなること。
「激減する」は、数や量が急に激しく減ること。
「減少する」は、数や量が少なくなること。
「消耗する」は、何かを使って、それが減ったりなくなったりする(ようにする)こと。
「減点する」は、点数を減らすこと。
「削減する」は、あることのための予算・人員などを減らすこと。
「節約する」は、むだを省き、使う費用・数量をできるだけ減らすこと。
ふえる(増える・殖える)一(ふえる・ふえます・ふえて・ふえれば)
[1]〔ものガ (ものカラ)(ものニ)〕
△ふえはじめる ふえつづける ふえそうだ ふえてしまう ふえてほしい
ふえてはいけない ふえないようにする ふえたほうがいい ふえるな!
△[すごく/おそろしく/きゅうに/どっと/どんどん/すこしずつ/わずかながら]~。
[しらないうちに/みるみるうちに/きがつかないうちに]~。
△[ミス/まちがい/わすれもの/迷子(まいご)/白髪(しらが)/しわ/虫歯(むしば)]が~。
[しりあい/アフリカの独立国(どくりつこく)/離婚(りこん)/事故(じこ)]が~。
[借金(しゃっきん)/失業者(しつぎょうしゃ)/進学率(しんがくりつ/死者(ししゃ)]が~。
[かず/体重/メンバー]が~。
・このまちの人口は10年の間に2倍(ばい)に増えた。(=増加(ぞうか)した。
・日本語を勉強する人のかずがだんだん増えている。(=増加している)
・借金(しゃっきん)は増え、貯金(ちょきん)はへり、給料はかわらない。
・年々(ねんねん)、交通事故による死者(ししゃ)の数が増えている。
・この町(まち)の交通事故のかずが、1日に20件(けん)から30件に増えた。
・うちでは今ゴキブリが殖えて、こまっています。
・わたしは、この半年で体重が5キロも増えてしまった。
・ネズミはどんどん子どもが殖える。
・わたしたちのクラブはさいきんどんどんメンバーが増えています。
・人口がこのまま増えつづけると、20年後には2倍(ばい)になってしまう。
[2]〔所ニ ものガ〕
・さいきん、この近所に店が増えたので、べんりになった。
・この辺りにはノラ猫(ねこ)が増えてきた。
<スル動詞>
[急増(きゅうぞう)する] 人・ものガ
・今年になって、体育でけがをする生徒が急増している。
・最近、この車の事故が急増している。ブレーキに問題があるらしい。
[激増(げきぞう)する] ものガ
・テレビCMの効果で販売量が激増した。
・これから先、全人口に占める高齢者の比率が激増する。
[増加(ぞうか)する] ものガ
・一年で体重が6キロ増加(を)した。
・去年と比べて応募者数が20%増加(を)している。
[増減(ぞうげん)する] ものガ
・川の水量は季節によって増減(を)する。
・この時代、一定の周期で人口が増減(を)している。
・支持率が増減するごとに一喜一憂するのはばかばかしい。
[増税(ぞうぜい)する] 人ガ
・富裕層に対して増税(を)すべきことは明らかだが、彼らと政治家がつながっているのだ。
・政府は増税(を)したいのだが、それを言い出すと次の選挙がこわいので、言えない。
[増大(ぞうだい)する] ものガ
・台風が接近し、洪水の危険が増大(を)している。
・銅の需要がふたたび増大(を)しようとしている。
[繁殖(はんしょく)する] ものガ
・この湿った暖かさが、細菌が繁殖する最高の条件になっているんですね。
・ゴキブリが繁殖しないように、食べ物のかすを残さないことが大切です。
ふやす(増やす・殖やす)五(ふやす・ふやします・ふやして・ふやせば・ふやそう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△ふやしたい ふやしてもらう ふやしてはいけない ふやしたほうがいい
ふやさないようにする ふやそうと思う ふやさせる ふやされる ふやすな!
△[少しずつ/急に/いちどに/いっぺんに/だんだん/どんどん/どっと/すごく]~。
△[お金/収入(しゅうにゅう)/貯金(ちょきん)/お客/観光客(かんこうきゃく)]を~。
[体重(たいじゅう)/知識(ちしき)/情報(じょうほう)/売り上げ/公園(こうえん)]を~。
・一度減(へ)った人口をまた増やすことは難しい。
・入れる量(りょう)を少しずつ増やしていってください。
・多くの市民がつめかけたので、市は窓口(まどぐち)を増やして対応(たいおう)した。
・増やしたほうがいいものは収入で、増やさないほうがいいものは体重だ。
・練習で走る距離(きょり)を急に増やされて、死にそうだ。
・予算(よさん)を急に増やそうとしても、できるはずがないよ。
・外国語は、実際(じっさい)に使う機会(きかい)を増やさないと上達(じょうたつ)しない。
<スル動詞>
[増加(ぞうか)する] 人ガ ものヲ
・隣の国が軍備を増加しているのを知っていますか。
・来年度は予算を増加してほしい。
[増強(ぞうきょう)する] 人ガ ものヲ
・スタッフを増強して、販売促進に力を入れることになった。
・隣の国が軍事力を増強しようとしている。
[~の増強をする]
・今年度は輸送力の増強をしたいと思う。
[増減(ぞうげん)する] 人ガ ものヲ
・国は、通貨の量を増減して、経済の安定を図る。
[増進(ぞうしん)する] ものガ
・テレビの料理番組を見ると、食欲が増進(を)して、つい食べ過ぎてしまう。
・ちょっとしたアイデアで売り上げを増進させることができた、という例を紹介します。
〔ものガ ものヲ〕
・この香りが食欲を増進するはたらきがあります。
・設備の一新が作業能率を著しく増進した。
ます(増す) 五(まさない・まします・まして・ませば・まそう)
[1]〔ものガ〕
△ましてほしい ましていきたい ましてはいけない まさなければならない
△[少し/少しずつ/いくらか/かなり/大きく]~。
△[量(りょう)/大きさ/割合(わりあい)/激(はげ)しさ/興味(きょうみ)]が~。
・人口密度(じんこうみつど)が増すと、交通(こうつう)が渋滞(じゅうたい)するようになる。
・川の水かさがこれ以上増すと危険(きけん)だ。
・速度(そくど)が増すと、空気の抵抗(ていこう)が無視(むし)できなくなってくる。
・食欲(しょくよく)がいっそう増す料理(りょうり)の盛(も)りつけ方を教えている。
[2]〔ものガ ものヲ〕
・生活の中でインターネットの重要性(じゅうようせい)が増してきている。
・台風(たいふう)が近づくに連れて、風はいよいよ激しさを増してきた。
・現実が進んでくると、このSF小説の予言(よげん)がいっそう現実味(げんじつみ)を増してくる。
・憎(にく)しみが争(あらそ)いを引き起こし、争いがまた互(たが)いの憎しみを増すことになる。
へる(減る)五(へらない・へります・へって・へれば)
[1]〔人・ものガ〕
△へりそうだ へりにくい へってほしい へってくる へってはこまる
へらなければならない へらないようにする へりつつある へろうとしている
△[すこしずつ/だんだん/どんどん/おおきく/おどろくほど/ぐっと/がくっと]~。
[きゅうに/きゅうげきに/おおはばに/際限(さいげん)なく/みるみるうちに]~。
△[人口/子どもの数/出生率(しゅっせいりつ)/収入(しゅうにゅう)/貯金(ちょきん)]が~。
[おもしろい番組(ばんぐみ)/良い先生/良心(りょうしん)的な出版社(しゅっぱんしゃ)]が~。
・わかい人が東京や大阪へ出て行くので、この町はどんどん人口がへっている。
・去年1年間だけで5000人も減っている。
・ひるめしを食うひまがなかったので、もう、腹(はら)が減ってたまらない。
・そろそろお腹(なか)が減って来たから、けしきの良い所でおべんとうをたべましょう。
・さいきん体重が減って来た。どうしたんだろう。
・7月に入ったら、めっきり(=とても)お客が減ったね。町の人はみんな海へ行くからなあ。
・新しく信号(しんごう)をつけたら、事故(じこ)が減った。(=減少(げんしょう)した)
・この機械(きかい)をつかいはじめたら、不良品(ふりょうひん)が半分に減った。
・外まわりのしごとになったら、くつ(のそこ)の減る(=摩滅(まめつ)する)のがとてもはやい。
・A:山下さん、さいきん結婚(けっこん)したそうだね。今度、おくさんに会わせてくれよ。
B:いやだよ。
A:見せたっていいじゃないか、減るもんじゃなし。
・A:お父さん、ねる時は電気スタンドをけしてくださいね。もったいないでしょ。
B:人のことばかり言えないよ。お前だって、台所のあかりがいつもつけっぱなしだぞ。
A:だから、少しでもムダをなくそうと思って言っているのよ。
B:まったく口の減らないやつだ。
・A:きみにちょっとおみやげを買って来たよ。何だかあててごらん。
B:分からないよ。教えてくれよ。
A:待て、待て。そうすぐに分かったんじゃ、たのしみが減るだろう。よく考えてみろよ。
<スル動詞>
[軽減(けいげん)する] ものガ
・看護士の処置のおかげで、痛みが軽減して助かったと言っていた。
〔人ガ ものヲ〕
・患者の苦痛を軽減するためにどういう薬を使っていけばいいか。
・みんなの負担を軽減できるように、業務全体を見直していきたい。
[激減(げきげん)する] ものガ
・転職して収入が激減した。
・この二十年、日本で生まれる子供の数が激減している。
[減少(げんしょう)する] ものガ
・動物の数が減少(を)して行く。
・血液の中の白血球を減少させる恐れがある。
[消耗(しょうもう)する] 人・ものガ
・ブレーキのゴムが消耗(を)しているから、取り替えたほうがいい。
・不必要な議論で消耗(を)してしまい、将来の展望を話し合うことができなかった。
へらす(減らす) 五(へらさない・へらします・へらして・へらせば・へらそう)
[1]〔人ガ (ものカラ ものニ) ものヲ〕
△へらしたい へらしてほしい へらしていく へらさなければならない へらせない
へらそうとする へらされる へらさせる へらせ! へらすな!
△[少し/少しずつ/大きく/大幅(おおはば)に/かなり/急激(きゅうげき)に]~。
[いやいや/喜(よろこ)んで/みずから/自発(じはつ)的に/しかたなく/ひそかに]~。
△[予算(よさん)/経費(けいひ)/小遣(こづか)い/人数(にんずう)/社員/たばこ]を~。
[酒の量(りょう)/余分(よぶん)な脂肪(しぼう)/雑用(ざつよう)/睡眠(すいみん)時間]を~。
・ネットで遊ぶ時間を減らした方がいいと、自分でも思っている。
・経費を減らせといわれるが、もうこれ以上減らせないところまで来ているんだ。
・小遣いを減らされてしまって、食後のコーヒーも飲めなくなった。
・あなたはもう少し酒の量を減らさないと、命を縮めますよ。
・睡眠時間は減らさない方がいい。
・おなかの脂肪を減らしたいんだけれど、どうしてもおなかが空いて、たくさん食べてしまう。
・みんなの努力で交通事故を減らそう。
<スル動詞>
[軽減(けいげん)する] 人ガ ものヲ
・患者の苦痛を軽減するためにどういう薬を使っていけばいいか。
・みんなの負担を軽減できるように、業務全体を見直していきたい。
[消耗(しょうもう)する] 人ガ ものヲ
・冷えてきたので、体力を消耗しないように暖かいものを着た。
・こういう道ばかり走るとタイヤを消耗しやすい。
[減点(げんてん)する] 人ガ ものヲ
・あまりにも文字が汚いので、作文の点を10点減点した。
・演技の中でいくつかミスをしたため、かなり減点された。
[削減(さくげん)する] 人ガ ものヲ
・不況を理由にして企業が人員を削減する。
・福祉予算が大幅に削減された。
〔人ガ ものヲ ものカラ〕
・今年度の予算から図書費を削減するという。そんなバカな話があるか。
予算・補助金・コスト・経費・軍事費・歳出・定員・公務員・余剰人員を
[~の削減をする]
・今年は光熱費の削減をしろと言われた。つまり事務所のエアコンを使うなということだ。
[節約(せつやく)する] 人ガ ものヲ
・夏は水を節約して使いましょう。
・金を節約して、貯金する。
[~の節約をする]
・エネルギーの節約をしなければならない。
[16] 太る・やせる
動物の体の太さに関する動詞。「太くなる」との違いに注意。
◇ふとる
「太る」は、動物の体に肉や脂肪が付いて、太くなること。結果を「-ている」の形で表す。名詞
修飾は「ふとった/ふとっている」の形になる。植物、例えば木などは「太くなる」と言う。また、
体の一部分は「太る」ではなく、「太くなる」という。
人・動物ガ ふとる
この数年でずいぶん太った 丸まると太った赤ん坊 足が太くなった
◇やせる
「痩せる」は、動物の体重が減って体が細くなること。結果を「-ている」の形で表す。名詞修飾
は「やせた/やせている」の形になる。土地の生産力が低いことも言う。
人・ものガ やせる
病気をして痩せる 痩せようとダイエットをする 痩せた土地
・複合動詞
「やせ衰える」は、やせて衰えてしまうこと。「やせこける」は、ひどくやせてしまうこと。「や
せ細る」は、やせて体・足・腕などが細くなること。
◇こえる
「肥える」は、太ること。人にはあまり使われず、動物、特に家畜などに使われる。土地の生産力
が高いことも言う。ひゆ的に、人の感覚・鑑賞能力などが優れていることにも言う。
人・動物・ものガ こえる
牛やブタを肥えさせる 肥えた土地でとれた野菜 目・舌が肥えている
ふとる(太る)五(ふとらない・ふとります・ふとって・ふとれば・ふとろう)
[1]〔人・ものガ〕
△ふとりそうだ ふとりだす ふとりたい ふとりすぎる ふとってしまう
ふとってくる ふとってみたい ふとってはこまる ふとらないように
ふとらせる ふとられる
△[少し/かなり/ひどく/少しずつ/だんだん/どんどん/めちゃくちゃ]~。
・このごろ運動(うんどう)がたりないので、5キロも太ってしまった。
・母は何もしないで、食(く)っちゃ寝(ね)、食っちゃ寝しているから、ぶくぶくに太ってしまった。
・私は太りやすい体質(たいしつ)だから、しかたがありません。
・太った(=太っている)人はやせた(=やせている)人より寒(さむ)さに強い。
・きみの妹さんはずいぶん太っているね。
・となりの家の赤ちゃんはまるまる(と)太っていて、とてもかわいい。
・ことしは、米(こめ)もよくできたし、ブタもよく太ったから、かなり良い収入(しゅうにゅう)が
ありそうだ。
・やせた人は太ろうと努力(どりょく)し、太った人はやせようと努力する。
・太らないようにするのとやせないようにするのと、どちらがむずかしいですか。
・兄は結婚(けっこん)したら、太り出した。
・きみは太りすぎだ。運動(うんどう)するなり、食事をへらすなり、何とかしなさい。
・さいきん運動をしないので、太りぎみです。
・「太ったブタよりは、やせたソクラテスになれ」と先生は言った。
やせる(痩せる)一(やせない・やせます・やせて・やせれば・やせよう)
[1]〔人・動物ガ〕
△やせすぎる やせたいが、やせられない やせてみたい 少しやせたほうがいい
やせてくる やせてしまう やせちゃった やせようと思う
やせるはずがない やせられれば やせられるといいね やせさせないといけない
△[運動して/ダイエットで/食事のカロリーを減らして/疲労(ひろう)のため]~。
[病気で/病気をして/薬で/努力(どりょく)して/何もしないのに]~。
△[人/いぬ/ねこ/ぶた〕が~。[からだ/かお/うで]がやせてきた。
・A:さいきん、少しやせたようですね。どこか体のぐあいが悪いんですか。
B:ええ、ちょっと、心配(しんぱい)なことがあって、よく眠(ねむ)れないんです。
・やせた人は太(ふと)った人より長生きするそうです。
・こんなに太っていては心臓(しんぞう)によくありませんよ。あと、少くとも5キロはやせないと。
・やせるためにあまい物を食べないようにしています。
・「この薬を飲むと、すぐにやせられます」などという薬は体によくないかもしれない。
・その犬、太(ふと)りすぎだよ。少しやせさせたほうがいいよ。
・太ったブタよりやせたソクラテスになれ、と先生が言った。どういう意味だろう?
[2]〔ものガ〕
・この土地(とち)はやせているので、野菜(やさい)などを植(う)えても、ほとんど育たないのです。
・そばやいもは、やせた土地でも、ふつうの土地のばあいとほとんど同じぐらいによくそだちます。
<複合動詞:やせ->
[やせおとろえる] 人ガ
・大病をしてから、父はすっかりやせおとろえてしまった。
・あの国では食料生産がうまく行かず、民衆はやせ衰えているそうだ。
体が みじめに 飢えて 枯れ木のように 見た目にはっきり ~た姿
[やせこける] 人ガ
・やせこけた小さな子供が、二十年後にこんなに立派な青年に成長するとは、予想もできなかった。
・病気になってから、父はすっかり弱ってしまって、体もやせこけてしまった。
体が いやに 見る影もなく ~た男・小娘・人・頬・木・丘
[やせほそる] 人ガ
・母は、しばらく見ないうちにずいぶんやせ細ってしまった。
・ダイエットをし続け、やせ細った体になっても、まだやせようとしていた。
体が 心痛で 悩みで 幽鬼のように 痛々しいほどに
こえる(肥える) 一(こえない・こえます・こえて・こえれば・こえよう)
[1]〔人・動物ガ〕
△こえそうだ こえてきた こえてしまう こえないようにする こえさせる
△[少しずつ/だんだん/急に/いきなり/とても/すごく]~。
△[人/赤ちゃん/家畜(かちく)/豚(ぶた)/牛(うし)/犬/ネコ]が~。
・やせているより、少し肥えているぐらいがいい。
・この赤ん坊(あかんぼう)はよく肥えていて、元気いっぱいだ。
・うちの嫁(よめ)さんは最近急に肥えてきた。
・豚を肥えさせて高く売りたいと考えている。
[2]〔ものガ〕
・ここは土地(とち)が肥えているから、おいしい野菜(やさい)がとれるんです。
・彼女は舌(した)が肥えているから、その辺のレストランでは満足(まんぞく)できないらしい。で
も、それもまた不便(ふべん)な話だね。
・これではご不満(ふまん)ですか。さすがに目が肥えていらっしゃる。では、こちらはいかがです
か。お安くしておきますよ、、、。
[17]足す・加える
ものがあるところに、さらにものを持ってきて、数量を大きくすることを表す動詞。基本的にニ格
をとる。反対概念は「ひく・とる・除く」など。
「くわわる・くわえる」は自動詞・他動詞の対。「足す」は他動詞。「足す」と「加える」の違い
は、「足す」は基本的に同質のものだが、「加える」は別のものでもよいこと。たとえば、
スープに塩を足す/スープに塩を加える
で、「足す」ではもともと塩が入っているのに対して、「加える」は初めての塩でもよい。
また、「くわわる・くわえる」には、抽象的な物事に関するひゆ的な用法がある。
◇たす
「足す」は、二つの数を合わせること。不足している所に(同質の)ものを加えること。ニ格をとる
のが基本で、両者が対等な場合はト格をとる。
人ガ ものニ/ト ものヲ たす
1と1を足す 風呂に水を足す 塩と砂糖をスープに足す
「用を足す」は、用事をすませること。トイレに行くことの婉曲な表現にも使われる。また、何か
の目的に役に立つこと。この場合は否定の形でよく使われる。
ちょっと用を足してくる この設備では用を足さない
・複合動詞
「足し合わせる」は、二つ以上のものを足して合わせること。
「言い足す」は、一度言い終わった後にさらに加えて言うこと。
「買い足す」は、すでに買った後にさらに加えて買うこと。
「書き足す」は、後から書いて加えること。不十分な所を書いて補うこと。
「継ぎ足す」は、棒などをつないで長くすること。足りない所を後から加えること。
「付け足す」は、すでにあるものに、不足分を補ったり、さらに加えたりすること。
◇くわえる
「加える」は、ものに新しいものを合わせ、数量・程度を大きくすること。不足のものを補うこと。
ニ格・ヲ格をとる。
人ガ ものニ ものヲ くわえる
チームに新メンバーを加える リストに項目を加える 料理に塩を加える
人・物にある動作・作用を及ぼす。「~する」の代わりに使われる機能動詞の用法になる。
攻撃・危害・罰・刺激・考察・分析・修正・説明・圧力を 加える
・複合動詞
「付け加える」は、すでにあるものに更に加えること。
・スル動詞
「追加する」は、すでにあるものに、(不足を補うために)後から付け加えること。
「プラスする」は、足すこと。ためになること。
「補足する」は、必要な事柄を付け加えたり、不十分な所を補うこと。
「課税する」は、税金をかけること。
◇くわわる
「加わる」は、「加える」に対応する自動詞で、前からあるものにさらに同じようなもの、または
別のものが一緒になること。ものに対して新しい要素・作用が及ぶこと。
人・ものガ ものニ くわわる
研究会・チームに 加わる 新しい名前が名簿に加わる パソコンに新機能が加わる
話し方に威厳が加わる 演技にすごみが加わる 上から圧力が加わる
・複合動詞
「付け加わる」は、すでにあるものに更に後から加わること。
・スル動詞
「加盟する」は、団体や組織に加入すること。
「参加する」は、団体や組織、何らかの集まりに加わり、ともに行動すること。
◇そえる
「添える」は、中心となるものに他のものを(補助的に)付けること。
人ガ ものニ ものヲ そえる
プレゼントにカードを添える 肉に野菜を添える 作品にユーモアを添える
・複合動詞
「書き添える」は、何かに添えるものとして言葉を書くこと。
文章の終わりに感謝の言葉を書き添える
◇おぎなう
「補う」は、足りない部分を他のもので満たすこと。
不足・資金・説明を 補う 資料にデータを・体にビタミンを 補う
・複合動詞
「補い合う」は、互いに相手の足りない部分などを補うこと。
「埋め合わせる」は、不足や損失を他のもので補うこと。
・スル動詞
「補給する」は、足りなくなったものを補うこと。
「補強する」は、弱い所を手入れしたり、足りない所を補ったりして強くすること。
「補充する」は、不足しているもの・人を補って、元通りの状態にすること。
「カバーする」は、損失・不足・失敗などを補うこと。弱い部分を守ること。ある範囲を対象とし
て扱うこと。
たす(足す)五(たさない・たします・たして・たせば・たそう)
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
△たしてみる たしておく たしてある たさないほうがいい たさなければならない
たそうとする たさせる たされる たせない
△[少しずつ/たくさん/一度に/何回かに分けて/どんどん]~。
△[数(かず)/数字(すうじ)/金額(きんがく)/人数(にんずう)/それぞれ]を~。
[水/塩(しお)/調味料(ちょうみりょう)/ごはん/肉]を~。
・99に1を足す(=くわえる)と100になる。
・塩味(しおあじ)が足りないから(りょうりに)少し塩を足そう(=くわえよう)。
・むすこが自分で10万円ためたので、それに5万円足してやって新しいパソコンを買った。
・おふろの湯(ゆ)が足りないから、いま水を足しています。少しまってください。
・会のお金が足りないのなら、あなたが少し足せばいいでしょう。お金持ちなんだから。
[2]〔人ガ (ものト) ものヲ〕
△[数(かず)/数字(すうじ)/人数(にんずう)/お金]を~。
・車の重さと荷物(にもつ)の重さを足すと3トンになります。
・3つの組の人数を全部(ぜんぶ)足すと、70人になってしまうので、このへやでは入りません。
・この本が380円で、その本が300円だから、両方(りょうほう)足す(=合わせる)と680円になり
ます。
[用を足す]
・ちょっと用を足してくるから、ここで待っていてくれ。
・この程度(ていど)の設備(せつび)では、こんどの仕事には用を足さないなあ。(役に立たない)
<複合動詞:たし->
[たしあわせる] 人ガ ものヲ ものト
・二人のお金を足し合わせて何とかタクシー代をはらった。
・親からもらう小遣いとバイトの収入を足し合わせて、毎月何とか暮らしている。
基本給と手当を みんなの所持金を 夫婦のへそくりを
<複合動詞:-たす>
[いいたす] 人ガ ものヲ
・以上でお話は終わりなのですが、いくつか言い足しておきたいことがあります。
・担当者の長い説明のあと、その上司というのがまたいろいろと言い足して、聞いているこっちは
いいかげん疲れてきた。
一言 二言三言 甘えるように 説明不足を補うように
[かいたす] 人ガ ものヲ
・スーパーで買い物をして、一度レジに並んだが、今夜客が来ることを思い出して、肉と野菜を買
い足した。
・研究が進むにつれ、必要な実験器具をどんどん買い足した。
予備として 資料・材料・本・機械・食料を 土地を
[かきたす] 人ガ ものヲ ものニ
・手紙の終わりに、書き落としたことをまた10行ばかり書き足した。
・メールを書いていると、後から書き足したいことが出てきて、なかなか終わらない。
[つぎたす] 人ガ ものヲ ものニ
・折れたイスの脚に棒を継ぎ足した。すぐまた折れそうだが。
・火鉢の炭がなくなってきたのでつぎ足した。
炭・ろうそく・言葉・アパート・二階を 文化を
[つけたす] 人ガ ものヲ ものニ
・おかずが足りないような気がしたので、あとからひややっこを夕食に付け足した。
・予定した議題はこれで終わりですが、何か付け足す事はありませんか。
おかず・景品・言葉・説明・データを
くわえる(加える)一(くわえない・くわえます・くわえて・くわえれば・くわえよう)
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
△くわえたい くわえてみる くわえておく くわえてもいい くわえてもらう
くわえなければならない くわえさせる くわえられる くわえようと思う
くわえろ くわえるな!
△[少しずつ/一度にたくさん/急に/ゆっくり/慎重(しんちょう)に]~。
△[グループにメンバーを/物に刺激(しげき)を/車にスピードを/提案(ていあん)に検討(けん
とう)を/行動(こうどう)に規制(きせい)を]~。
・5に3を加えると8になる。
・水に塩(しお)を加えて食塩水(しょくえんすい)を作った。
・この金属(きんぞく)は力を加えるとよく曲(ま)がる。
・ボランティアの仕事がいそがしくなったので友だちを仲間(なかま)に加えた。
・今の話はわかりにくかったかもしれないので、ちょっと説明(せつめい)を加えます。
・神経(しんけい)に刺激を加えて、そのはたらきをしらべています。
・ここは事故(じこ)が多いので、交通量(こうつうりょう)に規制が加えられるようになった。
・今回の計画(けいかく)には、何度も慎重(しんちょう)に検討が加えられた。
<複合動詞:-くわえる>
[かきくわえる] 人ガ ものニ ものヲ
・自分の文章を読み直すと、あとからいろいろ書き加えたくなる。
・この部分はあとから書き加えられた部分のようだ。前後とうまくつながっていない。
新たな一ページを 一行を 書き足りなかったことを 注を わざわざ
[つけくわえる] 人ガ ものヲ ものニ
・さきほどの先生の行き届いたお話に付け加えることは何もありません。
・あき子さんと話していると、そばをゆみ子さんが通った。「ゆみ子さんて、きれいですね、、。
あっ、あき子さんだってきれいですよ。」私はいそいで付け加えた。
解説・感想・価値・言葉・嫌み・意味・修飾語・条件・説明・皮肉・批判を
一言 新たに 遠慮がちに 勝手に 最後に さらに ついでに 何気なく 念のため
<スル動詞>
[課税(かぜい)する] 人ガ ものニ
・高級品にはもっと課税してもいいのではないか。
・輸出品に課税されると、輸出が難しくなる。
[追加(ついか)する] 人ガ ものニ ものヲ
・政府はむだな事業に10億円も予算を追加した。
・飲み会の途中でビール2本とお酒を3本追加した。これはむだではない。
[~の追加をする]
・人手が足りなくなり、メンバーの追加をした。
[プラスする] 人ガ ものニ ものヲ
・7に3をプラスすると10になる。
・レポートの点は、試験の点にプラス(を)します。
・50点のところを、10点プラスして合格とする。
・適度な運動は健康維持にプラスする。
[補足(ほそく)する] 人ガ ものニ ものヲ
・先ほどの委員長の説明にちょっと言葉を補足します。
・調査団のみなさん、私の報告に補足すべきことがあったら、お願いします。
[~の補足をする]
・小さなことですが、報告書の補足をしておきます。
くわわる(加わる)五(くわわらない・くわわります・くわわって・くわわれば・くわわろう)
[1]〔人・ものガ ものニ〕
△くわわりたい くわわってほしい くわわってみる くわわってはいけない
くわわらなければならない くわわらないほうがいい くわわらせる
くわわられる くわわろうとする くわわれ! くわわるな!
△[少しずつ/一気(いっき)に/いちどきに/知らぬ間(ま)に]~。
△[グループにメンバーが/選挙活動(せんきょかつどう)に人が]~。
[装置(そうち)/圧力(あつりょく)/責任(せきにん)/魅力(みりょく)/疲(つか)れ]が~。
・あなたも私たちの旅行(りょこう)グループに加わりませんか。
・あなたにもこの計画(けいかく)に加わっていただきたい。(あなたがこの計画に)
・私は子どものころ、同じぐらいの年の子どものあそびにはあまり加わらなかった。
・新しい人がどんどん加わらないと、我(わ)が社は流行(りゅうこう)におくれてしまう。
・今年から入学試験(にゅうがくしけん)に数学が加わった。
・機械(きかい)が故障(こしょう)したのは、ここに予想(よそう)以上の圧力が加わったためらしい。
・この新型(しんがた)のパソコンには、さらにいろいろな機能(きのう)が加わったそうだ。
・最近の彼女の演技(えんぎ)には、何とも言えない魅力が加わったように感じる。
・胃腸(いちょう)の調子(ちょうし)が悪いところに疲れが加わって、ついに体をこわしてしまった。
<複合動詞:-くわわる>
[つけくわわる] ものガ ものニ
・今回の撮影に新たなシーンがつけ加わったそうだ。俺が崖から海に落ちるんだって!
・僕がテレビゲームをする時の条件が一つ付け加わった。お母さんにもやらせてあげること、だっ
て。お母さん、下手だからいやなんだよなー。
<スル動詞>
[加盟(かめい)する] 人ガ ものニ
・高校で野球チームを新しく作り、県の野球連盟に加盟(を)した。
・日本は戦後10年が過ぎた1956年に国連に加盟(を)しました。
[参加(さんか)する] 人ガ ものニ
・スポーツ大会に参加(を)しましょう。
・組合のデモに参加(を)させられた。
そえる(添える) 一(そえない・そえます・そえて・そえれば・そえよう)
[1]〔人ガ ものニ ものヲ〕
△そえておく そえてある そえなくてはいけない そえようとする そえられる
△[そっと/かるく/ついでに/念(ねん)のために/こまやかに/品(ひん)よく]~。
△[サラダ/パセリ/薬味(やくみ)/わさび/風味(ふうみ)/写真/ことば/カード]を~。
[診断書(しんだんしょ)/略歴(りゃくれき)/履歴書(りれきしょ)/地図(ちず)]を~。
[威厳(いげん)/趣(おもむき)/輝(かがや)き/暖(あたたか)かみ/彩(いろど)り]を~。
・肉料理(にくりょうり)にはサラダを添えて、栄養(えいよう)のバランスをとります。
・それぞれ作品(さくひん)の横(よこ)に、何か一言(ひとこと)、ことばを添えてください。
・花束(はなたば)に名前を書いたカードを添えるのを忘れた。ぼくだとわからないじゃないか!
・子どもからの手紙に添えられた写真から、旅行の楽しさが伝わってきた。
・欠席届(けっせきとどけ)には診断書が添えられていた。
・部屋(へや)の隅(すみ)に置かれた生け花(いけばな)が、落ち着いた部屋に彩りを添えています。
<複合動詞:-そえる>
[かきそえる] 人ガ ものニ ものヲ
・事務的な連絡の最後に一言書き添えた。「仕事以外で一度会いたいね」と。
・論文の原稿に書き添えられたメモが、後の偉大な発見の端緒となった。
住所・職業・年齢・訳語・わけ・よけいなことを 念のために 何気なく ついでに
おぎなう(おぎなう) 五(おぎなわない・おぎないます・おぎなって・おぎなえば・おぎなおう)
[1]〔人ガ ものデ ものヲ〕
△おぎなってほしい おぎなうべきだ おぎなったほうがいい おぎなおうとする
△[多少/いくらか/かなり/大部分/充分に/不十分ながら]~。
△[不足(ふそく)/損失(そんしつ)/赤字(あかじ)/欠点(けってん)/短所(たんしょ)]を~。
[資金(しきん)/資料(しりょう)/データ/説明(せつめい)/ことば/数字(すうじ)]を~。
・今年の赤字を補うには、将来(しょうらい)のための資金をくずさなければならない。
・本文(ほんぶん)の説明(せつめい)の細(こま)かいところは注(ちゅう)で補っておきました。
・労働力(ろうどうりょく)の不足を補うために、派遣(はけん)社員を多数(たすう)使っている。
・この論文(ろんぶん)はもっと詳細(しょうさい)なデータを補う必要(ひつよう)がある。
・建設(けんせつ)資金が不足しているので、外からの援助(えんじょ)で補うしかない。
・ビタミン剤(ざい)でビタミン不足(ぶそく)を補うのはよくない。野菜(やさい)を食べるべきだ。
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕
・研究部門(ぶもん)にもっと若い才能(さいのう)を補って行かないと、研究が行きづまる。
・車にはガソリン、体にはビタミンを補っておくことを忘れずに。
・論文の何か所かにデータを補わないと、説得力(せっとくりょく)がない。
<複合動詞:おぎない->
[おぎないあう] 人ガ 人ト (ものヲ)
・うちの父母は性格がまったく反対だから、おたがいに補い合ってうまく行くのだろう。
・二つの会社は、お互いの足りないところを補い合っていた。
欠点・言葉・不足・不十分なところ・頼りなさを
<複合動詞:その他>
[うめあわせる] 人・ものガ ものヲ
・事業での損失を埋め合わせるため、社員のボーナスがカットされるという。
・どうもご迷惑をおかけしました。今回のことは、いつか必ず埋め合わせますので。
恨み・感傷・失言・時間・賃金を
<スル動詞>
[カバーする] 人・ものガ 人・ものヲ
・休んだ人の仕事を誰かがカバーしなければならない。
・私のミスを他の選手がカバーしてくれたので、失点にはつながらなかった。
・表面を傷付けないようにやわらかい布でカバー(を)した。
[補給(ほきゅう)する] 人ガ ものニ ものヲ
・体に水分を補給するのを忘れると危険です。
・探検隊に食料を確実に補給できるような支援態勢をとっている。
[~の補給をする]
・物資の補給をするため、トラックを十台準備した。
[補強(ほきょう)する] 人ガ ものヲ
・建物の強度を補強する工事が始まった。
・来年のチームの課題は守備を補強することだ。
[~の補強をする]
・新監督はまず代表メンバーの補強をした。
[補充(ほじゅう)する] 人ガ ものヲ
・原料の不足を補充しないと、生産がストップしてしまう。
・右の棚の商品を補充しておいてください。
[18] 伸びる・広がる・縮む
長さ・広さの変化に関する動詞。「のびる」「のばす」長さ・広さ・精神的なことなどに使われる。
「広がる」「広げる」は空間的・精神的なことに関して言う。「広まる」「広める」は社会的な事柄。
「狭まる」「狭める」は、空間的な隔たりと精神的なこと。「縮む」「縮まる」「縮める」は面積、体
積と二つのものの差について言う。
◇のびる
「のびる」は、長くなること。空間的にも、時間的にも言う。ひゆ的に、数量や能力などにも言う。
ものガ のびる
木・背・髪・つめが 伸びる よく伸びる ゴム・もち
会議が2時間延びる
売り上げ・輸出が 伸びる 語学力・若手が 伸びる
長くなってあるところにまで届くこと。ひゆ的に、調査や捜査にも言う。
ものガ もの・所ニ/マデ のびる
甘いものに手が伸びる 鉄道が海岸まで延びる 会議の予定が来週に延びる
捜査の手が上層部まで伸びる
広がること。まっすぐになること。
クリームがよくのびる 勢力が大きく伸びている 腰・しわが伸びる
やわらかいものが、伸びすぎて弾力を失うこと。ひゆ的に、人がぐったりとすること。
ゴム・ラーメンが 伸びてしまう 殴られて床にのびてしまう
・複合動詞
「伸び上がる」は、体を伸ばしてつま先で立つこと。
「伸び悩む」は、物事がよりよくなりそうで、なかなかそうならない状態であること。
売り上げ・成績・能力が 伸び悩んでいる
「-のびる」の形で「生き延びる」「落ち延びる」「逃げ延びる」があり、危機を何とか脱するこ
とを表す。
・スル動詞「上達する」は、技能が進んでうまくなること。
◇のばす
「のばす」は、長くすること。空間的にも、時間的にも言う。ひゆ的に、数量や能力などにも言う。
人ガ ものヲ のばす
ゴムひもを伸ばす ひげ・髪を伸ばす 木が枝を伸ばす 走る距離を伸ばす
授業を10分延ばす 出発を1週間(来週に)延ばす
売り上げ・輸出を 伸ばす 個性・若手を 伸ばす
長くしてあるところにまで届かせること。ひゆ的に、調査や捜査にも言う。
人ガ ものヲ 所ニ/マデ のばす
バス路線を山奥まで延ばす 棚の上に手を伸ばす 探索の手を深海まで伸ばす
広げること。まっすぐにすること。
クリームを顔にのばす 針金・腰・紙のしわを 伸ばす
人を殴り倒すなどして、動けないようにすること。俗語的表現。
慣用表現で、「(地名に)足を伸ばす」は、そこへ行くこと。
・複合動詞
「引き延ばす・引き伸ばす」は、引っ張ってのばすこと。何かの時間・期間や、文章の長さなどを
わざと長くすること。写真を大きくすることも言う。
ゴムひもを引き伸ばす 写真を引き伸ばす
会議を引き延ばす 回答を引き延ばす むだに引き伸ばした文章
・スル動詞
「延期する」は、予定の期日を遅らせること。
「延長する」は、区間・期間・時間・線分などを長くすること。
◇ひろがる
「広がる」は、閉じたりたたんだりしてあったものが開いて大きくなること。(狭かったものが)広
くなること。ひゆ的に、社会的なことや精神的なことにも言う。
ものガ (所ニ) ひろがる
スカートが広がる 道・火事・距離が 広がる うわさ・伝染病・不信感が 広がる
視界に広いものが存在すること。
眼下に海が広がっている
・複合動詞「燃え広がる」は、火事が広がること。
◇ひろげる
「広げる」は、閉じたりたたんだり巻いたりしてあったものを開くこと。面積・範囲を広くするこ
と。ものを並べて広い場所を占めること。ひゆ的に、社会的なことや精神的なことにも言う。
人ガ ものヲ ひろげる
包み・地図・巻物を 広げる 領土・敷地・店・部屋・道を 広げる
机にいくつもの資料を広げる 事業・販路・機会・選択の幅・視野・空想を 広げる
・複合動詞
「切り拡げる」は、まわりを切り開いて広くすること。
細い山道を切り広げる
「繰り広げる」は、端から順に開くようにして広げること。様々な場面を次々に示すこと。
絵巻物・熱戦・戦い・キャンペーンを 繰り広げる
◇ひろまる
「広まる」は、ある範囲に広く行き渡ること。ニ格をとる。
ものガ (人・所ニ) ひろがる
うわさ・評判・認識が 人々・世間に 広まる 口コミ・ネットで
◇ひろめる
「広める」は、物事を広く行き渡るようにすること。広く知られるようにすること。広くすること。
社会的・精神的なことに言い、物理的な広さについては言えない。(×部屋を広める)
人ガ ものヲ (所ニ) ひろめる
うわさ・評判を 世に広める 物語・名を 広める (自分の)視野・見聞を 広める
・スル動詞
「拡大する」は、形・規模を広げて大きくすること。
顕微鏡で拡大してみる 図面を拡大する 規則を拡大して解釈する
「拡張する」は、形・規模を広げて大きくすること。
事業・工場・店舗を 拡張する
「拡散する」は、広がり散ること。
「展開する」は、固まっていたものが広がること。ものを広げること。ものが広がった状態にある
こと。ひゆ的に、物事の移り変わりにも言う。
眼下に平原が展開する 部隊が一帯に展開する 局面・場面・事態が 展開する
立体を展開した図を作る 数式を展開する 論争・運動を 展開する
「分布する」は、分かれて広がること。あちこちに散らばっていること。
「普及する」は、広く一般に行き渡ること、行き渡らせること。
◇せばまる
「狭まる」は、隔たりが狭くなること。ひゆ的に、自由や選択の範囲などにも言う。
ものガ せばまる
道幅・距離が 狭まる 自由・選択肢が 狭まる
◇せばめる
「狭める」は、隔たりを狭くすること。ひゆ的に、自由や選択の範囲などにも言う。
人ガ ものヲ せばめる
間隔・川幅を 狭める 視野・行動の自由を 狭める
◇ちぢむ
「縮む」は、ものの長さや面積、体積などが小さくなること。差が小さくなること。
ものガ ちぢむ
ゴム・風船が 縮む シャツ・セーターが縮む 前との差が20秒に縮む
慣用的表現で、「身が(身も心も)縮む」は、恐れや緊張で体が小さくなるように感じること。
◇ちぢめる
「縮める」は、ものの長さや面積、体積などを小さくすること。差を小さくすること。時間を短く
すること。体を曲げて小さくすること。
人・ものガ ものヲ ちぢめる
カメが首を縮める 時間・距離を 縮める 前との差を10秒縮めた
命・寿命を 縮める 体・足を 縮める
・スル動詞「短縮する」は、時間や距離などを短くすること。
労働時間を短縮する
◇ちぢまる
「縮まる」は、差が小さくなること。時間が短くなること。
ものガ ちぢまる
距離・差・寿命が ちぢまる
・スル動詞「縮小する」は、ものの形・規模などが小さくなること。小さくすること。
規模が縮小する 事業を縮小する
のびる(伸びる・延びる)一(のびない・のびます・のびて・のびれば)
[1]〔ものガ〕
△のびそうだ のびすぎる のびかけている のびてほしい のびてしまう
のびてはこまる のびてはいけない のびていく・くる のびないほうがいい
のびようとしている のびさせる のびられる のびられない
△[長く/大きく/少し/よく/とても/どんどん/ぐんぐん/ぐんと/どこまでも]~。
△[背(せ)/髪(かみ)の毛(け)/ひげ/つめ/草/雑草(ざっそう)/木の枝(えだ)/芽(め)]が~。
[ゴム/ひも/ロープ/シャツ/セーター/そで]が~。
・だいぶ髪の毛が延びて来た。あした床屋(とこや)に行こう。
・ゆびのつめが伸びた。
・雨がたくさんふったので、にわの草(くさ)がとても伸びてしまった。
・あまりに暑いので、レールが伸びてまがってしまった。
△[ラーメン/そば/バネ/ゴム]が~。
・くつしたのゴムが伸びてしまったので、ずれて下がってくる。
・ラーメンを作ってからすぐに食べなかったので、伸びてしまった。
・セーターのすそを子どもにずっとにぎられていたので、伸びてしまった。
・バネが伸びてしまっているから、やくにたたない。
△[日/昼(ひる)の長さ/寿命(じゅみょう)]が~。
・6月になったら、ずいぶん日が伸びた。(=ひるが長くなった)
・日本人の平均(へいきん)寿命は、戦後著(いちじる)しくのびて80才を越えた。
・寝たきりの老人(ろうじん)を見ると、寿命が伸びたのは良いことなのか、悪いことなのかわから
なくなる。
△[成績(せいせき)/学力/会社/業績(ぎょうせき)]が~。[打球(だきゅう)/ボール]が~。
・子どもたちの学力がよく伸びてきた。
・今のこの不況(ふきょう)をのりこえられる会社は将来(しょうらい)のびるだろう。
・輸入(ゆにゅう)が伸びて、輸出(ゆしゅつ)がへった。
・このステレオは音がよく伸びる。
・彼女は歌がうまいね。高い声がよくのびて、実(じつ)にいい。
・いくらアイロンをかけてもしわがのびない。
・この絵の具(えのぐ)はよくのびるので、使いやすい。
△[時間/会議(かいぎ)/授業(じゅぎょう)]が~。
・学生の質問(しつもん)にていねいに答えていると、つい授業が延びてしまう。
・めんどうな議題(ぎだい)が出たので、会議が予定より30分も延びてしまった。
[2]〔ものガ ものニ/マデ〕
△[鉄道/トンネル/橋(はし)/送電線(そうでんせん)]が~。
・ダイエットしようと思うのだが、つい、おかしに手が伸びてしまう。
・図書館で本をさがしていたら、うしろから手がにゅっとのびて来て、私の前のたなの本をとった。
・となりの山田町まで来ている地下鉄が、来年にはここまで延びますよ。
・この道路は(どうろ)はこの9月には山頂(さんちょう)まで伸びることになっている。
・警察(けいさつ)の捜査(そうさ)の手がここまでのびて来た。もう、にげられない。
[3]〔ものガ 時ニ/マデ〕
△[出発(しゅっぱつ)/予定(よてい)/ハイキング/会議(かいぎ)/帰国]が~。
・雨で遠足(えんそく)の予定が来週にのびた。
・練習試合(れんしゅうじあい)の日程があいての都合(つごう)で一週間延びた。
・天気が悪いので、ひこうきの出発が2時間延びた。
・台風(たいふう)が近づいてきて、船(ふね)の出港(しゅっこう)が延びた。
・ハイキングは来月に延びました。今月はみんないそがしいそうです。
[4]〔人ガ〕
△[暑(あつ)さ/寒(さむ)さ/疲(つか)れ]で~。
・忙(いそが)しかったので、毎日おそくまで働(はたら)きつづけたら、のびてしまった。
<複合動詞:のび->
[のびあがる] 人ガ
・背の高い女の人が、伸び上がって一番上の棚の本をとろうとしていた。
・事件のあった店を囲む人がきの後ろから、伸び上がって店の中をのぞき込んだ。
竹が にょきにょきと ~て棚の上の物をとる・よく見る
[のびなやむ] 人・ものガ
・彼女は去年まで順調に成績がのびて来たが、この数か月伸びなやんでいる。
・不況で税収が伸び悩み、さらに国債を発行せざるを得ない。
売り上げ・給与・視聴率・税収・成績・輸出が
<スル動詞>
[上達(じょうたつ)する] (人ガ) ものガ
・しばらく会わない間に、ずいぶん日本語が上達(を)しましたね。
・趣味で空手をやっているのですが、なかなか上達(を)しません。
のばす(伸ばす・延ばす)五(のばさない・のばします・のばして・のばせば・のばそう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△のばしたい のばしすぎる のばしてほしい のばしてある のばしてみる
のばしてはいけない のばさなければならない のばしたほうがいい のばそうと思う
のばされる のばさせる のばさせられる
△[少し/少しずつ/よく/大きく/すごく/ぐっと/ぐいっと/ぐんぐん/どんどん]~。
△[髪(かみ)/ひげ/つめ]を~。[ゴム/ひも/針金(はりがね)/あめ]を~。
・ひさしぶりに友だちに会ったら、かみの毛(け)を長く伸ばしているので、別の人かと思った。
・気分を変えてヒゲを伸ばしてみた。
・秋子はこのごろつめを長く伸ばしてピンクのマニキュアをぬるようになった。
・背(せ)を伸ばす薬(くすり)なんてあるわけがない。
△[足/ひざ/腕(うで)/ひじ/体/腰(こし)/背中(せなか)]を~。
・まがった針金やくぎでもていねいに伸ばせば使えます。すててはいけません。
・アイロンでしわをのばしているうちにワイシャツをこがしてしまった。
・背筋(せすじ)を伸ばしてすわりなさい。
・飛行機(ひこうき)の旅(たび)でつかれた。手足を伸ばしてゆっくりねたい。
・手がつめたいので、ゆびがうまくのびない。
・亀(かめ)が首(くび)をのばしたりちぢめたりしている。
・燈台(とうだい)の上から海を見ると、手を伸ばせばとどきそうな所に美しい島(しま)がある。
・いそがしいのは今週までですから、来週は2、3日旅行(りょこう)でもして、羽根(はね)を伸ば
して(=のんびりして)来てはどうですか。
△[才能(さいのう)/個性(こせい)/能力(のうりょく)/学力(がくりょく)/成績(せいせき)/想
像力(そうぞうりょく)/創造力(そうぞうりょく)/思考力(しこうりょく)]を~。
・なんとか、あの人の絵(え)の才能(さいのう)を伸ばしてやりたいなあ。
・子どもの個性(こせい)を伸ばすにはどういう教育をすればいいのか。
・子どもたちの計算力(けいさんりょく)を伸ばすためにはどうしたらいいだろう。マージャンをや
らせるといいという意見もあるが。推理力(すいりりょく)も伸びるかな。
△[国力(こくりょく)/勢力(勢力)/売り上げ/輸出額(ゆしゅつがく)]を~。
・P国はこの10年間にとても国力を伸ばした。
・あの店は店の中をきれいにし、広告(こうこく)をたくさんして売り上げを伸ばしている。
・こんどの選挙(せんきょ)で自民党(じみんとう)が勢力を伸ばした。こまったことだ。
△[クリーム/のり/写真(しゃしん)]を~。
・金(きん)のかたまりをたたいて、うすく延ばしたものを金箔(きんぱく)という。
・このノリはこいので、水でのばして使った方がいい。
・この写真はよくとれているから大きくのばして額(がく)に入れよう。
[2]〔人ガ ものニ ものヲ〕
△[手/足/線(せん)]を~。
・小山くんはいちばんおいしそうなおかしに、まず手を伸ばした。(=とろうとした)
・三角形(さんかくけい)の頂点ちょうてん)Aから対辺(たいへん)BCに垂線(すいせん)を延ばし
AHとする。
[3]〔人ガ 所ニ/マデ ものヲ〕
・道路を山奥(やまおく)まで延ばす計画があります。
・せっかく大阪まできたので、ついでに京都に足を伸ばした。(=行った)
[4]〔人ガ ものヲ 時ニ/マデ〕
△[出発(しゅっぱつ)/会議(かいぎ)/会期(かいき)]を~。
・先生、時間が足りないから試験(しけん)の時間をあと20分のばしてください。
・あなたはいつも会議を延ばすようなことを言いますね。
・会議の時間を延ばすのには反対ですが、縮(ちぢ)めるのには賛成(さんせい)です。
・話がまとまらないので、予定(よてい)を1時間延ばして、7時まで会議(かいぎ)をつづけます。
・日本滞在(たいざい)を2週間延ばすことにした。
・天気が悪いので、ハイキングを来週に延ばします。(=延期(えんき)する)
・出発(しゅっぱつ)を3日延ばさなければならなかった。たのんでおいたトラックの来るのがおく
れたのである。
・今日できる事を明日に延ばすな、という人が多いが、私は明日できることをなぜ今日やらなけれ
ばならないのかと考えるほうである。明日に延ばせるものは延ばそう、と。
[5]〔人ガ 人ヲ〕
・新人ボクサーはパンチをくらって、かんたんにのばされてしまった。
・いつかあいつをこてんぱんにのばしてやりたい。
<複合動詞:-のばす>
[ひきのばす] 人ガ ものヲ
・すこし時間があまりそうだから、あなたの話を引きのばしてください。
・大川さんは次の議題がとり上げられないように、会議を引きのばそうとしている。
・この写真はきれいだから、大きく引きのばして、かべに飾ろう。
時間・日程・審議・質問・話・議会・決断・解放を 薄く
引き伸ばす:ゴム・針金・写真・文章を
<スル動詞>
[延期(えんき)する] 人ガ ものヲ
・都合により、試験の日程を延期します。一週間遅らせて、15日からとします。
・環境対策の委員会が特に理由もなく延期された。いつまで延期するかも決まっていない。
[延長(えんちょう)する] 人ガ ものヲ
・レポートの提出期限を一週間延長します。
・国会の会期が一ヶ月延長された。
ひろがる(広がる) 五(ひろがらない・ひろがります・ひろがって・ひろがれば・ひろがろう)
[1]〔人・ものガ〕
△ひろがっていく ひろがってはいけない ひろがらないようにする ひろがれ!
△[しだいに/少しずつ/徐々(じょじょに)に/急に/一気(いっき)に/確実(かくじつ)に]~。
△[道/道路(どうろ)/幅(はば)/距離(きょり)/視野(しや)/知識(ちしき)]が~。
・家の前の道路工事(こうじ)がやっと終わった。道幅がずいぶん広がったのはよかった。
・トップの選手(せんしゅ)がスピードを上げ、2位(い)の選手との距離が広がっていく。
・風で彼女のスカートがふわっと広がった。ちょっとマリリン・モンローみたいだった。
・こういう話を聞くと、自分の視野が大きく広がったような気がしてうれしい。
・あの歌手(かしゅ)は、いろいろな分野(ぶんや)の曲(きょく)に挑戦(ちょうせん)したおかげで、
観客層(かんきゃくそう)が大きく広がったと言われている。
・我(われ)ながら、どうも交際範囲(こうさいはんい)が狭(せま)いままで広がらない。だから結婚
(けっこん)できないんだと思う。いや、性格(せいかく)のせいかな?
[2]〔ものガ 人・所ニ〕
△[うわさ/伝染病(でんせんびょう)/火事(かじ)/不信感(ふしんかん)/不満(ふまん)]が~。
・伝染病が全国に広がるおそれがあるので、予防(よぼう)をしっかりやっておかなければならない。
・その時代は、広い地域(ちいき)にききんが広がり、多くの人が餓死(がし)した時代だった。
・こういう風の強い日は、火事が起こるとまわりの家に広がりやすいから気をつけましょう。
・ボーナスの減額(げんがく)という回答(かいとう)に対して、社員たちに不満が広がっている。
・大臣(だいじん)の失言(しつげん)によって、国民のあいだに一気に不信感が広がった。
・私たちのことがうわさになって広がらないように、みんなに口止(くちど)めしておかないと。
・丘(おか)に登ると、あたり一面(いちめん)にお花畑(はなばたけ)が広がっていた。
・固まってないで、みんな広がってくださーい。
・このホテルは、眼下(がんか)に青い海が広がっていて、実にいい眺(なが)めだ。
<複合動詞:-ひろがる>
[もえひろがる] ものガ 所ニ
・そば屋から出た火は、強いかぜのために町中に燃えひろがった。
・山火事が燃え広がり、付近の住民が避難する事態となった。
<スル動詞>
[拡散(かくさん)する] ものガ 所ニ
・風がないので、ガスはあまり遠くには拡散していないようだ。
・核兵器の技術が周辺諸国に拡散することを防がねばならない。
[展開(てんかい)する] ものガ 所ニ
・目の前に絵はがきのような田園風景が展開(を)していた。
・我が軍は敵の左右に展開(を)していた。
・眼前に展開(を)している戦いをどう描写していいかわからない。
・ストーリーは思いがけない方向へ展開(を)していった。
・偶然の新物質発見で、事態は大きく展開(を)した。
[分布(ぶんぷ)する] 人ガ ものヲ
・この魚は日本各地の川に分布している。
・この単語に対応するそれぞれの方言形がどのように分布しているかを調べた。
ひろげる(広げる) 一(ひろげない・ひろげます・ひろげて・ひろげれば・ひろげよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△ひろげたい ひろげてほしい ひろげてある ひろげてみよう ひろげてはいけない
ひろげられない ひろげようとする ひろげさせる ひろげろ! ひろげるな!
△[大きく/左右(さゆう)に/横(よこ)に/ゆっくりと/ぱっと/ふわっと]~。
△[かさ/袋(ふくろ)の口/包(つつ)み/地図(ちず)/資料(しりょう)/本/辞書]を~。
・彼女は持っていた包みを広げて、中のものを前に並べた。
・サンタクロースは袋の口を広げ、中からプレゼントを取りだして子どもに渡した。
・子どもは、木の下で大きな絵本(えほん)を広げて読んでいた。
・母親は両手(りょうて)を大きく広げて、走ってきた子どもを抱(だ)きとめた。
・まったくあいつはいやなヤツだ。人のミスをくりかえし話題(わだい)にしたがる。人の傷口(き
ずぐち)を広げて喜(よろこ)ぶようなヤツだ。
・今年は応募者(おうぼしゃ)の質(しつ)がいいので、採用(さいよう)の枠(わく)を広げてたくさん
採(と)りましょう。
△[道/道路(どうろ)/川幅(かわはば)/敷地(しきち)/店/領土(りょうど)]を~。
・できれば店をもう少し広げたいと思っていますが、今はお金がありません。
・市は駅前(えきまえ)の道路を広げようと考えているが、実現(じつげん)は難しい。
・校庭(こうてい)が狭(せま)いので、前のはたけを買って広げる計画(けいかく)があるそうだ。
・あの国は領土を広げるという野心(やしん)を持っている。
△[事業(じぎょう)/販路(はんろ)/チャンス/選択(せんたく)の幅(はば)/視野(しや)]を~。
・社長は事業をどんどん広げていこうという考えだ。
・若い時は、視野を広げるために積極的(せっきょくてき)に海外へ出て行くべきだ。
・社会に出たら、人間関係(にんげんかんけい)を広げ、多くの人と知り合いたい。
・ランナー一塁。ここでチャンスを広げたいが、どういう作戦(さくせん)で行ったらいいか。
[2]〔人ガ ものヲ 所ニ〕
・私たちは草の上にシートを広げ、その上でお弁当(べんとう)を食べました。
・子どもたちはいつも部屋(へや)いっぱいにおもちゃを広げて遊び、かたづけようとしない。
・幹部(かんぶ)たちはテーブルに多くの資料を広げながら、議論(ぎろん)を続けていた。
・彼は机の上に地図を広げて、旅行(りょこう)の計画(けいかく)を立てていた。
・次の十年間に、支店網(してんもう)を全国に広げたいと考えている。
<複合動詞:-ひろげる>
[きりひろげる] 人ガ ものヲ
・妻はカーテンにあいた小さな穴をはさみで切り広げていた。何をする気なんだろう。
・医者は傷口を切り広げ、深く入ったガラスの破片を水で洗い流した。
[くりひろげる] 人ガ 人ものヲ
・長い絵巻物を繰り広げて、歴史の面白さを堪能した。
・十日間に渡る熱戦を繰り広げたトーナメントも本日が最終日となりました。
運動・絵巻・キャンペーン・事業・試合・勢力争い・戦闘・戦い・熱戦を
<スル動詞>
[拡大(かくだい)する] 人ガ ものヲ
・販路を一気に拡大して、業績を伸ばした。
〔ものガ〕
・状況を見誤り、事業を拡大し続けたため、赤字も拡大した。
[拡張(かくちょう)する] 人ガ ものヲ
・妻は、台所を拡張して、リビング・ダイニングにすると言う。金がかかるなあ。
・新興の暴力団が勢力を拡張していた。
[展開(てんかい)する] 人ガ ものヲ
・国民が広範囲な反政府運動を展開し、内閣は辞職に追い込まれた。
・この会社は新しい経営戦略に則って、大きくビジネスを展開している。
仮説・活動・華麗な技・キャンペーン・議論・主張・作戦・事業・テーマ・闘争・
熱戦・バトル・反論・ビジネス・理論・論争・論理を
ひろまる(広まる) 五(ひろまらない・ひろまります・ひろまって・ひろまれば)
[1]〔ものガ 人・所ニ〕
△ひろまりそうだ ひろまってほしい ひろまっていく ひろまってはこまる
ひろまらないようにする ひろまらせる ひろまれ!
△[少しずつ/じわじわと/急に/一気(いっき)に/とつぜん/急激(きゅうげき)に]~。
△[うわさ/ニュース/うそ/デマ/連絡(れんらく)/理解(りかい)/ファッション]が~。
・首相(しゅしょう)の失言(しつげん)のニュースは、マスコミを通じて一気に広まった。
・いやなうわさがじわじわと広まっているようだ。
・デマが広まるのは早い。しかも、どうにも信じられないようなひどいデマのほうが広がりやすい
のはなぜなんだろう。
・この新しい習慣(しゅうかん)が国民のあいだに広まったのは、ごく最近のことです。
・パリで発表(はっぴょう)されたファッションが瞬(またた)く間(ま)に世界中に広まった。
・この問題に対する正確(せいかく)な認識(にんしき)が、少なくともメディア関係者(かんけいし
ゃ)の間(あいだ)に広まることを期待(きたい)したい。
<スル動詞>
[普及(ふきゅう)する] ものガ 所ニ
・電化製品が家庭に普及して、生活がとても便利になった。
・業界では、電子書籍をもっと普及させたいと考えている。
ひろめる(広める) 一(ひろめない・ひろめます・ひろめて・ひろめれば・ひろめよう)
[1]〔人ガ 人・所ニ ものヲ〕
△ひろめたい ひろめていく ひろめてはいけない ひろめようとする ひろめさせる
ひろめられる ひろめろ! ひろめるな!
△[少しずつ/じわじわと/急に/一気(いっき)に/着実(ちゃくじつ)に/じっくり]~。
△[うわさ/ニュース/うそ/デマ/知識(ちしき)/教え/宗教(しゅうきょう)]を~。
・このニュースをできるだけ早く国民に広めてください。
・彼らは、市民の間にうわさを広めて、自分の党に有利な世論を作ろうとしている。
・私たちのことについていい加減(かげん)なウソを広めようとしている人がいる。
・宣教師(せんきょうし)たちは、教えを広めるために世界に散(ち)らばっていった。
・評論家(ひょうろんか)と呼ばれるような人たちに、科学技術(ぎじゅつ)に対するきちんとした理
解(りかい)を広める必要(ひつよう)がある。
せばまる(狭まる) 五(せばまらない・せばまります・せばまって・せばまれば)
[1]〔ものガ〕
△せばまっていく せばまってしまう せばまらないようにする
△[少し/かなり/急に/次第(しだい)に/だんだん/徐々(じょじょ)に/一挙(いっきょ)に]~。
△[道/幅(はば)/範囲(はんい)/間隔(かんかく)/距離(きょり)/視野(しや)]が~。
・山に入ると、道幅(みちはば)が次第にせばまってきた。
・前の選手(せんしゅ)との距離がだんだんせばまってきた。チャンスだ。
・早く決めないと、残ったものが少なくなり、選択(せんたく)の余地(よち)が狭まってしまう。
・一つのことばかり考えていると、だんだん視野が狭まってくるから気をつけた方がいい。
せばめる(狭める) 一(せばめない・せばめます・せばめて・せばめれば・せばめよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△せばめてある せばめてしまう せばめないようにする せばめさせる せばめられる
せばめようとする せばめるな!
△[少し/かなり/急に/次第(しだい)に/だんだん/徐々(じょじょ)に/一挙(いっきょ)に]~。
△[川幅(かわはば)/間隔(かんかく)/前の車との車間距離(しゃかんきょり)/視野(しや)]を~。
・川幅を狭めてしまうと、大雨などで水量(すいりょう)が増(ま)した時に危険(きけん)だ。
・相手は徐々に間合(まあ)いを狭めてきた。打ち込んでくるつもりだ。
・水の出口(でぐち)を狭めて、水が減(へ)らないようにする。
・調査(ちょうさ)の範囲(はんい)をもう少し狭めよう。これでは広すぎる。
・初めから視野を狭めないで、問題を広く見渡(みわた)すことが大切だ。
・そんなことを決めたら、我々(われわれ)の自由が狭められるだけだ。
ちぢむ(縮む)五(ちぢまない・ちぢみます・ちぢんで・ちぢめば)
[1]〔ものガ〕
△ちぢみやすい ちぢみにくい ちぢみすぎる ちぢみそうだ ちぢんでしまう
ちぢんでいく/くる ちぢまないようにする ちぢませる
△[すこし/かなり/ひどく/ますます/しだいに/急に/さらに/ギュッと]~。
△[セーター/風船(ふうせん)/差(さ)/格差(かくさ)/距離(きょり)/命(いのち)]が~。
・いいかげんな洗(あら)い方をしたらセーターが縮んでしまった。
・子どもは、おもちゃのバネが伸びたり縮んだりするのが面白くて、ずっと見ている。
・線路のレールは温度(おんど)によって伸びたり、縮んだりするそうだ。
・ここには、温度の低下(ていか)による縮み方の少ない材料(ざいりょう)をつかっている。
・前の選手(せんしゅ)を追いかけてスピードを上げたら、少し差が縮んだようだ。
・あの選手はどうも体が縮んでいる。リラックスすれば、のびるのだが。
・山田の車に乗っていると、運転(うんてん)がへたなので、こわくて命が縮む(=ちぢまる)よ。
<複合動詞:ちぢみ->
[ちぢみあがる] 人ガ
・外へ出たら、あまりさむいので縮み上がった。
・おこった大男が「ころしてやる!」と言ったので、おそろしさのために縮み上がった。
ちぢめる(縮める)一(ちぢめない・ちぢめます・ちぢめて・ちぢめれば・ちぢめよう)
[1]〔人・ものガ ものヲ (ものニ)〕
△ちぢめやすい ちぢめすぎる ちぢめてしまう ちぢめておく ちぢめてある
ちぢめないようにする ちぢめようとする ちぢめさせる ちぢめられる
△[すこし/かなり/ひどく/さらに/ますます/一気(いっき)に/ギュッと/ぐいっと]~。
[むりに/強引(ごういん)に/わざと/意識的(いしきてき)に/うっかり]~。
△[話/論文(ろんぶん)/文章(ぶんしょう)/差(さ)/距離(きょり)/寿命(じゅみょう)]を~。
・スカートが長いので、丈(たけ)を縮めた。
・このペンは伸(の)ばしたり縮めたりできる、便利(べんり)なものです。
・この論文は長すぎますから、30枚(まい)に縮めてください。(論文を30枚に)
・私の文章はあまりに長すぎたので、雑誌(ざっし)にのせる時に編集者(へんしゅうしゃ)によって
ずいぶん縮められてしまった。
・二位の選手(せんしゅ)は差(さ)を縮め、トップの選手の10メートルぐらいうしろを走っている。
・世界記録(せかいきろく)を12秒も縮めるというすごい記録が出ました。
・おこった父が手をあげたので、なぐられるのかと思って、首(くび)を縮めた。
・毎日そんなにいそがしく仕事(しごと)ばかりしていると命を縮めるよ。
・たばこを吸い続けると、寿命を縮めるということはみんなが知っている。
・公園(こうえん)のベンチで乞食(こじき)が手足を縮めてねむっていた。
<スル動詞>
[縮小(しゅくしょう)する] 人ガ ものヲ
・会社が事業を縮小し、従業員を減らすらしい。
・軍備を縮小するべきだとお互いに思っているのに、できない。
[短縮(たんしゅく)する] 人ガ ものヲ
・夏休みが近くなると、学校は授業時間を短縮して生徒を早く帰す。
・今年は伝染病の流行の影響で夏休みが短縮されてしまった。
[~の短縮をする]
・日本の企業はもっと労働時間の短縮をするべきだ。
ちぢまる(縮まる)五(ちぢまらない・ちぢまります・ちぢまって・ちぢまれば)
[1]〔ものガ〕
△ちぢまりやすい ちぢまりにくい ちぢまりすぎる ちぢまりそうだ
ちぢまってしまう ちぢまっていく・くる ちぢまらないようにする ちぢまらせる
△[すこし/かなり/ひどく/いっぺんに/ギュッと/ぐいっと]~。
△[時間/距離(きょり)/差(さ)/命(いのち)/寿命(じゅみょう)]が~。
・新しい地下鉄(ちかてつ)の路線(ろせん)ができて、通勤(つうきん)時間がかなり縮まった。
・第一位の選手(せんしゅ)と二位の選手の距離(きょり)がだいぶ縮まってきました。
・泳(およ)いでも、泳いでも、兄との距離は縮まらなかった。むしろ、少しずつひらいているよう
だった。
・国民の間の収入(しゅうにゅう)の差(さ)が縮まってきたのは良いことです。
・あまりのこわさに、ほんとうに命(いのち)が縮まった。
・本当に、あのときは怖(こわ)くて寿命が縮まる思いがしたよ。
<スル動詞>
[縮小(しゅくしょう)する] ものガ
・年々、経済の規模が縮小していく。
・消費が縮小すると、生産が冷え込んでしまう。
[19] 高まる・低まる・深まる・早まる・強まる・弱まる・薄まる
ものの性質を表す形容詞から派生した動詞を中心にして性質の変化を表す動詞。
自動詞を作る「-まる」と他動詞を作る「-める」の対が多い。
「-まる」の形の自動詞は、
人・ものガ 動詞
「-める」の形の他動詞は、
人・ものガ ものヲ 動詞
の文型をとる。以下の解説では文型を省略する。
◇たかまる
「高まる」は、物事の程度が高くまたは強くなること。ひゆ的に、社会的なこと、精神的なことに
多く使われる。
波・うねりが 高まる 人気・緊張感・不満が 高まる
◇たかめる
「高める」は、(努力して)程度の高い状態にすること。ひゆ的に、社会的なこと、精神的なことに
多く使われる。
声を高める 関心・意識・競争力・信用・女性の地位を 高める
◇ひくまる
「低まる」は、(自然に)程度が低くなること。あまり使われない。
競争力・可能性が 低まる
◇ひくめる
「低める」は、物事の高さ、程度を低くすること。
声・姿勢を 低める 価値・競争力・離婚率を 低める
◇ふかまる
「深まる」は、人の精神的な活動の程度や人同士の感情が深くなること。
愛・親しみ・憎しみ・悩み・興味・疑問・認識・矛盾・対立・危機感が 深まる
◇ふかめる
「深める」は、人の精神的な活動の程度や人同士の感情が深くなるようにすること。
愛・親交・つながり・信頼・関係・認識・自信・孤立感・対立・いらだちを 深める
◇はやまる
「早まる・速まる」は、物事がはやくなること。急ぎすぎて、誤った判断・行動をすること。
スピード・回転が 速まる 予定・期限が 早まる 早まって会社をやめる
・複合動詞「繰り上がる」は、物事の予定や順序が、順々に上(前)のほうにずれること。
旅行の予定が一日繰り上がった 次点の者が繰り上がって当選者となる
スル動詞「加速する」は、速度が上がること。速度を上げること。
前の車が直線で加速した 政策が経済を加速する
◇はやめる
「早める・速める」は、はやくすること。物事の期日・時刻などを予定より早くすること。
足・速度を 速める 出発・帰国を 早める
複合動詞「繰り上げる」は、物事の予定や順序を、順々に上(前)のほうにずらすこと。
旅行の予定を一日繰り上げた 次点の者を繰り上げて当選者とする
「繰り下げる」は、物事の予定や順序を、順々に下(後)のほうにずらすこと。
順番を繰り下げる 準備に時間をとり、開始時間を繰り下げる
スル動詞「減速する」は、速度が落ちること。速度を落とすこと。
電車が減速する カーブで車を減速する
◇つよまる
「強まる」は、自然現象や人の精神的な活動、社会的な状況などの程度が強くなること。
風雨・火の勢いが 強まる 痛み・危機感が 強まる 対立・機運が 強まる
◇つよめる
「強める」は、自然現象や人の精神的な活動、社会的な状況などの程度を強くすること。
風が火の勢いを強めている 確信・疑惑を 強める 結束力・分裂傾向を 強める
スル動詞「強化する」は、力やものを補って、さらに強くしっかりしたものにすること。
チーム・規制・取り締まりを 強化する
◇よわまる
「弱まる」は、ものの勢いや働きかけの程度が弱くなること。
風・雨・台風・日射し・寒さが 弱まる 反対勢力・抵抗・影響力が 弱まる
◇よわめる
「弱める」は、ものの勢いや作用の程度を弱くすること。
ガスの火・押す力を 弱める 圧力・刺激・支配を よわめる
◇よわる
「弱る」は、体の働きが弱くなること。あることに困っていること。
足腰・視力が 弱る 金がなくて弱った
◇やわらぐ
「和らぐ」は、程度の激しかったものが穏やかになること。精神的に激しかったものが穏やかにな
ること。
寒さ・痛みが やわらぐ 怒り・表情・態度が やわらぐ
◇やわらげる
「和らげる」は、激しいもの、厳しいものを穏やかに、和やかになるようにすること。
痛み・苦しみ・表現・雰囲気を やわらげる
◇おとろえる
「衰える」は、勢いや力などが弱くなること。
体力・足腰が 衰える 暑さ・台風の勢力・食欲が 衰える
◇うすまる
「薄まる」は、(水などが加わって)色や味などの濃さが下がること。「厚さ」には使われない。「濃
い:薄い」の対立である。ひゆ的に、物事の程度が下がること。
夕焼けの空の色が薄まっていく 期待が薄まる
◇うすめる
「薄める」は、(水などを加えて)色や味などの濃さを下げること。ひゆ的に、物事の程度を小さ
くすること。
しょうゆ・アルコールを 薄める 印象・感動を 薄めてしまう
◇うすれる
「薄れる」は、霧や色などが薄くなること。ひゆ的に、感覚や精神的なものが薄くなること。
夕焼けの色・霧・もや・煙が 薄れる 意識・記憶・痛み・印象・警戒心が 薄れる
◇うすらぐ
「薄らぐ」は、霧などが薄くなること。ひゆ的に、感覚や精神的なものが薄くなること。
霧・寒さ・痛み・孤独感が 薄らぐ
◇あせる
「褪せる」は、日光や時の経過によって、元の色やつやが失われること。
色・色つや・輝き・光沢が あせる
◇しずまる
「静まる」は、静かになること。嵐や風が収まること。ひゆ的に、感情が落ち着くことや、平和に
なることなどを表す。
騒ぎ・風・世の中・心・怒りが 静まる
・複合動詞「静まりかえる」は、完全に静まること。「寝静まる」は、みんなが眠ってあたりが静か
になること。
◇しずめる
「静める」は、静かにさせること。感情などを落ち着かせること。世の中の騒ぎを収めること。
騒ぎ・心・怒り・痛みを 静める
やや書きことば。日常的な表現は「静かになる・する」その他。
たかまる(高まる) 五(たかまらない・たかまります・たかまって・たかまれば)
[1]〔ものガ〕
△たかまりそうだ たかまっていく たかまってほしい たかまってはいけない
たかまるようにする たかまらせる たかまれ!
△[少し/少しずつ/しだいに/急に/徐々(じょじょ)に/一気(いっき)に/ようやく]~。
△[関心(かんしん)/期待(きたい)/要望(ようぼう)/不満(ふまん)/機運(きうん)/水準(すい
じゅん)/調子(ちょうし)/不安(ふあん)/意欲(いよく)/緊張(きんちょう)/警戒心(けいか
いしん)/評価(ひょうか)/名声(めいせい)/非難(ひなん)の声]が~。
・海は波が高まっていたが、船長(せんちょう)は引き返そうとしなかった。
・音のうねりがしだいに高まっていき、不安な心をおびやかした。
・地位(ちい)が高まるにつれ、彼の態度(たいど)も堂々(どうどう)としてきた。
・この問題に対する世間(せけん)の関心が高まってきたのはいいことだ。
・不安が高まり、いても立ってもいられなくなった。
・まわりからの期待が高まれば、チームの中の士気(しき)も高まっていくでしょう。
・本人の自覚(じかく)が高まるのを待っていては間に合わない。
・徐々に会社設立(せつりつ)への機運(きうん)が高まってきた。
[2]〔ものガ ものニ〕
・人々の常識(じょうしき)が科学的知識(ちしき)に高まるまでには、長い年月がかかった。
・日常(にちじょう)の思索(しさく)からしだいに一つの思想(しそう)に高まっていった。
・同情(どうじょう)や単(たん)なる親(した)しみが愛にまで高まるには、何かが必要です。
たかめる(高める) 一(たかめない・たかめます・たかめて・たかめれば・たかめよう)
[1]〔人・ものガ ものヲ〕
△たかめたい たかめてみる たかめてほしい たかめなくてはいけない
たかめようとする たかめさせる たかめろ!
△[少し/少しずつ/しだいに/急に/徐々(じょじょ)に/一気(いっき)に]~。
△[価値(かち)/水準(すいじゅん)/数値(すうち)/品質(ひんしつ)/重要性(じゅうようせい)/
地位(ちい)/品位(ひんい)/士気(しき)/意識(いしき)/機能(きのう)/競争力(きょうそう
りょく)/信用(しんよう)]を~。
・もう夜遅いのですから、あんまり声を高めないでください。
・製品(せいひん)の価値を高める改良(かいりょう)がなされた。
・品質を高めるには、徹底(てってい)した品質管理(かんり)しかない。
・彼は自分の地位を高めるためなら何でもする男だ。
・社会における女性の地位を高めなければ、日本は衰退(すいたい)するだろう。
・なんとかしてチームの士気を高めたいのだが、何をしたらいいだろうか。
・多くの技術者(ぎじゅつしゃ)を雇(やと)い入れて、会社の競争力を高めた。
・技術の発達(はったつ)が人類(じんるい)の生活水準を高めてきた。
[2]〔人・ものガ ものヲ ものニ〕
・子どもの遊びを一つの洗練(せんれん)されたスポーツにまで高めた。
・井原西鶴(いはらさいかく)は、戯作(げさく)を文学にまで高めたと言われている。
ひくまる(低まる) 五(ひくまらない・ひくまります・ひくまって・ひくまれば)
[1]〔ものガ〕
△ひくまってしまう ひくまらないようにする
△[少し/少しずつ/しだいに/急に]~。
△[天井/声/期待/要望/不満/可能性/]が~。
・貯水池(ちょすいち)の水位が低まってきている。
・そんなことをしたら、価値が低まってしまうのではないか。
・事故の危険性が低まっているということはない。
・この数年、離婚率がいくらか低まっているようだ。
・これによって、環境への依存度が低まるという結果が出た。
ひくめる(低める) 一(ひくめない・ひくめます・ひくめて・ひくめれば・ひくめよう)
[1]〔人・ものガ ものヲ〕
△ひくめておく ひくめてはいけない ひくめないようにする ひくめるな!
△[少し/多少/徐々に/しだいに/急に/かなり/わざと/何とか]~。
△[音/声(こえ)/姿勢(しせい)/調子(ちょうし)/価値(かち)/競争力(きょうそうりょく)/
可能性(かのうせい)/効率(こうりつ)/事故(じこ)の発生率(はっせいりつ)/ガンの再発率
(さいはつりつ)]を~。
・ちょっと声を低めてくれませんか。
・こういう考え方は、人間性の価値を低めるものです。
・競争力を低めるようなことがあってはならない。
・賃金(ちんぎん)を低めると、労働者の生産性を低めることにならないか。
・新しい手術(しゅじゅつ)のやり方によれば、ガンの再発率を低めることができる。
△[自分/話し手/主語(しゅご)]を~。
・謙譲語(けんじょうご)というのは、主語の動作(どうさ)を低めるというよりも、その動作が向か
う相手(あいて)を高める言い方です。
ふかまる(深まる) 五(ふかまらない・ふかまります・ふかまって・ふかまれば)
[1]〔ものガ〕
△ふかまっていく ふかまってほしい ふかまってしまう ふかまってはいけない
ふかまらないようにする ふかまるようにする ふかまらせる
△[さらに/いっそう/いちだんと/ますます/しだいに/急に/ぐっと]~。
△[愛/親(した)しみ/憎(にく)しみ/苦悩(くのう)/悩(なや)み/焦(あせ)り]が~。
[関心(かんしん)/興味(きょうみ)/理解(りかい)/認識(にんしき)/疑問(ぎもん)]が~。
[謎(なぞ)/矛盾(むじゅん)/溝(みぞ)/混迷(こんめい)/混乱(こんらん)/対立(たいりつ)/
断絶(だんぜつ)/亀裂(きれつ)/危機感(ききかん)/相互理解(そうごりかい)]が~。
・いくら努力(どりょく)しても仕事は進まず、焦りは深まるばかりだった。
・どう考えてみても、矛盾はいっそう深まっていくだけで、何の解決(かいけつ)も得られない。
・協力(きょうりょく)して危機(きき)を乗り越えたことで、二人の愛情はいっそう深まった。
・おたがいの理解が深まらなければ、信頼(しんらい)も深まるはずがない。
・秋も深まり、冬の訪(おとずれ)れが近づいてきたことを感じさせる。
ふかめる(深める) 一(ふかめない・ふかめます・ふかめて・ふかめれば・ふかめよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△ふかめたい ふかめておく ふかめてしまう ふかめなくてはいけない
ふかめようとする ふかめさせる ふかめろ!
△[少し/少しずつ/さらに/いっそう/いちだんと/ますます/しだいに/急に/一気に]~。
△[愛/愛情(あいじょう)/交際(こうさい)/親交(しんこう)/友情(ゆうじょう)/つながり/喜
(よろこ)び/相互理解(そうごりかい)/信頼(しんらい)/親睦(しんぼく)/関係(かんけい)/
協力(きょうりょく)/関心(かんしん)/経験(けいけん)/認識(にんしき)/自信(じしん)/孤
立感(こりつかん)/対立(たいりつ)/溝(みぞ)/いらだち]を~。
・二人はお互いの愛情を深め、末永(すえなが)くともに暮らした。
・話し合いをしても両者(りょうしゃ)の意見はかみ合わず、対立を深めるばかりだった。
・論文(ろんぶん)を何度もくり返し読み、考えることで理解を深めてほしい。
・誤解(ごかい)を解消(かいしょう)しようとしたが、かえって溝を深める結果(けっか)になった。
はやまる(早まる・速まる) 五(はやまらない・はやまります・はやまって・はやまれば)
[1]〔ものガ〕
△はやまりそうだ はやまってほしい はやまらないほうがいい はやまるな!
△[少し/少しずつ/しだいに/急に/さらに/いっそう/いちだんと/ますます]~。
△[スピード/速度(そくど)/テンポ/進み方/回転(かいてん)/流れ/変化(へんか)/順序(じ
ゅんじょ)/順番(じゅんばん)/予定(よてい)/出産(しゅっさん)/死]が~。
・風景(ふうけい)がどんどん後ろへ流れていく。電車の速度が速まったようだ。
・機械(きかい)の回転がだんだん速まってきた。
・出発(しゅっぱつ)の予定が少し早まった。
・トイレに行っている間に、面接(めんせつ)の順番が早まったらしい。もう次だ。
・今のやり方でいいんだからね。早まった考えをして、やり方を変えたりしないように。
・予定日が過ぎたからといって、出産が早まるようにワインを飲もうだなんて、、、、なんて夫婦だ。
<複合動詞:その他>
[くりあがる] 人・ものガ
・当選者が病気で辞退したので、次点の候補者が繰り上がって当選した。
・出発の予定が2日繰り上がって、15日になったそうだ。
はやめる(早める・速める) 一(はやめない・はやめます・はやめて・はやめれば・はやめよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△はやめたい はやめてみる はやめてはいけない はやめたほうがいい はやめさせる
はやめなければならない はやめようとする はやめろ! はやめるな!
△[少し/少しずつ/しだいに/急に/さらに/いっそう/いちだんと/ますます]~。
△[足/足取(あしど)り/歩(あゆ)み/スピード/テンポ/進め方/予定(よてい)/時期(じき)/
期限(きげん)/順番(じゅんばん)/回転(かいてん)/上昇(じょうしょう)/動き]を~。
・少し時間に遅(おく)れたので、足を速めて階段(かいだん)を上がった。
・少し作業(さぎょう)のスピードを速めないと、納品(のうひん)の期限(きげん)に間に合わないぞ。
・母が病気だというので、少し予定を早めて、来週の月曜に帰国することにした。
・回転が安定(あんてい)しているので、もうちょっと回転速度を速めても大丈夫だろう。
・むりな手術(しゅじゅつ)は、患者(かんじゃ)の死を早めるだけです。
・現在の活発(かっぱつ)な経済活動(かつどう)が人類(じんるい)の滅亡(めつぼう)を早めていると
すれば、皮肉(ひにく)な話だ。
<スル動詞>
[加速(かそく)する] ものガ
・カーブを曲がりきると、電車は少し加速した。
〔人・ものガ ものヲ〕
・与党の政策はGDPの減少を加速することにならないだろうか。
・高速道路に入り、アクセルを踏み込んで加速した。
[減速(げんそく)する] ものガ / 人ガ ものヲ
・カーブにさしかかり、電車は減速した。
・投資ブームも去り、景気が減速し始めた。
・ここで車を減速しなかったため、事故が起きた。
<複合動詞:その他>
[くりあげる] 人ガ ものヲ
・前の仕事が早く終わったので、予定を繰り上げて、明日から次の仕事に入るつもりだ。
・応募者が二人休むそうだから、面接の順序を繰り上げて早くすまそう。
[くりさげる] 人ガ ものヲ ものニ
・地震の被害の影響で、卒業式の予定を繰り下げて21日にした。
・開始の時間を1時間繰り下げて、10時半にしましょう。
つよまる(強まる) 五(つよまらない・つよまります・つよまって・つよまれば)
[1]〔ものガ〕
△つよまりそうだ つよまってくる つよまってはいけない つよまらせる
△[少し/少しずつ/いくらか/しだいに/急に/ようやく/さいわいに/あいにく]~。
△[風/雨/台風(たいふう)/嵐(あらし)/風雨(ふうう)/日差(ひざ)し/痛(いた)み]が~。
[対立(たいりつ)/反感(はんかん)/要求(ようきゅう)/発言力(はつげんりょく)/傾向(けい
こう)/意識(いしき)/規制(きせい)/需要(じゅよう)/危機感(ききかん)]が~。
・台風が近づくにつれて、雨が強まってきた。
・夜に入ってから、風雨が一段(いちだん)と強まった。
・日差しが強まってきたので、紫外線(しがいせん)に気をつけなければいけない。
・暖炉(だんろ)に薪(まき)を足(た)すと、火の勢(いきお)いがしだいに強まってきた。
・痛みが強まってきたので、注射(ちゅうしゃ)を打ってもらった。
・最近、報道(ほうどう)に対する政府(せいふ)からの圧力(あつりょく)が強まっている。
・後半(こうはん)に入って、相手(あいて)チームの攻撃(こうげき)が強まってきた。
・法案(ほうあん)が通過(つうか)する可能性(かのうせい)が強まった。
・反原発(はんげんぱつ)運動を支えていこうという意識が強まってきた。
・組織内部(そしきないぶ)での対立が強まらないように気をつけなければならない。
・若者の間で保守化(ほしゅか)の傾向が強まるのではないかと考える人がいる。
つよめる(強める) 一(つよめない・つよめます・つよめて・つよめれば・つよめよう)
[1]〔人・ものガ ものヲ〕
△つよめたい つよめてみる つよめてはいけない つよめなければならない
つよめられない つよめようとする つよめさせる つよめろ! つよめるな!
△[少し/少しずつ/いくらか/しだいに/急に/ますます/一気(いっき)に/むりに]~。
△[足腰(あしこし)/抵抗力(ていこうりょく)/自尊心(じそんしん)/語気(ごき)/発言権(はつ
げんけん)/結束(けっそく)/政治色(せいじしょく)/分裂傾向(ぶんれつけいこう)]を~。
・チーム内の団結(だんけつ)を強めないと、長いシーズンを戦えない。
・彼女は語気を強めてこう言った。「あなたこそ、自分の責任(せきにん)をとるべきです」
・ライバルだったA社とB社が、最近は連帯(れんたい)を強めているという。どういうことだ?
・領土(りょうど)問題を巡(めぐ)って、両国(りょうこく)は緊張(きんちょう)の色を強めている。
・A国の紛争(ふんそう)が長期化(ちょうきか)の様相(ようそう)を強めてきている。
・このワクチンは、ウイルスに対する抵抗力を強めてくれる。
・うちの大学が、「爆弾(ばくだん)の殺傷力(さっしょうりょく)を強めるための研究」に協力(き
ょうりょく)するというのか!?
・この団体(だんたい)は非政治的な団体だったはずだが、近ごろは政治色を強めてきているようだ。
[2]〔人・ものガ ものニ ものヲ〕
・彼はその仕事に自信(じしん)を強めている。
・会社は組合員(くみあいいん)に働きかけを強めてきた。
<スル動詞>
[強化(きょうか)する] 人ガ ものヲ
・来月は、東部地区の販売を強化する。特別チームを作って戦略を考えてくれ。
・規制緩和が時代の流れだというが、強化すべき規制もあるのだ。
[~の強化をする]
・隣の国が軍備を強化するために軍事予算を増額するという。
よわまる(弱まる) 五(よわまらない・よわまります・よわまって・よわまれば)
[1]〔ものガ〕
△よわまりそうだ よわまってほしい よわまらないとこまる よわまらせる
△[少し/少しずつ/いくらか/しだいに/急に/ようやく/さいわいに/あいにく]~。
△[風/雨/台風(たいふう)/嵐(あらし)/風雨(ふうう)/日差(ひざ)し/痛(いた)み]が~。
[引力(いんりょく/)圧力(あつりょく)/勢力(せいりょく)/影響力(えいきょうりょく)/抵抗
(ていこう)/反対(はんたい)/軍事力(ぐんじりょく)]が~。
・朝は風が強かったが、午後になって少し弱まった。
・外は夏の日差しが照りつけている。日差しがいくらかでも弱まってから買い物に行こうと思う。
・台風が過ぎ去って、風の音も弱まった。
・春が近づき、ようやく厳(きび)しい寒さも弱まってきましたね。寒さが弱まれば、草が芽(め)を
ふき出すでしょう。
・原発(げんぱつ)に対する反対運動が弱まっているように思います。のど元(もと)過ぎれば熱(あ
つ)さを忘れる、なんでしょうか。
・政府(せいふ)に反対する勢力が、弾圧(だんあつ)を受けて弱まってきているそうだ。
・昔は強い勢力を誇(ほこ)った彼も、最近は影響力が弱まっているようだ。
・この橋(はし)は、造られてから何年もたっているので、コンクリートの強度が弱まっているので
はないかという恐れがあります。
よわめる(弱める) 一(よわめない・よわめます・よわめて・よわめれば・よわめよう)
[1]〔人・ものガ ものヲ〕
△よわめてみる よわめてはいけない よわめなければならない よわめられない
よわめようとした よわめさせる よわめられる よわめろ! よわめるな!
△[少し/少しずつ/いくらか/しだいに/急に/ますます/一気(いっき)に/むりに]~。
△[力/火力(かりょく)/光/ヒーター/圧力(あつりょく)/刺激(しげき)]を~。
[抵抗(ていこう)/反対派(はんたいは)/支配(しはい)/団結(だんけつ)/権利(けんり)/勢力
(せいりょく)/影響力(えいきょうりょく)]を~。
・お鍋(なべ)が沸騰(ふっとう)してきたら、火力を弱めてください。
・まぶしいので、ライトの光を弱めてもらえるとうれしいんですが。
・この検査(けんさ)は、刺激を弱めていって、どこまで弱い刺激を感じられるかという検査です。
・政府(せいふ)は反対派の力を弱めるために様々(さまざま)な手を打っていた。
・中央の地方への支配力を弱めるために、税(ぜい)の分配(ぶんぱい)のしかたを考え直します。
・台風(たいふう)は、この一日でずいぶん勢力を弱めた模様(もよう)です。
よわる(弱る) 五(よわらない・よわります・よわって・よわれば)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△よわってくる よわるとこまる よわらないようにする よわらせる
△[少し/少しずつ/いくらか/しだいに/急に/一気(いっき)に/あいにく/困ったことに]~。
△[体(からだ)/体力(たいりょく)/足腰(あしこし)/視力(しりょく)/集中(しゅうちゅう)力/
持続(じぞく)力/記憶(きおく)力]が~。
・年をとってからだが弱ってきた。足腰も弱るし、視力も弱ってしまう。
・記憶力が弱らないように、毎日新しいことを勉強して覚(おぼ)えるようにしている。
・体が弱ると、気力(きりょく)もなくなってくる。まず、健康(けんこう)が第一だ。
・60歳を過ぎて、記憶力が一気に弱ってしまった。
[2]〔人ガ ものニ〕
・あの人の長話(ながばなし)にはまったく弱るね。いつもやたら長いんだ。
・海外旅行中に急に円安(えんやす)になってしまって、弱ったねえ。おみやげが高くなって。
〔文ニ〕
・子どもがおもちゃ屋の前で泣き出したのには弱ったよ。
やわらぐ(和らぐ) 五(やわらがない・やわらぎます・やわらいで・やわらげば)
[1]〔ものガ〕
△やわらぎそうだ やわらいでほしい やわらいでいく
△[少し/少しずつ/いくらか/しだいに/急に/一気(いっき)に/幸(さいわ)い]~。
△[暑(あつ)さ/寒(さむ)さ/残暑(ざんしょ)/痛み(いた)/苦痛(くつう)/不安(ふあん)/心/
表情(ひょうじょう)/気分(きぶん)/態度(たいど)/緊張(きんちょう)]が~。
・やっと寒さが和らいできた。
・夏の厳(きび)しい暑さがいくらか和らいできたようです。
・痛みがやわらぐように、よくきく痛み止(いたみど)めを処方(しょほう)していただいた。
・彼女の一言(ひとこと)で緊張が和らぎ、その場の雰囲気(ふんいき)が和(なご)やかになった。
・子どもの寝顔(ねがお)を見た彼の表情がふっと和らいだ。
・事件(じけん)の犯人(はんにん)が捕(つか)まるまで、私たちの不安がやわらぐことはなかった。
やわらげる(和らげる) 一(やわらげない・やわらげます・やわらげて・やわらげれば・やわ
らげよう)
[1]〔ひと・ものガ ものヲ〕
△やわらげたい やわらげてほしい やわらげようとする やわらげろ!
△[少し/いくらかでも/すっかり/徐々(じょじょ)に/いっぺんに]~。
△[痛み(いた)/苦痛(くつう)/表情(ひょうじょう)/気分(きぶん)/態度(たいど)/緊張(きん
ちょう)/言葉(ことば)/表現(ひょうげん)/怒(いか)り/雰囲気(ふんいき)]を~。
・この薬(くすり)が痛みをやわらげてくれるはずです。
・神の言葉が私の苦しみをやわらげてくださった。
・どうかあなたのお怒りをやわらげていただけないでしょうか。
・あなたは言葉がきつすぎる。もう少し表現をやわらげた方がいい。
・話す前はどうしても緊張します。どうにか緊張をやわらげないとうまく話せません。
・その場の雰囲気をやわらげようと、いろいろと試(こころ)みたがうまくいかなかった。
おとろえる(衰える) 一(おとろえない・おとろえます・おとろえて・おとろえれば)
[1]〔(人・ものガ) ものガ〕
△おとろえがちだ おとろえてくる おとろえてしまう おとろえてはいけない
おとろえないようにする おとろえさせる おとろえるな!
△[少し/少しずつ/しだいに/急に/まったく/ひどく/あいにく/完全に/ようやく]~。
△[体力(たいりょく)/気力(きりょく)/視力(しりょく)/根気(こんき)/やる気/能力(のうり
ょく)/創造(そうぞう)力/持続(じぞく)力/記憶(きおく)力]が~。
[エネルギー/活気(かっき)/勢(いきお)い/美貌(びぼう)/美しさ/お肌(はだ)のはり]が~。
[勢力(せいりょく)/権力(けんりょく)/支配(しはい)力/影響(えいきょう)力]が~。
・サル山のボスが最近衰えてきた。
・年をとっても、体力が衰えない人はけっこういる。
・国力を衰えさせないためには、まず人口を減らさないことだ。
・若い人たちの生きるエネルギーが衰えているようだ。
・あの人もさすがに政治家(せいじか)としての影響力が衰えてきているね。
・創造力が衰えたら、私は画家(がか)という仕事をやめるほかはない。
・風の勢いがいくらか衰えてきた。
・幸(さいわ)いなことに、台風(たいふう)の勢力は少しずつ衰えてきたようだ。
うすまる(薄まる) 五(うすまらない・うすまります・うすまって・うすまれば)
[1]〔ものガ〕
△うすまりがちだ うすまってしまう うすまっていく うすまらないようにする
△[少し/少しずつ/だんだん/しだいに/急に/まったく/ようやく/なんとか]~。
△[色/傾向(けいこう)/感動(かんどう)/関心(かんしん)/対決色(たいけつしょく)]が~。
・日がしずみ、真っ赤(まっか)だった夕焼(ゆうや)けの色がしだいに薄まっていく。
・絵の具(えのぐ)に水を足(た)すと、だんだん色が薄まって、ちょうどいい色になってきた。
・時間がたつにつれて、その時の感動が薄まっていくのはしかたがないことだった。
・組合(くみあい)の方針(ほうしん)が変わり、最近は労使(ろうし)の対決色が薄まっている。
うすめる(薄める) 一(うすめない・うすめます・うすめて・うすめれば・うすめよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△うすめてほしい うすめてみる うすめてはいけない うすめないほうがいい
うすめさせる うすめられる うすめろ! うすめるな!
△[少し/少しずつ/だんだん/しだいに/急に/まったく/ようやく/なんとか]~。
△[色/味/酒/ウイスキー/おかゆ/しょうゆ/印象(いんしょう)/感動(かんどう)]を~。
・濃(こ)いしょうゆは体によくないというので、薄めて使っています。
・ウイスキーは薄めて飲んだらうまくないでしょう。やっぱりストレートでないと。
・そばつゆの味が濃いので、お湯を足して薄めた。
・背景(はいけい)の色を薄めすぎた。もう少し濃いほうがバランスがいいだろう。
・あの映画の最後のシーンは要(い)らないと思う。せっかくの感動を薄めてしまうことになる。
うすれる(薄れる) 一(うすれない・うすれます・うすれて・うすれれば)
[1]〔ものガ〕
△うすれかける うすれてしまう うすれていく うすれないようにする
△[少し/少しずつ/だんだん/しだいに/急に/まったく/残念(ざんねん)ながら]~。
△[霧(きり)/煙(けむり)/霞(かすみ)/もや/色/闇(やみ)]が~。
[意識(いしき)/記憶(きおく)/痛(いた)み/苦痛(くつう)/意義(いぎ)/印象(いんしょう)/
関心(かんしん)/疑(うたが)い/感動(かんどう)/興味(きょうみ)/魅力(みりょく)/警戒心
(けいかいしん)/現実感(げんじつかん)/イメージ]が~。
・朝になって、霧が少しずつ薄れてきて、向こうの山が見えるようになった。
・夜明(よあ)けが近づき、深い闇がようやくいくらか薄れてきた。
・激(はげ)しい痛みも、薬のおかげでしだいに薄れてきた。
・後ろから首を絞(し)められ、意識が薄れていくのを感じた。
・最近、いろんなことへの興味が薄れてきて、人生(じんせい)がつまらなくなってきた。
うすらぐ(薄らぐ) 五(うすらがない・うすらぎます・うすらいで・うすらげば)
[1]〔ものガ〕
△うすらぎがちだ うすらいでいく うすらいでしまう
△[少し/少しずつ/だんだん/徐々(じょじょ)に/かなり/ひどく/すっかり]~。
△[霧(きり)/寒さ/暑さ/におい/悪臭(あくしゅう)/痛(いた)み/悲(かな)しみ/関心(かん
しん)/恐怖(きょうふ)/興味(きょうみ)/警戒心(けいかいしん)/孤独感(こどくかん)/寂
(さび)しさ/信頼感(しんらいかん)/不安(ふあん)]が~。
・三月になり、ようやく寒さが薄らいできたようです。
・風呂にゆったりつかっていると、首筋(くびすじ)の痛みがしだいに薄らいでいく。
・その話はずいぶん昔のことで、記憶が薄らいでいるので、くわしくは思い出せない。
・夫が亡(な)くなってもう5年たちました。ようやく悲しみも薄らいできました。
・ゲリラに監禁(かんきん)されていた建物を出て、警察(けいさつ)の車に乗せられた時、やっと恐
怖心が薄らいだのを自分で感じた。
あせる(褪せる) 一(あせない・あせます・あせて・あせれば)
[1]〔ものガ〕
△あせかけている あせてしまう あせないようにする あせさせる
△[少し/少しずつ/だんだん/徐々(じょじょ)に/かなり/ひどく/すっかり]~。
△[色/色つや/輝(かがや)き/光沢(こうたく)/色香(いろか)/熱意(ねつい)]が~。
・いい帯だけれども、少し色が褪せてきたのが残念だ。
・日に当たってカーテンの色があせてしまうのはしかたがないことだ。
・「ずいぶん色のあせたTシャツを着ているね」「うん、ちょっと思い出のあるシャツなんだ」
・この女優(じょゆう)さんも、年をとったなあ。さすがに色香が褪せてきたと言わざるを得ないな。
・何十年も同じ仕事をやっていると、仕事への熱意があせてくるのを感じる。
しずまる(静まる・鎮まる)五(しずまらない・しずまります・しずまって・しずまれば)
[1]〔ものガ〕
△しずまりそうだ しずまりかける しずまってほしい しずまらせる
△[少し/少しずつ/しだいに/急に/まったく/完全に/ようやく/やっと/なんとか]~。
△[騒(さわ)ぎ/風/嵐(あらし)/海/波(なみ)/会場(かいじょう)/群衆(ぐんしゅう)]が~。
[痛(いた)み/怒(いか)り/心/気持ち]が~。
・夜になって少し風が静まった。
・台風(たいふう)が行ってしまったので、波は静まっている。
・暴動(ぼうどう)が鎮まったのは、始まってから十日も後のことだった。
・注射(ちゅうしゃ)をうってもらったら、どうやら歯の痛みが鎮まった。
・夫(おっと)のあやまることばを聞いて、私の心はやっと静まった。
・私は勝利(しょうり)の興奮(こうふん)が静まるまでは、何を言われても分からなかった。
<複合動詞:しずまり->
[しずまりかえる] ものガ
・試験中の教室の中は静まり返っている。
・社長の意外な発言(はつげん)のために会議室(かいぎしつ)の中は静まり返った。
・静まり返った法廷には判事の声だけがひびいていた。
<複合動詞:-しずまる>
[ねしずまる] ものガ
・夜中に目がさめた。寝静まった家の中で、時計の音だけがバカに大きく聞こえた。
・村中の家が寝静まった頃、数人の人影が道に現れた。
しずめる(静める・鎮める)一(しずめない・しずめます・しずめて・しずめれば・しずめよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
△しずめにくい しずめてしまう しずめようとする しずめなければならない
△[少しずつ/いそいで/必死(ひっし)に/やっと/ようやく/何とか]~。
△[怒(いか)り/心/気持ち]を~。
・いろいろ説明したら、高山くんはやっと怒りを静めてくれた。
・あの方の心を静めるためには、あなたが行ってあやまるのが一番いい。
・気持ちを静めてわたしの話をよく聞いて下さい。
[2]〔ものガ ものヲ〕
△[気持ち/痛(いた)み/不満(ふまん)/反対の声]を~。
・医者が痛みを静める注射(ちゅうしゃ)を打ってくれた。
・警察(けいさつ)が出て、何とか騒ぎを静めた。
・暴動(ぼうどう)を鎮めるために軍隊(ぐんたい)が送られた。
・田中さんの大演説を前にして、反対派はすっかり鳴りをしずめた。
・こちら側がどんどん得点して行くので、敵側の応援はすっかり鳴りをしずめてしまった。(=静
かになった)
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