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変化3

[11] あく・あける・ひらく

    あく      オープンする 開店する 店開きする  
     あける  開け放す 開け放つ 開け払う 明け渡す 押し開ける こじ開ける
           開会する 開放する
      ひらく      開き直る  切り開く  開催する 開発する
      ひらける

[12] しまる・しめる・とじる

    閉まる・締まる  引き締まる 取り締まる  閉店する  
      閉める・締める    締め上げる 閉めきる 締めくくる 絞め殺す 閉め出す
              締め付ける 引き締める    戸締まりする

       閉じる      閉じこめる 閉じこもる   鎖国する 閉鎖する 瞬きする
       閉ざす  封鎖する
       つぶる

[13] 消える・消す なくなる・なくす

    消える  消え入る 消え失せる 消えかける 消え去る 消え残る 消え果てる   
           かき消える   解消する 消滅する 停電する 点滅する
      消す      消し去る 消し飛ぶ 消し止める  かき消す 叩き消す 吹き消す
          拭き消す 踏み消す  解消する 消火する 消去する 抹消する
      なくなる  吹き飛ぶ
      絶える   絶え果てる 死に絶える  断絶する
      滅ぶ     滅びゆく
      滅びる     絶滅する 全滅する 破滅する 滅亡する
      なくす      紛失する
      滅ぼす  攻め滅ぼす  撲滅する
      失う   失業する
      落とす

[14] 隠れる・隠す

    隠れる  
      隠す   隠しおおす 隠し通す 隠し持つ  覆い隠す 押し隠す 包み隠す
      潜む        潜在する

[11]あく・ひらく
  ある(薄い)ものが動くことで、そこが通ったり、使えたりするようになり、様々なことができるよ
うになること、そのようにものを動かすことを表す動詞。

◇あく
  「開く」は、ものが通れないように閉まっていた何かが、動かされて通れるようになること。(戸
などが開いて)客に対する営業が始まること。
  ものガ あく
    ドア・窓・門・ふた・カーテン・幕が 開く  このカギで 開く
   店・銀行が 開く
 その場所にあったものがなくなって、空間ができること。ひゆ的に、抽象的な場所や予定にも言う。
   穴が空く  席が空く  ワインのびんが空く(飲んでしまう)
   課長のポスト・社長のイスが 空く  午後は(時間が)空いている
 ものとものの間に空間があること。
   建物の間・行間が 広くあいている  前の車との距離があく
 共同で使うもの・場所が使われていないこと。
   会議室・駐車場が 空く  洗濯機が空く  
 「目をあいてください」のように他動詞的に使われることがある。
 慣用表現で「手・体が 空く」は、していたことが終わって、ひまになること。「開いた口がふさ
がらない」は、とてもあきれること。
◇あける
  「開ける」は、閉まっていて通れないところを、ものを動かして通れるようにすること。(戸など
を開けて)客に対する営業を始めること。
    人ガ ものヲ あける
    ドア・窓・門・ふた・カーテン・幕を 開ける  目・口を 開ける  店を開ける
 その場所にあったものを取り去って、空間を作ること。時間にも言う。
   穴をあける  席を空ける  車をどけて道をあける  午後の時間をあけておく
   ワインをあける(ふたを開ける/全部飲んでしまう)
 使えるようにすること。「体を空ける」は、ほかの用事をしないで自由な状態にしておくこと。
   部屋・会議室を 空けておく    明日、体を空けておいてくれる?
 ものとものの間に空間をおくこと。
   机の間・行間を 広めにあける  後続との差を大きくあけた
  家を留守にすること。
   家を空ける
・複合動詞
 「開け放す」は、戸や窓をすっかり開けること。開けたままにしておくこと。
 「開け放つ」は、「あけはなす」の文章語的な言い方。
   すべての窓を開け放して(開け放って)空気を入れる
 「開け払う」は、戸や窓などをすっかり開けること。ふすまなどを取り払って部屋を広く使うこと。
  立ち退くために家や部屋の中をからにすること。
   部屋の間のふすまを開け払って宴会場にする
 「明け渡す」は、家や部屋、また地位などから立ち退いて他人へ渡すこと。
   部屋代が払えず、部屋を明け渡す  社長の地位を明け渡した 

◇ひらく
  「開く」は、自動詞と他動詞の用法がある。また、漢字表記は「あく」と同じなので、自動詞の用
法では文脈でどちらか判断することになるが、あいまいな場合も多い。
  ものガ ひらく
     ドア・窓・門・箱のふた・カーテン・幕が 開いている(ひらいている/あいている)
  「あく」との違いは、「ひらく」は(左右)両方向への動きに使われる、と言われる。
 また、丸く広がるような動きは「ひらく」が使われる。
      花・傘・パラシュートが 開く(ひらく) (×花があく)
 他動詞の場合は、問題なく「ひらく」である。「あける」に対応する。
  人ガ ものヲ ひらく
     ドア・窓・門・箱のふた・カーテン・幕を(左右に) 開く(ひらく)
 他との差が大きくなること。
   後ろの選手との距離・差が 開く  5秒の差が10秒に開いた
 「ひらく」は、ひゆ的に、何か新しいことを始めることに関する用法が多い。
  会議・店などが始まること。それらを始めること。
   この店は朝7時に開く(ひらく/あく)
     駅前に新しく店を開く  事務所を開く
   国会が開く  国会を開く:国会が開かれる (×国会があく)
 国・宗教・学校・講座などを新しく始めること。銀行口座などを作ること。
   国を開く  宗派を開いた開祖  市民講座を開く   銀行に口座を開く
 新しく土地を利用できるようにしたり、道を造ったりすること。抽象的なことにも言う。
   原野を開く  農地を開く  道を開く  未来を開く
   問題解決への突破口を開く
 他に対して、閉鎖的でなくすこと。精神的なことにも言う。他国に対して国交を始めること。特に
港に他国の船を出入りさせること。相手のニ格をとる。
  人・ものガ 人・ものニ ものヲ 開く
   心・胸を 開く  開かれた組織・社会     この大学は社会に開かれている
   国を開く  港を(他国に)開く  国交を開く 
 「口を開く」は、話し始めること。「悟りを開く」は、悟りを得ること。
 「ひらく」の可能形は「開ける(ひらける)」で、「開ける(あける)」と同じ漢字表記になる。
   窓・店を 開けない(ひらけない/あけない)
 「ひらけない」は「ひらくことができない」で、可能の否定。「あけない」は意志的行為。
◇ひらける
  「ひらける」は、「ひらく」と形の上で関連する自動詞。また、「ひらく」の可能形も「ひらける」
という形になる。漢字表記は「開ける」で、「あける」と同じになる。
 視界をさえぎるものがなく、広く見渡せる状態になること。
      目の前には海が開けている    雄大な展望が開ける山頂
 「道が開ける」は、そこへ行けるようになること。ひゆ的に、よい運や未来がやってくること。
   山奥への道が開ける  運・すばらしい未来が 開ける
 文明や文化が進むこと。開発が進むこと。
   文明が開ける  ようやく世の中が開けてきた
 人が、人情に通じ、物わかりがいいことを言う。
   開けた人 

◇スル動詞  
 「オープンする」は、店・施設などの営業が始まること。始めること。 
 「開会する」は、会が始まること。会を始めること。
  「開店する」は、店を開けてその日の営業を始めること。新しい店が開かれること。開くこと。 
以上の3語は自動詞・他動詞両方の用法がある。
 「店開きする」は、店を開けてその日の営業を始めること。新しい店を開くこと。
 「開催する」は、会合や催し物などを開くこと。 
 「開放する」は、窓・戸・門などを開け放すこと。開けたままにしておくこと。施設・場所などを
  制限なく、だれでも自由に利用できるようにすること。
  「開発する」は、山林や原野を切り開いて、人間生活に役立つようにすること。


あく(開く・空く) 五(あかない・あきます・あいて・あけば)
[1]〔ものガ〕
  △あきそうだ  あいてしまう  あかないようにする  あいてはこまる  あけ! あくな!
 △[大きく/小さく/少し/広く/ちょっと/そうとう/かなり]あいている
 △[ドア/入り口(いりぐち)/窓(まど)/ビンのふた/鍵(かぎ)]が~。
 ・教室(きょうしつ)のまどが開いているから閉(し)めて来てください。
 ・玄関(げんかん)の戸(と)がガラガラと開いて、父が帰って来た。
 ・かぜでドアが開いてしまった。
 ・このドアは鍵が開いている。へんだなあ。
 ・この鍵ではあのドアは開きませんよ。
 ・ビンのふたが堅(かた)くて、開かない。
 ・この公園(こうえん)の門(もん)が開いているのは、8時から17時までの時間です。
 ・きのう展覧会(てんらんかい)の幕(まく)が開いた。(=はじまった)
 ・もうすぐ芝居(しばい)幕(まく)が開きますよ。席(せき)へ戻(もど)りましょう。
  △[目/口]が~。
 ・この赤ちゃんはまだ目が開いていない。
 ・あきれて、開いた口がふさがらない。(=とてもあきれた。言うべきことばがない)
 △[ビン/コップ/おさら]が~。
 ・おや、グラスが空いていますね。わたしがつぎましょう。(ビールを)
 ・おちょうし(=さけをいれてあたためるビンのような物)が空いてしまった。注文(ちゅうもん)し
  ましょう。
 △[席(せき)/部屋(へや)/電話/ポスト/体/手/予定(よてい)/]が~。
 ・どこでもいいから、空いた(=空いている)席にすわってください。
 ・きょうはお客様(きゃくさま)が多くて、空いているお部屋は一つもないのです。
 ・私のアパートの部屋が来月一つ空くそうです。はいりませんか。
 ・部長(ぶちょう)のポストが来年空くそうですが、つぎの部長はだれでしょうか。
 ・A:今、コピー機は空いている(=ほかの人がつかっていない)だろうか。
  B:いや、ふさがっていましたよ。
 ・その新聞、空いていたら(=だれも読んでいなければ)、見せてください。
 ・今のうちならまだ予定が空いていますから、いつでもいいですよ。(えいがに行くのに)
 ・A:一度(いちど)うちへ来ていただこうと思っているんですが、いつがひまですか。
  B:つぎの日よう日なら空いています。(予定・体が空いています)
 ・今月中で空いている日はあしただけです。
 ・川口さん、手が空いたら、こっちのしごとをてつだってください。
 △[あいだ/間隔(かんかく)/距離(きょり)/すきま]が~。
 ・字と字の間がずいぶん空いていますね。もっとつめて書いてください。
 ・字の形はいいけれど、間隔が空きすぎている。
 ・練習日(れんしゅうび)の間がとても空いているので、なかなかじょうずになれない。
 ・前の選手(せんしゅ)との距離がだんだんあいてきた。もう追(お)いつけない。
[2]〔もの・所ニ ものガ〕
 △[かべに穴(あな)が/柱(はしら)と障子(しょうじ)の間にすきまが]~。
 ・ズボンのおしりに穴が空いてしまった。
 ・このポケットに穴が空いているのに気がつかず、かぎを落としてしまったようだ。
 ・もうずいぶん古い家なので、柱(はしら)と壁(かべ)の間にすきまが空いている。
 ・この家は床板(ゆかいた)にずいぶんすきまが空いているね。 
 ・むすめが結婚(けっこん)して家を出てしまってから、心にぽっかり穴が空いたような気持ちだ。
  (=とてもさびしい)

<スル動詞>
[オープンする]  ものガ
 ・駅前に新しいスーパーがオープン(を)する。開店セールにはぜったい行かないと。
 〔人ガ ものヲ〕
 ・毎朝10時に店をオープンしますので、9時には出勤していないといけません。
[開店(かいてん)する]  ものガ  / 人ガ ものヲ
 ・駅前に新しいスーパーが開店(を)するそうだ。 
 〔人ガ ものヲ〕
 ・すし屋のチェーンが100店目の店を開店した。
[店開き(みせびらき)する]  ものガ
 ・駅前に新しい喫茶店が店開き(を)したので寄ってみようと思う。
 ・店開き(を)したての頃は、店員の態度が非常に良かったんだけどなあ。


あける(開ける・空ける) 一(あけない・あけます・あけて・あければ・あけよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △あけたい あけかける あけてみる あけておく あけてしまう あけてもらう
  あけてはいけない あけなければならない あけさせる あけられる
  あけさせられる あけようとする あけろ! あけるな! あけられない
 △[すこし/そっと/おおきく/ひろく/ガラッと/ガラガラと/パッと]~。
 △[ドア/入り口(いりぐち)/窓(まど)/ビンのふた/鍵(かぎ)]を~。
 ・暑(あつ)いから窓(まど)を開けて、風(かぜ)を入れましょう。
 ・だれか、このビンのふたを開けられませんか。
 ・鍵を開けないと中に入れないが、その鍵を忘れてきた。さて、何か開ける方法はないか。
 ・水道の蛇口(じゃぐち)をいっぱいに空けると、いきおいよく水が流れ出した。
 ・開演(かいえん)時間だ。芝居(しばい)の幕(まく)を開けるとしよう。(=芝居をはじめる)
 ・駅前(えきまえ)にあるデパートは、毎日10時に店を開ける。
 ・教科書(きょうかしょ)の20ページを開けてください。
 △[目/口]を~。
 ・小さな子どもが口を開けたままテレビを見ている。
 ・さあ、水の中で目を開ける練習(れんしゅう)をしましょう。
 ・かばんの口を開けたまま歩いていると、中の物をおとしますよ。
 △[棚(たな)/部屋(へや)/箱(はこ)/席(せき)/ポスト/予定(よてい)/時間/体/家]を~。
 ・三人分の席を空けてください。
 ・すみません。病人(びょうにん)がいるので、席を空けて座(すわ)らせてください。
 ・今度、うちの課(か)に来るんだって? イスを空けて待ってるよ。
 ・この棚にはたいした物がおいてありませんね。この棚を空けてくれませんか。新しく買った本を
  おく場所がないんです。   
 ・あなたに会わせたい人がいるので、今度の日よう日は空けておいてください。
 ・話があるので、きょうの午後(ごご)は体を空けておいてくれないか。
 ・いろいろなところへ旅行(りょこう)に行っていて、一か月近くも家を空けていた。
 ・急(きゅう)な事で連絡(れんらく)をするかもしれませんから、家を空けないようにしてください。
  ・さあ、グラスを空けてください。今夜(こんや)はゆっくり飲みましょう。
 ・ゆうべは、4人でウイスキーを3本空けてしまった。(ぜんぶ飲んだ)
  △[あいだ/すきま/距離(きょり)/間隔(かんかく)]を~。
 ・机(つくえ)と机の間を1mずつ空ける。
 ・ここの箱(はこ)は、もうちょっとすきまを空けて並(なら)べてください。
 ・後続(こうぞく)の選手(せんしゅ)との距離を大きくあけて、ゆうゆうの勝利(しょうり)だった。
 ・バスに乗(の)るときは、前の人との間を空けずにのってください。
 ・この原稿(げんこう)、行間(ぎょうかん)をもうちょっと空けたほうが読みやすいよ。
[2]〔人ガ 所ニ ものヲ〕  
 ・天井(てんじょう)に穴を空けて、隣(となり)の部屋(へや)をのぞいていた男が警察(けいさつ)に
  つかまった。
 ・このかべに丸く穴(あな)を空けて、ガスのホースを通(とお)します。
 ・屋根(やね)から落(お)ちる雨のしずくが、長い間に石に穴を空けた。
 ・建物(たてもの)の間に広く空間(くうかん)を空けておくことが、よい景観(けいかん)をもたらす。
 ・刑事(けいじ)はかばんの中身(なかみ)を机の上に空けて、一つ一つ調べ始めた。(=だして)
 ・そのコップにのこっているビールやジュースはこのバケツに空けてください。(=すてて)
 ・袋(ふくろ)の中の砂糖(さとう)は、ぜんぶこのビンに空けてしまってください。(=いれて)

<複合動詞:あけ->
[あけはなす] 人ガ ものヲ
 ・久しぶりにいい天気だ。湿ったへやに風が入るように、窓を大きく開け放した。
 ・開け放された窓から、小鳥が空へ飛んでいった。
   雨戸を カーテンを 障子を ドアを 扉を ふすまを 窓を
[あけはなつ] 人ガ ものヲ  
 ・ゆみ子は部屋に入ると、まどのカーテンをさっと開けはなった。
[あけはらう] 人ガ ものヲ
 ・となりの部屋との間のふすまを開け払って、宴会場にした。
 ・長い間閉め切っていた窓を開け払って、外の乾いた空気を家中に満たした。
   障子を 戸を 窓を
[あけわたす] 人ガ 人ニ ものヲ
 ・部屋代が払えず、部屋を明け渡すはめになった。
 ・戦いに敗れた戦国大名が城を明け渡した。
      家を 城を 部屋を 店を 領土を
<複合動詞:-あける>
[おしあける] 人ガ ものヲ
 ・城門の重い扉を3人で押し開けた。
 ・日本の鎖国を押し開けたのは、ペリーの率いるアメリカの軍事力だった。
   木戸・唇・ドア・扉・ふたを 乱暴に おそるおそる 元気よく
[こじあける] 人ガ ものヲ
  ・閉まったドアを無理にこじ開けた。
 ・古い缶のふたをドライバーでこじ開けようとしたら、ドライバーが折れてしまった。
      貝・殻・口・錠前・扉・ふすま・窓を  むりやり 力ずくで むきになって
<スル動詞>
[開会(かいかい)する]  人ガ ものヲ  / ものガ
 ・では、時間ですので、役員会を開会します。
 ・年に一度の総会が昨日開会された。
 〔ものガ〕
 ・中央委員会は1時に開会する予定だ。
[開放(かいほう)する]  人ガ ものヲ
 ・大きな扉が開放されていて、中の様子がよく見えた。
 ・小学校の校庭を開放して、子供たちの遊び場を確保したい。 
 [~の開放をする]
  ・市場の開放をすることが有益かどうかは疑問が残る。


ひらく(開く)五(ひらかない・ひらきます・ひらいて・ひらけば・ひらこう) 
[1]〔ものガ〕
 △ひらきそうだ  ひらいてみる  ひらいておく  ひらいてある  ひらかないようにする
  ひらかなければならない  ひらけない  ひらこうとする  ひらかせる  ひらけ!
 △[少し/大きく/わずかに/ゆっくり/少しずつ/急に/いきおいよく/ぱっと]~。
  [ひとりでに/しずかに/すーっと/ぽっかりと/重々(おもおも)しく/ぎーっと]~。
 △[花/門/窓(まど)/傘(かさ)]が~。
 ・けさはアサガオの花が三つ開いた。
 ・ようやく寒さが和(やわ)らいできた。うめのつぼみがもう少しで開きそうだ。
 ・傘(かさ)がうまく開かない。安物(やすもの)の傘はどうも開きにくい。
 ・パラシュートがうまく開かなかったためにそのパイロットはおちて死んだ。
 ・大学の門は毎朝6時に開きます。まあ、だれもそんな早くには来ませんが。
 △[あいだ/差(さ)/間隔(かんかく)/距離(きょり)/格差(かくさ)]が~。
 ・机(つくえ)と机の間が開きすぎている。もう少しつめた方がいいでしょう。
 ・1位(い)と2位の差(さ)がかなり開いた。(=差が大きい)
 ・国民の間で、経済的な格差がいっそう開きつつある。
[2]〔人ガ ものヲ〕
 △[窓/かさ/門/扇子(せんす)/にぎった手/包(つつ)み/袋(ふくろ)]を~。
 ・教科書の120ページを開いてください。
 ・このつつみは何が入っているのだろう。開いてみよう。
 ・チューリップはある温度(おんど)にならないと花を開きません。
 ・アジを開いてほした物を「アジの開き」と言います。
 ・ボールを打つ時は、まずもう少し足を開いて、それから、さいごまでボールをよく見てください。
 ・父のおかげで音楽にたいする目を開かれた。
 ・家のうらの山林(さんりん)をひらいて家をもう1軒(けん)たてることにした。
 △[会/講演(こうえん)会/講座(こうざ)/国/宗教(しゅうきょう)/原野(げんや)/未来]を~。
 ・あした食堂でパーティーを開きます。みなさん来てください。
 ・5時から会議室(かいぎしつ)で委員会(いいんかい)を開きます。
 ・来月からこのホールで市民(しみん)講座が開かれます。ぜひご参加(さんか)下さい。
 ・神話(しんわ)によると、この国を開いたのは神武天皇(じんむてんのう)ということになっている。
 ・彼は、新しい宗教を開いたつもりはなかった。彼の弟子(でし)たちが彼を神(かみ)にしたのだ。
 ・人々は原野を開き、畑(はたけ)を作って種(たね)を植(う)えた。
  ・皆さんの未来は、大きく開かれています。勇気(ゆうき)を持って、進んでいってください。
 ・運(うん)は待(ま)っていても来ない。自分でつかみ、自分で開くものだ。
[3]〔人・ものガ 人・ものニ ものヲ〕
 △[心/国/国交(こっこう)/門戸(もんこ)/道]を~。
 ・P社としごとをするために銀行(ぎんこう)に口座(こうざ)を開いた。
 ・山下くんは同じクラスの学生にもなかなか心を開こうとはしなかった。
 ・きょうはおたがいに胸襟(きょうきん)を開いて話し合いましょう。
 ・世界の国々はたがいに国交を開き、貿易(ぼうえき)が盛(さか)んになった。
 ・日本は19世紀(せいき)の後半にやっと世界に門戸(もんこ)を開いた。
 ・会社は有能(ゆうのう)な社員(しゃいん)に留学の道を開いた。
 ・これからは社会に開かれた大学が必要(ひつよう)だ。 

<複合動詞:ひらき->
[ひらきなおる] 人ガ 
 ・一勝三敗、あと一つ負ければ終わりだ。こうなったら、開き直っていこう。
 ・人間、開き直ると何か道が見つかるものだ。
      すっかり 居丈高に せっぱ詰まって 半ば  ~た口調・態度 
<複合動詞:-ひらく>
[きりひらく] 人ガ ものヲ
 ・農民たちは森を切り開き、畑を作って生き抜いてきた。
 ・彼は、貧しい境遇の中から、何とか自分の運命を切り開いてきた。
   新しい分野・新たな地平・運・崖・活路・境地・欠陥・山野・人生・前途・道・未来を
<スル動詞>
[開催(かいさい)する]  人ガ ものヲ
 ・ルネッサンス絵画の展覧会を開催することになり、準備に走り回っている。
 ・オリンピックは4年に1度開催される。
[開発(かいはつ)する]  人ガ ものヲ
 ・山野を開発して、地域住民の生活を向上させることがこの政策のねらいです。
 ・新製品を開発するグループの責任者になった。 
 [~の開発をする]
  ・新しいシステムの開発をするために、特別なコンピュータを導入した。

ひらける(開ける)  一(ひらけない・ひらけます・ひらけて・ひらければ)
[1]〔ものガ〕
 △ひらけそうだ  ひらけかけている  ひらけてきた  ひらけてしまう  ひらけろ!
 △[少し/少しずつ/だんだん/しだいに/一気(いっき)に/大きく/明るく]~。
  △[海/空/視界(しかい)/世界/運命(うんめい)/人生/活路(かつろ)/道]が~。
  ・展望台(てんぼうだい)にのぼってみると、青い海が目の前に大きくひらけ、気持ちがすっとした。
 ・森を抜けると、にわかに視野(しや)が開け、はるか遠くの山並(やまな)みが目に入った。
  ・どうやら私の運も開けてきたようだ。仕事の依頼(いらい)の電話が2本も来た。
 ・彼女の未来(みらい)は明るく開けていることが確かになってきた。
 ・この本を読めば、問題解決(もんだいかいけつ)への道が開けるだろう。
 ・交通が不便な土地(とち)でも、インターネットがつながれば、世界への道が開けるのだ。
  △[世の中/この土地/田舎(いなか)の村]が~。
 ・この土地が開けてきたのは、ほんの50年前のことだ。
 ・田舎の村もどんどん開けていったが、人々はその村を出て、都会(とかい)へと行ってしまった。
  ・近代化が進み、世の中が開けてきても、人々の偏見(へんけん)はなくならなかった。

[12]しまる・しめる

◇しまる
 「閉まる」は、開いていたところがふさがって通れなくなること。客に対する営業をしていないこ
と。店などをやめること。
   ものガ しまる
       ドア・窓が 閉まっている  店・郵便局が閉まっている  
  「締まる」は、緩んでいたもののゆるみがなくなること。表情や体にも言う。
    ねじ・帯が よく締まっていない    締まった表情・体つき
 否定の形で、しめることができないことを表す。
    窓が閉まらない  このドアは鍵が締まらない
  ひゆ的に、否定の形で内容や結末が不十分な事柄について言う。俗語的な表現。
    締まらない話だ  締まらない結末になる
・複合動詞
 「引き締まる」は、体や精神にゆるんだところがなくなること。
    気持ちが引き締まっている  引き締まった体
 「取り締まる」は、不正や事件がないように、管理し監督すること。
◇しめる
  「閉める」は、開いていた窓や戸を、ものや人が通れないようにすること。びんや箱の口をふさぐ
こと。客に対する営業を終えること。店などを廃業すること。
   人ガ ものヲ しめる
    ドア・鍵を 閉める  びんのふた・ガスの栓を 閉める  店を閉める(その日/永久に)
 「締める」は、強く引いたりねじったりしてゆるみをなくすこと。
       靴のひも・ねじ・蛇口を 締める  
 体に巻くようにして付け、結ぶこと。
    ネクタイ・帯・鉢巻を 締める
 周りから力を加えて強く押しつけること。ひゆ的に、たるんだ気持ちをなくすことにも言う。
    腕で相手の首を絞める  気を締めて仕事にかかる
 また、料理で、酢などで水分を抜くこと。
    魚を酢で締める
 ある所で区切って金銭の出入りの合計を出すこと。
    帳簿を締める
・複合動詞:「しめ-」の形のものがいくつかある。
  「締め上げる」は、強く締めること。ひゆ的に、厳しい態度で訓練したり、追及したりすること。
    首を締め上げる  両腕を縄で締め上げる  部下・容疑者を 締め上げる
 「閉め切る・締め切る」は、戸や門などをすっかり閉めること。取扱いの期限や定員に達して、そ
  の取扱いを終えること。
    雨戸を閉め切って嵐に備える  募集・受付を 締め切る
 「締めくくる」は、束ねて固く縛ること。物事のまとまりをつけること。
    感謝の言葉であいさつを締めくくる
 「絞め殺す」は、首を絞めて殺すこと。
 「閉め出す」は、戸や門を閉めて入れないようにすること。ひゆ的に、社会的なことにも言う。
    門限に遅れて閉め出される  業界から閉め出す
 「締め付ける」は、固く締めること。比ゆ的に、精神的なこと、社会的なことにも言う。
    腕を締め付けられる  規則が精神を締め付ける    円高が経営を締め付ける
 「引き締める」は、強く引いて締めること。ひゆ的に、気持ちや金銭的なことにも言う。
    張ったロープを引き締める  気・表情・家計を 引き締める
◇とじる
  「閉じる」は、自動詞・他動詞の両方の用法がある。
 開いていたものを動かしてものが通れないようにすること。営業を終えること、やめること。
      人ガ ものヲ とじる
    ドア・門を 閉じる  ふた・目・口を 閉じる  店を閉じる(その日/永久に) 
  「口を閉じる」は、何も言わないことも意味する。
 開いていたものがふさがって通れなくなること。営業や活動が終わりになること。
   ものガ とじる
    ドア・窓が 閉じている     店・会が 閉じる
・複合動詞
 「閉じこめる」は、人・動物を中に入れたまま出入り口をふさいで出られないようにすること。
 「閉じこもる」は、人が中にこもって外へ出ないでいること。
◇とざす
  「閉ざす」は、ものが通るところを完全にふさいで通れなくすること。やや書きことば。
      人ガ ものヲ とざす
    門・窓を 閉ざす
 「口を閉ざす」は、強い意志を持って何も言わないこと。「目を閉ざす」は、意志的に何も見ない
ようにすること。ひゆ的に、関心を持とうとしないことも言う。
    事件について口を閉ざす  社会の矛盾に目を閉ざす  
 受身の形で、中から出られず、動けなくなること。ひゆ的に、精神的な状態にも言う。原因となる
ものをニ格で示す。
    氷に閉ざされる    悲しみ・憂いに 閉ざされる
◇つぶる
  「つぶる」は、目を閉じること。ひゆ的に、死ぬこと。また、人の悪い行為を見なかったふりをす
ること。
   人ガ ものヲ つぶる
    つぶっていた目を開ける  子どものいたずらに目をつぶる


しまる(閉まる・締まる・絞まる)五(しまらない・しまります・しまって・しまれば)
[1]〔ものガ〕
 △しまりそうだ  しまりかける  しまってしまう  しまってはこまる  
 △[もうすぐ/そろそろ/あと少しで]~。[もう/すでに/さっきから]しまっている
  [ぴったり/しっかり/かたく]~。[ドアがばたんと/ロープがぎゅっと/ひもがきつく]~。
 △[ドア/戸(と)/かぎ/門/シャッター/入口(いりぐち)/窓(まど)/カーテン]が~。
  [店/役所(やくしょ)/郵便局(ゆうびんきょく)/窓口(まどぐち)/受付(うけつけ)]が~。
 ・古くなったので、窓がなかなかぴったり閉まらない。
 ・風でドアがバタンと大きな音を立てて閉まったので、びっくりした。
 ・どの入口もみんなカギが閉まっていて入れなかった。
 ・わたしの寮(りょう)は十時に門が閉まるので、それまでに帰らないといけないんです。
 ・急がないと、郵便局の窓口が閉まってしまう。
 ・朝早くパンを買いに行ったが、どこも閉まっていて、開いている店は一軒(いっけん)もなかった。
 ・あの選手(せんしゅ)は、なかなか筋肉(きんにく)の締まった、いい体をしている。
 ・おおぜいの人の前に出ると、緊張(きんちょう)で身(み)の締まる思いがしました。
 ・魚の身がよくしまっている。
 ・ネクタイがきつく締まりすぎていて、ほどけない。もう少しゆるく締めたほうがいい。
 ・九回裏(きゅうかいうら)、最後の守備(しゅび)だ。しまっていこう! (野球(やきゅう)で)
 ・あいつの話はなんだかだらだらして、しまらない話だねえ。

<複合動詞:-しまる>
[ひきしまる] ものガ
 ・山下さんはよくうんどうをするので、体が引き締まっている。
 ・西山さんのきりっと引き締まった口もとにはかれの力づよさがあらわれている。
 ・スーツを着てネクタイをしめたら、身も心もしゃきっと引き締まった。さあ今日からはもう
   学生じゃない。
   体・筋肉・腹・気持・神経・表情・文章・空気が ぎゅっと すらりと
[とりしまる]  人ガ 人・ものヲ 
 ・警察が飲酒運転を取り締まっているが、なかなか根絶できない。
 ・暴力団をもっと厳しく取り締まってほしい。
   違反者・違法駐車・犯罪・風紀・麻薬・密猟者・海賊・無免許を 厳重に
<スル動詞>
[閉店(へいてん)する]  ものガ 
〔ものガ〕
  ・本日は午後十一時に閉店します。
 ・あのラーメン屋はとうとう閉店したらしい。まずかったからな。


しめる(閉める・締める・絞める)一(しめない・しめます・しめて・しめれば・しめよう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △しめたい  しめにくい  しめなさい  しめてもいい  しめてはいけない
  しめなければならない  しめようとする  しめさせる  しめられる  しめさせられる
 △[ぴったり/しっかり/きっちり/すきまなく/かたく/きつく/強く]~。
  [ドアをばたんと/古い門をギイーッと/カギをがちゃりと/電子ロックをカチッと]~。
 △[ドア/戸/ふすま/障子(しょうじ)/引出(ひきだ)し/窓(まど)/カーテン]を~。
  [ガスの栓(せん)/水道(すいどう)の蛇口(じゃぐち)/ビンのふた/へやのかぎ]を~。
  [店/窓口(まどぐち)/受付(うけつけ)]を~。
  [ベルト/帯(おび)/ネクタイ/ねじ/ボルト]を~。
 ・急に雨が降り出したので、みんなあわてて窓を閉めている。
 ・子供がかんのふたを開けたり閉めたりして遊んでいる。
 ・古い家なので、ぴったり閉めようとしても閉まらない窓がいくつもあります。
 ・今日は少し寒いので、どの家も窓をかたく閉めている。
 ・家具(かぐ)のゆるんだねじを締め直しました。
 ・まだ勤(つと)め始めたばかりで、ネクタイを締めるのもなかなか大変です。
 ・人の首を絞めて殺(ころ)すことを絞殺(こうさつ)という。

<複合動詞:しめ->
[しめあげる] 人ガ 人ヲ 
 ・酔っぱらいがからんできたので、柔道のわざでちょっと締め上げてやった。
 ・容疑者が本当のことを言わないので、時間をかけて締め上げたら、とうとう話し始めたよ。(強
  く追及する)
   首・首の根・腕・胴・のど・胸ぐらを 犯人を ウエストを きりきりと
[しめきる] 人ガ ものヲ 
 ・そのへやは長いあいだ閉め切っていたので、ほこりが積もっていた。
 ・このドアは締め切ります。あちらの出入り口をお使いください。
   雨戸・ガラス戸・格子戸・障子・窓・出口・戸・扉・ふすま・部屋・書斎を
 ・このアルバイトの募集はあと3日で締め切ります。
 ・ぼんやりしていたら応募書類の受け付けを締め切られてしまった。
   募集・申込み・受付を 先着百名で 
[しめくくる] 人ガ ものヲ 
 ・そろそろ今日の話を締めくくりましょう。
 ・文章は始め方も難しいが、どうやって締めくくるかが難しい。
      演説・おしまい・結末・最後・旅・話・報告・身の上話を 一年を 楽しく
[しめころす] 人ガ 人ヲ 
 ・あのやろう、いつか絞め殺してやる! 
 ・店の主人は何者かに絞め殺されたらしい。 
      女・首・人間・猫・娘を ネクタイで ひもで 両手で
[しめだす] 人ガ 人・ものヲ 
 ・ああいういいかげんな業者は、この業界から締め出したほうがいい。
 ・妻に言わずに散歩に出たら、妻が買い物に出るとき鍵を閉められ、閉め出されてしまった。
      犬を そのグループを 寒気を 仲間から 意地悪く
[しめつける] 人ガ ものヲ 
・器械のネジがゆるんでいたので、強めに締め付けておいた。
・あいつら、最近少したるんでいる。少し締め付けてやらないといけない。
    頭・頭の周り・胃・腕・体・首・首筋・腰・自分・胴・のど・腹を ひもで
   強く きつく 固く じわじわ 力の限り 柔らかく  胸が~られる
<複合動詞:-しめる> 
[ひきしめる] 人ガ ものヲ 
 ・ゆるんでいたロープを引き締めた。
 ・この試合にかてば優勝だ。気持ちを引き締めてかかろう。
   ネクタイ・筋肉・肌・ウエスト・唇・調子・気持・心・表情・雰囲気・部屋の空気・文章・規
   律を 財政・予算・支出を きりっと ぐっと 強く 固く ぴりりと 
<スル動詞>
[戸締まり(とじまり)する]  人ガ
 ・出かけるときは、よく戸締まり(を)してから出かけましょう。
 ・裏口もちゃんと戸締まりした?


とじる(閉じる)一(とじない・とじます・とじて・とじれば・とじよう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △とじそうだ  とじたい  とじてみる  とじてしまう  とじておく  とじてある
  とじてはいけない  とじなければいけない  とじようとする  とじさせる  とじられる
 △[ゆっくり/いそいで/いいかげんに/てきとうに/ていねいに/厳重(げんじゅう)に]~。
  [しっかり/きちんと/ちゃんと/ぴったり/ぴたりと/ぴたっと/ばたんと/ぱたんと]~。
 △[本/雑誌(ざっし)/窓(まど)/ドア/門/カーテン/目/まぶた/かさ/扇(おうぎ)]を~。
 ・教科書(きょうかしょ)をとじなさい。テストをはじめます。
 ・きみたち、少しは口を閉じたらどうかね(=しばらくの間、話をやめなさい)。
 ・商売(しょうばい)がうまく行かないから、店(みせ)を閉じてふるさとへ帰ろう。
 ・大川さんは大正10ねん8月10日、65才で波乱(はらん)の生涯(しょうがい)を閉じた。
 ・それ以来(いらい)、山田は誰に対しても心を閉じてしまって、本当のきもちを話そうとしない。
[2]〔ものガ ものヲ〕
 △[幕(まく)/殻(から)]を~。
 ・オリンピックはきょうをもって20日間の熱戦(ねっせん)の幕(まく)を閉じた。
 ・大会は成功裏(せいこうり)に幕を閉じた。
 ・子どもが海でとってきた貝(かい)は殻をぴったりと閉じている。
[3]〔ものガ〕
 ・幕が閉じている5分の間に舞台(ぶたい)のセットをとりかえなくてはいけない。
 ・部屋のカーテンが閉じたままだから、中西さんはまだ旅行(りょこう)から帰っていないのだろう。

<複合動詞:とじ->
[とじこめる] 人ガ 人ヲ ものニ
 ・いたずらをした子猫を段ボール箱に閉じ込めた。ニャーニャー鳴いている。
 ・子供のころ、悪いことをすると押し入れに閉じ込められたものだ。
   男・女・子ども・捕虜・客・怒り・悲しさ・記憶・官能・真相・うまみを
   檻・籠・家・車内・部屋に エレベーター・嵐・洞穴に~られる 真相が闇に
[とじこもる] 人ガ ものニ
 ・珍しいことがあるもんだ。うちの子が部屋に閉じこもって勉強している。
 ・自分の部屋に閉じこもって、何か月も出てこないような若者が増えた。
      家・家の中・一室・内側・屋内・研究室・個室・自室・自宅・孤独の中に
   ホテル・書斎・部屋・妄想の中に  一日中 ひっそりと  自分の殻・世界に
<スル動詞>
[鎖国(さこく)する]  ものガ
 ・日本は江戸時代に約220年鎖国(を)していたため、世界の流れから遅れてしまった。
 ・鎖国(を)しないほうがよかったかどうかという問題は、いろいろな考え方がありうる。
[閉鎖(へいさ)する]  人ガ ものヲ
 ・門を閉鎖して、誰も入れないようにした。
 ・不況は長く続き、あたり一帯、閉鎖された工場が建ち並んでいた。
 ・いろいろ批判されて嫌になり、ウェブサイトを閉鎖することにした。
[瞬き(まばたき)する]  人ガ
 ・彼は、客が瞬きする短い時間の間に、目の前のカードをすり替えるという。
 ・目にゴミが入ったらしい。目薬を差して、何度も瞬きをしたらとれたようだ。


とざす(閉ざす)五(とざさない・とざします・とざして・とざせば・とざそう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △とざしがちだ  とざしてしまう  とざしてはいけない  とざさなければならない
  とざせない  とざそうとする  とざされる  とざせ!  とざすな!
 △[しっかりと/ぴったりと/かたく/ばたんと/かたくなに/ぜったいに]~。
  △[雨戸(あまど)/シャッター/戸口(とぐち)/扉(とびら)/出入り口(でいりぐち)/門]を~。
  ・商店街(しょうてんがい)の店はみなシャッターを閉ざし、人通(ひとどお)りはわずかだった。
 ・城(しろ)は重い城門(じょうもん)をぴたりと閉ざし、夜の底(そこ)に沈(しず)んでいた。
  ・工場の出入り口は固く閉ざされ、だれも入ることはできなかった。
 ・冬になると海が凍(こお)り、この港(みなと)は氷(こおり)に閉ざされてしまう。
 ・会社は負債(ふさい)のために倒産(とうさん)し、再建(さいけん)への道は閉ざされていた。
 △[口/心/胸(むね)]を~。
  ・あの事件(じけん)の話になると、だれも口を閉ざしてしまうのだった。
 ・彼は心を閉ざし、自分の世界に閉じこもってしまった。
 ・妻を失った悲しみに胸(むね)が閉ざされ、毎日何もせず、ただ生きているだけだった。
<スル動詞>
[封鎖(ふうさ)する]  人ガ ものヲ
 ・軍隊が道路を封鎖している。何があったんだろう。
 ・その建物は入り口が封鎖され、誰も入れないようになっていた。


つぶる  五(つぶらない・つぶります・つぶって・つぶれば・つぶろう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △つぶってみる  つぶってしまう  つぶらないようにする  つぶろうとする  つぶれ!
 △[ゆっくり/いそいで/ずっと/一瞬(いっしゅん)/しずかに]~。
  ・しばらく目をつぶっていてください。
 ・片目(かため)をつぶろうとしても、どうもうまくできない人がいる。ウインクができないのだ。
 ・虫が飛んできて、一瞬、目をつぶった。
 ・子どものこのぐらいのいたずらには目をつぶってやろう。
 ・社会の不正(ふせい)に目をつぶって、知らないふりをする人がいる。

[13]消える・消す・なくなる・なくす・滅びる・滅ぼす・失う
  ものが存在しなくなること、感覚でとらえられなくなることを表す動詞。「きえる・けす」「なく
なる・なくす」は自動詞と他動詞の対応。「絶える」は続いていたものがなくなってしまうこと。「滅
びる・滅ぶ・滅ぼす」は、人類を含む生物や文化が消えることを言う。「失う」「落とす」は、人か
ら大事なものがなくなること。

◇きえる
  「消える」は、それまで感じられていたものが感じられなくなること。存在していたものがなくな
ること。方向のニ格・へ格をとる。出発点のカラ格をとることがある。抽象的なものにも言う。
     ものガ (所ニ/へ) きえる
    姿が消える  足音・におい・痛みが 消える  火・明かりが消える
     金がどこかへ消える  金庫からダイヤが消えた    憎しみ・希望・罪が 消える
・複合動詞:「きえ-」の形のものがいくつかあり、「-きえる」の形のものが一つある。
 「消え入る」は、(小さくなって)そのまま消えてなくなること。
 「消え失せる」は、(あったはずのものが)消えてなくなること。ひゆ的に、感情などに言う。
 「消えかける」は、消えそうになること。
 「消え去る」は、今まで見えていたものが消えてなくなること。ひゆ的に、感情などに言う。
 「消え果てる」は、完全に消えてしまうこと。
 「消え残る」は、全部は消えてしまわず、一部が残ること。
 「かき消える」は、今まで見えていたものが、ふいにあとかたもなく消えること。
・スル動詞:基本的に自動詞の用法を持つもの。(自動・他動両用のものは「消す」の所に)
 「消滅する」は、存在していたものが消えてなくなること。
 「点滅する」は、明かりがついたり消えたりすること。 
 「停電する」は、送電が一時的に止まり、家の電灯などが消えること。
◇けす
  「消す」は、それまであったもの、感じられていたものをなくすこと。出発点のカラ格をとること
がある。「人が姿を消す」は、つまりいなくなること。
   人ガ ものヲ けす
    ガス(の火)・電気・テレビ・臭い・字・記録・録音を 消す
    会場から姿を消す  データをメモリから消す
・複合動詞:「けし-」の形のものと、「-けす」の形のものがある。
 「消し去る」は、消して跡が残らないようにする。ひゆ的に、感情などに言う。
 「消し止める」は、火を消して広がるのを止めること。ひゆ的に、うわさなどが広がるのを防ぎ止
  めることを言う。
 「消し飛ぶ」は、勢いよくはねとばされてなくなること。ひゆ的に、感情などに言う。
 「かき消す」は、急に、あとかたもなく消すこと。
 「たたき消す」「吹き消す」「拭き消す」「踏み消す」は、それぞれ「たたいて・ふいて・ふいて・
  ふんで」消すこと。
 「もみ消す」は、手で揉んで火を消すこと。都合の悪い話や噂が広がらないように押さえること。
・スル動詞
 自動・他動両用
 「解消する」は、ある状態や関係などが消えてなくなること。なくすこと。
 「消火する」は、火や火事を消すこと。火事が消えること。
 他動
 「消去する」は、(必要のないものを)消してなくすこと。
 「抹消する」は、塗りつぶして消すこと。特に、字句や記載事項を消すこと。
◇なくなる
  「無くなる」は、それまであったものが(使ってしまったり、消えてしまったり、盗まれたりして)
存在しなくなること。人が死んだ場合は「亡くなる」と書かれる。(→「死ぬ」)
   ものガ (ものカラ) なくなる
    住む家・体力・自信・雲が なくなる  金庫から金がなくなる
・複合動詞
 「吹き飛ぶ」は、ものが強い風・息によって飛んでしまうこと。
◇たえる
 「絶える」は、続いていたものが切れてなくなってしまうこと。
   ものガ たえる
    送金・手紙が 絶える  子孫・伝統が 絶える 
 「息が絶える」は死ぬこと。
・複合動詞
 「絶え果てる」は、すっかり絶えてなくなってしまうこと。息が絶える、つまり死ぬこと。
 「死に絶える」は、全部が死んでしまうこと。
・スル動詞
 「断絶する」は、二つのものの結びつきや関係が切れること。関係などをたち切ること。今まで続
  いてきた家や芸事などの流れが断ち切れること。
◇ほろぶ
  「滅ぶ」は、勢力などが衰え、これまで続いていたものがなくなってしまうこと。抽象的なものに
も言う。「滅びる」に比べてやや書きことば。
   ものガ ほろぶ
        国・民族・人類・悪が ほろぶ
・複合動詞
 「滅び行く」は、だんだん滅んでいくこと。
◇ほろびる
  「滅びる」は、「滅ぶ」と同じで、勢力などが衰え、これまで続いていたものがなくなってしまう
こと。抽象的なものにも言う。
      ものガ ほろびる
    国・民族・文明・伝統が ほろびる
・スル動詞
 「絶滅する」は、生物の種などが滅びてなくなってしまうこと。他動詞の用法もある。
 「全滅する」は、全部滅びること。
 「破滅する」は、人や組織が社会的立場や価値を失ってだめになること。
 「滅亡する」は、国や生物が滅びてしまうこと。
◇なくす
  「無くす」は、持っていたものや、あったものが存在しない状態にしてしまうこと。悪い物事をな
い状態にすること。前者は無意志的、後者は意志的な行為。
   人ガ ものヲ なくす
       金・財布・カギ・自信・興味・友人を なくす  事故・火事・いじめを なくす
・スル動詞
 「紛失する」は、ものがどこかにまぎれてなくなること。なくすこと。
◇ほろぼす
  「滅ぼす」は、「滅ぶ・滅びる」に対応する他動詞で、滅ぶようにすること。
   人・ものガ 人・ものヲ ほろぼす
    敵を滅ぼす  核兵器が人類を滅ぼす  神が悪を滅ぼす
・複合動詞
 「攻め滅ぼす」は、相手を攻めて滅ぼすこと。
・スル動詞
 「絶滅する」は、何かを滅ぼして無くしてしまうこと。
 「撲滅する」は、(社会的に害のあるものを)完全になくしてしまうこと。
◇うしなう
  「失う」は、持っていたものや身に備わっていたものがない状態になること。
   人ガ ものヲ うしなう
    財布・財産・友人・自信・やる気・気・命を 失う
  得ようとしたものを得そこなう。相手が得ることで、自分が取られたことになる。
    チャンスを失う    試合で一点失う  大事な試合を失う
・スル動詞
 「失業する」は、それまでついていた職を失うこと。就職できないでいること。
◇おとす
 「落とす」は、身につけていたものを外出中などに無くすこと。無意志的な行為。
   人ガ ものヲ おとす
    カギ・財布を 落とす


きえる(消える)一(きえない・きえます・きえて・きえれば) 
[1]〔ものガ〕
 △きえかける  きえかかっている  きえそうだ  きえてしまう  きえてほしい
  きえたほうがいい  きえなくてはこまる  きえてくれ!  きえろ!  きえるな!
 △[急に/とつぜん/まったく/完全に/少しだけ/かなり/すっと/じわじわ]~。
  [いつのまにか/あとかたもなく/煙(けむり)のように/きれいに/みるみるうちに]~。
 △[火/雪(ゆき)/雲(くも)/霧(きり)/虹(にじ)/煙/臭(にお)い/痛(いた)み]が~。
  [人の姿(すがた)/音/電気]が~。
  [疑(うたが)い/印象(いんしょう)/反応(はんのう)]が~。
 ・電気が消えているから、となりの家はもう寝(ね)ているのだろう。
 ・封筒(ふうとう)の宛名(あてな)が雨にぬれて消えてしまっていて、読めない。
 ・雨で看板(かんばん)の字が消えた。
 ・うっかり赤いボタンをおしたら、テレビの画面(がめん)が消えて、何か分からない記号(きごう)
  のようなものがあらわれた。
 ・ゆうべの火事の火がやっと今朝(けさ)消えたそうだ。12時間も燃(も)えていたそうだ。
 ・毎月の給料(きゅうりょう)は、いつのまにか消えてなくなってしまう。何につかったのだろうか、
  といつも思う。
 ・この薬(くすり)を飲んだら、うそのように痛みが消えたんですよ。いい薬です。
 ・悪いうわさはなかなか消えないものだ。
 ・この山の雪は六月にならないと消えない。
 ・雨のあとの虹(にじ)はあっというまに消えてしまった。
 ・私がちょっと目をはなしている間に、ケースの中のダイヤのゆびわは消えてなくなってしまった。
 ・この消臭剤(しょうしゅうざい)をつかえば、部屋のいやな臭い(におい)が消えます。
 ・さっきガサガサと変な音がしていたが、いつの間にか消えた。
[2]〔人・ものガ (所カラ) 所ニ〕   
 ・汽車(きしゃ)はけむりをのこして夜のやみの中に消えていった。
 ・彼女の姿は霧(きり)の中に消えていった。
 ・この歴史の秘話(ひわ)は忘却(ぼうきゃく)のかなたに消えてしまった。
 ・いつの間にか、ケースの中からダイヤの指輪(ゆびわ)が消えていた。

<複合動詞:きえ->
[きえいる] 人ガ
 ・先生がみんなに「じつはキムさんは来月結婚するそうです。」と知らせると、キムさんははずか
  しさで消え入りそうにしていた。
 ・昔の映画のお姫様は消え入りそうな細い声で話すけれど、どうも魅力を感じない。
      ~そうな風情・細い声 ~そうに顔を伏せる 
[きえうせる] ものガ
 ・あの人も苦労していると知って、うらむ気持ちが消えうせた。
 ・あの時の母の言葉を思い出したら、雑念が消え失せ、集中できた。
 ・お前の顔など二度と見たくない。とっとと消え失せろ!
   希望・恐怖・雑念・不安・幻が きれいに 跡形もなく たちまち
[きえかける] 人・ものガ 
 ・日が射してだいぶ暖かくなったので、庭の雪は消えかけていた。
 ・ずいぶん長い時間が過ぎ、彼に対する私の恨みも消えかけていた。
[きえさる] ものガ
 ・あの人が死んでしまったので、もう夢も希望も消えさった。
 ・飛行機は我々の頭の上を通りすぎて、雲の中へ消え去った。
 ・すべてを隠さずに話してくれたので、彼に対する疑いはきれいに消え去った。
   疑い・感動・霧・欲望が 視界から どこかへ 瞬間に 遠くに いつしか
[きえのこる] ものガ
 ・山をのぼっていくと、上の方には、八月なのにまだ雪が消えのこっていた。
 ・空を見上げると、先ほどの飛行機雲がうっすらと消え残っていた。
   雪がまだらに 緑が 煙が空に
[きえはてる] 人・ものガ 
 ・植民地から独立したのはいいが、指導者は権力闘争に明け暮れ、建国の理想など、消え果ててし
  まってどこにもない。
 ・かつて私の抱いた夢は、とうに消え果てた。
<複合動詞:-きえる>
[かききえる] 人ガ ものニ ものヲ
 ・舞台の上のマジシャンの姿が、一瞬にしてかき消えた。
 ・雪の上の足跡を追っていったのだが、ある場所でふいにかき消えていた。
   消息・姿・笑いが 一瞬にして すっと ふいと まったく
<スル動詞>
[解消(かいしょう)する]  ものガ
 ・テレビのクイズ番組を見ていたら、長年の疑問が解消した。
 ・仕事のストレスはどうすれば早く解消するか。
[消滅(しょうめつ)する]  ものガ
 ・その瞬間、地上の一切のものが消滅(を)した。世界の終わりだ。
 ・優勝の望みははかなく消滅(を)した。
[停電(ていでん)する]  ものガ
  ・東京の西部一帯が停電(を)した。
 ・戦後は停電が多かったが、最近は停電(を)しなくなった。
[点滅(てんめつ)する]  ものガ
 ・踏切の信号が点滅(を)している。今日の最終電車の時間だ。
 ・点滅(を)するネオンを見つめていると、遠い日の思い出がよみがえる。


けす(消す)五(けさない・けします・けして・けせば・けそう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △けしなさい  けしておく  けしてみる  けしたほうがいい  けしてもらう
  けさなければならない  けさせる  けされる  けせ!  けすな!
 △[急に/とつぜん/うっかり/わざと/ていねいに/らんぼうに]~。
 △[あかり/テレビ/電気/ストーブ/ガスの火/コンピュータ]を~。
  [けしゴムで字を/水で火を/スパイスでにおいを]~。 
 ・黒板(こくばん)の字を消しておいてください。(「黒板を消す」とも言う)
 ・まちがった字を消そうとして、強くこすったら紙(かみ)がやぶけてしまった。
 ・魚のにおいを消すためにいろいろなスパイスを使います。
 ・火事を池(いけ)の水で消した。
 ・へやの明かりは消して、廊下(ろうか)のあかりは消さないでください。
 ・出かける時はかならずストーブを消すこと。
 ・あなたが私の子どもを死なせたのは事実(じじつ)です。いくらあやまってくれてもその事実を消
  すことはできません。
 ・まちがって、テープのモーツァルトのシンフォニーを消してしまった。
 ・このテープの会議(かいぎ)の記録(きろく)を消して、「東京おんど」なんか入れたのはだれだ。
  ・その事件(じけん)の後、彼らは街(まち)から姿(すがた)を消した。
   
<複合動詞:けし->   
[けしさる] 人ガ ものヲ
 ・いやな記憶をすべて消し去ることができたらいいのだが。
 ・彼女は自分がその部屋にいた痕跡を消し去って、どこかに消えてしまった。
   跡・痕跡・姿・意識・すべて・名前・ほほえみを 頭の中・意識の底・記憶から
[けしとぶ] ものガ
 ・テストのあとの和夫の明るいかおを見て、私の心配(しんぱい)は消しとんだ。たぶんテストはう
  まく行ったのだろう。
 ・夫(おっと)もずっといっしょにいてくれると聞いて、出産への不安は消しとんだ。
 ・社長が死んだりしたら、外国に支社(ししゃ)をつくるという計画は、消しとんでしまいますよ。
  本社だってあぶなくなります。
   いやな思い・恐怖感・心配の種・上機嫌・疲れ・憎らしさ・喜びが どこかへ

[けしとめる] 人ガ ものヲ
 ・消防車(しょうぼうしゃ)が20台も来て、やっと火事を消しとめた。
 ・山火事はなかなか消し止められない。
 ・消火器がそばにあったおかげで、ぼやで消し止めることができた。
   火災・火事・火を ぼやで すばやく

<複合動詞:-けす>
[かきけす] 人・ものガ 
 ・後ろ姿が、かき消すように見えなくなった。
 ・彼女の声は雨の音にかき消されて彼には届かなかった。
      イメージ・嫌な予感・思い・面影・悲しみ・期待・心配・姿・不安を 雨に~れる
[たたきけす] 人ガ ものヲ 
 ・コートを脱いで、草に燃え移った火をたたき消そうとした。
 ・ケーキのろうそくの火がテーブルカバーに燃え移ってしまい、あわてて叩き消した。
[ふきけす] 人ガ ものヲ 
 ・たんじょう日のケーキのろうそくは一息で吹き消さなけれならない。
 ・宿の主人がランプをフッと吹き消した。あたりに深い闇が広がった。
      明かり・ランプ・炎・ろうそくの火・提灯・面影・存在を ふっと
[ふきけす] 人ガ ものヲ 
 ・黒板に書かれていたことばを黒板消しで拭きけした。
 ・壁に書かれた文字は丁寧に拭き消されていたが、よく見るとうっすらと読めるところがあった。
  ・店員がショーウインドーに落書きされた字をていねいに拭き消していた。
[ふみけす] 人ガ ものヲ 
 ・たき火の火がそばの枯れ草に燃え移り、あわてて踏み消した。
 ・浜辺の砂の上に描いた絵が、走り回る子供たちの足で踏み消されていった。
      吸い殻・煙草・火を 火のついた書類を

<スル動詞>
[解消(かいしょう)する]  人ガ ものヲ
 ・山村の医師不足を解消するためにはどういう政策が考えられるか。
 ・ロンドンの支店に3年間行くことになり、彼との婚約を解消した。
[消火(しょうか)する]  人ガ ものヲ
 ・台所の火が何かに燃え移っても、消火器があればすぐに消火することができます。 
 ・消防士たちが山火事を消火しようと懸命に努力していた。
[消去(しょうきょ)する]  人ガ ものヲ
 ・書きかけの文書を保存しないうちに、間違って消去してしまった。
 ・探していたデータはだれかの手によって消去されていた。
 [~の消去をする]
  ・古くなったデータの消去をした。
[抹消(まっしょう)する]  人ガ ものヲ  ものカラ
 ・会費を納入していない会員の名前を名簿から抹消した。
 ・古代には、大国に滅ぼされ、歴史からその名を抹消された小国が数多くあっただろう。


なくなる(無くなる・亡くなる)五(なくならない・なくなります・なくなって・なくなれば)
[1]〔(所カラ) ものガ〕
 △なくなりはじめる  なくなりそうだ  なくなりかける  なくなってしまう 
  なくならないように  なくなっては困る  なくならせる  
 △[すっかり/ぜんぶ/ほとんど/急に/一度に/すこしずつ/見る見るうちに]~。
 △[お金/さいふ/切符(きっぷ)/かばん/かぎ]が~。[時間/ひま/余裕(よゆう)]が~。
  [体力(たいりょく)/気力(きりょく)/やる気/熱意(ねつい)/自信(じしん)]が~。
 ・ひき出しからお金が無くなった。だれがとったのだろう。
 ・まちから暴力事件(ぼうりょうじけん)がなくなった。
 ・もう書くことが無くなったのできょうの手紙(てがみ)はこのへんでおわりにします。
 ・「みなさんに東京の案内図(あんないず)をあげます」と言ったら、おおぜいとりに来て、あっと
  いうまに無くなってしまった。
 ・試験(しけん)の時に、ゆっくり考えていたら、5番の問題(もんだい)をやる時間がなくなった。
 ・さいきん、すっかり体力も気力もなくなってしまった。
[2]〔人ガ〕
 △[母/父/姉/兄/妹/弟/夫(おっと)/妻(つま)/友だち]が~。
 ・父が亡くなってから、もう3年になります。(=父が死んでから3年です)
 ・母は3年前に亡くなりました。
  ・夫は亡くなる前に、私にこう言い残しました。

<複合動詞:その他>
[ふきとぶ] 人・ものガ 
 ・このビールの一杯で、昼間の仕事のイライラが全部吹き飛ぶ心地がするね。
 ・明け方の電話で起こされ、ぼんやりした頭で電話に出たが、彼女の一言で眠気が吹き飛んだ。
      感傷・砂・疲れ・眠気・腹立ち・不安・帆・酔いが  一度に 跡形もなく
 

たえる(絶える)  一(たえない・たえます・たえて・たえれば)
[1]〔ものガ〕
 △たえそうだ  たえてしまう  たえてはいけない  たえないようにする  たえるな!
 △[すっかり/完全(かんぜん)に/とうとう/ついに/少しずつ/いつのまにか]~。
  △[連絡(れんらく)/仕送(しおく)り/送金(そうきん)/つき合い/人通(ひとどお)り]が~。
  [笑い声(わらいごえ)/心配(しんぱい)/悩み事(なやみごと)/不満(ふまん)の種(たね)/ぐち
   /生傷(なまきず)]がたえない (=いつもある)
  ・このあたりは、夜10時を過ぎると人通りはすっかり絶えてしまう。
 ・彼からの連絡が絶えてしまい、家族が心配している。
  ・20年も会わないと、つき合いがまったく絶えてしまって、どこでどうしているのかわからない。
 ・受け継(うけつ)ぐ人がだれもいないと、古くからの伝統(でんとう)が絶えてしまいます。
 ・兄弟(きょうだい)のだれも子どもがいず、このままでは我が家(わがや)の血統(けっとう)が絶え
  てしまう。
 ・疲れ果(は)て、最後(さいご)の気力(きりょく)ももう絶えそうだ。
 ・一族(いちぞく)はみな亡(な)くなり、最後に残った私の息(いき)ももうすぐ絶えるだろう。
 ・あの家族はいつも明るくて、笑い声が絶えたことがない。
 ・うちのバカ息子(むすこ)はいつもあぶないことばかりしていて、心配の種が絶えない。
 ・若いころは近所(きんじょ)の不良(ふりょう)とのけんかに明け暮れていて、生傷が絶えたことが
  なかった。

<複合動詞:たえ->
[たえはてる] ものガ
 ・疲れきって、気力も体力も絶え果てた。
 ・船が沈み、孤島に流されて十年。生きる望みも絶え果てた。ふぐを食って死のう。
 ・彼女の里からの便りも絶え果てた。
      生きる望みも 病に冒されて 異境の町で ぱったりと ふっつりと ほどなく
<複合動詞:-たえる>
[しにたえる] 人・ものガ
 ・こんなことを繰り返していたら、人類は遠からず死に絶えてしまうだろう。
 ・この種類の虫はもう日本では死に絶えてしまったそうだ。
<スル動詞>
[断絶(だんぜつ)する]  ものガ
 ・冬の間、この地方は豪雪のため、中央との行き来が断絶してしまう。
 ・伝統文化の継承が断絶しないよう、関係者が努力している。
 〔人ガ ものヲ〕
 ・領土を巡る争いの末、両国は国交を断絶した。
 ・中世の長い期間、交易は断絶していた。


ほろぶ(滅ぶ)  五(ほろばない・ほろびます・ほろんで・ほろべば)
[1]〔人・ものガ〕
 △ほろびつつある  ほろんではいけない  ほろばないようにする  ほろぶな!
 △[ゆっくりと/じわじわと/急激(きゅうげき)に/みじめに/かならず/いつのまにか]~。
  △[人類(じんるい)/生物(せいぶつ)/恐竜(きょうりゅう)/国/民族(みんぞく)/肉体(にくた
   い)/魂(たましい)/霊魂(れいこん)]が~。
  ・恐竜が滅んだ原因は諸説あるが、私としては、人類が食べてしまったというのが好きだ。
 ・トキはこのままでは滅んでしまう。
  ・たとえ私の肉体は滅んでも、私の理想(りそう)は人々に受け継(うけつ)がれて行くだろう。
  ・歴史を見れば、これまで多くの帝国が滅んできた。現在の大国もまた同じ道をたどるだろう。

<複合動詞:ほろび->
[ほろびゆく] 人・ものガ                   
 ・人類の繁栄の陰で、多くの動物が滅び行く運命にある。
 ・世界各地で滅び行く言語を記録しておこうと、言語学者の努力が続いている。
      ~種族・文化・文明 ~動物を記録する


ほろびる(滅びる)  一(ほろびない・ほろびます・ほろびて・ほろびれば)
[1]〔人・ものガ〕
 △ほろびかける  ほろびてしまう  ほろびてはいけない  ほろびるな!
 △[ゆっくりと/じわじわと/急激(きゅうげき)に/みじめに/かならず/いつのまにか]~。
  △[人類(じんるい)/生物(せいぶつ)/恐竜(きょうりゅう)/国/民族(みんぞく)/肉体(にくた
   い)/魂(たましい)/霊魂(れいこん)/伝統(でんとう)/自然林(しぜんりん)]が~。
  ・その独自(どくじ)の言語(げんご)を失った時、民族は滅びる。
 ・国は滅びても、自然はいつものように四季(しき)をくり返す。
  ・人類もいつかは滅びるだろうが、自分で自分を滅ぼすことはしてほしくない。
 ・肉体は滅びるが、魂は永遠(えいえん)に滅びない。
 ・豊臣家(とよとみけ)は大阪城(おおさかじょう)とともに滅びた。
<スル動詞>
[絶滅(ぜつめつ)する]  人・ものガ
 ・恐竜が絶滅(を)した原因はいろいろ説があるらしい。
 ・絶滅(を)しそうな動物が多いそうだが、責任感の強い男、というのもそうじゃないか?
[全滅(ぜんめつ)する]  人・ものガ
 ・この島の先住民は、侵略者が持ち込んだ伝染病で全滅(を)してしまった。
 ・干ばつで水がなく、このままでは作物が全滅(を)してしまう。
[破滅(はめつ)する]  人・ものガ 
 ・核兵器の発達によって世界が破滅する恐れが生まれ、多くの警告が発せられた。
 ・軍事産業との裏取引が暴露され、彼は企業家として破滅せざるを得なかった。
[滅亡(めつぼう)する]  人・ものガ
 ・人類が滅亡(を)する日を描く映画が多い。そんなに滅亡したいのか?
 ・何種類もの大型動物が人類によって滅亡(を)させられた。


なくす(無くす・亡くす)五(なくさない・なくします・なくして・なくせば・なくそう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △なくしそうだ  なくしかける  なくしたい  なくしてしまう  なくしてはならない
  なくすべきだ  なくそうと思う  なくされる  なくしかねない 
 △[うっかり/ぼんやりしていて/つい/いつの間(ま)にか/知らないうちに]なくしてしまう
 △[お金/さいふ/とけい/かさ]を~。[記憶(きおく)]を~。
  [命(いのち)/地位(ちい)/名誉(めいよ)/財産(ざいさん)]を~。
  [信用(しんよう)/信頼(しんらい)/人気(にんき)]を~。
  [興味(きょうみ)/自信(じしん)/熱意(ねつい)/意欲(いよく)/やる気]を~。
  [逃げ場(にげば)/行き場]を~。
 ・きょう学校へ来る時にさいふを無くしてしまった。こまったなあ。
 ・無くしたと思っていたライターがひきだしのおくから出て来た。
 ・お金をなくさないように気をつけなさい。
 ・友だちにカメラをかしたら、旅先(たびさき)で無くされてしまった。
 ・先月なくしただいじな書類(しょるい)がみつかった。
 ・いくらいっしょうけんめい仕事(しごと)をしても、給料(きゅうりょう)は変わらないないから、
  もうやる気をなくした。
 ・わかい社員がどんどん熱意(ねつい)をなくして行く。
 ・約束(やくそく)をやぶったので、友だちの信用(しんよう)を無くしてしまった。
 ・このしっぱいがもとで得意(とくい)だった数学の自信(じしん)を無くしてしまった。
 ・事故(じこ)の時に頭をうって、山田さんは記憶(きおく)をなくしてしまったそうだ。

[2]〔人ガ 人ヲ〕
 △[母/父/姉/兄/妹/弟/夫(おっと)/妻(つま)/友だち]を~。
 ・私は5さいの時に母を亡くして、それから父にそだてられました。
 ・さくねんガンでむすめを亡くしました。
 ・あの事故でわたしはいちばんなかの良かった友だちをなくしました。
 ・(私たちは)おしい人をなくしてしまいました。
[3]〔人ガ (所カラ) ものヲ〕
 △[すっかり/完全に/何とかして/努力して/力を合わせて]~。
 △[ミス/火事/事故(じこ)/災害(さいがい)]を~。
 ・まちから暴力(ぼうりょく)を無くそう。
 ・(クラスから)遅刻(ちこく)を無くす方法をみんなで考えてみよう。
 ・火事を無くすためにはひとりひとりが気をつけなければならない。
 ・事故(じこ)を無くすために道のかどに大きなかがみをつけた。

<スル動詞>
[紛失(ふんしつ)する]  人ガ ものヲ
 ・大切な資料を紛失してしまった。いくら探しても見つからない。
 ・紛失する恐れがあるので、子供たちに切符は持たせず、改札を通ったら回収した。


ほろぼす(滅ぼす)  五(ほろぼさない・ほろぼします・ほろぼして・ほろぼせば・ほろぼそう)
[1]〔人・ものガ 人・ものヲ〕
 △ほろぼしかねない  ほろぼしてしまう  ほろぼさなくてはならない  ほろぼされる
  ほろぼそうとする  ほろぼせ!  ほろぼすな!
 △[完全(かんぜん)に/徹底(てってい)的に/容赦(ようしゃ)なく/すべて]~。
  △[世界/人類(じんるい)/生物(せいぶつ)/地球(ちきゅう)/敵(てき)/文明(ぶんめい)/芸術
   (げいじゅつ)/伝統(でんとう)/民族(みんぞく)]を~。
 ・人類の行為(こうい)が、これまでにも多くの生物種(しゅ)を滅ぼしてきた。
 ・核戦争(かくせんそう)がもし起これば、人類を滅ぼすだろう。
  ・憎(にく)い敵を一人残(ひとりのこ)らず滅ぼさなくてはならぬ。
 ・芸術を滅ぼすのは、皮肉(ひにく)なことに、芸術家(か)の優遇(ゆうぐう)である。
  ・彼は酒で身(み)を滅ぼした。
  ・あのスキャンダルが一人の政治家(せいじか)を完全に滅ぼした。
 ・かつて神は人類をほとんど滅ぼそうとしたことがある。

<複合動詞:-ほろぼす>
[せめほろぼす] 人ガ 人・ものヲ 
 ・長い間戦い続けてきた敵をとうとう攻め滅ぼすことができた。
 ・わが国は大国に攻め滅ぼされ、国民は諸国を流浪する苦境に陥った。
<スル動詞>
[撲滅(ぼくめつ)する]  人ガ ものヲ
 ・伝染病を撲滅するために戦う人々の努力が報われる日が来ますように。
 ・稲の害虫を撲滅しようと毎日研究しています。

うしなう(失う) 五(うしなわない・うしないます・うしなって・うしなえば) 
[1]〔人・ものガ ものヲ〕
 △うしないそうだ  うしないたくない  うしなってはいけない  うしなわせる
  うしなわれる  うしなおうとしている  うしなうな!  
 △[少しずつ/急に/一気(いっき)に/気づかないうちに/うっかり/つい]~。
 △[命(いのち)/地位(ちい)/名誉(めいよ)/財産(ざいさん)/職(しょく)]を~。
  [信用(しんよう)/信頼(しんらい)/支持(しじ)/地盤(じばん)]を~。
 ・このできごとのために彼は地位や財産を失ったばかりでなく、友だちをも失ってしまったのだ。
 ・この災害(さいがい)で失ったものは大きかった。
  ・国民の信頼を失った政治家(せいじか)は去(さ)るべきだ。
 ・戦争でたくさんの命が失われた。
 △[逃げ場(にげば)/行き場/活躍(かつやく)の場]を~。
 ・人間におわれて、逃げ場を失った動物たちが山からおりて来た。
 ・チームが解散(かいさん)してしまったので、彼女は活躍の場を失った。 
 △[絶好(ぜっこう)の機会(きかい)/チャンス/タイミング/点/試合/(しあい)]を~。
 ・あやまろうと思ってあの人の所に行ったのだが、会うとすぐに「帰れ」なんて言われて、あやま
  るチャンスを失った。
 ・このエラーでQチームは5点も失ってしまった。
 ・この試合を失ったら、優勝(ゆうしょう)はむずかしくなるだろう。
 △[大事なもの/自然(しぜん)/よい環境(かんきょう)/記録(きろく)]が失われる
 ・うつくしい風景(ふうけい)が開発(かいはつ)のためにどんどん失われていく。
 ・シュリーマンは失われた文明(ぶんめい)をもとめて研究(けんきゅう)をつづけた。
 ・この火事でたくさんの大切な記録が失われた。
 ・この戦(たたか)いで兵力(へいりょく)の3分の1を失った。
 ・ふねはエンジンがこわれて、航行能力(こうこうのうりょく)を失った。
 ・スケートをしている時、バランスを失ってころんでしまった。
 △[生きる希望(きぼう)/夢(ゆめ)/自信(じしん)/熱意(ねつい)/意識(いしき)]を~。
 ・あの失敗(しっぱい)で兄はしごとの自信を失った。
 ・いくら努力(どりょく)をしても社長がみとめてくれないので、しごとに対(たい)する熱意を失っ
  てしまった。
 ・ころんで頭を打ったために弟は意識(いしき)を失った。
 ・この事故(じこ)のために父は聴力(ちょうりょく)を失った。
 ・失われた記憶(きおく)を取り戻す(とりもどす)ことができるとよいが。
 ・あまりひどいことを言われたので、理性(りせい)を失い、あいてをなぐってしまった。
 △[存在(そんざい)/活動(かつどう)]の意義(いぎ)を~。
 ・この古い法律(ほうりつ)はもう存在意義を失っている。
[2]〔人ガ 人ヲ〕
 △[子/親/家族(かぞく)/友(とも)]を~。
 ・病気のためにむすこを失った(=むすこが死んだ)ので、妻(つま)はむすめがちょっと熱(ねつ)を
  出しても、医者へかけつけるようになった。
 ・戦争(せんそう)で、たくさんの人々が家族や友を失いました。
 ・P国は大事な指導者(しどうしゃ)を失った。
<スル動詞>
[失業(しつぎょう)する]  人ガ 
  ・この時代は不況のために倒産する企業が多く、失業した人が多かった。
 ・兄は失業して、家でぶらぶらしている。


おとす(落とす)  五(おとさない・おとします・おとして・おとせば)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △おとしがちだ  おとしてしまう  おとさないようにきをつける  おとすな!
 △[よく/ときどき/うっかり/ぼんやりしていて/いつのまにか/しらないうちに]~。
  △[金/財布(さいふ)/ハンカチ/時計(とけい)/切符(きっぷ)/かぎ]を~。
 ・コンサートに行くとちゅうでチケットを落としてしまったので、会場に入れなかった。
 ・現金(げんきん)を落としてもあきらめればそれですむけれど、カードを落とすと、カード会社や
  警察(けいさつ)に届(とど)けたりしなきゃいけないから面倒(めんどう)だ。
 ・どこかにサイフを落としたらしい。お金はあまり入っていなかったけれど、サイフが惜(お)しい。
  気にいっていたんだ。

[14]隠れる・隠す

◇かくれる
  「隠れる」は、ほかから見えない、見つけにくい状態になること。場所のニ格をとる。相手のカラ
格またはニ格をとる用法もある。ニ格は「(人)に隠れて」の形で使われる。
  人・ものガ 所・ものニ かくれる
      子ども・ネコが 壁の向こうに隠れた  人混みの中に隠れる  月が雲に隠れた
  人ガ 人・ものカラ/ニ かくれる
    人の目・世間から 隠れている     親に隠れて恋人と会う
 「隠れた才能・能力」は、後に発見されることを予定されていることを言う。
◇かくす
  「隠す」は、何かを人に見られないように、視線をさえぎったり、特別な所にものを置いたりする
こと。ひゆ的に、知られたくない物事を秘密にすること。
  人ガ ものヲ (所・ものニ)(ものカラ) かくす
   金・貴重品・手紙・顔を 隠す  事実・真相・本心・心の内・不安を 隠す
   床下・秘密の金庫に 書類を隠す  人の目から姿を隠す  手で顔を隠す 
 相手のニ格をとる用法がある。
  人ガ 人ニ ものヲ かくす                       
   病気・借金を 親に隠す  国民に真相を隠す
  名詞節をとることができる。
    女優が妊娠したことをマスコミに隠す  ガンであることを本人に隠す
・複合動詞:「かくし-」の形のものと、「-かくす」の形のものがある。
 「隠しおおす」は、最後まで見つからずに隠すこと。可能形「隠しおおせる」の形でよく使われる。
 「隠し通す」は、最後まで隠しておくこと。
 「隠し持つ」は、人に気づかれないように身につけていること。
 「-かくす」の形のものは、前の動詞が隠す方法を表す。
  「覆い隠す」は、何かで覆って見えないようにすること。ひゆ的に、抽象的なことにも言う。
 「包み隠す」は、何かで包んで隠すこと。ひゆ的に、本心や秘密などにも言う。「包み隠さずに」
の形で副詞的に使われることが多い。
 「押し隠す」は、知られたくないことを何とか隠そうとすること。
◇ひそむ
  「潜む」は、何かの中・陰に隠れていて、姿を見せないこと。ひゆ的に、抽象的なことにも言う。
  人・ものガ 所・ものニ ひそむ
   物陰・背後・屋根裏に 潜む     事件の裏に謎が潜む  贈り物に悪意が潜む
・スル動詞
 「潜在する」は、外に現れず、中に潜んで存在すること。


かくれる(隠れる)一(かくれない・かくれます・かくれて・かくれれば・かくれよう)
[1]〔人・ものガ 所・ものニ〕
 △かくれそうだ  かくれてみる  かくれてはいけない  かくれてもらう
  かくれるようにする  かくれさせる  かくれられる  かくれろ! かくれるな!
 △[少し/半分/ぜんぶ/ほとんど/大部分/うまく/さっと/すばやく]~。
 △[つくえの下/木のかげ/人の後ろ]に~。
 ・地震(じしん)の時はつくえの下に隠れなさい。
 ・きれいな月が雲(くも)のかげにかくれてしまった。
 ・ゆみ子ちゃん、おきゃくさんが見えたわよ。そんな所に隠れてないで出てきてごあいさつなさい。
[2]〔人・ものガ〕
 ・この子は隠れた才能(さいのう)がある、と言われてから30年。才能は隠れたままだ。
 ・隠れた人材(じんざい)をさがしだすのが、この試験(しけん)の目的(もくてき)です。
 ・ちょっと見ただけではわかりませんが、隠れた所にテレビカメラがとりつけてあるのです。
[3]〔人ガ 人・ものカラ/ニ〕
 ・この町のはずれに、往年(おうねん)の名女優(めいじょゆう)が世間(せけん)から隠れてひっそり
  と住んでいた。
 ・汚職(おしょく)の疑(うたが)いのある政治家(せいじか)がマスコミから隠れるように入院(にゅ
  ういん)してしまった。
  ・中学生のころ、親に隠れてエロ本を読んでいた。
 ・A:人に隠れて悪いことをするな。(=人に知られないように)
  B:じゃ、人の見ている所でやります。


かくす(隠す)五(かくさない・かくします・かくして・かくせば・かくそう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △かくしかける  かくしておく  かくしてはいけない  かくしたほうがいい
  かくさなければならない  かくさせる  かくされる  かくそうとする
  かくせ!  かくすな!  かくせない
 △[しっかり/うまく/上手に/わからないように/見つからないように]~。
 △[かお/名前/前/しり/宝石(ほうせき)/欠点(けってん)/秘密(ひみつ)]を~。
 ・お客さんがいるので子どもがはずかしがって顔(かお)を隠している。
 ・知っている事があるのなら、隠さないで、はやく言いなさい。
 ・この歌(うた)には、じつはもう一つの隠された意味があるのです。
 ・闇(やみ)の中に隠されていた史実(しじつ)があきらかににされた。
 ・女の人は年を隠したがるものだ。
 ・あの政治家(せいじか)は財産(ざいさん)を隠しているらしい。
 ・山にのぼった弟が五日たっても帰って来ないので、母は不安(ふあん)を隠しきれないようすだ。
[2]〔人ガ 所ニ ものヲ〕
 △[お金/おいしい物]を~。
 ・本箱に隠しておいたお金がなくなった。
 ・人に見られるといけない。その木のかげに姿(すがた)を隠しなさい。
 ・食器戸棚(しょっきとだな)に隠しておいたケーキをだれかに食べられてしまった。
 ・テストの時にノートを見ていた学生は、それを先生に見つかりそうになって、あわてて机の下に
  隠そうとした。
 ・このイヌは食べ物を土の中に隠しておいて、あとでゆっくり食べるつもりらしい。
[3]〔人ガ 人ニ/カラ ものヲ〕
 ・「あなた、私に何か隠していない?」私は妻のことばにドキッとした。
 ・家族(かぞく)は父に病名(びょうめい)を隠していたが、父はうすうす知っていたようだった。
 ・犯人(はんにん)は証拠品(しょうこひん)を警察(けいさつ)の目から隠すために、庭に埋(う)めて
  いたのだった。
[4]〔人ガ (人ニ) 文ヲ〕
 ・姉は結婚(けっこん)したことをまだ父に隠している。
 ・よそに子どもがいるを兄は奥さんに隠しているらしい。
 ・ここでわたしに会ったことは隠しておいてください。
 ・あなたはわたしに何か隠しているわね。
 ・A:アキラ、カメラをこわしたことを今まで隠していたな。
  B:ちがうよ、お父さん。隠そうとしたんじゃないよ。言いにくくて、つい...。

<複合動詞:かくし->
[かくしおおす] 人ガ ものヲ  
 ・A:どこまでも隠しおおせるつもりだったのか。
  B:いや、そんなつもりではなかった。
 ・悪い事をしておいて、いつまでも隠しおおせるものではない。
[かくしとおす] 人ガ ものヲ
 ・ひみつをさいごまで隠し通した。 (隠しきる)
 ・真実をいつまでも隠し通すことはできない。
   素性・真実・隠し場所・証拠
[かくしもつ]
 ・銀行強盗は隠し持ったナイフを行員に突きつけて、金を要求した。
 ・外交官は互いに隠し持つ意図をいかに探り合うかという技術を競っている。
      意図・感情・傷・嫉妬・羨望・憎悪・大金・札・へそくり・包丁を うちに
<複合動詞:-かくす>
[おおいかくす] 人ガ ものヲ
 ・小さな娘は、ジャムの付いた口を両手で覆い隠した。
 ・この重大な事実を覆い隠そうとする動きがあるようだ。
   顔・口・体・事実・危険・行き詰まり・罪・感情・秘密を 両手で
[おしかくす] 人ガ 人ものヲ   
 ・母を失った悲しみを押し隠して、兄も姉も母の残した店の仕事に励んでいた。
 ・相手の大きなミスに気付いたが、心の動きを押し隠し、素知らぬ顔で対戦を続けた。
   言いにくさ・憤り・悲しみ・感動・気持ち・恋しさ・興奮・心の動き・反感を
   内側に 必死に 不器用に
[つつみかくす] 人ガ ものヲ 
 ・包み隠さずに、やったことを話しなさい。隠すと、罪が重くなるぞ。
 ・製品に欠陥が見つかった場合、すべてを包み隠さずに公表することが必須だ。
      顔・胸・謎・矛盾を ~ずに語る・述べる・話す・事実を公表する


ひそむ(潜む)  五(ひそまない・ひそみます・ひそんで・ひそめば・ひそもう)
[1]〔人・ものガ 所ニ〕
 △ひそんでいそうだ  ひそんでいるかもしれない
 △[じっと/かくれて/だまって/音も立てず/かたまって]~。
  △[動物/敵兵(てきへい)/犯罪者(はんざいしゃ)/虫(むし)/バグ]が~。
  ・子どもとかくれんぼをした。どうやらソファーの陰(かげ)に潜んでいるらしい。
 ・小さな獣(けもの)が茂(しげ)みにじっと潜んでいる。
 ・ゴキブリが台所(だいどころ)のどこかにひそんでいると思うと怖(こわ)くなる。
 ・この森に潜んでいる敵(てき)を探し出さなければならない。
 ・プログラムに潜むバグを見つけ出すのが私の仕事だ。
 ・犯人(はんにん)たちは東京に潜んでいて、海外へ逃亡(とうぼう)しようとしているようだ。
 ・悪魔(あくま)が彼の心の中に潜んでいたことを、私たちは知らなかった。
  ・健康(けんこう)そうに見える体の中に、病魔(びょうま)が潜んでいるかもしれない。

<スル動詞>
[潜在(せんざい)する]  ものガ ものニ
 ・講義は、各自の胸に潜在する差別意識を暴き出すことから始める。
 ・工事の各段階に潜在する事故の危険性をどう回避するか。

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