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               ◇ 言語2 ◇

 [4] 知らせる・伝える

     知らせる  
     伝える 伝え合う 伝え聞く  伝わる
     告げる  報じる
     広まる 広める
     言付ける
          言い伝える 言い習わす 言い広める 言いふらす 言い渡す   語り伝える

         触れ回る 申し送る 申し渡す
             合図する 意見する 勧告する 警告する 公開する 抗議する 広告する
         公表する 声明する 説教する 宣告する 宣伝する 注意する 中継する
         通信する 通知する 伝言する 伝達する 投稿する 投書する 発信する
         発表する 布告する 報告する 放送する 報道する 予告する 予報する
         連絡する

 [5] 読む

      読む   読み上げる 読みあさる 読み誤る 読み合わせる 読み落とす 読み返す   
         読み替える 読み聞かせる 読み切る 読み下す 読み比べる 読みこなす
         読み込む 読みさす 読み過ごす 読み進む・進める 読み捨てる 読み出す
         読み違える 読み通す 読み解く 読み飛ばす 読みとる 読み直す 読み流す
         読み慣れる 読みふける 読み間違える  愛読する 立ち読みする 読書する
         黙読する 朗読する

 [6] 聞く・尋ねる・問う

      聞く   聞き飽きる 聞き誤る 聞き合わせる 聞き入れる 聞き置く 聞き落とす   
         聞き及ぶ 聞き返す 聞きかじる 聞き込む 聞き過ごす 聞き損なう
         聞きそびれる 聞き出す 聞き違える 聞きつける 聞き伝える 聞きとがめる
         聞き届ける 聞き取る 聞き直す 聞き流す 聞き逃す 聞き回る 聞き漏らす
         聞き忘れる  盗み聞く
      うかがう
      尋ねる  尋ね当てる 尋ね回る
      問う  問い合わせる 問い返す 問いかける 問いただす 問いつめる 
      質問する  質す

 [7] 答える

      答える  
      応じる 応じかねる    応答する 回答する 解答する 返事する 返答する 反応する

 [8] 黙る

      黙る  黙りこくる 黙り通す  沈黙する                                      



[4] 知らせる・伝える
  情報の伝達に関わる動詞。「人ガ 人ニ ものヲ」の文型をとる。その方法は、「言う・話す」ま
たは「書く」ことによる。「伝える」には情報の動きそのものを表す自動詞「伝わる」がある。
 類義のスル動詞が多く、社会的な伝達活動を表すものが多い。

◇しらせる
  「知らせる」は、ある事実、わかったことなどを言ったり書いたりして人が知るようにすること。
      人ガ 人ニ ものヲ しらせる
        参加者に集合場所を知らせる      人々に危険を知らせる
 名詞節・疑問節をとる。引用の「ト」「ヨウニ」の形をとる。
   人ガ 人ニ 文ヲ/文か(どうか)(ヲ)/文ト/文ヨウニ しらせる
    事故があったことを警察に知らせる   何人集まるか主催者に知らせる
    ここは危険だと知らせる      そこで待つように知らせる
◇つたえる
  「伝える」は、ある事柄を人に知らせること、特に別の人を通して知らせること。人から人へ繰り
返す場合も言う。
      人ガ 人ニ ものヲ つたえる
        会議の結果を欠席者に伝える   山田には田中に伝えてもらう
    代々伝えられた家訓
 名詞節・疑問節をとる。引用の「ト」「ヨウニ」の形をとる。
   人ガ 人ニ 文ヲ/文か(どうか)(ヲ)/文ト/文ヨウニ つたえる
    明日行くことを伝える   いつ行くか伝えておく
    今日はむりだと電話で伝える   必ず来るように伝えてくれ
・複合動詞
 「伝え合う」は、お互いに情報を相手に伝えること。
 「伝え聞く」は、昔からの言い伝えとして聞いていること。うわさで知ること。
 「語り伝える」は、そのことを世間の人々や次の世代の人に語ることで伝えていくこと。(語る)
 「言い伝える」は、次代の人、あるいは現在の多くの人に伝えること。伝言すること。(言う)
◇つたわる
  「伝わる」は、人を通して言葉が伝えられること。
      ものガ (人カラ 人ニ) つたわる
    デマが伝わる  祖先から伝わる昔話
◇つげる                                                       
 「告げる」は、ことばを使って自分の考えなどを相手に知らせること。ある現象や事柄が人に(何
か人に見えにくいものを)知らせること。やや書きことば。    
   人・ものガ 人ニ ものヲ つげる
        別れを告げる  木枯らしが冬の到来を告げる
◇ひろめる
  「広める」は、ある物事を広く知られるようにすること。
      人ガ 所・人ニ ものヲ ひろめる
    うわさ・仏の教えを 国中・人々に 広める
  複合動詞「言い広める」は、ある言葉・考えを多くの人が知るように広く伝えること。
◇ひろまる
  「広まる」は、ある物事が広く知られるようになること。
      ものガ (所ニ) ひろまる 
    うわさ・科学知識が 世の中に広まる
◇ほうじる
  「報じる」は、マスコミがニュースなどを知らせること。書きことば。「報ずる」の形もある。
      ものガ ものヲ ほうじる
    新聞が事故を詳しく報じる
◇ことづける
  「ことづける」は、人に頼んで、相手に伝言してもらうこと。
      人ガ 人ニ ものヲ ことづける
        社長の秘書に用事を言付ける

◇複合動詞
 「言い渡す」は、上の者が決定したことに従うように下の者に言うこと。     
 「言いふらす」は、(正しくないことや人の悪口などを)多くの人に言って広める。
 「言い習わす」は、世間で昔から習慣としてそう言ってきたこと。      
 「申し送る」は、あることを伝えること。特に、事務上の必要事項などを次の担当に伝えること。
 「申し渡す」は、「言い渡す」の荘重な言い方。                  
 「触れ回る」は、あちこちで多くの人に言って広めること。 
◇スル動詞:「知らせる・伝える」に近い意味のスル動詞は数が多い。 
 基本的な意味
 「伝言する」は、人に頼んで先方に用件を言ってもらうこと。
 「伝達する」は、命令や連絡事項などを相手に伝えること。
 「連絡する」は、関係者に情報などを伝えること。二つの地点をつなげること。交通機関が他に接
  続していること。 
 「通知する」は、必要なことを関係者に(公式に)知らせること。
 「報告する」は、命じられた仕事の経過や結果を関係者に知らせること。
 あらかじめ
 「予告する」は、これから起こること、することをあらかじめ知らせておくこと。
 「予報する」は、観測したデータなどに基づいて天気などを事前に予測し、知らせること。
 意見を出す
 「投書する」は、自分の意見・希望・苦情などを書いて、新聞・公共機関などに送ること。
 「投稿する」は、新聞・雑誌などに掲載してもらう目的で原稿を送ること。 
 相手の過ちなどに
 「注意する」は、悪い事態にならないように、相手に気を付けるように言うこと。
 「意見する」は、相手をたしなめるように自分の考えを言うこと。 
 「勧告する」は、ある行動や措置をとるように(公的な立場から)勧めること。 
 「警告する」は、よくない事態が起こらないように、前もって注意を与えること。
 「説教する」は、宗教の教えをわかりやすく説き聞かせること。堅苦しく小言を言うこと。 
 「抗議する」は、不当だと思う発言・行動・決定などに反対の意見や要求を強く主張すること。
 広く知らせる
 「発表する」は、ある事実や自分の考えを広く世間または関係者に知らせること。技能や作品を見
  せたり聞かせたりすること。
 「公表する」は、(当事者だけが知っていることを)広く世間に知らせること。 
 「公開する」は、広く一般に開放すること。入場・出席・閲覧・傍聴などができるようにすること。
 「声明する」は、自分の立場・考えをはっきりと人々に告げること。特に、政治・外交上の意見を
  発表すること。
 情報を出す
 「発信する」は、郵便・電信などさまざまな通信手段によって情報を送り出すこと。
 「通信する」は、郵便・電信・電話などで情報を伝達すること。 
 メディア
 「報道する」は、新聞・テレビなどのメディアが世の中の出来事を広く一般に知らせること。 
 「放送する」は、ラジオ・テレビまたは有線などで音声や映像による番組・連絡を送ること。
 「中継する」は、放送局が他の場所からの実況や他局からの放送を受け継いで放送すること。一般
  に、中間で受け継ぐこと。 
 商業活動として
 「宣伝する」は、それの存在・良さなどを広く知らせること。特に商品を売るための活動を言う。
 「広告する」は、広く一般に知らせること。特に、新聞雑誌・テレビなどの有料の媒体を使って商
  品・事業などを宣伝すること。
 公のことなど
 「布告する」は、国が決定した意思を国民や相手国に告げること。
 「宣告する」は、裁判官や医者などが重大な結論を決定的なものとして告げること。
 その他
 「合図する」は、お互いにわかる(前もって決めた)方法を使ってある意思を知らせること。
 「アピールする」は、人々や世論に主張を訴えること。スポーツで、審判に抗議すること。人の心
  をひきつけること。 


しらせる(知らせる) 一(しらせない・しらせます・しらせて・しらせれば・しらせよう)
[1]〔人ガ ものヲ 人ニ〕
 △しらせておく  しらせてある  しらせてほしい  しらせてもらう  しらせてはいけない
  しらせなければならない  しらせようと思う  
 △[はっきり/たしかに/正確(せいかく)に/きちんと/事前(じぜん)に/前もって]~。
 △[入学試験の結果(けっか)/卒業式の日時(にちじ)/先月うまれた子供の名前]を友人に~。
  [事件を警察(けいさつ)に/家族に安否(あんぴ)を/両親(りょうしん)に無事(ぶじ)を]~。
 ・留学生の現状(げんじょう)を広く社会に知らせる必要がある。
 ・父母に知らせずに(=れんらくしないで)こっそりと結婚した。
 ・この辞書にまちいがあったら、出版社まで(=に)はがきで知らせて下さい。
 ・これは人々に火事などの危険(きけん)を知らせるための非常(ひじょう)ベルです。
〔文ヲ〕
 ・荷物(にもつ)が無事(ぶじ)届(とど)いたことを母に知らせるのを忘れていたら、母から確認(か
  くにん)の電話が来た。
 ・あの人の病気がガンだということは本人には知らせないほうがいいでしょう。
〔文か(どうか)(ヲ)〕
 ・父は、送った金が無事に着いたかどうかを必ず手紙で知らせろと言った。
 ・向こうに着いたら、どこに泊まることに決めたか電話で知らせて下さい。
[2]〔人ガ 人ニ 文ト〕
 ・先月結婚したと国の両親に知らせたら、ひどく怒られた。
 ・いたずらを母親に見つけられたとき、わたしは弟に何も言うなと目で知らせた。


つたえる(伝える)一(つたえない・つたえます・つたえて・つたえれば・つたえよう) 
[1]〔人ガ (ものデ) 人・所ニ ものヲ〕
 △つたえたい  つたえにくい  つたえておく  つたえてある  つたえてはいけない
  つたえなくてはいけない  つたえようとする  つたえさせる  つたえられる
 △[少し/だいぶ/全部/くわしく/こまかく/正確(せいかく)に/まちがいなく]~。
  [だいたい/おおまかに/ざっと/いいかげんに/てきとうに/ていねいに/正しく]~。
 △[ニュース/事実(じじつ)/真実(しんじつ)/現状(げんじょう)/功績(こうせき)]を~。
  [文化(ぶんか)/伝統(でんとう)/慣習(かんしゅう)/歴史(れきし)]を~。
 ・自分の気持ちをことばだけで人に伝えるのはむずかしい。
 ・飛行機事故(ひこうきじこ)を伝える外電(がいでん)が入った。
 ・7時になりました。ニュースをお伝えします。
 ・P社がこの契約(けいやく)を打ち切るという意向(いこう)を伝えて来た。
 ・日本語がまだへたなので、ときどき自分の気持ちがうまく伝えられないことがある。
 ・すぐれた文化(ぶんか)や伝統(でんとう)はのちの世(よ)の人によく伝えるべきだ。
 ・地方に伝えられている歌やおどりなどの伝統文化を大切に保存しなくてはいけない。
 ・テレビの伝えるところによれば、メキシコで大きな地震(じしん)があったらしい。
〔文ヲ〕
 ・実験(じっけん)に失敗(しっぱい)したことを部長に伝えなければならない。
〔文か(ヲ)〕
 ・テストを何時からはじめるか(を)学生に伝えるのをわすれてしまった。
[2]〔人カラ 人ヘ/ニ ものヲ〕
 △[技術(ぎじゅつ)/伝統(でんとう)/むかしばなし/メッセージ]を~。
 ・この道具(どうぐ)を作る技術(ぎじゅつ)は父から子へ伝えられて行く。
 ・あなたからご家族(かぞく)のみなさんによろしくお伝えいただけますか。
 ・チョモランマ登頂成功(とうちょうせいこう)のニュースが外国の通信社(つうしんしゃ)から日本
  へ伝えられた。
[3]〔人ガ 人ニ 文ト/ヨウニ〕
 ・次の会は2月20日に行うとみんなに伝えてください。
 ・中山君にあしたかならず来るように伝えておいてね。
[4]〔ものガ ものヲ〕                                   
 △[熱(ねつ)/電気(でんき)/振動(しんどう)]を~。
  [情報(じょうほう)/信号(しんごう)]を ~。
 ・こんなに細いケーブルがそんなにたくさんの情報(じょうほう)を伝えるなんて、考えられない。
 ・鉄(てつ)や金などの金属(きんぞく)は熱をよく伝えます。
 ・家の中が夏すずしく、冬あたたかいように、熱を伝えにくい物で家をつつみます。これを断熱材
  (だんねつざい)といいます。
 ・銅(どう)は電気を伝えやすいので、電線に使われます。

<複合動詞:つたえ->
[つたえあう] 人ガ 人ト ものヲ 
 ・人の気持ちやニュースを伝え合うためにことばはとても大事なものです。
 ・喜びや悲しみを伝えあうことができる友人がいたので、私はここまで生きてこられた。
[つたえきく] 人ガ 人カラ ものヲ 
 ・伝え聞くところによると、君は青森出身だそうだね。

つたわる(伝わる) 五(つたわらない・つたわります・つたわって・つたわれば) 
[1]〔ものガ (所カラ) 人・所ヘ/ニ〕
 △つたわりにくい  つたわりやすい  つたわりそうだ  つたわってほしい
  つたわってしまう  つたわってはいけない  つたわらないようにする
 △[少し/よく/うまく/正確(せいかく)に/順調(じゅんちょう)に/確実(かくじつ)に]~。
  [ぜんぜん/まったく/何も/ちっとも/あまり]つたわらない
 △[うわさ/ニュース/しらせ]が~。
 ・その知らせが山田くんのところへ伝わったのは三日後(ご)だった。
 ・村(むら)に大きな工場ができるらしいという噂(うわさ)が伝わって来た。
 ・この手紙を読むと、あの人の心のやさしさがよく伝わって来る。
 ・このエッセイを読むと、はじめて宇宙(うちゅう)から地球(ちきゅう)を見た時の感動(かんどう)
  がじかに肌(はだ)に伝わって来る。
 ・その場(ば)の興奮(こうふん)が伝わって来ます。
〔文ガ〕
 ・A:あしたのクラスが10時からになったということはみんなに伝わっていますか。
  B:はい、伝えてあります。
〔文か(ガ)〕
 ・何時から試合(しあい)をはじめるか(が)選手(せんしゅ)によく伝わっていなかったらしい。おく
  れた人が多い。
[2]〔ものガ ものヲ〕
 △[熱(ねつ)/電気(でんき)/振動(しんどう)/情報(じょうほう)]を~。
 ・寒い。外の寒さがまどガラスを伝わって部屋の中に入って来るような気がする。
 ・指(ゆび)や目からの信号(しんごう)は神経(しんけい)を伝わって脳(のう)にとどく。
 ・電流(でんりゅう)は導線(どうせん)を伝わって流れる。
[3]〔所ニ ものガ〕
 △[むかしばなし/伝説(でんせつ)/おどり技術(ぎじゅつ]が~。
 ・この地方(ちほう)に伝わっている昔話(むかしばなし)には鳥(とり)が出て来るものが多い。
 ・私は今、ほうぼうの村(むら)に伝わる(=村で伝えられている)伝説(でんせつ)をあつめています。


つげる(告げる)  一(つげない・つげます・つげて・つげれば・つげよう)
[1]〔人ガ 人・ものニ ものヲ〕
 △つげたい  つげておく  つげてはいけない  つげなければならない  つげられる
  つげようとする  つげろ!  つげるな!
 △[こっそり/はっきり/明確(めいかく)に/詳細(しょうさい)に/遠回(とおまわ)しに]~。
  △[別れ/交代(こうたい)/意向(いこう)/来意(らいい)/大事なこと]を~。
  人・ものガ 人・ものニ (ものデ) ものヲ 告げる
 ・監督(かんとく)が主審(しゅしん)に選手の交代を告げた。
 ・米大統領(べいだいとうりょう)が外務省(がいむしょう)に親書(しんしょ)で訪日(ほうにち)の意
  向を告げた。
 ・天使(てんし)がマリアに何かを告げた。
〔文ヲ〕
 ・宴会(えんかい)の席(せき)で、部長から遠回しにクビだということを告げられた。
[2]〔ものガ 人・所ニ ものヲ〕
  △[ラジオの時報(じほう)/渡り鳥(わたりどり)/梅(うめ)の花/初雪(はつゆき)]が~。
 ・チャイムの音が来館者(らいかんしゃ)に閉館(へいかん)の時刻(じこく)を告げている。
 ・春一番(はるいちばん)が人々に春の訪(おとずれ)れを告げた。
[3]〔人ガ 人・ものニ 文ト〕
 ・彼女は夫に「お父様(とうさま)がお見えです」と告げた。
 ・社長はその社員に電話で「明日から会社に来なくていい]と告げた。


ほうじる(報じる)  一(ほうじない・ほうじます・ほうじて・ほうじれば・ほうじよう)
[1]〔ものガ ものヲ〕
 △ほうじてほしい  ほうじてはいけない  ほうじなければならない  ほうじさせる
  ほうじられる    ほうじろ!  ほうじるな!
 △[大々的(だいだいてき)に/一般(いっぱん)に/広く/詳しく/詳細(しょうさい)に]~。
  △[事件(じけん)/事故(じこ)/状況(じょうきょう)/犯人逮捕(はんにんたいほ)]を~。
  ・このニュースをすべてのマスコミが大々的に報じ、町はその話題(わだい)であふれた。
 ・一部の週刊誌(しゅうかんし)が少年の名前を実名(じつめい)で報じたことが問題になった。
  ・メディアはいっせいに犯人の逮捕をトップニュースで報じた。
  ・すでに新聞でも報じられているように、天皇(てんのう)が来年訪米(ほうべい)することになった。
  ・人気女優(にんきじょゆう)の不慮(ふりょ)の死が報じられ、ファンはその若すぎる死を惜しんだ。


ひろめる(広める)  一(ひろめない・ひろめます・ひろめて・ひろめれば・ひろめよう)
[1]〔人ガ 所・人ニ ものヲ〕
 △ひろめたい  ひろめてほしい  ひろめてはいけない  ひろめなければならない
  ひろめようとする  ひろめさせる  ひろめろ!  ひろめるな!
 △[大きく/遠くまで/大々的(だいだいてき)に/すみずみまで/わざと/意図(いと)的に]~。
  △[世間/世の中/市民/仲間(なかま)/友だちの間/町/世界/日本中/全国/学校]に~。
  [このこと/ニュース/うわさ/デマ/事件の詳細(しょうさい)/この病気に対する理解(りか
   い)/正確(せいしき)な認識(にんしき)/仏(ほとけ)の教え]を~。
  ・知り合いに、できるだけ多くの人に、この情報(じょうほう)を広めてほしい。
 ・市民の間にデマを広めようとしている連中(れんちゅう)がいる。
 ・彼は、回りの人間に対して自分の影響力(えいきょうりょく)を広めたい、ということだけを考え
  て行動しているように見える。
 ・放射能(ほうしゃのう)に関する正確な認識を広めることが必要だ。
 ・仏の教えを広めるため、日本中を歩いて仏像(ぶつぞう)を作って回った。


ひろまる(広まる)  五(ひろまらない・ひろまります・ひろまって・ひろまれば)
[1]〔ものガ (所ニ)〕
 △ひろまりそうだ  ひろまってはこまる  ひろまらないようにする  ひろまられる
 △[自然に/すぐに/じわじわと/たちまち/ぱっと/急速(きゅうそく)に]~。
  △[うわさ/ニュース/デマ/憶測(おくそく)/評判(ひょうばん)/知識(ちしき)]が~。
  ・新しいファッションはあっという間に全国に広まった。
 ・デマはぱっと広まる。それを訂正(ていせい)するのには長い時間がかかる。
 ・人々のうわさは形が残らないし、週刊誌(しゅうかんし)の記事(きじ)もしばらくすれば紙ゴミに
  なってしまうが、一度インターネットで広まってしまった誤報(ごほう)は、なかなか消すことが
  できない。
 ・日本は、教育制度(きょういくせいど)が十分整(ととの)った国であるとは言えるのだが、科学知
  識(ちしき)が国民の間に十分広まっているとは言えない。特に政治家(せいじか)の間で。
 ・朝にコーヒーを飲むという習慣(しゅうかん)が広まったのは、いつ頃のことだろうか。
 ・国民の間に政治を変えたいという意識(いしき)が広まり、それが選挙(せんきょ)の結果に表れた。
 ・安易(あんい)な解説(かいせつ)が好まれ、正しい認識(にんしき)はなかなか広まらないものだ。


ことづける(言付ける)  一(ことづけない・ことづけます・ことづけて・ことづければ・こと
  づけよう)
[1]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △ことづけておく  ことづけないといけない  ことづけようとする  ことづけられる
 △[気軽(きがる)に/細(こま)かく/何度も/時々/ついでに]~。
  △[伝言(でんごん)/手紙/お祝(いわ)い/用事/荷物(にもつ)/書類(しょるい)]を~。
  ・パーティに出られないので、彼女へのお祝いの言葉を友人にことづけた。
 ・明日の会議の予定を会長の秘書(ひしょ)に言付けておいた。   
  ・庶務課長(しょむかちょう)に電話したが、出かけていたので係長に用事をことづけた。 
 
<複合動詞>
[いいつたえる] 人ガ 人ニ ものヲ/文ト
 ・この村に長く言い伝えられている伝説がある。
 ・今回の災害と、それに対する人々の戦いは、末永く言い伝えられるべきものだ。
[いいならわす] 人ガ 文ト 
 ・この地方では昔から、正月に仕事をしてはいけないと言いならわして来たそうです。
      古くから~と言い習わしてきた 「暑さ寒さも彼岸まで」と
[いいひろめる] 人ガ 人ニ ものヲ
 ・戦争が起こるといううわさを世間に言い広めて、人々の不安をかき立てようとしたスパイが捕ま
  った。
 ・ありもしないことを社会に言い広めようとして本を書く「予言者」が時々いる。
      社会に 世間に みんなに
[いいふらす] 人ガ 人ニ ものヲ/文ト
 ・だれかが、うちのみせではりょうりに犬の肉をつかっていると言いふらしているらしい。どうし
  て分かったんだろう。
 ・この事をみんなに言いふらしてやる。
      一件を 嘘八百を 悪口を あちこちで 大げさに 世間・他人に
   誰彼かまわず べらべらと ありもしないことを 針小棒大に
[いいわたす] 人ガ 人ニ ものヲ/文ト 
 ・校長はその学生に三日間の停学を言いわたした。
 ・裁判長は被告に四年の刑を言い渡した。
      解雇・解散・刑・死刑・実刑・処罰・退職・破門・罷免・無罪判決を

[かたりつたえる]  人ガ 人ニ ものヲ
 ・昔、どのような暮らしがあったのかを、人々は民話という形で語り伝えたのだ。
 ・先祖の英雄の話が語り伝えられているが、その多くは伝説に過ぎない。
      教え・思い・話・物語を 面白おかしく 失われた人々の暮らしを ~られる
[ふれまわる] 人ガ ものヲ
 ・あの人は、でたらめなうわさを触れ回って楽しむ、まったく迷惑な人だ。
 ・そんな恥ずかしい話を近所に触れ回られたら、外を歩けなくなっちゃうよ。
 ・世間にあることないこと触れ回って、それで金を得る連中がマスコミにいる。
      近所・世間・親類中に 腹いせに あることないこと
[もうしおくる] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・この間の事情は、各企業の担当者に申し送ってあります。
 ・詳しい経緯は、次回の受付の者に正確に申し送りますので、引き続きご相談ください。
      懸案事項・事件を 口頭で 文書で
[もうしわたす] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・では、これから処分を申し渡す。
 ・会社に大きな損失を与えたため、解雇を申し渡された。
      解散・帰休・禁止・決定・絶縁・別居・離縁・切腹・一部変更を 厳しく

<スル動詞>
[合図(あいず)する] 
 〔人ガ 人ニ〕
  ・外の人にわからないように彼女に合図(を)して二人で会場の外に出た。
 〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 ・係りの者に開始を合図した。 (=開始の合図をした)
 〔人ガ 人ニ 文ヲ/ヨウニ/ト〕
 ・進行係に終了の時間になったことを合図した。
 ・どこでスイッチを切ったらいいか、合図してください。
  ・司会者にそろそろ会を始めるようにあいず(を)した。
  ・運転手に「止まれ」と合図(を)したが、車は止まらずに行ってしまった。
  [~の合図をする]
  ・隊員に出発の合図をする (「出発を合図する」よりも一般的)
[意見(いけん)する]  人ガ 人ニ (文ト/ヨウニ)
 ・若い人に意見(を)するほどの年ではないが、いろいろ言いたいこともある。
 ・事情を知らない親にあれこれ意見(を)されると、かえって反抗したくなる。
 ・息子に自分の意見をしっかり持てと意見した。
 ・新人にもっと周囲に気を配るように意見した。
[勧告(かんこく)する]  人ガ 人ニ ものヲ/文ヨウニ
 ・協会は違反をした選手に一年間の出場停止を勧告した。
 ・委員長を辞任するよう勧告されたが、私はあくまでも戦う。
[警告(けいこく)する]  人ガ 人ニ ものヲ
 ・せっかく私が危険を警告してあげたのに、あなたはそれを無視した。
 〔人ガ 人ニ 文ト〕
 ・テロリストは人質に反抗すれば殺すと警告(を)した。 
 ・外務省は、この地域を旅行しないように警告(を)している。
[公開(こうかい)する]  人ガ(人ニ)ものヲ
 ・委員会の議事録を公開した。 
  ・戦前の秘密文書が一般市民に公開された。
 [~の公開をする]
  ・この問題に関係する情報の公開をすべきだ。
[抗議(こうぎ)する]  人ガ 人・ものニ
  ・市民はバス代の値上げに抗議(を)した。
  ・学生は教授(のやり方)に抗議(を)している。
[広告(こうこく)する]  人ガ ものヲ      人ニ
  ・新しい商品を新聞で広告する。
 [~の広告をする]
  ・自分の作品の広告をするのはちょっと恥ずかしい。
[公表(こうひょう)する]  人ガ 人ニ ものヲ
 ・公表されている統計によれば以上の通りだが、この統計の数字は少々あやしい。
 ・政府はその事故の原因を公表しようとしなかった。
 ・企業が隠していた事実をやっと公表した。
[声明(せいめい)する]  人ガ ものヲ
 ・前首相は政界からの引退を声明したはずだが、いっこうにやめる気配がない。
 ・我が社はグループからの脱退を声明し、独自路線を歩むこととなった。
[説教(せっきょう)する]  人ガ 人ニ
 ・今、神父が説教(を)しているところです。どうぞお入り下さい。
 ・校長室のガラスを割って、さんざん説教(を)された。
[宣告(せんこく)する]  人ガ 人ニ ものヲ
 ・裁判所は被告に対して死刑を宣告した。
 ・私の命はあと5か月だと宣告された。
 [~の宣告をする]
  ・死刑の宣告がされたとき、被告はうつむいたままだった。
[宣伝(せんでん)する]  人ガ 人ニ ものヲ
 ・テレビCMで視聴者に毎日新製品を宣伝し続けている。
  ・「前代未聞の新発明!」などと宣伝しているが、本当かなあ。
 ・いろいろ新しい商品を宣伝されると、つい買いたくなってしまう。 
 [~の宣伝をする]
  ・美人が化粧品の宣伝をしているが、誰もがああなれるわけではない。
[注意(ちゅうい)する]  人ガ 人ニ (文ト)
 ・図書館で騒いでいる子どもがいたので注意した。
 ・「静かにしなさい」と学生に注意した。
 〔人ガ ものニ〕
  ・外を歩くときは、車に注意しましょう。
 〔人ガ 文ヨウニ〕
 ・字を間違えないように注意して、宛名を書いた。
[中継(ちゅうけい)する]  人ガ ものヲ
 ・フランスでのテニスの試合を中継している。
 [~の中継をする]
  ・今、テレビで国会の中継をしている。議員が居眠りをしているのが見える。
[通信(つうしん)する]  人ガ ものヲ 所ニ
  ・重要な情報を毎日世界に向けて通信している。
 ・警戒の解除を各地の基地に通信した。 
〔人ガ (人ニ/ト) ものヲ〕   ?
 ・本部に現地の状況を通信していた特派員が、突然行方不明となった。
 ・ここから全国80か所の基地と通信できます。
[通知(つうち)する]  人ガ 人ニ ものヲ
  ・会員に総会の日時を通知した。
 ・これからはすべてEメールで通知することにしたいと思います。
 [~の通知をする]
  ・来週の委員会について、時間変更の通知をした。
 〔人ガ 人ニ 文ヲ/ト〕
 ・出発を延期することをマスコミに通知した。
 ・会長を辞任したいと関係者に通知した。
[伝言(でんごん)する]  人ガ 人ニ ものヲ
  ・田中さんにもこのことを伝言しておいてください。
 ・大川さんが言ったことを小山さんに伝言したが、何か間違ったような気がする。
[伝達(でんたつ)する]  人ガ 人ニ ものヲ
 ・組織の末端まで、正確に情報が伝達されていなければならない。
 ・指令を伝達する係りの者の不注意によって、大きな混乱が引き起こされた。
[投稿(とうこう)する]  人ガ ものニ ものヲ
  ・新聞に自分の考えを投稿したが、のらなかった。
 ・最近は雑誌に作品を投稿するのが生きがいになってきた。
[投書(とうしょ)する]  人ガ ものニ ものヲ
 ・母は自分の意見を新聞に投書するのが趣味だ。
  ・雑誌の読者欄に何度も投書したが、なかなか採用されない。
 〔人ガ ものニ 文ト〕
 ・新聞にもっと明るいニュースを多く載せてほしいと投書した。
[発信(はっしん)する]  人ガ 人ニ ものヲ
 ・遭難した船が救助を求める信号を発信していた。
 ・これからも多くの人に私からのメッセージを発信していきたい。
 [~の発信をする]
  ・新しい情報の発信をする基地として、この事務所を育てていきたい。
[発表(はっぴょう)する]  人ガ 人・ものニ ものヲ
 ・政府は新しい政策を発表した。
 ・作家が久しぶりの小説を雑誌に発表した。
    新聞に 世の中・世間に  学会で インターネットで
 〔文ヲ〕
 ・会社は新製品を発売することを発表した。
 ・噂の二人が婚約したことをマスコミに発表した。
[布告(ふこく)する]  人ガ ものヲ
 ・敵国に宣戦を布告し、それから戦端を開く、というのが戦争の一つのルールだった。
 ・軍事政権が首都周辺に戒厳令を布告した。

[報告(ほうこく)する]  人ガ 人ニ ものヲ
  ・製品検査の結果を上司に報告した。
 ・調査員は本部に現地の状況を報告しに行った。
 [~の報告をする]
  ・得られたデータの報告をした。
 〔文ヲ〕
 ・大使は、現地で多くの証言を得たことを大統領に報告した。
[放送(ほうそう)する]  人ガ ものヲ       
 ・どの放送局でもオリンピックを放送していた。
 ・このニュースは二ヶ国語で放送されている。
 [~の放送をする]
  ・今日は特集番組の放送をするらしい。
[報道(ほうどう)する]  人ガ 人ニ ものヲ
  ・事件の真相を報道したい。
 ・国民に真実を報道することが我々新聞記者の仕事だ。
 [~の報道をする]
  ・企業犯罪の報道をしたいと思って放送局に入社した。
[予告(よこく)する]  人ガ ものヲ
 ・泥棒が盗みを予告し、それを名探偵が捕まえようとする小説があるが、現実にはそんな泥棒はい
  ないだろう。
 ・予告しないで突然テストをやるのを「抜き打ちテスト」と言い、それが好きな先生は生徒から嫌
  われた。
   雨・開花・出席・増減・破滅・来訪を
 [~の予告をする]
  ・次週の番組の予告をしている。
[予報(よほう)する]  人ガ ものヲ
 ・明日の天気を正確に予報するのは、いまだに難しいようだが、それに比べ、日食の日時などは正
  確に予報できるようだ。
 ・現在の科学では地震の可能性を事前に予報することはできない。
[連絡(れんらく)する]  人ガ 人ニ ものヲ
 ・ハイキングの参加者に集合の時間と場所を連絡しないといけない。
  ・生徒たちに大掃除のことを連絡しておいてください。
 [~の連絡をする]
  ・委員に日程変更の連絡をしなければならない。
 〔人ガ 人ニ 文ヲ/ト/ヨウニ〕
 ・修理屋に早く来てほしいと連絡した。
 ・スタッフに明日は早く来るように連絡した。
 ・明日の野球は中止になったことをみんなに連絡した。

[5]読む

◇よむ
  「読む」は、文字を見てその音を声に出す、文章を声に出していうこと。文章などを見て意味を理
解すること。ひゆ的に、人の気持ちや物事の将来の動きなどを推測すること。
   人ガ ものヲ よむ
        漢字を読む  詩・小説・グラフ・表を 読む  人の心・今後の展開を 読む
 字の読み方をト格で示す。
   人ガ ものヲ ものト よむ
    「山」は、訓読みで「やま」、音読みで「サン」と読む
 情報源をデ格で示し、読んだ内容を名詞節で表す。
    有名な作家が亡くなったことを新聞で読んだ
 「ト」の引用節は推測の意味でよく使われる。
   人ガ 文ト よむ
    敵は右から来る(だろう)と読んだ
・複合動詞:「よみ-」の形が非常に多い。いくつかに分けてまとめる。  
 全体か一部か
 「読み上げる」は、大きな声を出して読むこと。長い文章を終わりまで読むこと。
 「読み終える」は、全部読んでしまうこと。 
 「読み切る」は、(長い)文章を最後まで読むこと。比ゆ的に、状況の展開を最後まで見通すこと。
 「読み進む・進める」は、止まらずに先を読んでいくこと。
 「読みさす」は、途中まで読んでやめること。    
 もう一度読む
 「読み返す」は、内容や間違いの有無を確かめるため、もう一度読むこと。
 「読み直す」は、もう一度(より注意深く)読むこと。    
 「読み替える」は、その漢字を別の読み方で読むこと。法律の条文の語句を他の語句に置き換えて
  読むこと。
 しっかり読む
 「読みこなす」は、(難しい)文章を読んで内容を完全に理解すること。
 「読みとる」は、読んで内容を理解すること。比ゆ的に、外面的なことから内面を推測して理解す
  ること。コンピュータが外の情報を取り入れること。
 「読み込む」は、繰り返し読んで深く理解すること。コンピュータがデータやソフトを内部に取り
  入れること。
 「読み解く」は、難解な文章や暗号を正しく読むこと。
 「読み比べる」は、二つ以上の文章を読んで比べること。
 「読み合わせる」は、二つの同じはずのものの一つを一人が読み、一人が別のものを見ながら違い
  がないか確かめること。
 「読みふける」は、他のことを忘れ、夢中になって読むこと。 
 「読み慣れる」は、何度も読んで慣れていること。
 軽く、たくさん読む
 「読み下す」は、文章を始めから終りまで(ざっと)読む。漢文を日本語の語順に直して読むこと。
 「読み流す」は、細かい点に注意せず、ざっと読むこと。流れるようにすらすらと読むこと。
 「読み飛ばす」は、ある部分を抜かして読むこと。急いで多量に読むこと。
 「読みあさる」は、関連するものを探して、片端から読むこと。
 「読み捨てる」は、読んで(重要とは考えず)捨ててしまうこと。
 間違って読む
 「読み誤る」は、字や内容を、間違って読んでしまうこと。
 「読み落とす」は、不注意で、ある部分を読まずにすぎてしまうこと。
 「読み過ごす」は、全体は読んでも、その部分の重要さに気付かないこと。または飛ばしたこと。
 「読み違える・読み間違える」は、間違って読むこと。比ゆ的に、物事の展開の推測を誤ること。
 その他
 「読み出す」は、読み始めること。コンピュータの記憶装置のデータを取り出すこと。 
 「読み聞かせる」は、読んで人に聞かせること。
・スル動詞
 「愛読する」は、ある文章・本が好きで、くり返し読むこと。
 「立ち読みする」は、本屋でその本を買わずに(本棚の前で立ったまま)読むこと。
 「読書する」は、本を読むこと。
 「黙読する」は、声に出さないで(目で)静かに読むこと。
 「朗読する」は、人に聞かせるため声に出して(上手に)読むこと。 


よむ(読む・詠む) 五(よまない・よみます・よんで・よめば・よもう) 
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △よみたい  よみはじめる  よみつづける  よんでみたい  よんでおく
  よみながら  よんではいけない  よむべきだ  よめない  よもうと思う
  よまざるをえない  子どもによませる  先生によませられる
  よめば頭がよくなる本  よめばよむほど  よめ!  よむな!
 △[じっくり/ゆっくり/のんびり/急いで/ざっと/ひまつぶしに]~。
  [少し/少しずつ/一気(いっき)に/一度に/まとめて/何回かに分けて]~。
 △[本/新聞(しんぶん)/雑誌(ざっし)/手紙(てがみ)/詩(し)/文学]を~。
  [ベストセラー/話題(わだい)の本/人気の小説(しょうせつ)]を~。
  [器械(きかい)の目盛(めも)り/統計(とうけい)のグラフ/経済データ]を~。
  [相手(あいて)の心/気持ち/票(ひょう)/先行(さきゆ)き/時代]を~。
 ・父は食堂(しょくどう)で新聞を読んでいます。
 ・授業中(じゅぎょうちゅう)に手紙を読まないでください。
 ・読もうと思って本を買うのだけれど、家にかえると読む気がなくなってしまう。
 ・この手紙を読めば、なぜあの人があんなことをしたのか分かります。
 ・ぼんやり読んでいたので、その言葉に気がつかなかった。
 ・学生たちはグラフや表の読み方を学校で習ってこなかったらしい。
 ・票を読んでみたが、勝(か)てそうにないので、選挙(せんきょ)に出るのをやめた。
 ・試合(しあい)では、あいての心を読むことも大切です。
〔文ヲ〕
 ・列車事故(れっしゃじこ)があったことを新聞で読んだ。
[2]〔(人ガ) ものヲ ものト〕
 ・「幸子」という女の子の名前は、「ゆきこ」とも「さちこ」とも読みます。
 ・彼は「未曾有(みぞう)」を「みぞゆう」とまちがって読んだ。
[3]〔人ガ 文ト〕
  ・縄文(じょうもん)時代は戦争などなかったと考古(こうこ)学の本で読んだが、本当だろうか。
 ・これからの時代はますます女性が力を得ていくだろうと読んでいる。
 ・相手は右からは攻(せ)めてこない、と読んでそこの防御(ぼうぎょ)は手を抜いた。

<複合動詞:よみ->   
[よみあげる] 人ガ ものヲ 
 ・いまから名前を読みあげますから、呼ばれた人は前に出てください。
 ・若い男女が誓いの言葉を読み上げた。
   聖書・祝電・決議文・誓いの言葉・テキスト・名前・メモ・リストを
[よみあさる] 人ガ ものヲ
 ・若い時は文学書を読みあさっていたが、勤めるようになって社会の問題に関心が向いた。
 ・最近は新しい本は興味が薄れ、もっぱら古典を読みあさっています。
   書物・文学書・古典・本を あてどなく くまなく 暇に任せて
[よみあやまる] 人ガ ものヲ
 ・漢字を読み誤って評判を落とした総理大臣がいたなあ、なんて名前だっけ。あさふ?
 ・彼らはストは回避すべきだというのだが、状況を読み誤っていると思う。
   漢字・原稿・状況・情勢・潮目の変化を
[よみあわせる] 人ガ ものヲ ものト      
 ・この本とあの本を読み合わせてみると、いろいろおもしろいことが分かる。
 ・印刷のエラーを見つけるために、原稿と印刷した物とを読み合わせてみましょう。
   原稿とゲラを 伝票と商品を 覚え書きを
[よみおとす] 人ガ ものヲ
 ・大事な一節を読み落としていたようだ。ここに重要な記述があるのに気付かなかった。
 ・この分析は重要なデータを読み落としている。正確に読めばこうは言えないはずだ。
   データ・文字・単語・原稿の一部・個人情報を  
[よみかえす] 人ガ ものヲ 
 ・この小説は何度読み返しても、面白い。
 ・スピーチの原稿を何度も読み返し、暗記するまで練習した。
   同じページ・書類・資料・新聞・注意書き・手紙・ノート・文章を 何度も
[よみかえる] 人ガ ものヲ ものニ
 ・来月から、この法律の「市長」を「市町村長」に読みかえることになりました。
 ・「昨日」は普通「きのう」と読みますが、硬い文章の中では「さくじつ」と読み替えてください。
[よみきかせる] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・子供が小さいころ、寝る前によく絵本を読み聞かせた。
 ・警察で自分が犯した罪状に関する法律を読み聞かせられた。
      絵本・本・法令を
[よみきる] 人ガ ものヲ
 ・夏休みの一週間で文庫本十冊の長編小説を読み切った。
 ・相手の作戦をすべて読み切り、それに対処して反撃したので危なげなく勝ち切った。
   あらゆる変化を 長編を ラインを 寄せ・詰めを
[よみくだす] 人ガ ものヲ 
 ・中国の古典漢文を日本語として読み下したものを高校でたくさん読まされた。
 ・裁判官が判決文を読み下す間、被告の表情の変化をずっと見ていた。
      漢文・最初の行・条文・判決文・文句を 
 
[よみくらべる] 人ガ ものヲ ものト
 ・違う新聞の同じ事件に関する記事を読み比べると、いろいろ違いがわかる。
 ・私の新訳を昔の人の訳と読み比べてみてください。作品の印象がぜんぜん違うでしょう?
      記事・作品・二つを
[よみこなす] 人ガ ものヲ 
 ・もう4年もロシア語を勉強していますが、まだ、専門の本を読みこなすことはできません。
 ・英語で書かれた論文を自由に読みこなすようにならないと、この分野の研究はできない。
   外国語・原作・原書・難解な論文を 自由に 巧みに 
[よみこむ] 人ガ ものヲ ものカラ
 ・このコンピュータはデータをディスクから読みこむのに少し時間がかかります。
 ・この小説は、深く読み込んでいくと隠された思想が浮かび上がってくるから面白い。
   テキスト・論文・悪意・意図・含意・思想・データ・名前を
[よみさす] 人ガ ものヲ 
 ・田中さんが読みさした本がひらいたまま、つくえの上においてある。あの人がころされたなんて、
  まだ信じられない。
 ・読みさした本をカバンに入れて図書館を出ようとしたら、器械のブザーが鳴った。いけない、貸
  し出し手続きをするのを忘れていた。
[よみすごす] 人ガ ものヲ
 ・今朝、新聞を読んだはずだが、大事な記事を読み過ごしてしまったらしい。職場ではその話で持
  ちきりだ。
 ・推理小説を読むときは、あちこちに張られている伏線を読み過ごさないようにしないと、推理の
  面白さがわからない。
   大事な記事を 普通に 何気なく 気にもとめずに
[よみすすむ・よみすすめる] 人ガ ものヲ
 ・江戸時代の武士の日記を読んでいる。初めは退屈だが、読み進んでいくと、その頃の生活の様子
  が目に浮かぶようで興味深い。
 ・英語の小説を毎日少しずつ読み進めている。忘れてしまった単語を思い出すのによい。
 ・学生たちとゼミで古典を読むことにした。一年間、じっくり読み進めて行くつもりだ。
   小説・説明書・手紙・日記・ページ・言葉・一話一話を 記事・作品・小説・論文を
[よみすてる] 人ガ ものヲ
 ・週刊誌は読み捨てるためのもので、じっくり読む価値はない。 
 ・電車の網棚には読み捨てられた新聞がのっている。これを読むのが暇つぶしにいい。
[よみだす] 人ガ ものヲ ものカラ
 ・ディスクをいつもまわしておいて、必要があれば、そこからデータを読み出すというふうになっ
  ています。
 ・新刊の小説の最初の数行を読み出したところで、隣の馬鹿な客がこぼしたコーヒーがたっぷりそ
  のページに飛び散った。何ということだ。弁償しろ! 
   小説・最初の数行を データ・ファイルを これから
[よみちがえる] 人ガ ものヲ
 ・一つの単語を読み違えると、まったく文章の意味が変わってしまうことがある。
 ・どうも流れを読み違えたようだ。今は相手側のほうが世論を味方にしている。
[よみとおす] 人ガ ものヲ
 ・一人の作家の全集を読み通すと、何とも言えない満足感がある。
 ・寝る前に分厚い小説を読み始めてしまい、朝までかかって読み通した。
     全集を 長編小説を 一睡もしないで 根気よく
[よみとく] 人ガ ものヲ 
 ・あの人の原稿読みとくのはむずかしい。
 ・難解な、しかし論理的な文章をじっくりと読み解いていくのは、知的な探検だ。
    暗号・情報・資料・データ・難解な文章を 論理的に
[よみとばす] 人ガ ものヲ
 ・大量の資料を読む場合は、不要な個所をうまく読み飛ばす技術も必要だ。
 ・ちょっと待って。今、一行読み飛ばさなかった? 正確に読んで。
      記事・原稿・原稿の一部分・不要な個所を 一行 さっと
[よみとる] 人ガ ものヲ ものカラ
 ・父の表情から父の気持ちを読みとることができた。
 ・すぐれたセースルマンは、話をしながらお客がどう思っているか読みとってしまう。
      字・文字・番号・数字・記号・バーコードを 意図・甘え・意味・イメージ・意欲・考え・
   感情・関心の深さ・気持・胸中・結論・心・言葉の裏・情報・大意・表情・不満・変化・本心
   ・本音を 地図から 正確に 冷静に すばやく 表情に
[よみなおす] 人ガ ものヲ
 ・自分の書いた答案をもう一度初めから読み直した。まずい文章だなあ。
 ・翻訳が一応終わったら、声を出してゆっくり読み直してみます。そうすると、文章の流れの悪い
  ところを見つけることができます。
   記事・原稿・作品・手紙・伝記・答案・物語・訳を 初めから もう一度
[よみながす] 人ガ ものヲ 
 ・ざっと読みながしたところでは、これは大した本ではない。
 ・読みながすだけではいけません。よく読んでください。
   手紙・本を 軽く
[よみなれる] 人ガ ものヲ 
 ・学生の間違った日本語も、読みなれてくると、これでもいいような気がしてくる。
 ・はじめはむずかしいが、読みなれるとなかなか味のある文章ですよ、これは。
   推理小説・文章を 論文・専門書を 行書・草書を
[よみふける] 人ガ ものヲ/ニ 
 ・部屋の本をかたづけていたら、古い日記が出て来たので、つい読みふけってしまった。
 ・妹は小説を読みふけっている。
 ・電車の中で漫画に読みふけっているサラリーマンが多い。
   小説・本・週刊誌を 新聞・報告・マンガの本に 夢中になって 熱心に 
[よみまちがえる] 人ガ ものヲ
 ・ときどき、漢字を読み間違えて恥をかくことがある。学校でよく勉強すべきだった。
 ・君はここの所の主旨を読み間違えているね。もう一度読み直してごらん。
      漢字・原稿・名前・文章を

<スル動詞>
[愛読(あいどく)する]  人ガ ものヲ
 ・私は若いころからこの小説を愛読しています。
 ・母が愛読していた詩集をその娘が愛読するようになった。
[立ち読み(たちよみ)する]  人ガ ものヲ
 ・本を買うときは、前書きと後書きを立ち読みしてからのことが多い。
 ・本屋でマンガや雑誌を立ち読みして時間をつぶすのが、私の息抜きです。
[読書(どくしょ)する]  人ガ ものヲ
 ・雨の日は部屋で読書して過ごすのがいちばんいい。
 ・今日は一日中のんびり読書しながら音楽を聞いていた。
[黙読(もくどく)する]  人ガ ものヲ
 ・黙読するよりも声に出して読んだ方が、文章のリズムがわかっていい。
 ・小さな子は、声に出さないで黙読するのはかえって難しいようだ。
[朗読(ろうどく)する]  人ガ ものヲ
  ・彼女が詩を朗読するのを聞くと、その詩の気持ちが伝わってくる。
 ・私は読むのが下手なので、小学校で朗読させられるのがどうもいやだった。

[6]聞く・尋ねる・問う
  「聞く」は、「話す」に対して、情報を受け取ることを表し、「読む」に対してその情報が音によ
るもので、耳によって受け取ることを表す。また、知りたいことを相手に投げかけて、その答えを求
める用法で、「尋ねる・問う」と類義になる。
  これらの動詞は、疑問節・引用節をとる。
   人ガ 人ニ 文(か)ト 動詞
   人ガ 人ニ 文か(どうか)(ヲ) 動詞
  質問を表す動詞の引用節の内容は疑問文である。

◇きく   
  「聞く」には、主に3つの用法がある。
     (1) 感覚的に音を耳がとらえる(「人ガ 音ヲ 聞く」)
     (2) 言語を耳でとらえ、その内容を理解する(「人ガ 話・言葉を 聞く」)
     (3) 言語活動として、人に質問する(「人ガ 人ニ ものヲ 聞く」)
 ここではあとの二つの用法について述べる。初めの用法は「感覚」でとりあげる。
 まず、人が言ったことを耳でとらえ、理解した場合。
   人ガ ものヲ きく
    人の話・ニュースを 聞く
 情報源を示す場合、「人ニ/カラ」あるいは「ものデ」で示す。
    人ガ 人ニ/カラ ものヲ きく
    それ、誰に聞いた?  この話は父から聞いた    ラジオ・ニュースで 聞く
 「人ニ ものヲ 聞く」の形は質問の意味にとられやすいので、「人カラ」のほうが情報源を示す
には誤解がない。
  内容が文で表される場合、「文ことヲ/文ト」の形になる。
   人ガ 人ニ/カラ 文ヲ/文ト きく
    会社が倒産したことを課長から聞いた     今日は休講だと友達に聞いた
  次に、知りたいことを人に告げて、答えを求める用法。「尋ねる」よりも日常的な言い方。
   人ガ 人ニ ものヲ きく
       警官に道を聞く  受験生に 名前・志望動機を 聞く
 疑問節・引用節をとる。引用節の内容は疑問文になる。
   人ガ 人ニ 文か(どうか)(ヲ)/文(か)ト きく
    ここにいるかどうか(を)聞く  いつまでいるか(と)聞く  「どこにいる?」と聞いた
◇複合動詞
 「聞く」の複合動詞は、「聞き-」が
     (1)感覚で音をとらえる
     (2)言語の内容を理解する
     (3)人に質問する
の3つの意味になりうる。すべての意味で使えるものも多い。ここでは(2)(3)の意味で使えるものを
とりあげる。
  「聞き合わせる」は、不明な点をあちらこちらに聞いて確かめること。
 「聞き込む」は、他から情報を聞いて知ること。
    関係各所に聞き合わせた  妙なうわさを聞き込む
 「聞き出す」は、聞き始めること。知りたいことをうまく人に言わせて聞くこと。
    情報を聞き出す 
 「聞きかじる」は、物事の一部分や表面的なことだけを聞いて知っていること。
    伝説を聞き覚えている   温暖化について聞きかじる
 「聞き及ぶ」は、人から聞いて知っていること。
 「聞き伝える」は、直接ではなく、人から聞いて知ること。
   かねてからそのことは聞き及んでいる  うわさを聞き伝えて訪ねてきた
 「聞き入れる」は、相手の希望や要求を聞いて、その通りにすること。
 「聞き届ける」は、上位の者が下位の者の願いなどを聞いて承知すること。 
 「聞きおく」は、一応聞くだけは聞いておくことが、返答はしないこと。少し古い表現。
      市民の願いを聞き入れる/聞き届ける  学生の要求を聞きおく
 「聞き飽きる」は、何度も聞いて、聞くのに飽きたこと。
 「聞き慣れる」は、聞くのに慣れること。名詞修飾「聞きなれた~」の形でよく使われる。
    その土地の方言を聞きなれる  あの人のわかりにくい話も聞き慣れた
 「聞き入る」は、耳を澄ませて熱心に、あるいはうっとりと聞くこと。 
 「聞き惚れる」は、心を奪われ、うっとりとして聞くこと。 
    講師の話に聞き入る  名人の落語に聞き惚れる 
 「聞き覚える」は、聞いて覚えること。また、覚えていること。
 「聞きつける」は、音や話を偶然聞いて、関心を持つこと。
       タイ語のあいさつを聞き覚える  妙なうわさを聞きつけた  
 「聞き取る」は、音や言葉を聞いて、正しく理解すること。可能の形「聞き取れる/聞き取れない」
  でよく使われる。
        外国語が聞き取れない  話がわかりにくくて聞き取れない
 「聞き分ける」は、いくつかの音や声を聞いて、違いを区別すること。
 「聞き直す」は、もう一度聞くこと。
    二つの発音を聞きわける  もう一度聞き直す
 「聞き返す」は、(よく聞こえなかったなどして)同じことをもう一度聞くこと。相手の質問に対し
  て、反対にこちらから尋ねること。
 「聞きとがめる」は、聞いたことの中の不審な点に気付き、それをとがめること。
    何度も聞き返す  逆に聞き返す  言い間違いを聞きとがめる
・不十分な聞き方を表す複合動詞を以下にまとめておく。
 「聞き誤る」は、内容を間違えて聞くこと。
 「聞き違える」は、内容を間違えて聞くこと。
 「聞き損なう」は、聞く機会を逃すこと。また、内容を間違えて聞くこと。
 「聞き逃す」は、聞く機会を逃すこと。
 「聞き忘れる」は、聞く機会を逃すこと。
 「聞き落とす」は、聞くべきことを、うっかりして聞かないでしまうこと。 
 「聞き漏らす」は、聞くべきことを、うっかりして聞かないでしまうこと。
 「聞き過ごす」は、いい加減に聞いたので、内容が頭に残っていないこと。
 「聞き流す」は、熱心に聞かず、聞いても心に残さないこと。
        説明を聞き誤る/聞き違える/聞き損なう 
        重要な所を聞き落とす/聞きもらう/聞き過ごす   説明を聞き流す
・「-きく」の形のもの
 「伝え聞く」は、昔からの言い伝えとして聞いていること。うわさで知ること。 
 「盗み聞く」は、人の話をこっそり聞くこと。
    同僚の話を盗み聞く

◇うかがう   
  「伺う」は、「聞く」の謙譲表現。「聞く」の聴覚の用法以外に対応する。
   人ガ 人ニ/カラ ものヲ/文か(どうか)(ヲ)/文(か)ト うかがう
       会長からお話を伺う
    社長に今後の計画を伺う  ご存じかどうか伺う  「
◇たずねる  
  「尋ねる」は、知りたいことを人に告げて、答えを求めること。疑問節・引用節をとる。引用節の
内容は疑問文である。
   人ガ 人ニ ものヲ たずねる
       道・住所・結果を 尋ねる
   人ガ 人ニ 文か(どうか)(ヲ)/文(か)ト きく
    何があるか(を)尋ねる  見たいかどうか(を)尋ねた
    ここにあるかと尋ねた  「あなたも行く?」と尋ねた
 (「たずねる」には、「探し求める」意の用法と、「訪問する」の意の用法がある。それらはそれぞ
れ「さがす」「訪ねる」のところで扱う。それぞれの複合動詞もそちらで。)  
・複合動詞 
 「尋ね当てる」は、人に聞いたりして探し、目的の場所を見つけ出すこと。
 「尋ね回る」は、あちこち回って尋ねること。
◇しつもんする  
  「質問する」は、わからないことを尋ねること。学校や会議などの場面で使うことが多い。また、
教師が学生に質問する場合は、学生に答えがわかるかどうかを確かめるため。疑問節をとる。
   人ガ 人ニ ものヲ/文か(どうか)(ヲ)/文(か)ト しつもんする
       報告者に問題点を質問する      どう考えるか・知っているかどうか 質問する

◇とう
  「問う」は、知りたいことの答えを相手に求めること。特に、ある人・ものの能力や価値を問題に
すること。相手に関する問題点を取り上げて追及すること。書きことば。
   人ガ 人ニ ものヲ/文か(どうか)(ヲ)/文(か)ト とう
       実験の結果を問う  市長の能力を問う  首相に解散するかどうか問うた
    続けるつもりがあるのかと問うた
 テ形・タ形は「とうて」「とうた」で、活用の例外である。
・複合動詞
 「問い合わせる」は、不明の点などを聞いて詳細を確かめること。
 「問い返す」は、一度たずねたことをさらにたずねること。また、相手の質問に答えずに、逆にこ
  ちらから質問すること。
 「問いかける」は、人に問いを出すこと。特に、重要な問い、予想外の問いなどに使われる。
 「問いただす」は、疑問・不審の点がなくなるまで徹底的に質問すること。
 「問いつめる」は、(あいまいな答えでなく)納得できる答えが得られるまで厳しくたずねること。
 「問い直す」は、(前の答えに満足せず)もう一度(改めて)たずねること。
◇ただす
 「質す」は、わからない点を聞いてはっきりさせること。書きことば。
   人ガ 人ニ ものヲ/文か(どうか)(ヲ)/文(か)ト ただす
        欠陥の有無をただす      首相が収賄に関与したかどうかをただした
 
きく(聞く)  五(きかない・ききます・きいて・きけば・きこう)
[1]〔人ガ ものヲ〕
 △聞きたい  聞き始める  聞いてほしい  聞いてみる  聞いておく  聞いてしまう
  聞いてはいけない  聞かなければならない  聞こうとする  聞かれる  聞かせる
  聞かせられる  聞け!  聞くな!  聞ける 
 △[よく/じっくり/注意(ちゅうい)して/真剣(しんけん)に/ぼんやり/じっと]~。
  [最初(さいしょ)から/半分くらい/だいたい/ぜんぶ/最後(さいご)まで]~。
   人の[話(はなし)/言葉(ことば)/意見(いけん)/要求(ようきゅう)/忠告(ちゅうこく)/
  頼(たの)み/願(ねが)い/批判(ひはん)/提案(ていあん)/説明(せつめい)]を~。
 ・しっ! 静かに! ニュースを聞いて! 何か事件(じけん)が起こったみたい。
 ・まいあさ出かける前に天気予報を聞くことにしています。
 ・見学をはじめる前に、まずわたしの説明を聞いてください。
 ・自分の意見を言うばかりでなく、あいての意見をよく聞くことも大切ですよ。
 ・父は一人むすめの私をとても大事にしてくれて、わたしの願いはたいてい聞いてくれた。
 ・ちょっと頼みたいことがあるんですが、聞いてもらえますか。
 ・ここなら誰にも聞かれないから、何を話しても大丈夫(だいじょうぶ)ですよ。
 ・この時間だと、ロシアの短波放送(たんぱほうそう)が聴けるよ。ロシア語はもちろんわからない
  けど、ロシア語の音を聞いているだけでちょっといい気分になるよ。
 ・田中教授の特別講義(こうぎ)、聞いてみたかったんだけど、今からじゃ間に合わないな。また聞
  けないのか。残念だなあ。
 ・あの人はすごい話し好きでね、いろんな話を聞かされたよ。聞いてためになる話、聞きたくない
  ような恐い話、いろんな話を聞かせてもらった。今はあの世で誰に聞かせているんだろうなあ。
 ・おまえは人の話を聞こうとしないから、こんなミスをするんだ。人の話はちゃんと聞け!
 ・この落語家(らくごか)の話を聞くといい。今時(いまどき)、あれだけ聞かせる落語家はほかにい
  ないよ。
[2]〔人ガ 人ニ/カラ ものヲ〕
 △[面白い話/知人のうわさ/最近のニュース/伝言(でんごん)]を~。
 ・「その話、誰に聞いた?」「誰って、みんな知ってるよ」
 ・今の中国の話を留学生(りゅうがくせい)から聞きました。いろいろと聞いたことのない話が聞け
  て、勉強になりました。
 ・おじいさんから父の子どものころのことを聞いて面白かった。
 ・さっき、佐藤さんに聞いたニュースなんだけど、加藤さん、中国へ行くんだって。
[文ことヲ] 
 ・きのうあなたが来たことを母から聞いてびっくりしました。あなたはまだインドにいると思って
  いたので。
 ・「あれ? みんなは?」「え? 集合が3時に変わったってこと、聞いてないの?」
 ・このプロジェクトは打ち切りになるということを、主任(しゅにん)の口から聞いた。
[3]〔人ガ 人ニ/カラ 文ト〕
 ・この辞書(じしょ)はぜったい買うべきだと聞いたので、さっそく買いにいった。
 ・伊東さんが亡(な)くなったと聞いて、いい人ほど早く亡くなるというのは本当だと思った。
 ・「今日は休講だって聞いたんだけど...」「誰から聞いたの?」「金田さんがそう言っていた」
  「それは、あの人の希望的観測(きぼうてきかんそく)よ」(「~って」=「~と」)
[4]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △[道/問題(もんだい)のこたえ/名前/住所(じゅうしょ)/都合(つごう)]を~。
  すきな[食べ物/色(いろ)/映画(えいが)/音楽/本/歌手(かしゅ)]を~。
 ・交番(こうばん)で道を聞いたら、くわしく教えてくれました。
 ・ちょうどいいところで会いました。あなたにはいろいろ聞いておきたいことがあります。
 ・電話であいての都合を聞いてから、会いに行ったほうがいいですね。
 ・女の人の年を聞いていいかどうかは、国によってちがうそうだ。日本では失礼になる。
 ・いま川口さんはどこに行っているのだろう。予定(よてい)を聞いておけばよかった。
 ・自分で考えたほうがいいことと、人に聞いたほうがいいことがある。
〔文か(どうか)(ヲ)〕
 ・あの人に、私が好きかどうか聞きました。返事は、、、「うん」でした!
 ・父にこれでいいかどうか聞いたんだけど、教えてくれなかった。
  ・値段(ねだん)はいくらか聞いてみたら、あまりにも高いので買うのはやめた。
  ・午前は都合(つごう)が悪いので、午後でもいいかどうか聞こうと思った。
[5]〔人ガ 人ニ 文(か)ト〕
 ・毎日何かあって出発(しゅっぱつ)が遅れ、いったいいつ出発するのかと聞かれた。
 ・「いつにする?」と聞かれたので、「いつでもいいよ」と答えた。
 ・あの二人は何とかならないものかとある人に聞いてみたが、もう別れるしかないだろうという答
  えだった。
 ・レストランでサラダをたのんだら「ドレッシングは何にしますか」と聞かれた。何でもいいよ。
 ・どんなタイプの男の人がすきかと聞かれても、かんたんには答えられないわ。

<複合動詞:きき->  (「感覚」の「聞く」参照)
[ききあきる] 人ガ ものヲ
 ・あの人は何度も同じ話をするので、もう聞き飽きた。
 ・落語というのはいつも同じ話を聞くのだが、名人がやると何度聞いても聞き飽きない。
   お説教を 同じような話で つくづく
[ききあやまる] 人ガ ものヲ
 ・ラジオの天気予報を聞き誤って、冬山で遭難してしまった。
 ・統計数字がたくさん出てくるので、聞き誤らないように注意して下さい。
[ききあわせる] 人ガ ものヲ 人ニ
 ・航空会社に電話して乗る飛行機の出発時間を聞き合わせた。
 ・こっちで勝手に決めないで、あちらの都合を聞き合わせておいたほうがいいよ。
   結果を 出発の時間を 都合・様子を
[ききいれる] 人ガ ものヲ
 ・P社はこころよく、こちらの要求を聞き入れてくれた。
 ・私たちは、この古い家をこわさないで残すように市に何度もお願いをした。しかし、その願いは
  とうとう聞き入れられなかった。
   希望・願い・望み・わがまま・忠告・諫言を 仕方なく どうしても~ない
[ききおく] 人ガ 人カラ ものヲ
 ・今回のところは、許可はせず、学生たちの希望を聞き置くだけにした。
[ききおとす] 人ガ ものヲ
 ・電話で友だちの本の名前を聞いたが、本屋の名前を聞きおとしてしまった。
 ・学生たちは、先生の話をひとことも聞きおとすまいと、いっしょうけんめいに聞いている。
   肝心なところを 指示・発言を うっかり
[ききおよぶ] 人ガ 文ト
 ・父が事故にあったと聞きおよんで、いろいろの人が心配して、電話をかけてきた。
 ・かねて聞き及ぶところでは、会社の上層部で以前から議論のある問題だということだ。
[ききかえす] 人ガ 人ニ ものヲ
 ・彼女のことばが聞き取れず、何度も聞き返した。
 ・そんなことが本当にあったのかと、半信半疑で聞き返した。
 ・変なことを聞かれたので、逆に聞き返した。「そう言うあなたは?」
   半信半疑に 本気で にこやかに 挑発的に 反射的に 不安そうに
[ききかじる] 人ガ ものヲ
 ・となりの家のきれいなむすめさんが結婚すると聞きかじったんだけれど、ほんとうだろうか。ざ
  んねん!!
 ・ちょっと電気のことを聞きかじったぐらいで電器屋をひらくなんてむちゃだ。
   噂を ちょっと  ~た知識
[ききこむ] 人ガ 人カラ ものヲ
 ・警察が近所の人からその日のことをいろいろと聞きこんでいる。
[ききすごす] 人ガ ものヲ
 ・その時は社長の言葉を何の気なしに聞き過ごしたが、後でその重大な意味に気がついた。
 ・重要なニュースをうっかり聞き過ごしてしまった。またどこかでやってないかな。
   音を 上の空で 何の気なしに うっかりと
[ききそこなう] 人ガ (人ニ) ものヲ
 ・寝坊して朝のニュースを聞き損なった。
 ・先生にはもっといろいろと聞きたかったのだが、突然亡くなってしまい、聞き損なった。
[ききそびれる] 人ガ 人ニ ものヲ
 ・最初に名前を言われたのだけど聞き取れなくて、確かめたかったが聞きそびれた。
 ・その後、彼女とどうなったのか聞きたかったが、あまり言いたくなさそうだったので、こちらも
  聞きそびれてしまった。
     名前を 話・話の先・方角を
[ききだす] 人ガ 人カラ ものヲ
 ・警官が小さな迷子から何とか名前を聞き出そうとして苦労している。
 ・目撃者から見たことを正確に聞きだすためには、質問のしかたが重要だ。
   名前・いきさつ・住所・過去・結果・結婚相手・心の奥・事実・事情・入手先・場所・番号・
   秘密・行方・わけを 巧みに・詳しく・すっかり・それとなく・無理に
[ききちがえる] 人ガ ものヲ
 ・客の数を聞き違えて、料理を少なく用意してしまった。
 ・話を聞き違えないで下さい。いいですか、私ではなく、あなたが当番だったんです。
   うわさ・音・数・声・言葉・時間・名・日数・話を
[ききつける] 人ガ ものヲ
 ・あの銀行が危ないうわさを聞きつけて、人々が銀行に集まってきた。
 ・僕が入院したということを聞きつけて、昔の友人が見舞いに来てくれた。
 ・あの電話の声は何度も聞きつけているから、会えば誰だかわかります。
   足音・噂・叫び・騒ぎ・事件・泣き声・配置換え・爆音・話・悲鳴・評判・物音を
[ききつたえる] 人ガ ものヲ
 ・彼の事務所には、評判を聞き伝えて、遠くの町からも依頼者がやってきた。
 ・奇跡を起こしたといううわさを聞き伝えて、彼のところに人々が集まってきた。
   慈悲の心・話・人の意見を
[ききとがめる] 人ガ ものヲ
 ・息子の言葉を聞きとがめて、父親が息子をきびしく叱った。
 ・首相の不用意な発言を聞きとがめて、野党が厳しく批判した。
   言い間違い・声・台詞・不用意な発言を  ~て注意する
[ききとどける] 人ガ ものヲ
 ・私たちの希望を聞きとどけてくれるまで、私たちは帰りません。
 ・神は私たちの祈りを聞き届けて下さるだろうか。
   祈り・希望・声・願い・不平を
[ききとる] 人ガ ものヲ
 ・遠い国からのラジオ放送をいっしょうけんめい聞き取ろうとした。
 ・労働者の不満をしっかり聞き取って、経営に生かさなければならない。
 ・あの人の英語はどこかの方言らしく、ほとんど聞き取れない。
   意味・英語・声・言葉・子細・事情・台詞・名前・ニュース・返事・物音を
   話・不満・不平を  つぶさに 詳しく  ~にくい声
  聞き取れる:言葉が明瞭に はっきりと さっぱり~ない 声が小さくて 雑音で
[ききながす] 人ガ ものヲ
 ・外国語はCDをかけて、ただ聞き流すのがいい練習になるそうだ。
 ・あの人の批判は大したことは言ってないよ。いい加減に聞き流せばいいんだよ。
   あいさつ・警告・言葉・頼み・忠告・毒舌・非難・批評・返事・要求を
   いい加減に さらりと 黙って ぼんやりと 笑って 上の空で
[ききなおす] 人ガ 人ニ ものヲ
 ・外国語の録音を何度も聞き直して、内容を理解した。
 ・では、もう一度言葉を変えて聞き直します。あなたは彼が嫌いなのですね。
[ききのがす] 人ガ ものヲ
 ・大事な講義を聞き逃した。誰か詳しくノートを取っていないだろうか。
 ・一度しか言いませんから、聞き逃さないようにして下さい。
   声・言葉・情報・話を 軽々しく 
[ききまわる] 人ガ ものヲ 
 ・容疑者の人間関係を関係者に聞き回った。
 ・殺人現場のあたり一帯を聞き回ったが、誰も犯人を見ていないようだった。
   辺り一帯・料理屋を あちこち 住所を頼りに
[ききもらす] 人ガ もの・文ヲ
 ・友だちがひっこしするという話は聞いたが、どこへひっこすのかは聞きもらした。
 ・その人にいろいろ話を聞いたのだが、かんじんの名前を聞き漏らした。
   音・談話・名・名前・ニュース・話・物音を あいにく
[ききわすれる] 人ガ ものヲ
 ・電話番号は聞いたんだが、住所を聞き忘れた。
 ・何か聞き忘れているような気がするので、思い出したら後で電話します。
<複合動詞:-きく>
[ぬすみきく] 人ガ ものヲ 
 ・母は人の電話を盗み聞く(=盗み聞きする)悪いくせがある。娘の私を信用していないんだわ。
 ・社長との話をライバルの部長に盗み聞かれたようだ。
     会話・密談・人の話・願い事・打ち明け話・やりとりを 聞くともなく

うかがう(伺う) 五(うかがわない・うかがいます・うかがって・うかがえば・うかがおう)
[1]〔人ガ 人カラ ものヲ〕
 △うかがいたい  うかがわなければならない  うかがおうとおもう  うかがえない
 △[一度/何度も/詳しく]~。
 △[話/事情(じじょう)/問題点(もんだいてん)/ご意見]を~。
 ・お話は奥様(おくさま)から伺っております。(=私が奥様から話をきいた)
 ・この点(てん)についてあなたの口からはっきりお伺いしたいのですが。(あなたから)
〔文ヲ〕
 ・とくべつな資料(しりょう)がこちらにあるということを伺ったのでまいりました。
[2]〔人ガ 人カラ 文ト〕
 ・きょうはどなたもいらっしゃらないと伺っております。(わたしが人から)
 ・こちらにこういう本があると大西先生から伺って来たんですが...。
 ・奥様(おくさま)からこちらにいらっしゃると伺ったので、お訪(たず)ねしました。
[3]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △うかがいたい  うかがってみる  うかがわなければならない  うかがおうとおもう
 △[一度/何度も/詳しく/ついでに/ちょっと/しつこく]~。
 △[お名前/ご住所/ご意見(いけん)/ご要望(ようぼう)/ご提案(ていあん)]を~。
 ・ちょっと伺いますが、くろしお出版(しゅっぱん)という出版社へは、どう行けばいいでしょうか。
 ・あちらの方のお名前はうかがってありますか。
 ・どういう料理がお好きか、前もって伺ってみました。
 ・すみませんが、連絡先(れんらくさき)をうかがっておきたいのですが、よろしいでしょうか。
 ・先生にご意見を伺った(=きいた)が何もこたえてくださらなかった。
 ・ご遺族(いぞく)のお考えを伺わずに話を進めるのはよくないと思いますが。
 ・しばらく会っていないので、ごきげんをうかがいにおじさんの家へ行ってみよう。
〔人ガ 人ニ 文か(どうか)(ヲ)〕
 ・山口先生は何時にいらっしゃるか、伺ってありますか。
 ・お答えが正しいかどうか(を)、ゲストの先生がたに伺ってみましょう。
 ・いったいどうなさるおつもりか(を)、社長に伺ってから始めたほうがいいですよ。
[4]〔人ガ 人ニ 文(か)ト〕
  ・「いったいこれはどういうことですか」と先生に伺ったが、先生は何もおっしゃらなかった。
  ・「あした、いらっしゃいます?」と伺ってみると、「もちろん」とお答えになった。
 ・どうしましょうかと伺うと、ほうっておけとおっしゃる。どうもごきげんななめのようだ。


たずねる(尋ねる)一(たずねない・たずねます・たずねて・たずねれば・たずねよう)
[1]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △たずねたい  たずねてみる  たずねておく  たずねてもいい  たずねてはいけない
  たずねようとする  たずねさせる  たずねられる 
 △[いくつか/いろいろと/ねんのため/とりあえず/さりげなく/しかたなく]~。
 △[道/場所/方向(ほうこう)/時間/名前/住所(じゅうしょ)/職業(しょくぎょう)]を~。
  [理由(りゆう)/目的(もくてき)/原因(げんいん)]を~。[行き方/使い方/食べ方]を~。
 ・場所がよくわからなかったので、駅前で行き方を人に尋ねました。
 ・さいきんは道などを尋ねても、うるさそうな顔(かお)をするだけで、教えてくれない人が多い。
 ・学生にどうして毎朝ちこくをするのか理由(りゆう)を尋ねたら、寒くて起きられないと言う。
 ・使い方をだれかに尋ねればいいのは分かっていたが、めんどうくさいので、だまっていた。
 ・会社の名前がおもしろいのでみんなにその由来(ゆらい)を尋ねられる。
 ・A:ねえ、駅はどっち。
  B:あなたねえ、人にものを尋ねるのなら、尋ね方というものがありますよ。「すいません」とか、
   「しつれいですが」とか言うものですよ。
 ・A:ちょっと、お尋ねしますが、駅はどちらですか。
  B:そういうことは交番(こうばん)で聞いてください。
  A:はあ。で、交番はどこですか。
  B:交番? 駅のそばですよ。
 ・乗客(じょうきゃく)の安否(あんぴ)を尋ねる電話が、航空会社(こうくうがいしゃ)にたくさんか
  かって来ている。
〔文か(どうか)(ヲ)〕
 ・彼女に留学するつもりかどうか(を)尋ねた。
 ・なぜそうなるのか(を)尋ねたが、先生も詳しくは知らないらしい。
[2]〔人ガ 人ニ 文かト〕
 ・あき子に恋人(こいびと)といつ結婚(けっこん)するのかと尋ねたが、わらって答えなかった。
 ・警官(けいかん)にここで何をしているんですか、と急に尋ねられて、びっくりした。
 ・この大学をえらんだ理由は何かと先生に尋ねられた。
 ・君も行くかと学生に尋ねたら、学生はくびをよこにふった。
[3]〔人ガ ものヲ〕               (→「探す」)        
 △[起源(きげん)/ルーツ]を~。
 ・日本人のルーツを尋ねて古代文明(こだいぶんめい)のあとをおとずれた。
 ・日本の楽器(がっき)の起源(きげん)を尋ねて、中国まで調査(ちょうさ)に行ってきました。
[4]〔人ガ 所・人ヲ〕          (→「訪ねる」)
 △[友だちの家/先生のお宅(たく)/博物館(はくぶつかん)]を~。
 ・6か月ぶりに友だちのアパートを訪ねたが、もうどこかへひっこしたあとだった。
 ・この夏休みに田中先生を訪ねよう(=訪問(ほうもん)しよう)と思い立った。

<複合動詞:たずね->
[たずねあてる] 人ガ ものヲ 
 ・あちらこちらの専門家に聞いて、とうとうその遺跡を尋ね当てた。
[たずねまわる] 人ガ ものヲ                                             →「訪ねる」
 ・知り合いを尋ね回って、その頃のことを知っている人を捜した。
 ・古本屋街で何軒も尋ね回ってみたが、求める本は見つからなかった。
   あちこち・知り合い・図書館・農家・古本屋街・様子を  近所の家を
  ・近所の家を訪ね回って、何とか必要なものを借り集めた。 


とう(問う) 五(とわない・といます・とうて[活用の例外]・とえば・とおう) 
[1]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △といたい  といかける  とうてほしい  とわないでほしい  とうてはいけない
  とわなければならない  とうべきだ  とおうとする  とわれる
 △[かならず/とうぜん/つぎつぎと/くりかえし/きびしく/しつこく/最後まで]~。
 △[氏名(しめい)と住所を/所在(しょざい)/ことの是非(ぜひ)/志望理由(しぼうりゆう)]を~。
  [責任(せきにん)/真価(しんか)/実行力(じっこうりょく)/力量(りきりょう)]を~。
  [真価(しんか)実力(じつりょく)/実行力(じっこうりょく)/底力(そこぢから)/]が問われる
 ・警官に氏名と住所を問われた。
 ・先方の意向(いこう)をまず問わなければならない。
 ・事故にあった乗客(じょうきゃく)の安否(あんぴ)を問う電話が、つぎつぎと航空会社(こうくう
  がいしゃ)にかかった。
 ・学歴(がくれき)、経験(けいけん)を問わず社員を募集(ぼしゅう)しています。
 ・企業(きぎょう)の幹部(かんぶ)に事故(じこ)の責任を問うことが必要だ。
 ・これは社長の判断力(はんだんりょく)が問われる問題だ。
 ・この政府で新しい未来をひらけるのかということが問われているのです。
〔文か(どうか)(ヲ)〕
 ・何が原子力の代わりになるか(を)問い続けている。
 ・この難問を解決できるのかどうかを問うている。
 ・我々の意識を変えていけるかどうかが問われている。
[2]〔人ガ 人ヲ ものニ〕
 △[殺人罪(さつじんざい)/窃盗罪(せっとうざい)]に~。
 ・小川さんはこの事件の共犯(きょうはん)に問われている。
 ・田中は車で人をひいたあと、逃(に)げてしまったので、ひき逃げの罪(つみ)に問われている。
[3]〔人ガ 人ニ 文かト〕
  ・この研究が何の役に立つのかと問われると、何とも答えようがない。
 ・我々は何をすべきかと問い続ける
  ・どうしたの、と問うと、別に、と答えが返ってきた。

<複合動詞:とい->
[といあわせる] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・細かいことは私にはわかりません。現地の担当者に問い合わせてください。
 ・先生の住所を大学に問い合わせたら親切に教えてくれた。
   安否・有無・事情・状況・成績・都合・様子を 電話で 先方・発売元に
[といかえす] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・あいまいな点があったのなら、はっきりと問いかえすべきでした。
 ・細かいデータの解釈を問い返されて、答えられなかった。
   逆に 正面から 目で まじめに いぶかしそうに 意地悪く 激しく
[といかける] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・教師は、学生が「え?」と思うような問題を学生に問いかけたい。
 ・就職の面接で、予想外のことを問いかけられてあわててしまった。
   夫・神・自分の胸・自分自身に 疑問・賛否・生き様を 小声で 漠然と
[といただす] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・税務署が金庫の中の金の出所を問いただしたが、妻は何も知らないというばかりだった。
 ・けんかで高校生がけがをした。教師はけんかの原因を問いただしたが、高校生たちは原因を明か
  そうとはしなかった。
   意味・気持ち・原因・見解・事情・本心・理由・わけ・過去・アリバイを
   夫・政治家に 必死に 執拗に 詳しく しつこく 直接会って~たいことがある
[といつめる] 人ガ 人ニ ものヲ 
 ・刑事は現場近くにいた男を問い詰め、犯行を認めさせた。
 ・「この口紅のあとは何なの!」と妻に問いつめられたが、知らないものは知らない。電車の中で
  ついたんだろう。
      大人・職員・両親・医者を できるかどうかを 納得するまで うるさく


しつもんする(質問する)  サ変(しない・します・して・すれば・しよう)
[1]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △質問したい  質問してみる  質問すべきだ  質問しようとする  質問させる
  質問される  質問させられる  質問しろ!  質問するな!
 △[急に/突然(とつぜん)/細(こま)かく/わざわざ/しつこく/くりかえし]~。
  △[意味/使い方/方法/趣味(しゅみ)/専攻(せんこう)/研究の意義(いぎ)]を~。
  ・面接(めんせつ)のはじめに、住所と職業(しょくぎょう)を質問された。
 ・発表者(はっぴょうしゃ)にいくつかの問題点を質問した。
 ・現状(げんじょう)について質問したが、相手は何も答えなかった。
 ・続けて質問しようとしたが、司会者(しかいしゃ)にさえぎられた。
 [~の質問をする]
  ・私にとって難しい箇所(かしょ)の質問をしたが、その答えもわからなかった。
  ・宗教(しゅうきょう)に関する質問をしないようにして下さい。
〔文か(どうか)(ヲ)〕
 ・先生にどちらのやり方がいいのか質問したら、どちらでもいいと言われた。
 ・広報担当者(こうほうたんとうしゃ)に新しい情報(じょうほう)がないか質問したが、まだないと
  いうことだった。
[2]〔人ガ 人ニ 文(か)ト〕
 ・学生に「このデータをどう解釈(かいしゃく)しますか」と質問したら、「僕たちの考えを聞くよ
  り、先生の答えを教えてください」という返事が返ってきた。なんということだ。
  ・先生に分からない点を質問したら、「君はどう思う?」と逆に質問された。


ただす(質す)  五(たださない・ただします・ただして・ただせば・ただそう)
[1]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 △ただしたい  ただすべきだ  ただそうとかんがえる  ただされる  ただせ!
 △[細かく/詳しく/しつこく/何度も/くりかえし/根本(こんぽん)から]~。
  △[意見/意向(いこう)/意味/考え/疑問/事情(じじょう)/真偽(しんぎ)/わけ]を~。
  ・議長が提案者(ていあんしゃ)の意見を質した。
 ・野党(やとう)が首相(しゅしょう)に解散(かいさん)の有無(うむ)を質したが、回答はなかった。
〔文か(どうか)(ヲ)〕
 ・候補者(こうほしゃ)に政府の政策を支持(しじ)するかどうか(を)質してみるべきだ。
 ・今後どうするつもりかを質した。
 ・記者が大臣にこうした実態(じったい)をどう見るか質すと、大臣は言葉を濁(にご)した。
[2]〔人ガ 人ニ 文かト〕
 ・質問者は首相に公約(こうやく)を実現させる気があるのかと質した。
 ・「いじめの事実を知っていたか」と質すと、校長は「知らなかった」と答えた。

[7] 答える
 相手の質問に対して、返事をすること。「尋ねる」が「人ニ ものヲ」の文型をとるのに対して、
「×人ニ ものヲ」と言えない。「相手に」「(相手の)質問に」のどちらかとなる。

◇こたえる
  「答える」は、相手の質問・あいさつなどに対して、相手が求める言葉を返すこと。試験で、問題
を解いて答えを出し、書いたりすること。ニ格をとるが、「人に」または「ものに」のどちらか一つ
をとる。
   人ガ 人ニ/ものニ こたえる
       質問・質問者に 答える  あいさつ・要求に 応える
 「×人に質問を答える」という形はとれない。
 あいさつなどには「応える」という表記も使われる。
 疑問節・引用節をとる。
   人ガ 文か(どうか)(ニ) こたえる
    どれにするか答える   続けるかどうか答える
◇おうじる
  「応じる」は、相手からの働きかけに対して、行動を起こすこと。
   人ガ ものニ おうじる
    あいさつに応じる  注文に応じる
・複合動詞「応じかねる」は、応じることができないということを表す。
◇スル動詞
  「応答する」は、呼びかけや問いかけに対して答えること。
 「回答する」は、質問や要求に対して、(正式に)答えること。
 「解答する」は、問題や質問に対して答えること。
 「返事する」は、呼びかけ・質問・あいさつなどに答えること。特に、手紙に答えること。
 「返答する」は、相手からの質問・依頼・要求に対して答えを相手に伝えること。
 「反応する」は、人が他からの働きかけに応じて何らかの変化や動きを見せること。


こたえる(答える) 一(こたえない・こたえます・こたえて・こたえれば・こたえよう)
[1]〔人ガ 人・ものニ〕
 △こたえたい  こたえてほしい  こたえておく  こたえてくれない 
  こたえるべきだ  こたえようとする  こたえられない  こたえさせる  
 △[すぐに/はっきり/しっかり/うまく/正しく/正確(せいかく)に]~。
  [正直(しょうじき)に/ごまかさずに/あいまいに/いいかげんに/でたらめに]~。
 △[問い/質問(しつもん)/アンケート/来客]に~。
 ・きゅうに聞かれたので、先生の質問にうまく答えられなかった。(可能)
 ・私が答えようと思ったが、田中に先に答えられた。(受身)
 ・ごまかさないで、私の質問にちゃんと答えろ。
 ・このアンケートに答えてくださった方には、コーラを1本さしあげます。
 ・彼には答えたのに、私には答えてくれないんですか。
 △[批判(ひはん)/要求(ようきゅう)/要望(ようぼう)/期待(きたい)]に~。
  [リクエスト/アンコール/拍手(はくしゅ)]に~。
 ・会社はわたしたちの要望に応えて、週に2日ずつ休むことにした。
 ・日本選手団は国民の期待に応えてがんばったが、やっぱりまけてしまった。
 ・リクエストにお応えして、つぎに「トロイメライ」(のレコード)をおかけします。
 ・田中さんは客席の拍手に応えて手をふった。
 ・カラヤンは聴衆(ちょうしゅう)のアンコールに応えて、またステージに出てきた。
〔文か(どうか)(ニ)〕
 ・最終的(さいしゅうてき)にどうするのか、答えなければなりません。
  ・どうするんですか。中止(ちゅうし)するのかどうか、答えてください。
[2]〔人ガ 人・ものニ 文ト〕
 ・警察(けいさつ)は、新聞記者(きしゃ)の質問に「今は何も話せません」と答えるばかりだった。
 ・正しいと思ったら「はい」と、まちがっていると思ったら「いいえ」と答えてください。
 ・その電話が仕事の注文(ちゅうもん)なら「できません」と答えておいてください。


おうじる(応じる)  一(おうじない・おうじます・おうじて・おうじれば・おうじよう)
[1]〔人ガ ものニ〕
 △おうじたい  おうじておく  おうじなければならない  おうじろ!  おうじるな!
 △[気軽(きがる)/きまじめ/にこやか/無愛想(ぶあいそう)/冷静(れいせい)]に~。
  △[あいさつ/訴(うった)え/希望(きぼう)/好(この)み/相談(そうだん)/取材(しゅざい)/
   請求(せいきゅう)/説得(せっとく)/対話(たいわ)/変更(へんこう)/和解(わかい)]に~。
  ・インタビューを申し込まれたので、こころよく応じた。
  ・裁判所(さいばんしょ)の和解案(わかいあん)に応じることにした。
 ・その要求(ようきゅう)には絶対に応じられない。
 ・次のような場合は、払い戻(はらいもど)しの請求に応じなければならない。
 ・あの店では、客の注文(ちゅうもん)に応じて味付(あじつ)けを変えている。
 ・相手の攻(せ)め方に応じて守(まも)り方を考える。
 ・好みに応じて調味料(ちょうみりょう)を使ってください。
  ・この塾(じゅく)では、一人一人の個性(こせい)に応じた指導(しどう)を行っています。

<複合動詞:おうじ->
[おうじかねる]  人ガ ものニ
 ・残念ながら、ご要望には応じかねます。
 ・さすがに、その客の要求には応じかねた。あまりにも勝手(かって)な要求だったから。
                
<スル動詞>
[応答(おうとう)する]  人ガ 人・ものニ
 ・無線で呼んでも、だれも応答しません。何かあったのでしょうか。
 ・NGOの代表は落ち着いた態度で質問に応答した。
[回答(かいとう)する]  人ガ 人・ものニ
 ・アンケートの質問に回答(を)した。 
 ・誰かが回答(を)してくれるのを待っています。
[解答(かいとう)する]  人ガ ものニ
 ・章末の練習問題に解答(を)した。 
 ・問題の出来をチェックするため、この設問に解答(を)してみてください。

[返事(へんじ)する]  人ガ ものニ
 ・先生に名前を呼ばれたので返事(を)した。
 ・友達からのメールに返事(を)しなかったら、仲間はずれにされた。
 〔人ガ 人ニ 文ト〕
 ・部長が「こっちを手伝ってくれ」と電話してきたが、「こっちはもっと忙しいんです」
  と返事(を)して電話を切った。クビになるかな。
 ・「だんなー」と呼ばれたので、「なんだー」と返事(を)した。
[返答(へんとう)する]  人ガ 人・ものニ
 ・以下の疑問に対して返答していただきたい。
 ・詳しい事情を知らない役員ではなく、担当者にきちんと返答してほしかった。
[反応(はんのう)する]  人・ものガ ものニ/ものト
  ・タンク内のガスが酸素と反応(を)して爆発したらしい。
 ・彼女は彼の質問に反応(を)して、表情を変えた。

[8] 黙る
  言語行為を表すとは言えないが、「言う・話す」に密接な関係を持つ動詞。

◇だまる
 「黙る」は、ものを言うのをやめること。「-ている」の形で、ものを言わない状態を保つこと。
特に、秘密など、言うべきでないことを言わないこと。後者は相手のニ格をとる。ヲ格をとることも
ある。「(人に)だまって~する」の形で、人に知らせずに何かをすること。
   人ガ だまる
    話をやめて黙った  黙っていなさい 
      人ガ 人ニ (ものヲ) だまっている
    人には黙っていてください  このことを母に黙っていていいだろうか
        黙って他人のものを使う
・複合動詞
 「黙り込む」は、(今までしゃべっていたのに)急に黙り、黙った状態を続けること。
 「黙り通す」は、長い間黙り続けること。
 「黙りこくる」は、(話したくないという態度で)いつまでも黙っていること。
・スル動詞
  「沈黙する」は、黙った状態でいること。社会的な発言についても言う。


だまる(黙る) 五(だまらない・だまります・だまって・だまれば・だまろう) 
[1]〔人・ものガ〕
 △だまりかける  だまってほしい  だまってしまう  だまらなくてはいけない
  だまっていてはいけない  だまっていてもらう  だまっていようと思う  
  だまらせる  だまらされる  だまりがちだ 
 △[ちょっと/少し/急に/とつぜん/ふと/やっと]~。
  [しばらく/ずっと/しずかに/いつまでも/いつも]だまっている
 △[人/アナウンサー/講師(こうし)/人々(ひとびと)/みんな]が~。
 ・おしゃべりをしていた子どもたちは、先生に注意されてやっと黙りました。
 ・試験(しけん)の間は黙っていなさい。
 ・となりの人のテレビはうるさすぎる。もう黙っていられない。しずかにしてくれるように言おう。
 ・あなたも黙ってないで、あなたも何か意見を言ったらどうですか。
 ・A:黙ってないで、何とか言ったらどうだ。
  B:もうし上げる事は何もありません。
  A:ええい、黙れ。
  B:?
 ・「黙ってすわれば、ピタリとあたる。」(うらないが)
[2]〔人ガ 人ニ ものヲ〕
 ・どうか、この事はほかの人には黙っていて(=言わないで)ください。(≠黙ってください)
 ・私の自転車(じてんしゃ)に黙ってのっては、こまる。(=私に「のります」と言わないで)
 ・良い事は黙って(=その事を人に言わないで)やるものだ。
 ・先生に黙って旅行(りょこう)などに行かないでください。
 ・姉は、親に黙って結婚してしまった。
 ・このことは、あなたには黙っていようと思っていたのですが、やはり言っておきましょう。

<複合動詞:だまり->
[だまりこくる] 人ガ
 ・けんかをした学生をよんでわけを聞こうとしたが、二人とも黙りこくってばかりいて、話そうと
  しなかった。
 ・泣いた後しばらく黙りこくっていた子供が近寄ってきて、「ごめんなさい」と言った。
   不機嫌に 悔しそうに 気まずく むっつりと 終日~て過ごす
[だまりこむ] 人ガ
 ・妻からいろいろ言われても、夫は何も言うことができず、黙りこんでしまった。
 ・目撃者の女性は、警察で何を聞かれてもじっと黙り込んだままだった。
   硬い表情で 陰気に かたくなに 不愉快そうに じっと むすっと 陰気に
[だまりとおす] 人ガ
 ・友だちと二人でやったことはだれにも言わない約束なので、先生に何をきかれても黙り通した。
 ・どんなことがあっても口をきいてはいけない。じっと黙り通すのだ。いいな。
      黙りとおした年月
<スル動詞>
[沈黙(ちんもく)する]  人ガ 
 ・報復を恐れ、目撃者達は沈黙(を)していた。
 ・強大な権力によって人々は沈黙(を)させられていた。
 ・この問題について、あなたが沈黙し続ける理由は何ですか。

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